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水耕栽培の副業は儲からない?収益を出すのが難しい理由を解説

水耕栽培 副業
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農業で収入を得るには普通は農地を必要としますが、水と液体肥料だけで育てる水耕栽培なら室内でも野菜作りが可能です。収穫した野菜は自家消費するだけでなく、メルカリなどに出品して売れば副業の手段になります。

新たな副業農家の形態として注目を集めているわりに、ネット上では「水耕栽培は儲からない」という情報も見かけます。これから水耕栽培で副業を始めようと考えている人にとっては不安材料です。

収益を出すのが難しいと言われるのはどうしてなのか、水耕栽培にできる野菜の特徴から理由を考察してみました。水耕栽培でも高く売れる可能性がある野菜についても、記事の後半で詳しく解説します。

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水耕栽培は儲からない?

財布のお金を数えるジャージ姿の女性

水耕栽培は農業の一形態としてもすっかり定着し、土を使わずに栽培された野菜が広く流通するよになりました。もやしや豆苗・かいわれ大根あたりが、スーパーで売られている代表的な水耕栽培の野菜です。水耕栽培で一定の収入を得ている農家が存在するのは確かですが、水耕栽培の技術を導入した植物工場で廃業例も出てきています。

副業として野菜作りに取り組んでいる人の間でも、「水耕栽培は儲からない」という声は少なくありません。その一方では高く売れる野菜やハーブなどを選んで水耕栽培し、副業でもそれなりの収益を確保している人がいます。

やり方しだいでは水耕栽培も副業の手段になり得ますが、他の栽培系の副業に比べると稼ぐ難易度は高めです。栽培する野菜の選び方を間違ったり、販売方法が適切でなかったりすると、たいして稼げないという結果に終わりかねません。

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水耕栽培の副業で収益を出すのが難しい理由

田んぼや畑で作物を育てる従来型農業と違って、土を使わずに水と液体肥料だけで野菜を育てるのが水耕栽培です。家庭菜園や庭を持たない人でも、水耕栽培なら室内で野菜作りができるようになります。

農業の可能性を大きく広げた点では画期的な新技術ですが、水耕栽培を始めるにはある程度の初期費用が必要です。農家が本格的な水耕栽培を始める場合には、設備投資に何千万円という単位の資金を用意する例も珍しくありません。光合成を促すための照明や室温を一定に保つための冷暖房費など、電気代のランニングコストもかかってきます。

水耕栽培の設備投資

副業で水耕栽培を行う場合は、そこまで高額の費用をかけないのが普通です。容器やLEDライト・水ポンプなどがセットになった水耕栽培キットも、1万円前後で市販されています。その気になれば100円ショップで売られている商品で代用したり、容器をペットボトルなどで代用したりして、費用を節約することも可能です。

費用をかけずに済ませようとすればするほど、水耕栽培に関する知識が必要になってきます。初心者はある程度の出費を覚悟の上で、市販のキットを購入するのが無難です。

水耕栽培を副業にした場合の最終的な収益は、収穫物を販売して得た売上から諸々の費用を引いた残りの金額です。費用を多くかければかけるほど収益が少なくなってしまうため、副業として成り立たせるにはかなりの数を売る必要があります。

レタスのように1品あたりの単価が安い野菜を選んでしまった場合には、初期費用を取り戻せるだけの売上が確保できない可能性もあります。高く売れる野菜は水耕栽培の難易度が高めで、初心者はなかなか手を出しにくいものです。

水耕栽培による食費節約も一種の副業

たとえ副業として十分な収入が得られなかったとしても、水耕栽培で育てた野菜を自家消費すれば食費の節約につながります。最近は国際情勢の悪化や原油高などが原因で、食料品の値上げラッシュが家計を直撃している状況です。自分で作った野菜を食べることで買わずに済むのであれば、水耕栽培も一種の副業と考えることは可能です。

実際に兼業農家の中には会社勤務の傍らで米や野菜を栽培し、自家消費で食費を浮かせている人の例も珍しくありません。他の副業をして稼いだお金で野菜を購入するのも、自分で栽培した野菜を使って食費を節約するのも、家計を守る上では同じ効果があると言えます。

水耕栽培の野菜を売る方法

水耕栽培で育てた野菜の販売方法も、基本的には土で栽培した野菜と変わりありません。野菜や果物などの農作物を売る方法としては、以下のようなパターンが考えられます。

  1. JA(農協)に買い取ってもらう
  2. 道の駅や農産物直売所で委託販売する
  3. 自宅の敷地などに無人販売所を設置して売る
  4. 飲食店や小売店などを相手に独自の販路を開拓する
  5. オンラインマルシェに出品する
  6. フリマサイトに出品する
  7. 楽天市場などのショッピングモールに出店する
  8. 自分でネット通販サイトを作って販売する

プロの農家で利用している人が多いJAは、原則として全量買取してもらえる点が最大のメリットです。その代わり、JAで決められた規格品の範囲に収まる作物しか出荷できません。

この場合はJAを含めた流通業者の中間マージンが引かれるため、買取価格は最終的な小売価格の数割程度です。買取価格は市場の動向にも大きく左右され、商品が余っている状態だと価格が暴落することもあります。

水耕栽培

大量生産・大量販売の農家ならJAを利用した方が効率的に稼げますが、副業で水耕栽培を始めようという人には不向きな販売方法です。道の駅や直売所での店頭販売か、またはネット販売が副業に向いています。卸業者を通さずに商品を消費者に直接販売すれば、売上から引かれる中間マージンも少なく済みます。

この中で最も売れやすく手軽な販売方法は、メルカリラクマといったフリマサイトです。売上の6%から10%程度は販売手数料として引かれますが、JAに買取してもらうよりは収益を残しやすくなります。自分専用のネットショップを開店する売り方は、SNSやブログなどと併用して集客する自信のある人に向いた販売方法です。

水耕栽培できる野菜

これまで水耕栽培に取り組んできた人たちの間では、ほとんどの野菜で栽培の試みが一通り行われてきました。量産化に成功した例もあれば失敗に終わった例もあって、水耕栽培に向いた野菜とそうでない野菜がわかってきています。

水耕栽培に適しているのは、以下のような種類の農作物です。

  1. 葉物野菜
  2. ハーブ類
  3. スプラウト類
  4. あまり大きくならない果菜類
  5. 一部の果物

結球するタイプのキャベツやレタスなどを除き、葉物野菜は水耕栽培に向いています。最も広く栽培されているのは、サニーレタスやグリーンリーフなど、結球しないタイプのリーフレタスです。

青汁の原料として知られるケールや、水菜・サラダ菜・チンゲン菜なども水耕栽培に向いています。小松菜やほうれん草・春菊・ネギなどスーパーでおなじみの葉物野菜を含めると、水耕栽培が可能な葉物野菜はバリエーションが豊富です。

野菜の若葉を食すベビーリーフには多くの種類があって、いずれも水耕栽培で収穫できます。ハーブにも非常に多くの種類がありますが、パセリやバジル・クレソン・ルッコラ・ミツバ・オレガノといったところが水耕栽培で人気の種類です。

水耕栽培のスプラウト

野菜の種子を人工的に発芽させたスプラウト類には、もやしや豆苗・かいわれ大根・ブロッコリースプラウトといった種類があります。いずれも水耕栽培で生産され、自宅で手軽に作れる種類が多いのも特徴です。

トマトやナス・キュウリなどの果菜類は家庭菜園でも人気の野菜ですが、大きくなるタイプの野菜は栽培するのに広い場所が必要になります。室内での水耕栽培に向いているのは、ミニトマトやミニパプリカなど、小ぶりサイズの野菜です。

果物は収穫できるようになるまで何年もかかる種類が多く、野菜と比べて水耕栽培には不向きと言われています。そうした中でもイチゴやブルーベリーなどのベリー類は比較的栽培しやすいため、果物であっても水耕栽培は十分に可能です。

水耕栽培に不向きな野菜

採れたてのジャガイモ

その気になればどのような野菜でも水耕栽培できないことはありませんが、カボチャやスイカのように大型の実がなる野菜や果物は向いていません。キャベツやレタスでも結球するタイプは同様の困難があるために、水耕栽培には不向きとされています。大根や人参・ジャガイモといった根菜類も水耕栽培の難易度が高く、普通に土で栽培するのに向いた野菜です。

趣味として水耕栽培を楽しむだけならともかく、副業として取り組むのであれば、採算性も度外視できません。先に紹介した水耕栽培が可能な野菜であっても、土を使った露地栽培で大量生産されているような野菜は分が悪いと言えます。

最も栽培しやすいリーフレタスは露地栽培でも育てている農家が多く、スーパーなどの店頭で安価に購入できる状況です。水耕栽培のレタスを同じ土俵で勝負させた場合、コストが割高な分だけ収益性が低くなってしまいます。

水耕栽培でも初期コストを抑えてよほど効率的に大量生産しない限り、副業のレベルだと「たいして儲からない」という結果に終わりがちです。副業で水耕栽培に取り組むなら、あまり大量に出回っていないニッチな市場を持つ野菜を選ぶのが得策と言えます。

水耕栽培でも高く売れる野菜

水耕栽培を始めるにはどうしても初期コストがかかるため、費用を回収するほどの収益を残すのが難しいという事情がありました。こうした点が「水耕栽培は儲からない」というイメージにも結びついているわけですが、栽培する作物の選び方によっては稼げる可能性があります。レタスのように大量生産されて安く出回っている野菜は避け、少々高くても売れそうな野菜に絞って栽培を試みるやり方です。

そういう野菜は栽培の難易度が高めですが、副業としての収益性を重視したい人は試してみる価値があります。スーパーの野菜売り場をチェックしてみて、水耕栽培向きでも値段が高い野菜がないかどうか探してみるといいでしょう。

発芽にんにく

スプラウト類の中で最近話題を集めているのは、にんにくの新芽を食べる発芽にんにくです。スーパーで売られているにんにくの皮をむいて小さな鱗片に分け、薄皮をむいた状態にして水に浸しておけば芽が出てきます。芽が数センチから10センチほどに伸びたものを収穫し、そのまま食材にするスプラウト野菜です。

新芽の状態だと栄養価が通常のにんにくの20倍にも達し、臭いも少ないことから、発芽にんにくは女性の間でも人気が高まっています。女性ユーザーが多いメルカリの出品を見ても、発芽にんにくは1,000円以上の高値で完売している例が増えている状況です。

発芽にんにくより栽培の難易度は高めながら、山菜のタラの芽も水耕栽培で高く売れる可能性のある野菜の1つに数えられます。天然もののたらの芽も多く出回っていますが、山で採れるのは4月から5月を中心とする季節です。

水耕栽培されたタラの芽は天然ものよりえぐ味が少なく食べやすいことから、食材としても人気があります。水耕栽培なら通年で収穫することも可能なだけに、天然ものが流通しない時期は高く売れやすい商品です。

野菜ではありませんが、多肉植物や観葉植物など園芸植物の中にも水耕栽培が可能な種類があります。珍しい種類の多肉植物や斑入りの葉を持つ観葉植物は、水耕栽培ものでもメルカリやヤフオクで高く売れている状況です。

水耕栽培で種や苗を販売する際の注意点

レタスや豆苗のように高く売れにくい野菜であっても、水耕栽培を副業にできる方法があります。葉や実など食用部位を売るのではなく、収穫した種や、種から育てた苗を商品とする販売方法です。

水耕栽培はおしゃれなインテリアとしても人気が高まっているだけに、種や苗もかなりの需要が期待できます。リーフレタスのように初心者でも栽培しやすい種類ほど、購入してくれる人も多くいるはずです。

水耕栽培の種や苗はホームセンターや園芸店でも売られているだけに、販売する上でのライバルは少なくありません。Amazonや楽天市場のような大手通販サイトも含め、LEDライトや容器などがセットになった水耕栽培キットが数多く販売されている状況です。

それらの商品を少しでも安く手に入れたい人たちは、メルカリなどのフリマアプリで検索しています。水耕栽培で増やした野菜や観葉植物などの種や苗を出品すれば、そういう人たちの目に留まって売れる可能性があるというわけです。

水耕栽培の種

野菜の葉や実などを収穫して売るよりも収益を出しやすい販売方法ですが、どのような種類の種や苗でも勝手に増やして販売できるわけではありません。品種登録された農作物の種や苗を販売するには、原則として育成者の許可が必要です。

許可を得ないで登録品種の種や苗をメルカリなどに出品した場合には、違法性に問われることになります。水耕栽培用の野菜や園芸植物も例外ではありませんので、種や苗を作って販売する際には品種の登録状況を調べておく必要があります。

種苗法の改正に伴って、育成者権が保護される登録品種は販売時の登録表示も義務づけられてました。種や苗を商品化する際には、最初の購入時に品種登録されているかどうか確認することをおすすめします。

まとめ

水耕栽培

水耕栽培の農業を始めるには高額な初期コストがかかるため、費用を回収できるだけの売上が確保できずに廃業してしまった例も少なくありません。副業で取り組む場合は収益を残すのがさらに難しいため、「水耕栽培は儲からない」とも言われてきました。

露地栽培でも大量生産されているのと同じ種類の野菜を水耕栽培した場合は、コストが多くかかる分だけ収益性がどうしても低くなります。飲食店や小売店などに直接取引するような販路を見つければ、副業の水耕栽培でも収益を上げることは十分に可能です。

メルカリなどのフリマサイトを利用した売り方であれば、発芽にんにくのように高く売れやすい野菜に絞って商品化した方が効率的に稼げます。水耕栽培用の種や苗も収益性の高い商品ですが、販売の際には種苗法に違反しないよう注意が必要です。

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