企業が運営するWebサイトはもちろん、個人が運営するブログでも成果を出すにはWebマーケティングの施策が必要になってきます。リスティング広告などの広告出稿やSEO対策から効果測定に至るまで、Webマーケティングの活用例は多種多様です。
企業サイトやブログを運営する上ではキーワード対策やサイト解析に時間を取られがちですが、作業を効率化するツールを上手に使えばコンテンツを充実させる仕事に専念できるようになります。数あるWebマーケティングツールの中から無料で利用できる定番ツールを11種類選び、それぞれの特徴をまとめてみました。
無料でキーワード対策ができるWebマーケティングツール
Webマーケティングの施策で最も重視されるのは、検索結果で上位表示されるのに欠かせないキーワード対策です。特にアフィリエイトサイトやブログ記事を作成する際に威力を発揮するキーワード関連ツールの中から、無料で使える3大ツールを紹介します。
検索需要を解析する「Googleキーワードプランナー」
検索エンジンからの流入を増やしてアクセスアップを図るには、検索されやすいキーワードの把握が重要な鍵を握ってきます。検索エンジンに強いサイトへと改善する際に活用したいSEOツールの1つが、Googleの提供するキーワードプランナーです。
Googleキーワードプランナーは有料広告出稿者向けのサービスですが、無料でもキーワードの大まかな検索需要を知ることができます。検索ボリュームの高い関連キーワードの一覧を提示したり、キーワードの競合状況を調べたりするような活用の仕方も可能です。
キーワードを徹底解剖できる「Ubersuggest」
2020年5月頃から無料版で1日に利用できるキーワード調査の回数に制限が加わるようになりましたが、Ubersuggestもキーワード対策に必須のWebマーケティングツールです。広告出稿なしにキーワードプランナーを無料で利用した場合は、検索ボリュームが「100~1000」などと大雑把な数字でしか表示されません。Ubersuggestなら無料でも1日3回程度までは、詳細な検索ボリュームを知ることができます。
Ubersuggestで調べられるのは、キーワードの検索需要だけではありません。SEO難易度や有料難易度・クリック単価に加え、検索結果の10位以内にランクされているページの平均被リンク数やドメインスコアまで把握できる優れものです。
キーワードの関連語を抽出する「共起語検索」
SEOを意識したコンテンツを制作する上で無視できないのは、ある言葉に関連して頻繁に出現しやすい共起語の存在です。共起語検索はキーワードを入力するだけで関連性のある共起語を表示してくれる便利なツールで、コンテンツを充実させて検索順位を上げる目的で活用されています。
共起語を検索できる無料ツールの中で「共起語検索」は機能が最もシンプルですが、共起語としての使用回数も表示される仕組みです。共起語検索で出力される単語は、Googleの検索結果で30位までに表示されたサイトから抽出されます。
急上昇キーワードがわかる「Googleトレンド」
ページコンテンツを作成する際には、検索数が急上昇中のキーワードを使用することでマーケティング効果が高まります。そんな人気ワードを効率的に見つける目的で活用されているツールが、キーワードの傾向や人気度が調べられるGoogleトレンドです。
Googleトレンドに調べたいキーワードを入力すると、キーワードの人気度動向がわかりやすくグラフ表示されます。Googleトレンドを使えば国別で話題となっている急上昇ワードも検索可能で、旬なキーワードの順位が確認できるランキングも便利な機能です。
無料でサイト解析できるWebマーケティングツール
Webマーケティングで成果を出していくにはキーワード対策だけでは不十分で、サイトを改善していくために必要なデータを取得する効果測定も欠かせません。次はサイトのアクセス状況や流入状況を解析できるツールの中から、無料で使える4つのツールを選んでみました。
訪問ユーザーを分析する「Googleアナリティクス」
WEBサイトを通じたマーケティング戦略を最適化していくためには、自社のサイトを訪問したユーザーの行動を把握する作業が必要になってきます。そうした場面で利用される定番中の定番と言えるツールが、無料アクセス解析ツールのGoogleアナリティクスです。
Googleアナリティクスを使えば、自社サイトの訪問ユーザーがどういう経路でアクセスしてきたのかを把握できます。一定期間に何人の人がサイトを訪問したのかという数字や、サイト内のページ別閲覧回数、使用デバイスの種類なども解析が可能です。
サイト流入を解析する「サーチコンソール」
自社サイトを分析する上でGoogleアナリティクスと併用したいツールは、サイトの置かれた状況が調べられるサーチコンソールです。Googleアナリティクスは主としてサイトに流入してくる動きを解析するツールですが、サーチコンソールを使えばサイトの状態が診断できるようになります。
サイトの検索トラフィックや検索結果での平均掲載順位など、Googleアナリティクスでは調べられないデータがサーチコンソールで収集可能です。サーチコンソールを活用することで内部リンクの状況やクロール統計情報がチェックできるようになり、HTMLの改善にも役立ちます。
検索順位を測定する「GRC」
Googleアナリティクスはサイトのアクセス状況を解析できる便利なツールですが、検索順位までは調べることができません。検索順位チェックツールのGRCを活用すれば、登録したキーワードで日々の検索順位を自動的に測定できるようになります。
GRCは自社サイトの検索順位だけでなく、上位100位までの競合サイトの順位も分析が可能です。1つ1つのキーワードごとに手作業で検索しながら順位を目視で確認するよりも、GRCを使って定点観測した方が順位チェック作業が効率化されます。
競合サイトを丸裸にする「SimilarWeb」
効果的なSEO対策を実践していくためには、同じキーワードで競合するサイトの状況を把握する作業も重要になってきます。そんな競合サイトの分析に使われている代表的なツールが、2014年に日本版が提供されるようになったSimilarWebです。
SimilarWebには有料版も用意されていますが、無料でも競合サイトの合計訪問者数や平均滞在時間、直帰率といったデータを収集できます。競合サイトのグローバルランクやカテゴリーランクなど、ウェブサイトパフォーマンスに関するデータも分析が可能です。
無料でサイト改善できるWebマーケティングツール
アクセス状況や流入経路を診断してサイト改善に役立てるには、ページの表示速度やよく読まれている部分に関するデータも必要になってきます。以上に挙げたツールだけでは知り得ないそれらの情報が得られる補助的なツールにも無料版が存在しますので、3種類を選んで特長をまとめてみました。
Webページの表示速度を測定する「PageSpeed Insights」
自社のWebサイトを最適化していく上では、直帰率にも大きな影響を与えるページの表示速度の改善も欠かせません。PageSpeed Insightsという無料のサイト速度計測ツールを使えば、表示速度に問題がないかどうかを短時間で確認できます。
調べたいページのURLを入力するだけで、モバイルとパソコンというデバイス別の表示速度が表示されるのがPageSpeed Insightsの仕組みです。改善が必要と診断された場合は修正方法も表示されるため、表示速度をアップさせるための対策も実施しやすくなります。
ヒートマップ機能を装備した「Ptengine」
WEBサイト全体のアクセス解析にはGoogleアナリティクスが最適とされていますが、ページ単位で細かい部分までアクセスを解析することはできません。ページ内で訪問ユーザーが注目している箇所を視覚的に把握できるヒートマップツールとして、無料でも使えるPtengineが挙げられます。
Ptengineはヒートマップ機能が標準で装備されているアクセス解析ツールで、WordPressのプラグインとして導入することも可能です。Ptengineを使えばページ内でクリックの多いエリアやよく閲覧している部分が色付けで表示され、視覚的に把握できるようになります。
読まれているエリアが一目でわかる「User Heat」
訪問ユーザーの注目エリアを視覚的に把握できるヒートマップツールの中では、User Heatも多くのWebマーケターに利用されています。User Heatを使えばページ内のクリックされた回数が多い箇所が光るように表示されるため、クリックの集中している部分が一目瞭然です。
ページ内でよく読まれている箇所を色分けして表示する熟読度解析も、User Heatの便利な機能として使わない手はありません。User Heatには有料版もありますが、月間30万PVまでなら無料で利用できます。
無料で使えるWebマーケティングツールまとめ
個人のブロガーやアフィリエイターでも以上のようなツールをフル活用すれば、企業のマーケター並みにWebマーケティングの施策を効率化できるようになります。無料版の機能に物足りなさを感じるようなら、多彩な機能が制限なしに使えるようになる有料版も検討してみるといいでしょう。