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たけのこ掘りを無料でするには?私有地と公園・河川敷に分けて解説

たけのこ掘りを無料でするには?私有地と公園・河川敷に分けて解説 雑学
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毎年春になると、全国各地の竹林でたけのこ掘りをしている人を見かけるようになります。炊き込みご飯に煮物、汁物など、さまざまな料理に使える旬の食材です。

家族でたけのこ掘りに出かければ、リーズナブルなレジャーにもなります。

メルちゃん
メルちゃん

でもたけのこ掘りができる農園って、たいてい有料なのよね…
無料でタケノコ掘りができる場所はないのかな?

確かに、たけのこの収穫体験ができる竹林や農園は、500円から1,000円程度の入園料を徴収するところが大半です。高いところだと、数千円の入園料をとられる農園もあります。

当ブログでは山菜やきのこ・雑草・落ち葉など、自然のものを採取して収入を得る副業を紹介してきました。家族で消費する程度の量であれば、たけのこを無料で採取できる場所も把握しています。

  • 河川敷は許可を得なくてもたけのこ掘りが可能
  • 私有地は所有者の許可が必要
  • 公園は管理者によって対応が異なる

といった具合で、場所によって許可が必要だったり不要だったりします。「個人の利用範囲内」か「販売目的」かによっても、許可を得る必要があるかどうかが変わってくる状況です。うっかりすると法律に違反することになりかねません。

そこで今回は、料金を払わずにたけのこ掘りができる場所についての情報をまとめてみました。販売目的でたけのこ掘りをする場合は注意点もありますので、買取価格の目安とともに記事の後半で詳しく解説します。

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たけのこをとっていい場所

春の竹やぶ

条件付きの例も含め、無料でたけのこ掘りができる可能性のある場所は以下の通りです。

  • 河川敷
  • 公有林
  • 私有地

許可が必要な場所と必要でない場所がありますので、場所ごとに詳しく解説します。

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河川敷

国や自治体が管理している河川敷は、たけのこをとっていい場所とされています。河川敷は公共用物の1つで、「何人も自由に使用できる場所」と定義されているからです。排他的・独占的に使用する場合を除いて、河川敷を使用するのに許可は必要ありません。

森林法が適用される森林と違って、河川敷にある竹林は河川法の対象となります。河川法においては、「土石等の採取の許可」に関して以下のように規定されています。

(土石等の採取の許可)
第二十五条 河川区域内の土地において土石(砂を含む。以下同じ。)を採取しようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、河川管理者の許可を受けなければならない。河川区域内の土地において土石以外の河川の産出物で政令で指定したものを採取しようとする者も、同様とする。
出典:河川法(e-Gov法令検索)

政令で指定された「土石以外の河川の産出物」に関しては、河川法施行令に以下のような記述があります。

(河川の産出物)
第十五条 法第二十五条の河川の産出物で政令で指定するものは、竹木、あし、かやその他これらに類するもので河川管理者が指定するものとする。
出典:河川法施行令(e-Gov法令検索)

河川敷で許可なしに竹を切って持ち帰るのは不可ですが、たけのこは可と解釈されています。

ただし河川敷で許可なしにたけのこをとっていいのは、あくまでも個人で利用する範囲内の話です。販売目的などで大量に採取する場合には、河川の管理者に申請して許可を得る必要があります。

河川敷の管理者は以下の通りです。

  • 一級河川:国(国土交通大臣)
  • 二級河川:都道府県(知事)
  • 準用河川:自治体(市町村長)

河川敷内の竹林で販売を目的にたけのこを採取する際には、河川を管理する役所に申請して許可を得ておくことをおすすめします。

公有林

たけのこ掘りがしたい竹林が国有林となっている場合は、河川法ではなく森林法が適用されます。国有林で勝手にたけのこ掘りをして収穫物を持ち帰るのは、法律を厳格に適用すれば森林窃盗罪に該当する行為です。

実際は個人の利用範囲であれば、国有林での山菜採りは大目に見られています。地形が変わるほど地面を大きく掘り返したりしない限りは、たけのこ掘りも山菜採りと同様に見逃されている状況です。

販売目的などでたけのこを大量に採取しようとする場合には、国有林を管理している森林管理署や森林管理事務所などに申請して許可を得る必要があります。個人の利用範囲内でも不安な人は、念のため国有林を管理している役所に相談してみるといいでしょう。

県有林や市有林など自治体が管理している場所では、山菜採りに許可が必要かどうか自治体によって異なります。たけのこ掘りがしたい場合も同様に、竹林を管理している自治体に相談することをおすすめします。

私有地は持ち主の許可が必要

私有地も「無料でたけのこ掘りができる可能性のある場所」の1つに挙げましたが、勝手にたけのこ掘りをしてもいいということではありません。あくまでも土地所有者の許可を得て、料金の徴収なしにたけのこ掘りをしてもいいとなった場合の話です。

土地所有者との交渉しだいでは、有料となる場合もあり得ます。他人が自分の土地に入り込むのを嫌って、許可が得られない場合も少なくありません。

竹は繁殖力が旺盛な植物で、ちょっと油断していると始末に負えなくなります。たけのこ掘りは繁殖を抑える働きもするだけに、竹林の整備にもつながる活動です。

近所に放置されている個人所有の竹林があれば、持ち主に交渉してみる価値があります。竹林整備のボランティア活動と引き換えに、たけのこ掘りを無料で許可してくれるかもしれません。

山林の場所はわかっていて所有者が不明の場合は、以下の方法を利用して持ち主を調べられます。

  • 法務局で登記簿謄本を取得
  • 市区町村役場で林地台帳を閲覧
  • 地元の人に聞いて所有者を教えてもらう

役所を利用して山林の所有者を調べる方法は、書類の発行で料金がかかることもあります。たけのこ掘りを無料でしたい人にとっては、数百円でも節約したいところです。地元の人に教えてもらうというのが、一番安上がりな方法と言えます(知っている人がいればの話ですが)。

無料でたけのこ掘りができるスポット

法人が所有する竹林や自治体が運営する都市公園の中には、期間限定でたけのこ掘りを無料開放しているところもあります。2024年4月現在で、以下の3か所を確認しました。

  1. 千葉県鴨川(有限会社リアルサンライズ)
  2. 名古屋市緑区大高緑地
  3. 名古屋市名東区牧野ヶ池緑地

千葉県鴨川のたけのこ狩りに無料で参加するには、秋から春にかけてのシーズン外に竹林整備の作業をするのが条件です。ゴミ拾いや間引きなどの作業をすることになります。整備に参加できなかった場合には、5,000円程度の協賛金を納めるのが習わしです。

名古屋市の大高緑地と牧野ヶ池緑地も、竹林の整備を目的とした無料開放です。たけのこ掘りができる日と場所は指定されていますので、HPで最新の情報を確認しておくといいでしょう。

無料掲示板のジモティーでは、春になると「たけのこ掘りさせてください」という投稿が数多く寄せられます。中には「たけのこ掘りしてみたい方いますか?」などと、竹林の所有者が投稿している例も見られます。

過去には保護猫の飼育に使うものを持ち寄ることを条件に、無料でたけのこ掘りができるという投稿もありました。竹林整備のボランティア活動に参加すれば、採取したたけのこを報酬の代わりに無料でもらえるという例もあります。3月から5月にかけてのシーズンには、ジモティーの助け合いカテゴリで「たけのこ」と入力して検索してみるといいでしょう。

この他にたけのこ掘りそのものは無料で、収穫物の持ち帰りに代金を支払う農園は全国にたくさんあります。1kgあたり1,000円以下で持ち帰りできるところも少なくないだけに、普通に買うより安くたけのこが手に入ります。市価とそれほど変わりない場合でも、自分で収穫したたけのこの味は格別です。

公園でたけのこ掘りをするのは違法?

たけのこ掘り

名古屋市の大高緑地や牧野ヶ池緑地以外にも、市区町村などの自治体が管理している公園に竹が生えている場所があります。公園の竹林でたけのこを勝手に採取するのも、法律を厳格に適用すれば森林窃盗罪に当たる行為です。

公園内に生えた植物を採取して持ち帰る行為に対しては、公園を管理する自治体によって対応が異なります。市HPの「よくある質問」によると、横浜市の例ではたけのこの扱いは以下の通りです。

Q:公園の木の実や果実・竹の子はとっていいですか。

A:公園内のどんぐりなどの木の実は、落ちているものであれば拾って持ち帰っても構いません。ただし、他の人が拾っている場合には譲り合う、業務・商売用などで大量に持ち帰らない、木になっている実を枝のままとらないなどのご配慮をお願いします。
また、梅や柿などの果実や竹の子は、お持ち帰りはご遠慮ください。無許可で採集すると罰せられることもあります。

公園の木の実や果実・竹の子はとっていいですか。 横浜市

他の自治体でも、判で押したように同じ表現で規定しているところが多くなっています。どんぐりや松ぼっくりなど地面に落ちている木の実に関しては、公園の管理者が放置している限りはゴミと同じ扱いです。

公園の木になっている果実や、地面から生えてきているたけのこに関しては、ゴミと同じ扱いになりません。勝手に持ち帰るところを誰かが見ていて通報された場合には、森林窃盗罪に問われる可能性も出てきます。

公園の竹林でどうしてもたけのこ掘りがしたい場合は、公園の管理者から許可を得ておくのが安心です。GoogleYahoo!で「公園名 管理者」を検索すれば、管理者の連絡先が見つかります。

たけのこ掘りのアルバイトをするという手も

たけのこを採取するには鍬などを使って土を掘る必要があるだけに、かなりの重労働です。体力を要する作業にも関わらずたけのこ掘りがこれほど人気を集めているのは、収穫の喜びを味わえるという点が大きいと思います。

たけのこ掘りの作業そのものを体験してみたいという人は、たけのこを栽培している農家や農業法人でアルバイトの仕事をするのも1つの手です。たけのこ農園の中には春の収穫シーズンになると、アルバイトを募集して作業に従事させているところもあります。たけのこ掘りの作業を無料で体験できる上に、給料までもらえる仕事です。

収穫したたけのこは出荷することになりますが、農園によっては収穫物の一部をもらえる場合もあります。たけのこの収穫作業だけでなく、運搬作業や出荷作業が仕事内容に加わることも珍しくありません。かなりの重労働になると予想されますが、体力をつけるには格好の仕事です。

たけのこ掘りのアルバイトはレアな求人だけに、アルバイト求人サイトで検索しても募集はめったに見つかりません。求人サイトの多くは都市部の求人が中心で、地方の求人は少ない傾向も見られます。地方の求人に強いハローワークも含め、幅広く検索してみるといいでしょう。

たけのこ掘りは儲かる?

竹の子の無人販売所

この記事を読んでいる人の中には、販売目的でたけのこ掘りがしたいという人もいるかと思います。スーパーや青果店の店頭では結構な値段で売られているだけに、自分で採ったたけのこを売れば儲かるはずです。

管理費用を考慮に入れなければ、竹林を所有している人は元手0円でたけのこを販売できる立場にあります。竹林を所有していない人でも記事の前半で紹介したように、たけのこ掘りを無料でする手段もないことはありません。

個人が収穫したたけのこを販売するには、以下のような方法が考えられます。

  • 買取業者を利用する
  • 農産物直売所や道の駅で委託販売する
  • 自宅前などに無人販売所を設ける
  • フリマサイトやネットオークションに出品する
  • 個人でネットショップを運営する

販売手段によって儲けが違ってきますので、買取価格と販売価格に分けて解説します。

たけのこの買取価格

たけのこを買取している業者は全国に数多く存在しますが、買取価格は業者によって差が見られます。シーズンの序盤は流通量がまだ少ないため、たけのこが最も高く売れる時期です。

流通量が増える最盛期から終盤にかけては、買取価格が下がる傾向にあります。1シーズンを平均すると、たけのこの買取価格は1キロあたり数百円が相場です。1キロあたり500円以上で売れれば、高い方だと言えます。

静岡県の伊豆市シルバー人材センターを通じてたけのこを出荷した場合は、1キロあたり150円という買取価格です(これに10%の事務費も引かれます)。

たけのこを栽培している農家では、JA(農協)に出荷している人が多いと見られます。規格品を全量買い取ってくれる点はJA出荷のメリットですが、買取価格は市価よりだいぶ安くなるのが当たり前です。

JA・民間の買取業者ともに、買取価格に上乗せした金額で卸売市場や小売店に卸しています。この卸売価格に店側の利益を加えた金額が、店舗で目にする販売価格です。

楽天市場などの通販サイトでは、たけのこが1キロあたり1,000円前後で売られています。筆者の近所にあるスーパーでは、孟宗竹のたけのこが1kgあたり780円で特売されていました。

いずれも生産者が受け取った買取価格は、販売価格の半値以下と推定されます。もっと高く売りたい場合には、消費者に直接販売するしかありません。

メルカリの出品状況

たけのこを欲しいという人に直接販売できれば、業者に買取してもらうより高く売れる可能性があります。農産物直売所や道の駅で委託販売するという手もありますが、売上の15%から20%ほどの手数料を払うのが一般的です。販売手数料の他に、数千円程度の年会費がかかる場合もあります。

自宅の敷地などに無人販売所を作ってたけのこを売れば、ほとんど費用をかけずに売上の全額を自分の利益にすることも可能です。設置する場所がない人や防犯上の不安がある場合には、フリマサイトやネットオークションに出品して売るという手もあります。

実際にメルカリでは、個人が収穫したものと見られるたけのこが数多く出品されている状況です。最低価格の300円で出品している人もいますが、高評価を獲得するための戦略とも見られます。

完売例の多くは1,000円以上の価格設定で、数千円で売れた例も珍しくありません。1キロあたりの価格に換算しても1,000円以上になる例が多く、買取業者に売るのと比べても断然有利となってきます。

かごに盛られたたけのこ

ただしメルカリで販売する場合には、送料を出品者が負担するのが一般的です。さらに販売手数料として、売上の10%が引かれてしまいます。

送料と手数料を引いても収益が残るように価格設定すれば、買取より儲けを多く残すことは可能です。出品作業や梱包・発送の手間はかかるにしても、たけのこを売って「少しでも多く儲けたい」人は有力な選択肢となってきます。

メルカリ以外では、Yahoo!オークションにもたけのこが数多く出品されています。プロの農家や法人による出品も少なくありませんが、農家でない個人が出品することも可能です。

Yahoo!オークションならメルカリと同じ「定額」のフリマ出品だけではなく、オークション方式でも出品できます。たけのこを少しでも高く売るなら、落札価格がつり上がる可能性のあるオークション方式の方が有利です。

まとめ

収穫したたけのこ

無料でたけのこ掘りができる場所について、当ブログで独自に調査した結果を紹介してきました。

個人で利用する範囲内であれば、国や自治体の管理する河川敷は自由にたけのこをとっていい場所とされています。国有林などの公有林も個人の利用範囲なら大目に見られている状況ですが、法律を厳格に適用すれば許可が必要な場所です。

私有地の竹林でたけのこ掘りをしたい場合には、土地の所有者から許可を得る必要があります。公園内の竹林は管理者によって異なりますが、たけのこ掘りは不可というところが大半です。

管理者なり土地所有者なりの許可を得れば、無料でたけのこ掘りができる場所は結構見つかります。河川敷や公有林であっても、販売目的で大量に持ち帰る場合は許可が必要です。

合法の範囲内で収穫できる自然の恵みは、たけのこ以外にもたくさんあります。たけのこ掘りのシーズンは限られますので、以下の記事も参考にしてみるといいでしょう。

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