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ドジョウ養殖は本当に儲かる?販売方法と年収の目安を解説

ドジョウ養殖は本当に儲かる?販売方法と年収の目安を解説 副業
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当ブログではこれまでにメダカや金魚・錦鯉・熱帯魚など、いろいろな魚の養殖業について取り上げてきました。

養殖されている淡水魚の中では、「ドジョウが儲かる」とも言われています。ウナギや鮎などと比べると、ドジョウは養殖の対象として比較的マイナーな魚です。それだけに、「儲かるというのは本当なの?」と思ってしまいます。

養殖ビジネスが順調にいけば儲かる可能性もありますが、育てたドジョウをどうやって販売するかが1つの問題です。そこで今回はドジョウの養殖をテーマに取り上げ、3種類の販売方法と年収の目安を調査してみました。「儲からない」と言われる米作りに限界を感じている農家の人も、この記事を読めば休耕田の活用で収入を増やす道が開けてきます。

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ドジョウ養殖は儲かる?

ドジョウを使った柳川鍋
農林水産省がまとめた令和3年の漁業・養殖業生産統計によると、主に淡水魚を対象とした「内水面養殖業」で収穫量が最も多かったのはウナギです。令和3年の魚種別収穫量は以下の通りとなっています。

  • うなぎ20,673t(62.9%)
  • にじます4,161t(12.7%)
  • あゆ3,909t(11.9%)
  • こい2,064t(8.1%)
  • その他2,000t(6.2%)

出典:令和3年漁業・養殖業生産統計(農林水産省)

海面養殖業で魚種別収穫量が最も多かったぶり類(13,691t)と比べても、ウナギの収穫量は突出して多いことがわかります。

近年はウナギの店頭価格が高騰を続けているだけに、土用丑の日にはドジョウを代用品として食べる動きが広がっているほどです。そうした需要の変化もあって、ドジョウの養殖が「儲かる」と言われるようになりました。

ドジョウは食用としての利用だけでなく、熱帯魚などの生き餌としての需要もあります。オオシマドジョウやヒドジョウといった珍しい種類のドジョウは、観賞魚としても人気を集めている状況です。

ドジョウは飼育コストが比較的安く済む魚だけに、販路さえ確保できれば収益性の高いビジネスモデルになり得ます。それも「売れれば」の話で、販路が見つからなければ儲かりません。

生き物を扱うビジネスには、天候や病気などの原因で全滅のリスクもあります。「必ず儲かる」という保証はできませんが、休耕田を有効活用したビジネスの1つとして注目されているのも事実です。

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ドジョウ養殖の手法

水槽で飼育されているドジョウ

ドジョウはもともと全国各地の河川や農地の水路で、普通に生息していた淡水魚です。近年では環境の変化もあって、野生ドジョウの生息数は激減してしまいました。かつて生息していたのと同じ環境を人工的に作ってあげれば、養殖も十分に可能なはずです。

島根県や大阪府など一部の地域では、実際に休耕田を利用したドジョウの養殖が試みられています。夏場は休耕田のような屋外の養殖池で飼育し、冬場は屋内飼育に切り替えれば、通年での養殖も実現可能です。ドジョウ養殖の手法を屋外飼育と屋内飼育に分け、概要を解説していきます。

養殖池を利用した野外飼育

ドジョウを養殖するのに最も低コストの飼育方法は、休耕田のような屋外の養殖池で育てるやり方です。ドジョウは農薬が普及する以前の水田ではごく普通に見られた魚だけに、水を張った休耕田なら飼育するのに特別な設備は必要ありません。

休耕田でなくても、屋外に養殖池を設置できればドジョウの飼育は可能です。体長2~3センチほどの稚魚を養殖池に放流しておけば、特に餌を与えなくても勝手に育っていきます。養殖池に自然発生するミジンコなど動物性プランクトンに加え、ボウフラのような昆虫もドジョウの好物です。

土地所有者の許可を得て自然環境から野生の個体を採取するのでない限り、ドジョウ養殖を始めるのに普通は1匹数円程度で稚魚を購入することになります。ネットオークションなどで成魚を購入して放流し、自然に繁殖させて産卵を待つのも1つのやり方です。鮮魚店などで売られている活ドジョウも、オスメスを混ぜて放流すれば繁殖する可能性があります。

屋外の養殖池で飼育したドジョウを食用として出荷する際には、泥抜きと呼ばれる工程が欠かせません。きれいな水を入れた水槽や容器にドジョウを移して1週間前後泳がせ、水をこまめに交換するのが代表的なやり方です。

ビニールハウスなどを利用した屋内飼育

ドジョウは観賞魚としても飼育されているくらいですので、その気になれば水槽を使った屋内養殖もできないことはありません。温度管理をした屋内で飼育すれば通年での出荷も可能ですが、屋外飼育と比べてコストが多くかかってきます。

ビニールハウスや物置小屋などの場所に水槽を設置し、ボイラーなどを導入して温度を一定に保つようにする養殖の手法です。ボイラーを動かすのに燃料費がかかる他、水槽での飼育には餌代も欠かせません。場合によっては酸素供給設備や給水設備も必要になってきます。

無泥環境の水槽で屋内飼育したドジョウであれば、出荷の際の泥抜き作業は不要です。シマドジョウやヒドジョウなど観賞用のドジョウを養殖する場合も、通常は水槽を使った屋内で飼育することになります。

ドジョウの販売方法

以上のような手法を用いればドジョウの養殖は可能ですが、飼育に成功しても買い手がなければ収入につながりません。ドジョウ養殖の成否は、一にも二にも販路の確保にかかっていると言えます。

ドジョウの買い手も、食用と観賞用・生き餌用で変わってくるものです。買い手によって売り方が異なりますので、以下のような3種類の販売方法に分けてポイントを解説します。

  1. 店舗に卸す
  2. ヤフオクに出品
  3. ネットショップを開業

店舗に卸す

養殖したドジョウの販売先としてすぐに思いつくのは、ドジョウ料理を出している飲食店です。食用のドジョウを養殖する場合の取引先としては最も有力ですが、ドジョウ料理を扱う店はそれほど多くありません。店舗の数が限られる上に、たいていの店では食材の仕入先が固定されています。

そういう店と新規に取引してもらおうために交渉しても、いろいろと理由をつけて断られるのが当たり前です。取引先としての信頼を得ない限りは相手にしてもらえませんので、販路を開拓するには営業力や交渉術も必要になってきます。

熱帯魚などの餌用や鑑賞用としてドジョウを販売する場合でも、簡単に売れない点には変わりありません。ドジョウを商品として扱うペットショップやアクアショップなどが対象となりますが、そういう店も飲食店と同様に仕入先が決まっているからです。

どちらにしても当初は商品をサンプルとして無償で提供するなりして、少しずつでも店側の信頼を得ていくしかありません。

ヤフオクに出品

餌用や鑑賞用としてドジョウを販売するなら、ネットオークションサイトのヤフオクも有力な販売先の1つです。メルカリラクマのようなフリマサイトは生き物の出品が禁止されていますが、ヤフオクなら生きた魚類の出品も可能です。実際にメダカや熱帯魚など、さまざまな鑑賞魚が活発に取引されています。
ペット用として人気を集めているのは、シマドジョウやヒドジョウいった珍しい種類のドジョウです。熱帯魚などの生き餌にするドジョウになると、観賞用以上に需要が期待できます。

観賞用のドジョウは1匹単位でも取引されていますが、餌用のドジョウは数十匹から100匹単位での出品が目立ちます。ヤフオクではオークション形式での出品だけでなく、定額のフリマ形式で出品することも可能です。販売先の店舗がなかなか見つからない場合には、ヤフオクへの出品も検討してみるといいでしょう。


ネットショップを開業

店舗の買取やヤフオクへの出品が軌道に乗ってきたら、ドジョウ販売専門のネットショップを開業するのも1つのやり方です。食用のドジョウを店舗に卸すような場合、販路はどうしても地元の飲食店などに限られてしまいます。インターネットを活用すれば、販路を全国に拡大することも可能です。

衛生上の問題もあって買い手がつかないせいか、ヤフオクでは食用にするドジョウがほとんど取引されていません。食用のドジョウをインターネットで販売するには、自分で通販サイトを作るしかない状況です。

ネットショップを開設しても必ず売れるとは限りませんが、上手に宣伝すれば新たな販路の開拓につながります。ドジョウ料理を出している店と接点を持つには、ブログやSNSでドジョウ養殖に関する情報を発信するのも効果的です。

ヤフオクに出品した商品が売れた場合には、落札価格の10%が手数料として引かれます(Yahoo!プレミアム会員は8.8%)。自分だけのネットショップなら、売上から引かれる部分のコストをもっと低く抑えることも可能です。

ドジョウ養殖家の年収

ドジョウの養殖で実際にどれくらい儲かるのか、個人差が大きい業種だけに正確な数字を割り出すのも簡単なことではありません。養殖の対象としては比較的マイナーな魚種のせいか、養殖事業者の平均年収を統計するほどのデータが集まらないからです。

ドジョウの養殖を本業の仕事にしている人は、全国でもほんの少数に限られるものと推定されます。大半の人は他に収入源を持っていて、副業の形でドジョウの養殖と販売に取り組んでいるはずです。判明しているドジョウの販売単価から、収入の目安を推定するしかありません。

たくさんの1万円札と「年収」の文字

食用目的で取引されるドジョウの場合、体長3センチほどの稚魚は1匹あたり5円程度が平均的な相場です。体長8センチほどの成魚になると、1匹80円から90円ほどで売れるようになります。

1反(約1,000㎡)の休耕田を利用してドジョウを養殖した場合、一度に3,000匹ほどの飼育が可能です。順調にいけば休耕田1反あたりで、年間25万円ほどの売上が得られる計算となります。

農林水産省の統計によると、令和4年産米の買取価格は全銘柄平均で1俵60kgあたり13,961円でした。1反あたりの平均的な収量は8~9俵ほどですので、年間で12万円ほどの売上にしかならない計算です。

米作りには農機具や農薬・肥料など、多大な費用もかかります。売上からこれらの経費が引かれると、収益がほとんど残らないという結果になりかねません。

その点でドジョウ養殖なら1反あたりの売上が稲作の倍ほどになる上に、経費もそれほどかからないというメリットがあります。売上の大半を収益にすることも可能ですので、経営規模によっては数百万円クラスの年収を稼ぐことも可能です。ドジョウ養殖の経営規模を拡大すればするほど販売数量も増やす必要がありますので、販路の開拓が重要な鍵を握ってきます。

ドジョウ養殖の副業で稼げる金額

一方の餌用や観賞用として取引されるドジョウの場合は、食用と比べて需要は限定的と見るのが妥当です。主に個人客が取引の対象となることから、ドジョウを養殖している人も副業の域にとどまるものと推定されます。

ヤフオクに餌用として出品されているドジョウの落札価格は、100匹前後で1,000円から数千円程度が平均的な相場です。観賞用のドジョウは1匹あたり100円から数百円という例が多く、熱帯魚やメダカの珍種と比べると落札価格は低めに抑えられています。いずれも一攫千金を狙うには不向きな魚種と言えますので、副業で月に数千円から、多くて数万円稼げれば御の字でしょうか。

まとめ

シマドジョウ

ドジョウの養殖が本当に儲かるのかどうか、多角的な観点から検証してきました。収益を確保するのに一番のネックとなるのは、どうやって販売先を見つけるかという点です。特に食用のドジョウを買い取ってくれる店を見つけるのは大変ですので、交渉力に自信のない人は副業の範囲内で餌用や観賞用のドジョウ飼育から始めことをおすすめします。梱包や発送の手間はかかりますが、ヤフオクなら少量からでも売れる可能性があります。

休耕田を有効活用したドジョウの養殖は、稲作より儲かる可能性があるという点で有望視されているビジネスです。生き物を扱うビジネスには、相応の責任が伴います。販路の開拓も大きな課題となってきますが、チャレンジ精神のある人は検討してみるといいでしょう。

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