音声版SNSのクラブハウスとは?話題沸騰で招待コードの高額転売も

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音声チャットでやり取りを行うアメリカ発のSNS「Clubhouse(クラブハウス)」が日本に上陸し、早くも話題沸騰となっています。本国アメリカでも2020年に運用開始されたばかりの新しいサービスだけに、現在はまだ登録やOSなどに制限のある状況です。

それにも関わらずクラブハウスの人気が日本でこれだけ爆発しているのはなぜなのか、招待コードが高額で転売されるほどのブームを呼んだ理由について考察してみました。現時点ではクラブハウスを利用して収入が得られるわけではない状態ですが、将来的な収益化の可能性についても記事の後半で解説します。

Clubhouse(クラブハウス)とは?

2021年に入ってから降って湧いたように突如として話題を集めているClubhouse(クラブハウス)とは、2020年4月にアメリカで発足した音声SNSのサービスです。クラブハウスは「音声版Twitter」とも呼ばれているように、会話などの音だけを使ってコミュニケーションを行います。

相手をフォローする仕組みなどはTwitterとも似ていますが、クラブハウス上で交わされた会話は記録に残らないのが大きな特徴です。クラブハウスの音声は録音が禁止されているため、Twitterのようにリツイートして拡散したりするような仕組みはありません。

ユーザーは「room」と呼ばれるコミュニケーションの場を設定可能で、このroomには誰でも出入りできます。room内で交わされている会話をリスナーとして聞くだけでなく、モデレーターと呼ばれる司会役の許可を得られれば、スピーカーとして発言することも可能です。

日本でクラブハウスの運用がスタートすると同時に実業界や芸能界からも参加者が相次ぎ、有名人同士が会話を交わすroomも次々と立ち上げられています。クラブハウスのユーザーになれば有名人たちがリアルタイムで交わす会話を聴けるようになる上に、うまくすれば発言権まで与えられる可能性も出てくるのです。もちろん自分でroomを作って音声を使った情報発信の場を設けることも可能で、従来のSNSとは一味違ったコミュニケーションが楽しめます。

クラブハウスの人気が急上昇している理由

日本でクラブハウスの運用がスタートしたのは2021年の1月23日で、ネット上ではそれから1週間かそこらで話題沸騰の状況となりました。とは言えクラブハウスのアプリがインストールできるのは現時点でiPhoneなどiOSの端末(iOS13以上)に限られ、Android版の開発はまだまだ先の話です。

日本では海外よりiPhoneを使っている人の割合が高いとは言え、クラブハウスがこれだけの人気を集めたのはいくつかの理由が考えられます。クラブハウスは招待制のSNSで、誰でも簡単に参加できるわけではないという希少価値が理由の1つです。iPhoneのユーザーならアプリそのものはインストールできますが、実際にクラブハウスのサービスを利用できるのは既存ユーザーから招待された人に限られます。

Clubhouse: Drop-in audio chat

Clubhouse: Drop-in audio chat
開発元:Alpha Exploration Co.
無料
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当初は登録に必要な招待コードが1人のユーザーにつき2人分までしか発行されなかったため、日本上陸とともに招待コードの争奪戦が発生しました。ユーザーから招待される以外にも、クラブハウスに申請すれば登録が可能になる場合もあります。それがいつになるのかわからないことから、1日でも早く登録したいという人を対象に招待コードを高額転売する動きが出てきたのです。

メルカリでもクラブハウスの招待コードが多数出品されましたが、「サービス・権利など実体のないもの」はメルカリの規約で出品が禁止されています。現在はメルカリでクラブハウスの招待コードを見かけなくなり、新たな出品があってもすぐに削除されている状況です。この記事を書いた時点ではヤフオクでまだ出品が見られますが、メルカリと同様の規約があるため、いずれは削除される可能性があります。

実際にはiPhoneの電話帳に相手の電話番号を登録していれば、招待枠を使わなくてもクラブハウスへの招待は可能です。そのへんの仕組みが周知されていなかったために「1人で2人分しか招待されない」という情報が一人歩きし、招待コードが高額転売される事態を招いてしまった面があります。

招待コードの転売は何が問題?

メルカリでは一時1万円を上回るような価格でクラブハウスの招待コードが高額転売されていましたが、ヤフオクでは即決価格が数千円程度で出品されている状況です(2021年2月2日現在)。中には即決価格が1,000円を切る格安出品の例も見られ、一時期からすれば価格相場が下がってきています。出品数も極めて多い状況で、それだけ多くの人が招待コードを入手してクラブハウスのユーザーになっている証拠です。

サービス開始当初ほどの希少価値はなくなりつつああるとは言え、しばらくは今のような状況が続くと見られます。ゲームアカウントやアイテムを売買できるフリマサイトのRMT.clubでも、クラブハウスの招待コードは5,000円前後の価格で多数出品されている状況です。

2020年までは存在しなかった新しい「商品」が転売市場に突如として出現した様相を呈していますが、招待コードの安易な転売にはリスクも伴います。クラブハウスがこうした招待制を採用している背景には、ユーザーを厳選してサービスを健全化しようという狙いがあるはずです。

それでもアメリカではクラブハウス内でヘイト発言が横行している状況にあって、音声の録音が禁止されているために証拠が残りにくいという問題点も指摘されています。ヘイト発言や誹謗中傷の温床となるのを防ぐ目的もあって、クラブハウスでは新規ユーザーの登録を招待制としているわけです。

問題行為があったユーザーがアカウント停止となった場合、そのユーザーを招待した人にまで累が及ぶ可能性があります。ネットオークションなどを利用して見ず知らずの相手に招待コードを転売するのは、そういったリスクと背中合わせだという点に注意が必要です。逆の立場で相手から招待コードを購入する際にも電話番号を教える必要があることから、素性の知れない相手だと番号が悪用されるリスクがあります。

収益化の可能性は?

クラブハウスには他のSNSと違って広告が掲載されず、ライブ配信アプリのような投げ銭の機能もありません。サービスを利用して収入を得る仕組みは整備されていませんが、クラブハウスの運営会社は将来的な収益化に向けた資金調達に着手しています。クラブハウスで計画通りにクリエーター助成プログラムが実現すれば、YouTubeのように収益が還元されるシステムが実装可能になるはずです。

「音声版ブログ」と呼ばれるポッドキャストのサービスでも広告を掲載したり、投げ銭システムを導入したりする動きが出ています。クラブハウスにそうした仕組みが備わるようになれば新たな副業の手段として普及が一気に進み、ユーザー数が急増する可能性は大いにあります。

音声だけのコミュニケーションは不便のように思いがちですが、視覚的な情報に煩わされないで感情や知性に訴えかけられるというメリットも見逃せません。「ながら視聴」も可能な音声メディアは動画でのやり取りより負担が軽く、相手と緩くつながながらコミュニケーションを行うのに適しています。テレビが普及して以降もラジオが現在まで生き残ってきたのは、音声だけのメディアならではの強みがあるという証拠です。

ポッドキャストやオーディオブックが人気を集めているように、最近は音声メディアの再評価が進んでいます。クラブハウスはそんな時代の潮流にマッチしたコミュニケーション手段だけに、収益化が実現すればYouTube並みの巨大市場に成長するかもしれません。参入者が少ない今のうちにクラブハウス内で地位を築いておけば、マネタイズが可能になった暁に先行者利益を得られるようになります。

まとめ

room内で自由に雑談するのもよし、音楽配信に利用するのもよし、音声コミュニケーションに特化したクラブハウスには無限の可能性が秘められています。登録が招待制で既存ユーザーから招待コードを提供してもらう必要があることから、話題沸騰を受けて招待コードが高額転売されるような混乱も見られる状況です。

それだけ音声を使った自由なコミュニケーションには大きな魅力がある証拠で、従来のSNSにはなかった新しい利用方法が考えられます。現時点では収益度外視で純粋にコミュニケーションを楽しむ場として人気を集めていますがですが、いずれはクリエーターに収益が還元されるシステムの導入も計画されています。Android版のリリースがいつになるのかという点も含め、この先もクラブハウスの動向からは目が離せません。

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