店で商品を購入したときにもらうレシートを、単なるゴミとして捨てていませんか?
主婦を中心に人気を集めているレシート買取アプリを使えば、ゴミになるはずだった紙切れがポイントや現金に変身します。
普通は捨ててしまうようなレシートがお得なポイントやお金と交換できるのはどうしてなのか、ここ数年で急増しているレシート買取アプリの仕組みについて調査してみました。登録の際に生年月日や性別などの情報入力が必要なアプリもありますので、レシート買取アプリの安全性についても記事の後半で詳しく解説します。
レシート買取アプリとは?
世の中にはいろいろな商品に需要があるもので、「こんなものが売れるの?」というゴミ同然のジャンク品までが買取されています。メルカリでもトイレットペーパーの芯やペットボトルのキャップなど、普通はゴミとして捨てるようなものが意外に売れている状況です。
買い物をしたときに受け取るレシートもその1つで、わざわざ専用アプリを開発までして積極的に買取が行われています。スマホで買取アプリをインストールしてサービスに登録すれば、レシートの写真を送信することでポイントや現金と交換できるようになるという仕組みです。ポイントサイトやアンケートモニターと似たような稼ぎ方となるため、副業というよりは節約術に近いサービスだと言えます。
レシート1枚1枚の買取金額は1円から数十円程度ですが、長くコツコツと続けていれば貯まるポイントや現金の額もばかになりません。スマホアプリを使いながらゲーム感覚で手軽に取り組めるという点も、20代から40代の女性を中心に人気を集めている一因です。単価が低いだけにレシート買取アプリで月に1,000円以上を稼ぐのは至難の業ですが、キャンペーンやボーナス案件を上手に利用すれば効率よく稼げるようになります。
レシートがポイントや現金に換えられる仕組み
こまめに家計簿をつけている人でない限り、大多数の人にとってレシートは店で買い物をした後に残る邪魔な紙切れでしかありません。商品の値段に間違いはないかどうか確認したり、不具合があって返品や交換の必要が生じたりした場合にはレシートも役に立ちます。
返品などに備えて一定期間レシートを保管しておくという人も少なくありませんが、買取が可能になったのは専用アプリが登場したここ数年の話です。それまでゴミとして捨てられていたレシートには、企業にとって宝の山とも言える貴重な情報が詰まっています。消費者が実際に買い物をしたときのレシートを見れば、よく売れる商品の組み合わせや時間帯などのデータが得られるのです。
よく一緒に買われている商品が判明すれば、両方の商品を並べて販売したりすることで売上げアップに役立ちます。レシートを解析して得られるデータはさまざまなマーケティングに応用できるため、お金を払ってでも買取しようとする企業が出てくるというわけです。
買い物かごの中身を解析するマーケティングの手法はバスケット分析とも呼ばれ、小売店や通販サイトの売上改善に活用されてきました。こうした需要に目をつけたベンチャー企業がレシート買取アプリを開発して実用化し、ゴミ同然だった紙切れが現金やポイントと交換できるようになったのです。
主なレシート買取アプリ
利用する企業が増えたことでレシート買取アプリはビジネスモデルとして確立されるようになり、数多くのアプリが次々と登場しました。短期間でサービスを終了した例も少なくありませんが、いくつかのアプリは現在でもサービスが存続しています。その中でも代表的な買取アプリは以下の通りです。
- ONE
- CODE
- CASHb
- CASHMART(キャッシュマート)
各アプリの概要について解説します。
ONE
最初に紹介するレシート買取アプリのONEは、2018年に現役の高校生が立ち上げたことで大きな話題を呼びました。横浜市のレシ活事業とも提携した実績があります。
ONEはレシート1枚を1円~10円で買取できるサービスで、国内にあるほとんどの銀行口座に出金が可能です。1日あたりの買取枚数が3枚以内という制限もありますが、どんなレシートでもお金になることから人気が沸騰しました。サービス開始直後には申込みが殺到してパンク状態となったため、サービスの一時停止に追い込まれたほどの人気ぶりです。
銀行口座に出金する際には280円の手数料が必要で、1日の買取枚数にも制限があることから、出金できるほどの金額がなかなか貯まらないという人も少なくありません。買取価格がアップするキャンペーンや高額のポイントがもらえるアンケートなど、不定期で実施される案件を上手に使えば稼ぎやすくなります。
CODE
株式会社リサーチ・アンド・イノベーションが運営するCODEは、テレビや雑誌でも紹介された定番のレシート買取アプリです。レシートとともに商品のバーコードの画像を送信することで、現金と交換可能なポイントがもらえます。リアル店舗から商品を購入したレシートだけでなく、ネット通販で購入した商品の明細書や納品書も買取は可能です。
CODEで発行されるポイントには、TAMARUポイントとCODEコインという2つの種類があります。このうちCODEコインはアプリ内の懸賞に使えるポイントで、懸賞に当たれば普通のレシート買取では得られない高額の商品がプレゼントされる仕組みです。TAMARUポイントはdポイントやWAONポイント・Amazonギフト券などと交換が可能で、PeXポイントと交換すれば銀行口座に現金として入金できるようになります。
CASHb
キャッシュビー株式会社が運営するCASHbもCODEと同様に、レシートと商品バーコードをポイントと交換できる買取アプリです。どの商品でもいいというわけではなく、CASHb側で指定した対象商品がレシート買取の対象となります。アプリ上で指定商品の広告を閲覧したりアンケートに回答したりした後、購入した商品のレシート画像を撮影してバーコードをスキャンするという流れです。
申請したレシート画像とバーコードが承認されれば、1pt=1円相当のCBポイントが付与されます。貯まったポイントを銀行口座に現金として入金するには、普通は1,000CB以上が必要です。セブン銀行ATMで受け取る場合は、アプリ内で口座情報を登録する必要がありません。
CASHbは他のレシート買取アプリより最低換金額が高いという不満もありましたが、楽天銀行口座を持っている人なら1円単位で出金することも可能です。CASHb for 楽天銀行という便利なアプリもありましたが、2024年8月19日をもって残念ながらサービスが終了してしまいました。CASHbそのものは現在もサービス継続中です。
CASHMART(キャッシュマート)
CASHMART(キャッシュマート)はレシート以外にも、冷蔵庫の中身やランチなど身の回りの写真を送信してポイントがもらえる買取アプリです。どんなレシートでも1枚1円相当のポイントに変えられます。移動するだけでポイントが貯まるキャッシュマートMOVEや、歩いて貯めるキャッシュマートWALKも人気の機能です。
キャッシュマートで110円分以上のポイントが貯まったら、Amazonギフト券や飲食店のチケットなどと交換できるようになります。現金との交換はできませんが、対象店舗やAmazonをよく利用する人にとってはお得なアプリです。必要最低限の情報を登録するだけで利用できますので、レシート買取アプリの中では個人情報流出のリスクが低いと言えます。
CASHMART-レシート撮影でお金がもらえる買取アプリ
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レシート買取アプリの安全性は?
ゴミ同然のレシートでお金を稼げると言われてもたいていの人は半信半疑で、怪しいのではないかと思ってしまうのも無理はありません。信頼できるかどうかわからないサービスに個人情報を登録するのは、情報流出や悪用などのリスクもあるので注意が必要です。
買取されたレシートは商品の組み合わせがわかるだけでも貴重なデータとなりますが、買い物客の年齢や性別・居住地域もわかれば付加価値がさらに高まります。そのためレシート買取アプリの多くは登録時に生年月日や性別・郵便番号の入力を求められますが、それらのデータも個人が特定できるほどではありません。サイトの通信手段がSSLで暗号化されていてプライバシーマークも取得しているサービスなら、安全性の面では大きな問題はないはずです。
レシート買取で獲得したポイントを現金化する際には、現金を振り込む銀行口座の登録が必要です。CODEのポイントを現金と交換可能なポイント統合サービスのPeXは、東証一部上場企業のマクロミルなど多くの企業と提携しています。CASHbもメガバンクや楽天銀行など大手金融機関と提携を結んでいるだけに、銀行口座も安心して登録できそうです。
レシートをそのまま現金化できるONEの場合は口座への出金に本人確認書類が必要でしたが、現在は不要になっています。いずれも個人情報流出や悪用の危険性は高くないとは言え、過去には急にサービスが終了したレシート買取アプリもありました。出金しないままサービスが終了した場合は、レシート買取で得たポイントや現金が消えてしまうリスクも考えられます。
誠意ある企業であればサービス終了後も何らかの補償を行うのが当然の務めですが、どの程度まで対応してもらえるかは不透明な状況です。レシート買取で得られる金額は単価が低く出金の水準に達するまで時間がかかると予想されますので、利用する場合はそのへんのリスクも頭に入れておいた方がいいでしょう。
レシート買取アプリの仕組みまとめ
それまでゴミとして捨てられるのが普通だったレシートも、以上のような買取アプリを利用すれば現金同様に使えるポイントや現金そのものと交換できるようになります。買い物客からすればたいして価値がありませんが、買い物動向を知りたい企業にとってレシートはマーケティングのアイデアが詰まった宝庫なのです。
そういった企業の宣伝広告費を財源とするレシート買取も1枚1枚の単価は低いため、まとまった金額を稼ぐには時間がかかります。副業として取り組むなら時間をもっと有効に活用できる他の仕事をおすすめしますが、家計を少しでも節約したいという目的であればレシート買取アプリも利用価値があります。