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砂鉄で儲けるには?ただで集めた砂鉄を売る方法について解説

重機を使って砂からお金を掘るイメージ お金
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当ブログでは以前、川で砂金を採取して販売する方法について紹介しました。砂金を発見するのはなかなか大変ですが、砂鉄なら全国各地の川原や海岸で比較的簡単に採取できます。砂鉄はスライムを使った遊びや夏休みの自由研究などで需要があるだけに、ただで集めてきたものを売って儲けることも可能なはずです。

そんな砂鉄ビジネスでどれだけ稼げるのか、採取の方法と販売状況について研究成果をまとめてみました。砂鉄を集める場所については注意が必要ですので、採取に許可が必要なのかどうかという点についても記事の後半で詳しく解説します。

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砂鉄とは?

磁石についた砂鉄

川原や海岸・公園などの砂に磁石を近づけると、黒い粒子状の物体が吸い寄せられてきます。これが今回の記事で主役となる砂鉄です。

鉄鉱石が風化して粒子状になり、流れ出したものが砂鉄となって川原や海岸の砂に混じっています。天然に存在する鉄は鉄鉱石と砂鉄に大きく分けられますが、2つともそのままでは鉄製品の材料になりません。炉で熱して溶かし、精錬して純度の高い鉄を作る「製鉄」の工程が必要です。江戸時代までは伝統的なたたら製法による製鉄が行われていた関係で、鉄製品を作る原料に砂鉄が使われていました。

明治以降は近代製鉄の技法が欧米から伝えられ、鉄鉱石を原料に使用する手法が主流となっています。そのため日本国内で砂鉄を採取していた鉱山も、現在は大半が閉山となっている状況です。産業用の資源としては役割を終えつつありますが、伝統工芸や趣味の分野では砂鉄もまだまだ使い道があります。

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砂鉄の使い道

砂鉄は鉄鉱石と違って個人レベルでも採取が可能ですが、川原や海岸で集めた砂鉄の使い道は限られてきます。自分で集めた砂鉄を販売するに当たっては、需要があるのかどうか事前のリサーチが欠かせません。

筆者が調査してみた結果、砂鉄には以下のような用途があることがわかりました。

  • 日本刀や鉄器など伝統工芸品の材料に使う
  • 砂鉄スライムを使った遊びや工作・自由研究に使う
  • ハンドメイドやアート作品の材料に使う

それぞれ詳しく解説します。

日本刀や鉄器の材料

かつては武器として用いられてきた日本刀も、現在では美術品として鑑賞の対象にされています。伝統の技を受け継いだ現代の刀工(刀鍛冶)が日本刀を製作する際には、近代製鉄ではなく日本古来のたたら製鉄で作られた玉鋼が材料に欠かせません。

自然界に存在する砂鉄は酸素と結びついていて、鉄としての純度は低い状態です。日本刀の材料にするには、製鉄の工程を経て余分な酸素を取り除かなければなりません。

島根県には現在でも伝統的なたたら製鉄の技法を使って、砂鉄から玉鋼を製造する製鉄所が存在します。玉鋼を購入してる刀工は少なくないと見られますが、砂鉄を購入して自分で玉鋼を作っている刀工もいるはずです。

刀鍛冶

刀工になるには国家資格が必要でハードルが高いせいか、2017年の時点で200人弱にまで人口が減ってきています。良質の砂鉄を採取できれば刀工が購入してくれる可能性もありますが、顧客が少なすぎるためビジネスとしては現実的ではありません。

日本刀以外では南部鉄器の鉄瓶など、鉄を使った伝統工芸品の中に砂鉄を使った品があります。砂鉄を含む鉄器はネットオークションでも高値で取引されていますが、材料の砂鉄を職人がどうやって入手しているのか定かでありません。日本刀と同様に職人の数は決して多いとは言えない状況だけに、素人が集めた砂鉄の販路としては難易度が高めと言えます。

砂鉄スライムや工作・自由研究

スライム

日本刀や鉄瓶のような鉄製品の材料として、砂鉄が盛んに使われていたのは昔の話です。現在では産業用ではなく、子どもの遊び道具や学習の材料として砂鉄を利用する機会が増えています。

子どもたちの間で特に人気が高いのは、砂鉄を入れたスライムと磁石を使った遊びです。自由自在に変形できる半固形のスライムに砂鉄を含ませると、近づけた磁石に吸い寄せられて生き物のように動き始めます。その様子が面白いというので、動画に撮影してYouTubeで公開している人も少なくありません。

砂鉄はスライムを使った遊び道具にするだけでなく、理科の実験や校外学習の材料としても利用されています。生徒を河川敷や海岸の砂浜に連れていって、砂鉄集めを体験させている小学校や中学校もあるほどです。夏休みの自由研究や工作の材料にも砂鉄が使われていますので、7月から8月にかけての時期は需要が増えます。

ハンドメイドやアート作品の材料

遊び道具や学習目的ほど需要は多くないと見られますが、砂鉄はハンドメイドやアート作品・DIY目的で大人向けの需要も期待できます。砂鉄を使った砂時計は磁力の働きを立体的に観察できることから、プレゼントにも最適なインテリア用品です。磁力を使ったマグネットアート作品の素材にも、加工しやすい砂鉄はよく利用されています。

そうした作品を作るのに自分で材料を集めるのが面倒だという人は、何らかの手段で砂鉄を購入しているはずです。フリマアプリなどに砂鉄を出品していればそういう人の目に留まり、注文してもらえる可能性も出てきます。

砂鉄の集め方

磁石で砂鉄を集める

砂鉄は磁鉄鉱と呼ばれる鉱石が風化して粒子状になった物質ですので、磁石を使えば容易に採取できます。砂に磁石を触れさせると、磁力を帯びた砂鉄だけが吸い寄せられるというわけです。

磁石をそのまま使用したのでは、付着した砂鉄を取るのが大変です。磁石を袋や容器に入れた状態でも、砂に含まれる砂鉄に磁力は届きます。ジッパー付きのビニール袋やフィルムケースなどに磁石を入れ、砂をなぞるようにして採取してみるといいでしょう。

ネオジム磁石やアルニコ磁石など、磁力の強い磁石を使った方が砂鉄を集めるのに効率的です。強力な磁石を使用した場合、磁鉄鉱の含有率が低い砂粒も一緒に引き寄せられてしまいます。販売目的で砂鉄を採取した場合には、純度を高めるための選別作業も欠かせません。

集めた砂鉄を持ち帰って洗浄し、乾燥させた後で選別作業を行います。フェライト磁石のような磁力の弱い磁石を使えば、純度の高い砂鉄だけが吸い付いてくる仕組みです。中学校の科学研究クラブではマグネットシートに砂鉄を付着させ、叩いて選別しているところもあります。

Bitly

砂鉄のある場所

日本は砂鉄の埋蔵量で世界有数と言われるだけに、全国各地の川原や海岸で砂鉄を採取できる可能性があります。特に山陰地方や中国地方は昔から砂鉄の産地として知られ、たたら製鉄が地場産業として発展してきました。

どちらかと言うと太平洋側よりは、日本海側地方の海岸や川原に良質な砂鉄が多いという傾向も見られます。太平洋側でも岩手県の久慈市や千葉県の九十九里浜、神奈川県の鎌倉市周辺などは、砂鉄の産地として昔から有名です。

それ以外の海岸や川原でも、砂が黒く見える場所は砂鉄が多く含まれている可能性があります。白っぽく見える砂でも砂鉄は採れますが、黒っぽい砂の方が採取作業も効率的です。

砂鉄の採取に許可は必要?

立入禁止のイメージ

販売目的で砂鉄を採取する際には、場所によっては許可が必要になる場合もあります。国や自治体が管理している海岸や河川敷で土砂を採取する場合、法律を厳格に適用すれば許可が必要です。業者が事業として土砂を採取するのでない限り、個人が趣味の範囲内で少量を採取する程度なら大目に見てもらえます。

個人であっても販売を目的に砂鉄を集める場合は、法律が適用されるかどうか微妙なところです。ビニール袋に入れて持ち帰る程度の量なら、「趣味の範囲内」でも通用すると考えられます。トラックなどの車両を使わないと運搬できないレベルの量を採取した場合は、趣味の範囲をオーバーしかねません。

それだけの量の砂鉄を短期間で集めようと思えば、海岸や川原の砂を掘り起こしたりする作業も必要です。地形や景観を変えるような行為はNGですので、砂鉄を集める際にはできるだけ自然環境に影響を与えないような配慮が求められます。砂鉄を大量に採取する場合は管理者に問い合わせてみて、許可が必要かどうか確認しておくことをおすすめします。

集めた砂鉄をどこで売る?

砂鉄は子どもでも採取できる身近な自然物だけに、集めるよりも売る方が難しいと言えます。鉄くずを扱うリサイクル業者なら砂鉄も買い取ってくれそうなものですが、断られるのが当たり前と考えた方がいいでしょう。

遊び道具に使う程度の少量であれば、公園の砂場でも砂鉄の採取は可能です。ハンドメイド作品の材料に砂鉄を使う場合でも、自分で採取して材料を調達するという人が多いと推測されます。わざわざお金を出して砂鉄を購入しようという人はごく一部に過ぎませんが、自分で採取するのが面倒という人もいるはずです。

たくさんの砂鉄

実際にネットの質問サイトでは、「砂鉄はどこで売っていますか?」などと質問している人を見かけます。それなりに需要がある証拠ですので、相手と連絡がつけば元手0円の砂鉄をお金に換えることも十分に可能です。

ブログやSNSで砂鉄に関する情報を発信して連絡を待つという手もありますが、あまり効率のいいやり方とは言えません。多くのユーザーが利用するメルカリに出品した方が、砂鉄を購入したい人の目に触れる確率が少しでも高くなります。

実際にメルカリでは素人が採取したものと見られる砂鉄が出品されていて、完売例も複数確認されている状況です。砂金に比べると出品数は決して多いとは言えませんが、メルカリで売れる意外なものの1つには数えられます。

メルカリ以外にラクマヤフオクでも、砂鉄の出品や完売例がありました。同じ人が複数のサイトに出品しているものと見られる例もあります。

砂鉄の販売でどれだけ儲かる?

インターネットを使えば砂鉄の販路も確保できそうですが、商品としての収益性はそれほど高いと言えません。砂鉄はAmazon楽天市場でも売られているだけに、メルカリやラクマで購入しているのは「少しでも安く手に入れたい」という人が大半です。
これが砂金であれば希少価値が高いだけに、1万円以上の高値でも完売例が見られます。砂金の小さな粒が1個または数個で1,000円以上という完売例も珍しくありません。

砂鉄は砂金と違って簡単に採取できるありふれた自然物だけに、メルカリでも100g以上のまとまった分量を袋に入れて出品されています。出品価格は100gから300g入りの袋で、300円から500円程度が平均的な相場です。中には分量を1kg前後に増やして1,000円近くに価格設定している人もいますが、500円以下にした方が価格も手頃で購入されやすいと言えます。

たくさんの硬貨

メルカリでは送料を出品者で負担するのが一般的です。送料と梱包資材代に加えて10%の販売手数料が引かれるため、砂鉄を1袋売ってもたいした儲けにはなりません。

オークション形式での出品が可能なヤフオクでも、落札価格は似たような状況です。ヤフオクなら送料を落札者の負担としている例も少なくありませんので、収益を少しでも残しやすくなります。

とは言え砂鉄は砂金ほど高値で売れることはなく、儲けが出たとしてもお小遣い稼ぎ程度の金額にしかなりません。そのわりに採取作業や選別作業に手間がかかるため、時給に換算すると普通にアルバイトの仕事をした方がよほど効率的に稼げます。

むしろ「ただで手に入れたものを売ってお金に換えられる」というお得感が、自分で集めた砂鉄を売る最大の魅力です。海岸や川原で砂鉄を集める作業を通じて、自然と触れ合う楽しさも味わえます。副業やビジネスと言うよりは、趣味の延長と考えた方がよさそうです。

まとめ

磁石にくっついたお金

一攫千金も狙える砂金採りと比べ、砂鉄はそれほど収益性が高いビジネスにはなりません。砂金は高値で売れる反面、苦労して探してもまったく見つからないことがあり得ます。それだけ希少価値が高いからこそ、高く売れるわけです。

砂鉄は公園の砂場ですら採取が可能なほどありふれた自然物だけに、メルカリやヤフオクでも出品価格を低く設定しないとなかなか売れません。ただで集めた砂鉄でもきちんとした「商品」にするには、時間をかけて選別する作業が必要になってきます。

手間をかけたわりには儲かりませんが、砂鉄を集める作業そのものに楽しみを見つけることも可能です。趣味と実益を兼ねたお小遣い稼ぎの手段にはなり得ますので、この記事を読んで「自分にもできそう」と感じた人は挑戦してみるといいでしょう。

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