本業以外に収入を得る手段は無数と言っていいくらいに数多く考え出されていますが、不労所得が得られる副業となると数が限られてきます。株式会社アース・カーが運営する駐車場シェアリングサービスの特Pは、空きスペースを有効活用して不労所得が得られる手段の1つです。自宅などに車やバイクが1台でも駐車できる空きスペースがあれば、特Pに登録しておくことで駐車場として貸し出せるようになります。
急成長を続ける特Pとはどのようなサービスなのか、他の駐車場シェアサービスと比較した場合のメリットや登録方法など基本情報をまとめてみました。特Pを利用して実際にど
れくらい稼げるのか、収入の目安についても記事の後半でモデルケースを紹介します。
特Pとは
駐車場シェアと言えばakippa(あきっぱ)や軒先パーキングなどが有名ですが、特Pは2017年にスタートした比較的新しいサービスです。業界では後発組ながら登録ユーザー数が急増していて、現在はakippaと並ぶ2強の一角を占めるまでにシェアを伸ばしています。
駐車場を貸し出す時間は1日単位だけでなく、4時間以上の時間貸しも可能です。マイカーを駐車するのに使っている自宅前のスペースや車庫でも、自分の使わない時間帯だけ特Pで貸し出せば収入が得られるようになります。
特Pで駐車場を探すユーザーはスマホを使って希望する場所と日時の駐車スペースを手軽に検索できる上に、コインパーキングなど一般的な駐車場より安い料金で利用できる点でも人気上昇中です。駐車場を貸し出す側でも、日時や料金などの設定をスマホやパソコンで簡単にできます。駐車場を貸す人も借りる人も、フリマアプリのような感覚で貸し借りができるという点が人気の一因です。
駐車場シェアの仕組み
一般的な駐車場経営と違って、特Pのような駐車場シェアは初期費用や運営コストがかかりません。駐車場を開業するには最低でも数台分の駐車スペースを整備するのが一般的ですが、特Pなら車1台分でも止められる空きスペースがあれば貸し出せるようになります。
駐車場シェアはシェアリングエコノミーと呼ばれる共有経済の1つで、既存の駐車場だけでは不足しがちな駐車需要を補う手段として仕組みが考え出されました。駐車場シェアが登場した背景には、都市部を中心とした慢性的な駐車場不足があります。
筆者も数年前に友人とプロ野球の観戦に出かけた際に、球場近くの駐車場はすべて満杯で車を止めようにも止められないという出来事がありました。駐車スペースを探し回るうちに試合開始時間が過ぎてしまい、ようやく球場に到着たのは1時間も遅れた時刻です。その試合は1-0のロースコアで決着がつきましたが、唯一の得点場面は試合の序盤で見逃してしまいました。
そんな苦い経験を持つ人が少なくないことから、駐車場シェアの需要は年々高まっています。一般の住宅や民間企業の空きスペースを駐車場として有効活用し、駐車場所に困っている人とマッチングするのが特Pやakippaのような駐車場シェアリングサービスです。住宅を宿泊施設して貸し出す民泊の駐車場版とも言えるサービスだけに、駐車場シェアは「民駐」とも呼ばれています。
特Pの運営会社
駐車場の貸し借り仲介を任せることになるだけに、特Pの運営会社がどのような企業なのか気になるところです。特Pのサービスを運営する株式会社アース・カーは、ISホールディングスの子会社として2009年に設立されました。同社はカーシェアリング事業でも実績があり、車に関連したシェアリングエコノミーのノウハウが車内に蓄積されています。そのノウハウを駐車場シェア事業にも活用しようとして2017年にスタートしたのが、急成長が続いている特Pのサービスなのです。
特Pの活用事例
駐車場シェアはコインパーキングなどと違って料金精算機やロック装置・看板などの設備が不要なため、自宅前のちょっとした空きスペースでも貸し出すことは可能です。特Pで駐車場を登録している人の中にも自宅の敷地や車庫を貸し出している人が多く、マイカーの置き場所と兼用で使わない時間帯だけ貸し出しているという例も少なくありません。日中仕事に行っている間に自宅の車庫や駐車スペースを貸し出すのはその代表的な例ですが、休日にドライブに出かける時間帯に貸し出すのも特Pで稼ぐ活用事例の1つです。
特Pには個人だけでなく法人も登録できることから、店の駐車場の一部を貸し出すという手もあります。コロナの影響で客足が遠のいて売上が減ってしまった飲食店や小売店は、店の駐車場もがら空きで無駄に遊んでいる時間帯が多いものです。駐車場の全部でなくても一部を特Pに登録して貸し出せば、店の売上が減った分を少しでも挽回できる可能性があります。
自宅や職場で車を置くスペースがなく、近くに月極駐車場を借りている人という人でも特Pで貸し出すチャンスがあるかもしれません。借りている駐車場の大家さんと交渉して許可が得られれば、自分が使わない時間帯だけ特Pで貸し出すことが可能になってくるのです。
特Pで需要がある駐車場の立地条件
以上のようにさまざまな活用事例が考えられるとは言え、立地条件に恵まれていれば効率的に稼ぎやすくなります。自宅の近くに駅や集客施設がある場合は駐車場の需要が大きいエリアだけに、特Pで稼ぐのに最も有利な条件です。繁華街や有名観光地に住んでいる人なら、駐車場にするほどでもない狭小地でもバイクの駐車スペースとして活用できる可能性があります。
普段は人通りが少ないような場所でも、近くでイベントが開催される日は駐車場が不足しがちです。1年を通して安定した収入が得られるというわけではありませんが、イベント時には駐車料金の相場が一時的に跳ね上がります。そういうときに備えて特Pに駐車場を登録しておけば、一時的に急増する需要を受けて結構な臨時収入が得られるはずです。
そうした一等地の優位性は駐車場シェアに限りませんが、特Pの場合は意外な場所にも需要があります。例えば病院や学校などの近くは駐車場が不足している例が多く、特Pでもよく利用されているエリアの1つです。繁華街から離れた郊外や住宅街は一見すると駐車場の需要などなさそうに思えますが、友人宅を訪ねる人や訪問営業に訪れるセールスマンなどが利用してくれる可能性があります。
特Pのメリット
他の駐車場シェアサイトと比較した特Pのメリットとしては、売上から引かれる手数料が業界でも最安値クラスだという点が第1に挙げられます。どの運営会社を利用した場合でも手数料は必ず引かれますが、この業界では売上の50%程度が平均的な相場です。特Pの手数料は業界の平均より大幅に安い30%に抑えられているため、駐車場を貸し出すオーナーの取り分がそれだけ多くなります。
例えば月に5万円の売上があった場合は、手数料が50%だと手元に残る金額は25,000円に半減してしまう計算です。これが特Pの場合は引かれる手数料が30%で済むため、自分の収入になる金額は35,000円に増えます。売上5万円で収入の差額が1万円にも達するという点を考えると、手数料が安いというのは特Pを利用する最大のメリットです。
この駐車料金はクレジットカード決済で運営会社にいったん入金される仕組みとなっているため、料金を自分で徴収する必要はありません。料金徴収も含め、駐車場を貸す相手と直接会ってやり取りする必要がないという点もメリットの1つに数えられます。特Pでは相手との接触をむしろ禁じられているくらいで、何かトラブルが発生した場合でも運営会社が対応を代行してくれる仕組みです。
初期費用や固定費なしで不労所得が稼げるという点も、特Pを利用した副業のメリットとして見逃せません。コインパーキングを開業する場合は看板や料金精算機・車輪止め・防犯カメラなど、合計で数百万円以上の初期費用が必要です。特Pならそういった開業資金を用意しなくても、車1台分から駐車場を貸し出せるようになります。
空き地などを所有している人の中には、普段から無断駐車に悩まされている人も少なくありません。そんな場所でも特Pで駐車場として貸し出すようになって以降、勝手に駐車する動きが途絶えたという例もありました。
特Pのデメリット
以上のようなメリットがある特Pにも、デメリットがまったくないというわけではありません。どのようなサービスでもメリットとデメリットの両面があるのは普通ですが、駐車場として貸し出せる時間が4時間以上に限られるという点をデメリットに挙げる人もいます。
マイカーの置き場所と併用して駐車場を貸し出している場合は、急に使う必要が生じても特Pでは予約をキャンセルできません。貸し出し予約が入っている場合は自分で使いたいと思ってもキャンセルができませんが、予約が入っていない場合1日前までなら貸出しの一時中止も可能です。
特Pに駐車場を登録したからと言って、必ず収入が得られるとは限らないという点もデメリットの1つに数えられます。このへんは不動産投資の空室リスクと同じで、借りてくれる人がいなければ収入が得られません。
特Pに限らず駐車場シェアで稼ぐために土地を購入したり借りたりする場合は、赤字になるリスクがデメリットとなります。自宅前のスペースやもともと所有していた空き地などを特Pに登録するだけであれば登録料や経費が不要のため、そうした点もデメリットにはなりません。
安心のサポート体制
以上のようなデメリットとは別に、自宅前のスペースや車庫を貸し出す場合は建物やフェンスなどに破損が生じるリスクがゼロではありません。どの駐車場シェアサービスを利用した場合でも同様のリスクはありますが、特Pは万が一のトラブルに対してもサポート体制がしっかりしています。
特Pを利用して駐車場を借りようとするユーザーは、登録の際に車両登録とクレジットカード登録が必須です。何かトラブルがあった場合でもすぐに身元が特定できる仕組みで、会員登録の際には対物保険加入が義務付けられます。万が一住宅やフェンスなどに破損トラブルがあった場合は、破損個所を撮影した上で運営事務局に報告すれば補償してもらえるというわけです。
素性がはっきりしている特Pのユーザーはトラブルが少ないとは言え、中には出庫時間が過ぎても車が駐車したまま出ていかないというトラブルが考えられます。時間超過に対しては金銭的なペナルティが課せられる仕組みで、結果的に料金収入が増えることになります。特Pでは24時間対応のコールセンターを設置していていますので、面倒なトラブル対応はカスタマーサポートに任せた方が賢明です。
特Pでどれだけ稼げる?
駐車場を借りる立場で利用した場合でも、特Pは一般的なコインパーキングより安く駐車できるというメリットがあります。貸す立場からするとそれだけ安い料金で駐車場を提供することになるわけですが、一度登録しておけば以後は実質的な不労所得が得られる点は大きな魅力です。
1車室の駐車料金は1日あたり1,000円前後が平均的な相場で、都心部だと12時間で3,000円以上に価格設定しているような例も見られます。周辺の駐車場で料金の相場が高い地域は、特Pの設定料金が高めでも借り手がつくというわけです。
1車室あたりに稼げる月の売上は「設定料金×1ヶ月の利用回数」で決まりますが、特Pの場合はこの売上から30%が手数料として引かれます。1日あたり1,000円の料金設定で稼働率100%とすれば、手元に残る月の収入は21,000円ほどになる計算です。特Pの公式サイトでは、以下のようなさまざまな立地条件に応じて毎月稼げる収入の金額がシミュレートできます。
- 駅から徒歩圏内 36,000円
- 繁華街から徒歩圏内 61,000円
- 人気スポットの周辺 73,000円
- 公園・学校の周辺 17,000円
- 工場や会社の周辺 20,000円
- 団地やマンション周辺 18,000円
- 住宅街 11,000円
- 田舎の空いている土地 7,200円
- 東京23区 22,000円
場所によって稼げる金額にはかなりの差も見られますが、平均すると月に10,000円から50,000円程度の収入が見込まれます。この数字は1車室分の駐車スペースを貸し出した場合の話で、複数台分のスペースを貸し出すことで月に10万円以上稼いでいる人も少なくありません。
特Pなら、手間をかけずに副収入「特P」
特Pで稼ぐコツ
以上のような売上シミュレートは、駐車場の稼働率が順調に推移した場合を想定して計算された数字です。思ったほど借り手がつかずに稼働率が低迷した場合には、想定よりも月の売上が伸びない可能性もあります。
稼働率が低いと思ったら、近隣にコインパーキングなどの競合相手がないかどうかリサーチしてみるといいでしょう。ライバルとなる近隣の駐車場より料金を安く設定すれば特Pの利用客へのアピールにつながり、稼働率も上がってくるはずです。
とは言え料金を必要以上に低く設定しすぎては、駐車場収入がそれだけ少なくなってしまいます。普段の料金設定を低く抑えても、近くでイベントが開催される日などは料金を高めに設定するのが効率よく稼ぐコツです。
借りる側の立場からすれば駐車場がきれいな方が利用しやすくなりますので、特P登録用の写真を撮影する際には清掃を行ってできるだけきれいにしておく必要もあります。写真撮影はユーザー登録の後で天気のいい日を選び、日中の明るい時間帯に行うのがポイントです。
特Pのような駐車場シェアのサービスは、同じ人が同じ場所を繰り返し借りるケースも少なくありません。リピーターがつけば安定した駐車場収入につながりますので、登録用の写真を撮影した後も清掃は定期的に行い、余分なものがあれば片付けておくといいでしょう。そうすることで利用者の印象もよくなり、今後も利用したいと思ってくれるものです。
特Pの登録方法
スマホ1つで簡単に駐車場を登録できるのが特Pの特徴で、初期費用や月額料金は一切かかりません。30%の手数料が引かれるのは実際に売上が発生した場合に限られますので、駐車場になり得る空きスペースを持っている人はとりあえず特Pに登録しておくことをおすすめします。3つのステップに分けられる登録作業の手順は以下の通りです。
- 氏名・電話番号・生年月日などのオーナー基本情報を入力し、住所も入力して駐車場登録を行う
- 都合がいいときに駐車場の写真を撮影し、特Pのサイトにアップロードする
- 貸し出す駐車場の料金を設定し、予約可能時間を登録する
駐車場登録を行う際には、対応できる車両の種類も個人情報とともに登録する必要があります。アップロードす写真は駐車場入口と駐車区画に加え、駐車場全体が確認できる写真も必要です。さらに駐車場の図面もアップロードすることになりますが、手書きの図面をスマホで撮影した写真でも代用できます。
駐車料金をどれくらいに設定したらいいかわからないという場合は、地域の相場に合わせて提案された料金に自動設定することも可能です。料金振込用の口座情報も入力した上で駐車場登録を申請すれば、審査を経て数日後に確認メールが送信されます。
確認メールをチェックして入力事項に間違いがなければ、特Pのサイトに掲載されるという仕組みです。駐車場登録を解除したいという場合には、電話かメールで特Pの運営事務局に連絡すれば解約してもらえます。
特Pを利用する流れ
貸し出したい駐車場を特Pに一度登録してしまえば、後はすることもほとんどありません。駐車場を借りたいという人が出てきて予約が入ると、メールでその連絡が届く仕組みです。前述のように特Pでは駐車場のオーナーと利用者との接触は原則として禁止されているため、予約時間になっても駐車に立ち会ったりする必要は一切ありません。
料金の支払いはクレジットカード決済で行われ、手数料を引いた残りの金額が特Pを通じて登録口座に振り込まれます。作業が生じるのは最初の登録時ぐらいのもので、後はほとんど何もしなくても不労所得が得られるというわけです。
特Pとakippaの比較
駐車場シェアの分野で特Pとakippa(あきっぱ)は2強の様相を呈していますが、特Pは後発組のためakippaより登録者数がまだ少なめです。ユーザー数の多さという点では、100万人以上が登録しているakippaが業界最大手と言えます。
駐車場の利用者が多い点ではakippaの方が有利に思われがちですが、駐車場を貸しているオーナーも多いため都市部ほど激戦となっている状況です。特Pはコインパーキングなども含めて周辺の有料駐車場を同時に検索可能で、料金の比較がしやすい検索システムが採用されています。そうした便利さが好評で、ここ最近は特Pの利用ユーザー数が増加傾向です。
駐車場を貸し出すオーナーの側からすれば、売上から引かれる手数料の差も無視できません。akippaは手数料が50%で、実際に得られる収入は売上の半分です。特Pは手数料が業界最安級の30%に抑えられているため、同じ駐車料金で貸し出した場合の収入はakippaより多くなります。
一方でakippaは最短15分から駐車場を貸し出すことが可能で、普段は自分で使っている駐車スペースを細切れの時間に分けて貸し出すような目的に最適です。特Pの場合は最低でも4時間以上に設定する必要があるため、短時間だけ貸し出してお小遣い稼ぎがしたいという目的には向いていません。akippaのように貸し出す時間を細かく設定できるということは、それだけ時間管理が煩雑になりやすいとも言えます。
特Pはざっくりとした時間設定で駐車場を貸し出すのに都合がいいシステムのため、仕事や家事が忙しく駐車場の管理に時間をかけたくないという人に向いたサービスです。特Pとakippaではそれぞれに特色がありますので、両方に登録して様子を見るという手もあります。
特Pで収入を得る方法まとめ
駐車場を貸し出して収入を得るには高額の初期費用が必要でしたが、特Pのような駐車場シェアサービスが登場したことで参入のハードルが大きく下がりました。自宅前のちょっとした空きスペースでも車やバイクが1台でも止められるなら、特Pを利用して収入が得られる可能性があります。
業界で2強の一角を占めるライバルのakippaと比べ、特Pは手数料の安さで優位に立っている状況です。コロナで店の売上が激減してしまった飲食店でも、駐車場の一部を特Pで貸し出せば売上のカバーにつながります。繁華街や人気スポットの近くなら、車1台分のスペースでも月に5万円以上稼ぐことが可能です。
いずれも初期費用は不要で、一度登録してしまえば手間はほとんどかかりません。実質的な不労所得を稼げる手段として、特Pのような駐車場シェアは今後ますます普及が進むと見られます。
コメント
[…] […]