コロナで仕事を休業させられた人がもらえる休業支援金・給付金とは?

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新型コロナウイルスの影響で店の仕事を休ませられたり、バイトのシフトを減らされたりして収入が激減してしまった人が増えています。「コロナで収入がゼロになってしまった」などという悲惨な例も見られますが、そんな人が是非利用したいのが国の休業支援金・給付金制度です。

会社が休業手当を払ってくれなくても、休業支援金・給付金なら個人で申請して国から支給を受けられます。2020年7月にスタートしながら周知があまり進んでいない休業支援金・給付金について、申請方法や注意点をまとめてみました。

休業支援金・給付金とは?

コロナ禍で経済に甚大な悪影響が出ている中で、国民の生活を支援するためのさまざまな制度が次々とスタートしています。中小企業や個人事業主を対象とした持続化給付金はその代表的な例ですが、会社に雇用されている人の多くは制度の対象外です。

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影響が大きかった観光業や飲食業・イベント関連では、従業員として会社や店に雇用されながら生計を立てていた人も少なくありません。コロナの影響で宿泊施設や飲食店の売上が大きく落ち込み、イベントの中止も相次いでいる状況です。

支給される条件と金額

コロナで打撃を受けた運営会社は従業員を休ませたり勤務シフトを減らしたりして人件費を節約し、売上激減の危機を乗り切ろうとします。結果として仕事を休ませられても休業手当を払ってもらえず、生活が苦しくなったという人が続出しました。

休業支援金・給付金はそんな労働者を救済する目的で創設された国の制度で、令和2年4月以降の休業が支給の対象となります。コロナの影響で収入が大きく減ってしまったという人のうち持続化給付金は個人事業主が対象ですが、休業支援金・給付金は会社に雇用されながら休業手当を受け取れない労働者が対象です。雇用保険に加入して働いている人には休業支援金が支給され、雇用保険に加入していない人は休業給付金が支給されることになります。

支給されるのは休業する前賃金の80%に相当する金額で、1日あたり11,000円が上限です。休業前に1日13,750円の給料をもらっていた人は、80%でちょうど上限の11,000円とります。その人が月に25日間働いたと仮定すると、コロナの影響で1ヶ月間すべて休ませられた場合は275,000円が国から支給されるという計算です。

令和2年4月から9月までの休業については、申請期限が令和2年12月31日に迫っています。令和2年10月から12月までの休業は令和3年3月31日が申請期限で、令和3年1月以降分についての休業も同5月31日の期限で対象期間が延長されました。休業支援金・給付金に関する詳しい情報は、厚生労働省のHPで告知されています。

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休業手当をなかなか払ってもらえない理由

経営不振などの理由から会社の都合で従業員を休業させた場合には、給料の60%以上に相当する額の休業手当を支払うように労働基準法で定められています。コロナ禍は一種の天災とは言え、従業員にとっては会社の都合による休業に変わりありません。仕事を休ませられている間は会社から休業手当を支給されるのが当然の権利のはずですが、コロナの影響で経営が苦しくなった会社にはそういう余裕もないのが実状です。

国の雇用調整助成金を活用して休業手当の支給に当てるという手もありますが、申請方法が複雑で給付まで数ヶ月を要することから敬遠されてきました。国から助成金が降りる前に休業手当を払ってしまうと、会社側も資金繰りが悪化して経営が苦しくなってしまうというわけです。

結果として最も弱い立場にある従業員にしわ寄せが及び、休業手当を払ってもらえないまま生活苦に陥る人が増えています。正社員には休業手当を支給しても、アルバイトやパートなど非正規雇用の従業員には支給しないという会社は少なくありません。

とは言ってもコロナ関連の倒産が続出している中では、企業だけに責めを負わせるのも酷な状況です。こういうときこそ国が労働者を救済すべきだという声が高まった結果、休業手当に代わる支援策として休業支援金・給付金が2020年7月にスタートしたのです。

休業支援金・給付金の申請方法

雇用調整助成金は企業の側で国に申請を行う制度のため、従業員にとっては意のままにならない面もありました。休業支援金・給付金は従業員が個人で申請することも可能で、休業手当に代わって国から直接支援金や給付金を支給してもらえる仕組みです。

申請方法には郵送による申請とオンライン申請の2通りがあって、郵送の場合は厚生労働省のHPから申請書類をダウンロードした上で印刷する必要があります。必要事項を記入して提出すべき申請書類は、支給申請書支給要件確認書の2種類です。

オンラインの場合はオンライン申請ページにアクセスし、メールアドレスとパスワードを設定の上で必要事項を入力します。いずれも申請には支援金・給付金を振り込んでもらうためのキャッシュカードや通帳の写しに加え、運転免許証やパスポートなどの本人確認書類と休業中の賃金額を確認できる書類の写しも必要です。

休業前の賃金支払い状況が確認できる書類としては、給与明細書や労働条件通知書・勤務シフト表などが挙げられます。以上のような書類を用意した上で実際に休業した期間を記入すれば、休業日数に応じた支援金または給付金が支給されるというわけです。

申請には会社からの協力も必要

2種類を提出しなければならない申請書類のうち、支給要件確認書の方には事業主が記入する欄もあります。会社側にも協力してもらう必要があるという点は、休業支援金・給付金の申請で一番のハードルになりそうなポイントです。実際に会社が協力してくれないために申請件数が伸び悩んでいる現状もあって、5,442億円もの予算が投じられた事業でありながら利用は10分の1以下にとどまります。

休業支援金・給付金の申請に協力しない企業が少なくないのは、会社が不利益を受けるのではないかという誤解も一因です。この制度は休業手当を払ってもらえない労働者が対象となっていることから、会社側にとっても労働基準法に違反しているという後ろめたさがあります。

制度を利用されることで労働基準法違反を咎められ、何らかの処分を受けることになるのではないかと誤解してる会社も少なくありません。休業支援金・給付金が国から支給されるという点についても周知が不徹底の面があるせいか、会社側が強制的に払わされるものと勘違いしている企業も見受けられます。

会社に協力してもらうコツ

そうした誤解を解いて申請への協力を取り付けるには、会社に不利益はないという点を強調するのが効果的です。12月21日放送のNHKあさイチでも、「社長は(店長)は損することはないらしいですよ」という魔法の言葉が紹介されました。

会社側が1円も負担する必要がないという点をわかってもらえれば、協力してもらえる可能性も高まるはずです。休業前の仕事を証明するための給与明細書やシフト表などがないという場合でも、シフトを決めるのに使ったグループラインの記録やカレンダーアプリのスクリーンショット画像で証明できる可能性があります。

休業支援金・給付金まとめ

コロナの影響で仕事を休ませられた場合でも、女性のアルバイト・パートで約7割もの人が休業手当を受け取れていない状況です。それだけコロナ禍が非正規雇用の多い女性の生活を直撃している状況ですが、そんな人たちの間でも休業支援金・給付金の制度はあまり知られていません。

テレビでも紹介されたことで今後は周知が進むものと見られ、申請する人も増えると予想されます。言うまでもなく不正受給はNGですが、もらえる権利がある人は上手に利用して生活の安定に役立てるといいでしょう。

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