遺跡発掘バイトはどこで募集している?きついと言われる理由も解説

副業
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数あるアルバイトの中でも一風変わった働き方として、遺跡発掘の現場に加わる作業員の仕事があります。その名の通り遺跡を発掘する現場で土を掘ったり運んだりする作業が中心ですが、古代の出土品や歴史的遺構の発見にも貢献できる魅力的な仕事です。

古代ロマンの感じられるこの仕事にチャレンジしてみたいと思っても、求人の募集がなかなか見つからないという場合も少なくありません。遺跡発掘作業員の求人は不定期にしか募集されず、一般企業で募集している求人とは別ルートで人員が確保されている例も珍しくないのです。

そんな遺跡発掘バイトの仕事を見つけるにはどうしたらいいのか、調査員や補助員との違いも含めた基本情報をまとめてみました。体力的にきついとも言われる遺跡発掘バイトの実態や、会社員の副業としても可能なのかどうかという点についても記事の後半で解説していきます。

遺跡発掘バイトとはどんな仕事?

歴史や考古学の分野では毎年のように新しい発見が相次いでいますが、そうした発見の多くは遺跡発掘の現場から生まれた成果です。遺跡発掘は文化財指定された遺跡で研究目的に行われる学術調査と、土木工事・建築工事の前に実施される緊急調査の2種類に大きく分けられます。

野球場建設工事に先立つ調査で発見された青森県の三内丸山遺跡や、工業団地造成工事の調査で発見された佐賀県の吉野ヶ里遺跡などは、発掘作業の成果が認められて遺跡が保存されました。現在でも全国で毎年1万件近い数の発掘調査が行われていますが、すべての遺跡が発掘後に保存されるわけではありません。緊急調査を実施した後で遺跡が破壊されるケースもあれば、調査で遺跡が見つからない場合もあります。

遺跡発掘バイトはそうした発掘調査を受けて不定期に募集され、実際に発掘作業を担当する仕事です。長期にわたる発掘の仕事は決して多いとは言えないため、遺跡発掘スタッフの仕事を本業としている人は一部に限られます。多くのスタッフはアルバイトやパートとして働いているのが現状で、他に本業を持ちながら副業として発掘の仕事をしている人も少なくありません。

調査員や補助員との違い

発掘を行うスタッフには調査員と補助員・作業員の3種類があって、それぞれ役割分担しながら発掘作業に当たっています。発掘現場で作業員に指示を与えたり報告書をまとめたりと、遺跡発掘の全工程を統括するのが調査員の役目です。

補助員は作業員とともに発掘作業を進める一方で、調査員を補佐する役割も果たしています。遺跡発掘スタッフは調査員を頂点としたピラミッド構造をしており、裾野に位置するのがアルバイトの作業員です。

遺跡発掘は学術的な知識と非常にデリケートな作業を伴う一方で、土を掘るだけの地味で骨の折れる作業にも膨大な時間を費やす必要があります。考古学の学術的な知識を持つ遺跡発掘調査員がすべての作業を担当するのは不可能なため、調査員の指示に従って発掘作業を行う作業員の手が必要になってくるのです。

補助員は土を掘る作業も手伝いますが、現場の写真撮影や測量と図面作成・出土した遺物の収集と洗浄作業を伴う点で末端の作業員と異なります。一般に遺跡発掘バイトと言えば土を掘る作業が中心の作業員を意味しますが、アルバイトの待遇で募集されている補助員の求人も少なくありません。

道路工事や建築工事の現場でも現場監督を頂点としてその下に職人が位置し、一番下のアルバイト作業員が主に力仕事を任されるというピラミッド構造が見られます。工事現場バイトも資材を運搬したりするような力仕事が中心ですが、遺跡発掘現場でこれに相当するのが土を掘る担当のアルバイト作業員なのです。

求人の見つけ方

遺跡発掘バイトの仕事に興味があって挑戦してみたいと思ってみても、どうやって仕事の募集を見つけたらいいのかわからないという声が目立ちます。一般の求人サイトで検索してみても、自分の住んでいる地域で募集されている求人がなかなか見つからないのです。

遺跡発掘は全国どの地域でも常時行われているというわけではなく、学術調査はどうしても遺跡の多い地域に偏りがちになります。自治体や財団法人が主体となって実施する緊急調査の場合は、発掘スタッフの募集が必ずしも求人雑誌や求人サイトに掲載されません。

遺跡発掘作業員には地元の高齢者や農家のおばちゃんが多いせいか、シルバー人材センターを通じて人員が紹介されるような例はよくあります。表立っては遺跡発掘バイトが募集されていない場合でも、職員やスタッフからの紹介を受けることで働き手が確保されているのです。遺跡発掘を行う自治体の総務課や教育委員会・埋蔵文化財センターなどに問い合わせてみれば、そうした非公開の求人を紹介してもらえる可能性があります。

タウンワークIndeedで検索して見つかる求人は、建設会社が募集している遺跡発掘スタッフが大半です。東京などの首都圏では遺跡発掘の求人が見つからない場合も多いですが、遺跡発掘現場が多い関西圏なら比較的見つかりやすくなります。

遺跡発掘バイトの給料は工事現場バイトと同じように日給の形で支給される場合が多くなっていますが、時給いくらという形で募集されている求人もあります。時給の場合は1,000円前後、日給の場合は8.000円前後が給料の平均的な相場です。

遺跡発掘バイトの仕事内容

発掘調査の現場ではまず遺跡が存在するかどうかを調べる試掘が行われた後、遺跡と関係ない上層の土は重機を使ってざっくりと掘削します。遺跡がありそうな層に達したところで手作業による掘削に移り、スコップなどの道具を使って土を少しずつ掘り進めていくのが一般的です。

ユンボを使った掘削は免許を持つ重機オペレーターの仕事で、一般の遺跡発掘作業員は重機が使えない発掘現場が主な仕事場になります。掘り進めた土を邪魔にならない場所まで手作業で運び出すのも遺跡発掘バイトの仕事で、土木工事の現場でも使われる一輪車で運搬するのが基本です。

遺跡発掘バイトの仕事はどれだけきつい

遺跡発掘と言えばハケを使って土器や土偶・埴輪などの出土物を慎重に掘り下げる作業を思い浮かべがちですが、実際の発掘現場ではそうした細かい作業はごく一部に過ぎません。民間で行う遺跡発掘の場合は土木工事を請け負う建設会社が求人を募集している例も多いだけに、1日の大半はひたすら土を掘って外に運び出す力仕事を強いられます。遺跡発掘という言葉の学術的な響きとは裏腹に、アルバイトの作業員は単調な作業の繰り返しなのです。

調査員にもなれば頭脳を駆使する場面も増え、補助員も測量や図面の作成など技術的な作業を伴います。末端のアルバイト作業員の中にも経験を積めば補助員がするような仕事を任されるようになる場合もありますが、力仕事や汚れ仕事しかさせてもらえないのが普通です。

屋外の作業となるため夏の炎天下は厳しい暑さに耐えながらの仕事で、熱中症のリスクもあります。発掘現場は地面を深く掘り下げた窪地が多く、風通しが悪い上に湿気もこもりがちで蒸し風呂のような環境です。雨が降れば発掘作業が休みになることが多いとは言え、雨が止んだ後の作業は泥まみれになるのを覚悟しなければなりません。

古代ロマンを求めて遺跡発掘バイトを始めながら、以上のような仕事のきつさに音を上げて辞めてしまう人も少なくありません。土を掘る作業の最中にはミミズや昆虫が出ることも珍しくないだけに、虫が苦手な人にとっては精神的にもきつい仕事です。

会社員の副業には不向き?

遺跡発掘バイトを募集する求人の中には、週に2日や3日から勤務可能というところもあります。そうなると会社員の副業にも利用できるように思いがちですが、平日の日中に本業の仕事があるサラリーマンでは働く時間帯が合いません。

遺跡の発掘は教育委員会のような役所や埋蔵文化財センターのような財団法人が主体となって進めているケースが多いだけに、平日の日中に作業を行って土日祝日を休みとするのが一般的です。建設会社で募集している遺跡発掘バイトの求人も平日の日中に仕事をする例が大半で、土日に発掘を行うところは決して多くはありません。

工事現場バイトの仕事なら道路工事を交通量の少ない深夜に投光器で照らして実施する場合もよくありますが、遺跡発掘は日中に行うのが基本です。日の短い冬場は午前の8時半から9時くらいに発掘を始めて、午後の3時か4時くらいには仕事切り上げるところも少なくありません。

そうした点を考えると、遺跡発掘バイトを副業にできるのは平日に休める人に限られます。小売業やサービス業など土日祝日も営業している店で働く従業員や自営業者の他、コロナ禍の影響で仕事が減ってしまったフリーランスなども遺跡発掘バイトで働くことは可能です。地方に住む年配女性の中には農家の仕事をしながら、副業として遺跡発掘現場で働いている人も珍しくありません。

遺跡発掘バイトの求人と仕事内容まとめ

以上のように体力がないと長続きしない仕事ではありますが、遺跡発掘バイトは未経験可の求人が多い点でハードルの低い働き方でもあります。専門知識が必要になるのはピラミッド構造の上位に位置する調査員の話で、末端の作業員アルバイトは難しいことを考える必要はありません。

遺跡発掘スタッフは時給換算だとそれほど高額なアルバイトとは言えませんが、週に2日ずつ働けば月に5万円以上は稼げる副業です。フルタイムで働けば月収10万円以上稼ぐことも可能で、定年退職後のシニアにとっても稼ぎやすい仕事だと言えます。

地味できつい作業の連続となるため若い人は長続きするのが難しいかもしれませんが、出土品や遺構の発見に貢献できる喜びは他の仕事にない魅力です。一般的な工事現場のバイトとはまた一味違ったやりがいのある遺跡発掘の仕事に興味がある人は、地元の自治体や建設業者で募集している求人を探してみるといいでしょう。

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