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『10年後の仕事図鑑』を読めばAIが怖くなくなる理由

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近年のビジネス書で売上げランキング上位に入った本の中でも、『10年後の仕事図鑑』は時代の先端を走る2人の共著という点で大きな話題を集めました。本書は堀江貴文氏と落合陽一氏の2人による対談に近い形式で書かれており、それぞれ堀江パートと落合パートからなるセクションを交互に配置しているのが特徴です。

ともにインフルエンサーとして大きな影響力を持つ2人が近未来の仕事についた語り合った『10年後の仕事図鑑』のエッセンスについて、AIというキーワードから読み解いてみました。本書がどのような人に役立つのかという点についても、記事の後半で解説します。

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『10年後の仕事図鑑』の内容

『10年後の仕事図鑑』の共著者・堀江貴文氏と落合陽一氏はともにビジネス書の分野で人気を集めていますが、SNSを通じた情報発信でも大きな影響力を発揮してきました。メディアアーティストや大学教員・研究者・実業家など多彩な顔を持つ落合陽一氏は、『魔法の世紀』『日本再興戦略』といった著作で知られています。元ライブドア社長の堀江貴文氏は実業家として会社経営に携わる傍ら、宇宙ロケット開発からスマホアプリプロデュースまで幅広く手がけ、『ゼロ』『本音で生きる』『多動力』など多数の著作があります。

あとがきから推察されるように、本書は2人の共著者が何度か対談を重ねた音声を基に、ライターが文章に起こして1冊の本にまとめた著作です。タイトルは『10年後の仕事図鑑』となっていますが、ビジネス書ではよくあるようにタイトルと内容は必ずしもイコールではありません。本書の全編を仕事図鑑で占めているわけではなく、イラスト付きで職業を紹介している部分は全体のごく一部です。

AIに対する危機感をプラスに変える

本書の全体は「Chapter0」を含めて7つの章からなり、そのうち「Chapter2」と「Chapter3」の2章が仕事図鑑に該当します。本書はAIに仕事を奪われることへの危機感とAI時代を生き抜くための心構えが1つのテーマですが、「Chapter4」以降はお金や教育・高齢化社会にまでテーマが拡大されています。

まず「Chapter0」でAI時代に対する2人の基本的な考えが示された後、「Chapter1」でその危機感をプラスに逆転させる発想が語られるというのが序盤の大まかな流れです。「Chapter1」ではAIに仕事を奪われることが必ずしも悲観すべきではない理由が示され、働き方に対する発想を変えるべき点が強調されます。

後半の読みどころ

「Chapter2」では10年後になくなると予想される仕事や変わる仕事の例がわかりやすい図鑑の形で紹介される一方で、落合氏はAIに真似のできない仕事の価値についても示唆を与えています。こうした「なくなる仕事リスト」を「血液型占いくらいの精度しかない」と考える堀江氏は、AI時代に対してもポジティブな意見の持ち主です。10年後に生まれる仕事や伸びる仕事の例を紹介した「Chapter3」は、AIに仕事を奪われるのではないかと不安を抱いている人たちに勇気を与えてくれます。

「Chapter4」ではお金に関する将来像にテーマが移り、信用や価値の重要性に関する2人の考えが展開されます。テーマを教育問題や高齢化社会にまで拡大した「Chapter5」も、日本という国の問題点を再認識するきっかけとなる部分です。これからのAI時代を生き抜くための心得が語られる「Chapter6」まで読み進めれば、働き方に対する認識も変わってくるはずです。

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『10年後の仕事図鑑』のポイント

『10年後の仕事図鑑』では特に10年後「なくなる仕事・変わる仕事」や「生まれる仕事・伸びる仕事」についてイラストを使って解説した部分は、視覚的効果もあって読みやすく工夫されています。普段はあまりビジネス書などを読まないという人でもこうした図鑑の部分から入っていけば、世の中の仕事に対する理解が深まるのは間違いありません。

そこから「Chapter0」や「Chapter1」にさかのぼって読んだり、「Chapter4」以降に進んだりすることで2人の著者の刺激劇な考え方に触れることができます。重要な部分には青色でアンダーラインが引かれていますので、その文章に注目しながら読み進めればポイントを見落としません。

10年後になくなる意外な仕事

プロ棋士との対決など話題性が先行していた面もあったAI=人工知能は、さまざまな産業分野で実用化の段階に入ってきています。人間がAIに仕事を奪われるという時代はもはやSFの世界ではなく、現実に迫っている出来事なのです。

近い将来に製造や事務などの単純労働をAIが担当するようになるというのは大前提で、『10年後の仕事図鑑』ではさらに一歩踏み込んだ予測を10年後の仕事図鑑として紹介しています。AIによって10年後になくなる仕事の中にはそうした単純労働だけでなく、管理職や経営者・弁護士・研究者までもが含まれます。従来はAIが苦手だと見られていたクリエイティブな分野の仕事も絶対安心とは言えず、職種によってはAIに取って代わられる可能性がゼロではないのです。

AIの限界と人間の優位性

こうして10年後になくなる仕事や変わる仕事が紹介されているからと言って、本書はAIに仕事を奪われるという不安を煽り立てるのを目的に書かれた本ではありません。本書はむしろ人間にしかできない仕事も紹介し、AIを活用することで伸びる仕事の方を重視しています。AIに多くの仕事が代替された未来において、いかに人間の価値を見出すかという点が本書で最も重要なポイントなのです。

本書では時としてウサイン・ボルトや本田圭佑といった有名アスリートの例を挙げながら、唯一無二の人間が持つ価値についてわかりやすく解説しています。本書を読むことによってAIの持つさまざまな可能性について学べると同時に、AIの限界と人間の優位性に対しても再認識できるのです。

『10年後の仕事図鑑』はこんな人におすすめ

『10年後の仕事図鑑』は必ずしも世の中にあるすべての職業について網羅した本ではありませんが、AIの普及によってどのような仕事が影響を受けるかという点についてはわかりやすく解説されています。そのため本書はこれから社会に出て働こうとしている学生や、社会人になって間もない人たちにおすすめの本です。

就職活動や転職に生かす

この本が最も役に立つと考えられるのは、就職活動や転職を検討する際に職業選択の判断を下すタイミングです。自分が選ぼうとしている仕事が将来AIに取って代わられる可能性があるのかどうかという問いは、これからの時代に仕事を通じた人生設計を考える上でどうしても避けられません。自分が選ぼうとしている仕事は機械にも可能なのかどうか、それとも人間にしかできない仕事なのかという点は判断が難しい面もありますが、本書はその判断材料を提供してくれます。

今の仕事が将来AIに取って代わられると判断される場合でも、趣味の分野が突破口になってくる可能性があります。このジャンルに関しては誰にも負けないと言えるほど徹底して打ち込んでいる趣味を持っていれば、仮にAIの普及で仕事を失った場合でも趣味を仕事にして収入を得る道が開けるのです。自分が本当にやりたいことは何なのか、自分には誰に負けない得意分野があるのかどうかという点を見つめ直すのにも本書は役に立ちます。

40代から50代にもおすすめできる理由

本書では教育やさまざまな社会問題に関する2人の著者独自の意見も盛り込まれているため、人によっては反発を覚える可能性があります。そうした多様な考えに接することで人間は成長していく面もありますので、本書に書かれていることを鵜呑みにせず自分の意見を確認しながら読み進めることも大切です。

特に「Chapter6」は自己啓発的な章で若い世代の人に勇気を与えてくれる部分ですが、本書はある程度の社会経験を積んで現在の仕事の意義に疑問を抱いているような人にもおすすめです。実際にこの本は20代だけでなく40代から50代の読者層にも売上のピークがあって、AI時代を生き抜くためのアイデアが凝縮されている点に幅広い世代が注目している事実が窺えます。現在の仕事にやりがいや労働条件の面で不満を抱いている人が本書を読めば将来性がある仕事への転職はもちろん、これまで培ってきたノウハウや人脈・趣味を生かした独立起業に向けてのヒントも得られるのです。

まとめ

人的コストの大幅な削減につながることから、これからの時代は多くの企業がAIの導入を進めると予想されているのは事実です。定型的な仕事や管理するだけの仕事など、簡単に代用が効く職種に関してはAIに仕事を奪われる結果となります。

だからと言って悲観的になる必要はないという点は本書に書かれてある通りで、むしろこれからの時代ではAIを使いこなして価値を生み出すという視点が欠かせません。本書を読むことでそうした発想の逆転を持つきっかけとなり、働き方が大きく変わる可能性が出てきます。

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