PR

トリュフを日本で採取するには?採れる場所の特徴と採り方を解説

トリュフを日本で採取するには?採れる場所の特徴と採り方を解説 副業
記事内に広告が含まれています。

トリュフはキャビア・フォアグラと並んで、世界三大珍味の1つに数えられます。フランス料理やイタリア料理に使われる高級食材というイメージです。

そんなトリュフが、日本でも全国各地の公園や山林に生えていることをご存知でしょうか?

2024年の7月には高尾山の野草園で園内の手入れ中にトリュフが偶然発見され、SNSで話題になりました。専門家の話によると、日本ではどこでトリュフが見つかっても不思議ではないそうです。

当ブログではこれまでに、山や川などの自然で手に入る食材の数々を紹介してきました。

  • トリュフはどこに生えているの?
  • トリュフの採り方はどうやるの?
  • 国産トリュフのお値段はいくら?

など、トリュフに関する疑問を解決するための記事を書いてみました。

この記事を読めば、高嶺の花だったトリュフが身近な食材になります。

スポンサーリンク

トリュフは日本でも採れる

トリュフを掘り出す

普通のキノコは子実体と呼ばれる部分を地面の上に形成し、傘を開いたような形をしています。トリュフの子実体は球形や塊形をしていて、土の中にあるのが特徴です。

世界には100種類以上のトリュフがあって、日本にはそのうちの20種類以上が自生しています。発生当初は土の中に埋まっていますが、熟成が進んでくると地面にも顔を出すようになます。

日本でも黒トリュフの一種が40年前に発見され、イボセイヨウショウロと名付けられました。北海道から九州まで全国各地で発見が相次いでいて、まだ見つかっていない県でも発見される可能性があります。

比較的安く出回っている中国産のトリュフも、イボセイヨウショウロが大半です。高尾山で見つかったのはアジアクロセイヨウショウロという黒トリュフの一種で、これも北海道から九州まで広く分布します。

白トリュフは限られた場所にしか発生せず、黒トリュフより強い香りを持つのが特徴です。ホンセイヨウショウロと名付けられた日本固有種のキノコも、白トリュフの1つに数えられます。

以上のような発見が相次いでいる点を考えると、最初に発見された40年前よりずっと昔から日本にもトリュフが自生していたはずです。「石ころにしか見えなかった」という人も多いだけに、公園などで見かけてもキノコと認識されていなかったものと考えられます。ヨーロッパの食文化が紹介される中で、日本に自生するトリュフにも光が当てられてきている状況です。

スポンサーリンク

トリュフと似たキノコ

キノコ採りで問題になってくるのが、毒キノコと間違えたことによる食中毒の事故です。トリュフと似た毒キノコはあるのでしょうか?

日本に自生しているキノコの中でトリュフと似ているのは、海辺の松林などに生える松露(ショウロ)です。ショウロは毒性がなく美味なことから、和食の食材として古くから利用されてきました。栽培が難しい上に天然物はなかなか見つからないため、ショウロも高値で取引される高級食材です。

トリュフはセイヨウショウロの和名を持つだけあって、外観がショウロに似ています。ショウロは中身がスポンジ状なので軽いのに比べ、トリュフは中身が詰まっていて重いのが特徴です。

過去にはトリュフやショウロと外見が似たニセショウロ属のキノコを誤って食べ、食中毒を起こした事例がありました。ニセショウロは夏から秋にかけて、林の中で腐植土の上に発生します。

厚生労働省のサイトによると、ニセショウロの断面は黒色で柄はほとんどないということです。トリュフの断面は特有のマーブル模様を呈していますので、割ってみれば区別がつきます。

トリュフと同じ子嚢菌キノコの一種に、白トリュフと似たイモタケというのがあります。毒キノコではありませんが、日本では食用としてはほとんど利用されてきませんでした(長野県の一部で食べていたという情報もあり)。

中東ではイモタケが「砂漠のトリュフ」と呼ばれ、安価な食材として利用されています。古代ローマの文献に出てくるトリュフもヨーロッパのトリュフではなく、「砂漠のトリュフ=イモタケ」だと推定されます。アラビア半島から北アフリカにかけての地域では、砂漠のトリュフが古くから食べられてきたようです。

トリュフが採れる場所の特徴

林の中にあるたくさんのトリュフ

トリュフは松茸やホンシメジなどと同様に、樹木の根に密着して生える「外菌根」の一種です。松茸はアカマツの根に発生しますが、トリュフはマツの他にクリやナラ・ブナ・カバノキ・ハシバミ・シデ・カシなどの樹木と共生します。どんぐりの落ちている木の下には、トリュフが発生する可能性があります。

トリュフは自然林や原生林よりも、造成などで掘り返された後の攪乱地に発生しやすいのが特徴です。公園や緑地の道端など、意外と人工的な場所で見つかっています。日当たりの良い場所よりは、適度な湿気がある日陰の環境を好むキノコです。

キノコ狩りは山の奥深くに分け入ってするようなイメージもありますが、トリュフはそういう場所だと意外に見つかりません。東京23区内や横浜市のような都市部でも、トリュフの発見例が報告されています。メルカリでは神奈川県産のトリュフが大量に出品されているほどです。

フランスやイタリアなどの本場では、「雷の落ちた場所にトリュフがよく育つ」とも言われてきました。トリュフと雷の関係については、古代の文献でも言及されています。公園などの攪乱地で落雷の跡があれば、樹木の下を探してみる価値はあります。

トリュフを公園で採ってもいいの?

トリュフはそのへんの公園で見つかる可能性があるだけに、意外と身近なキノコです。公園を散歩していて運良くトリュフを見つけたとしても、勝手に採って持ち帰ってもいいのでしょうか?

トリュフが発見されて話題となった高尾山は国定公園に指定されているため、植物やキノコは採取禁止です。公立公園や県立の自然公園も、国定公園と同様に自然公園法で規制されています。自然公園に生えているキノコを許可なく持ち帰るのは、基本的には違法に当たる行為です。

自然公園に指定されていない私有地や公有地で所有者の許可なくキノコを採取した場合は、森林窃盗罪に問われる可能性があります。管理が緩やかな場所ということで、通常の窃盗罪とは別の扱いになるわけです。

キノコの採取が個人の利用範囲であれば、国有林ならうるさいことは言わずにたいてい見過ごされています。販売目的などで大量に採取した場合は、見逃してもらえない可能性が大です。入山料を払えばキノコの採取が許可される場所もありますので、近くにないか探してみるといいでしょう。

秋の公園

トリュフはそのへんの公園でも見つかる可能性があると書きましたが、この場合の「公園」は国や自治体が管理している都市公園に当たります。都市公園法に加え、各自治体が制定している都市公園条例の規制を受ける場所です。

都市公園法の第十一条に制定されている禁止行為の中に、「竹木を伐採し、又は植物を採取すること」という項目が含まれています。都市公園条例は自治体によって異なりますが、植物の採取を禁止しているところが大半です。

トリュフのようなキノコは厳密に言うと植物ではなく菌類ですが、同様の規制を受けるものと判断されます。特にキノコは毒キノコの誤食による食中毒を防ぐ目的で、「公園に生えているキノコは持ち帰らないでください」と呼びかけている自治体もあるほどです。

自治体によっては、許可を得た上で公園のキノコを採取できる場合もあります。公園でトリュフ探しをする際には、公園管理者の許可を得ておくといいでしょう。許可が得られなかった場合には、トリュフを見つけても採取は諦めるしかありません。

トリュフの採取時期

たくさんのトリュフ

トリュフには夏に成熟する種類と、秋から冬に成熟する種類があります。本場のフランスやイタリアで5月から8月頃にかけて出回るのがサマートリュフ(夏トリュフ)で、11月頃から出回るのがウィンタートリュフ(冬トリュフ)です。

夏トリュフは冬トリュフより香りが抑えめですが、比較的リーズナブルな価格で手に入ります。冬トリュフは希少価値が高く、独特の強い香りを持つのが特徴です。

日本で採れるトリュフにも、夏に成熟する種類と秋から冬に成熟する種類があります。日本の夏トリュフは7月頃に成熟してきます。秋に成熟するイボセイヨウショウロは9月頃に発生し、10月から11月くらいまでが収穫に適した時期です。メルカリでは「今の時期まで残っているのは非常に稀です」などと書かれて、年が明けてから春先までトリュフが出品されることもあります。

トリュフの採り方

トリュフは熟成が進むと地面に顔を出すこともありますが、普通は地中に埋まった状態です。地面を手当たり次第に掘り返すわけにもいかないだけに、発見するのは容易でありません。

本場のヨーロッパで活動しているトリュフハンターは、以下のような生き物を利用しています。

  • 豚を使う
  • 犬を使う
  • 蝿を利用する

犬も豚も非常に優れた嗅覚を持っていて、地面の下に埋まっているトリュフを嗅ぎ当てます。トリュフを探すのに豚を利用する場合は、メスでなければいけません。トリュフの香りがオス豚のフェロモンに似ていて、メスの豚が引き寄せられるからです。

豚を使えば特に訓練する必要はありませんが、せっかく探し当てたトリュフを食べてしまいます。犬ならトリュフを食べずに場所を知らせてもらい、パンなどのご褒美で満足させることも可能です。訓練に時間とコストはかかりますが、現代のトリュフハンターは豚より犬の方を好みます。

トリュフ犬

トリュフ探しに生き物を使う第3の方法は、蝿を利用するやり方です。以前NHKのBSで放送された海外ドキュメンタリーの番組でも、蝿の動きを見て場所を特定しようとするトリュフハンターが出ていました。

トリュフの香りは犬や豚だけでなく、森の中にいる蝿も引き寄せます。蝿はトリュフが埋まっている地面の上でじっとしています。木の枝などで地面を叩き、蝿が飛び立った場所を掘れば、トリュフが見つかるという仕組みです。

トリュフは地面に顔を出すこともありますが、そう簡単には見つかりません。トリュフが発生するような樹の下は、落ち葉で地面が見えなくなっているところが多いからです。落ち葉をかき分ける必要がありますので、トリュフ探しをする際には園芸用の熊手を用意しておくといいでしょう。

トリュフを採取する際の注意点

ヨーロッパでは地中に埋まっているトリュフを取り出すのに、小型のクワやスコップを使用することもあります。キノコ採りと言うよりは、タケノコ掘りに近い作業です。

地面を掘り返してしまうと、地中に張り巡らされたトリュフの菌糸をダメージを与えてしまいます。道具を使って地面が掘り返された場所には、トリュフが生えなくなる恐れがあります。

掘り出したトリュフが未熟な状態だった場合、地面に埋め戻しても熟成はしません。トリュフの発生する環境を維持するためにも、道具は使わずに素手で慎重に取り出すのが望ましいと言えます。

1個所にトリュフがたくさん発生している群落を発見しても、一度に全部を取り尽くしてしまうのは禁物です。熟成具合は個体ごとに差がありますので、最初は成熟したものを1個かせいぜい2個採取するにとどめた方がいいでしょう。数週間ほど置いて同じ場所を何度か訪れ、熟成の程度を見極めるのが望ましいと言えます。

トリュフの見分け方

トリュフと外観が似た毒キノコもありますので、見分け方を知っておく必要があります。見た目はほぼ球形をしていて、大きさは直径3cmから大きいもので15cmほどです。

慣れないうちは外観だけで判断するのが難しいため、断面と匂いで判断します。トリュフの断面は、大理石に似たマーブル模様をしているのが特徴です。発見したキノコをナイフで切ってみて、特有のマーブル模様があるかどうか確認してみるといいでしょう。

トリュフの断面

毒キノコでないことを見分けるもう1つのポイントは、トリュフ特有の匂いです。「ガソリンのような臭い」「ニンニクのような匂い」「土のような匂い」などと表現されています。

未熟なうちは匂いをほとんど感じませんが、熟成が進んでくると強い香りを放つようになります。採れたてのうちは香りが薄くても、1週間ほど置いておくと熟成してくるのが普通です。

日本で採れる黒トリュフは、「磯の香りに似ている」とも言われています。こればかりは実際に嗅いでみないとわかりませんので、経験を積むことが大切です。

トリュフは栽培できない?

トリュフの本場フランスでは、19世紀から大規模な栽培が行われてきました。二度の世界大戦を経て生産量が激減したために、価格が高騰して高級食材になってしまったわけです。

現在はフランスに加えて、スペインやアメリカ合衆国・スウェーデン・オーストラリア・ニュージーランドでも栽培されています。トリュフが採れる林に苗木を植え、菌を根に感染させて農地に移植するという手法です。菌の胞子を苗木に接種するという栽培方法もあります。

日本でも森林総合研究所などのグループが技術開発に取り組み、2023年に国内で初めて黒トリュフの栽培を実現させました。同研究所は胞子を含ませた液体による発生促進という手法で、白トリュフを人工的に発生させることにも成功しています。

以上のようにトリュフは栽培できないこともありませんが、極めて難易度が高いのは確かです。日本では専門の研究所以外に成功例が報告されていません。

トリュフの収穫

トリュフや松茸など菌根菌に属するキノコは、樹木と共生関係にあります。共生する樹木との間で、互いに養分や水分・ミネラル分などをやり取りしているという関係です。

シイタケのように木から養分を一方的に吸収するキノコは栽培しやすいため、大量生産されて安価に流通しています。菌根菌のキノコは栽培が難しいことから、天然ものが高値で取引されている状況です。

専門の研究所ですら苗木を育ててから収穫までに、3年から7年ほどかかります。現時点では「栽培に成功した」というレベルで、農業として採算が取れるレベルにまでは達していません。実用化されるには10年以上かかると言われています。

日本のトリュフはヨーロッパのものと種類や生育環境が違うせいか、一般の農家が栽培して収益を得るのは困難な状況です。天然食材ハンターの中には、栽培にもチャレンジしている人が存在します。採算を度外視してでも挑戦してみたいと思わせる点では、夢とロマンのある取り組みです。

国産のトリュフはまずい?

国産トリュフ

トリュフは土に埋まっているため、普通のキノコと違って胞子を風に乗せて増やすことができません。昆虫や動物を引き寄せる強い芳香を放ち、食べさせることで胞子を運んでもらうように進化したキノコです。

そんな特有の香りが日本人の好みに合わないという理由で、和食には使われてきませんでした。外観がキノコらしくないせいもあって、日本に自生していながら食用にされることがほとんどなかったのです。

日本で採れるトリュフの中には、ヨーロッパ産のものより香りが薄い種類もあります。香りが命とされるキノコだけに、食通の間では「国産のトリュフはまずい」などと言われてきました。

洋食を提供する国内のレストランなどでは、ヨーロッパや中国から輸入されたトリュフを使用しているところが多いと見られます。輸入物は収穫から時間が経っているため、香りはどうしても薄れてしまいがちです。

むしろ採れたての国産トリュフを購入した方が、独特の香りを味わえます。成熟してくると国産でも強烈な香りがしますので、商品価値は十分にあるはずです。

国産トリュフの価格相場

白トリュフの販売

比較的安価に出回っている中国産の黒トリュフは、100gあたり数千円ほどが相場です。国産のトリュフはどれくらいの価格で取引されているのでしょうか?

2022年に放送された「一攫千金!宝の山」というテレビ番組の企画で、岩手県の個人所有地で採れた国産の白トリュフ(ホンセイヨウショウロ)が紹介された例が参考になります。輸入物の取引実績がある仲買業者に査定してもらった結果、合計で約1.5kgの白トリュフにおよそ45万円の値がつけられました。仲買業者がレストランに販売した際には、1.5kgのうち115gが46,000円で売れています。

番組で紹介されたデータによると、国産黒トリュフの一般的な取引額は1kgあたり14万円ほどです。白トリュフの価格は黒トリュフの10倍とも言われていますので、1.5kgで45万円ならまだ安い方だと言えます。

ちなみに本場イタリア産の白トリュフは、1kgあたりの一般的な取引額が99万円という話です。1kgあたり17万円で取引される秋トリュフと比べ、6倍近い値段で売れることになります。

メルカリで売れたトリュフ100gあたりのお値段は?

国産のトリュフはメルカリにも出品されています。大小のトリュフを何個かまとめて出品して、数千円ほどに価格設定している例が大半です。5,000円以上でも売り切れとなっている例が多く、中には4万円以上の高値で売れた例もありました。

分量は出品ごとに異なりますが、国産トリュフ100gあたりの価格は7,000円前後です。約100gの黒トリュフが1個1万円以上で売れた例も見られます。小玉のトリュフでも数をまとめれば、100gあたり5,000円前後で売れている状況です。

100gあたり7,000円前後というのは、国産の松茸と比べても遜色がありません。メルカリに出品されている天然キノコの中では、トリュフもかなりの高値で売れる商品です。

まとめ

黒トリュフ

日本でも意外な分布を見せるトリュフについて、採取に役立つ情報を紹介してきました。トリュフは簡単に入って行けないような深山よりも、そのへんの公園で見つかる可能性があります。

いかにもキノコという見た目をしていないために、今まで見過ごされてきました。味や香りが和食文化とは合わないと見なされてきましたが、欧米の食文化に親しむ人が増えた今になって注目されるように変わってきています。

国産のトリュフは本場のフランスやイタリアほど取り尽くされてはいないだけに、採る人が少ない今なら見つかるかもしれません。この記事で紹介した情報を参考にしながら、ルールを守った上でトリュフ狩りに挑戦してみるといいでしょう。

タイトルとURLをコピーしました