『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』を今こそ読むべき理由

おすすめの本

お金に関する本は数限りなく書かれてきましたが、そうした中でも『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』はお金や経済の仕組みに対する認識を大きく変えてくれる画期的な本です。本書は2018年のビジネス書売上げランキングで国内1位を記録し、累計20万部のベストセラーとなりました。

そんな『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』をまだ読んでいないという人に向けて、本書のエッセンスを解説します。この記事を読めば普段ビジネス書など手にすることがないという人でも、本書が大きな反響を呼んだ理由が理解できるようになります。

『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』の著者

『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』を書いた佐藤航陽氏は大学在学中に起業して株式会社メタップスを設立した人で、現在も同社の代表取締役社長を務めています。同社は設立当初にマーケティングコンサルティングサービスを事業の柱として、イーファクター株式会社を名乗っていた会社でした。

佐藤航陽氏が大学を中退して会社経営に専念した2011年にはSEO事業を売却してアプリ収益化支援事業を開始し、現在の社名に変更しています。2013年に開始した決済サービスも好調で、2015年には東証マザーズへの上場を果たしたのです。

お金に対するコンプレックスをバネに成長

創業者として同社の筆頭株主となっている佐藤航陽氏は株式上場で巨額の資産を手にしたと言われていますが、本書でも触れられているように、その生い立ちは決して恵まれた境遇ではありませんでした。福島県の田舎で母子家庭に育った著者は経済的に恵まれず、幼い頃からお金に対するコンプレックスを抱えていたのです。

そうした負の意識をエネルギーに変えてお金に勉強を続けた結果、著者は若くして立ち上げた会社を急成長させて富を築き上げました。時間を売買するアプリという新しいコンセプトに基づいたシェアビジネスの「タイムバンク」も、著者の佐藤航陽氏が立ち上げた事業の1つです。

【2021年1月8日追記】タイムバンクが名称変更

タイムバンクは2020年7月をもってサービス名を「レット(Let)」に変更しました。レットはかつてのタイムバンクのように時間を売買するのではなく、メーカーで余った在庫や見切り品などの訳あり品を売買できるアプリです。タイムバンクがレットに変更された経緯については、以下の記事で詳しく解説しておきました。

タイムバンクが「レット(Let)」に名称を変更した理由とは?
著名人や専門家の時間を通貨のように売買できるアプリとして注目を集めていたタイムバンクの名称が、現在は「レット(Let)」に変更されています。時間の売買アプリというコンセプトが薄れつつあるタイムバンクの現状について、最新情報を調べてみました。

『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』の概要

こう書くと本書は経済的成功を収めた著者が自身の成功体験を題材に経営哲学を伝授しようとしている本だと思われがちですが、実際にはもっと奥深い内容を持つビジネス書です。『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』というタイトルから想像されるように、お金や経済が本書を貫くテーマとなっています。

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と言っても本書は単にお金の稼ぎ方を指南するような実用的ノウハウの本でもなければ、経済の仕組みを初歩からわかりやすく解説した入門書でもありません。仮想通貨やフィンテックなど経済の仕組みを根底から変える可能性のある新しい動きに着目した著者は、時代が大きく変革されようとしているこれからの時代にどう生きるべきかを本書で熱く語っています。既存の経済システムを著者なりに分析考察しながら、ブロックチェーンやシェアリングエコノミーなどの新しい技術がどういう意味で画期的なのかという点を明らかにしているのです。

『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』の章構成

5つの章から構成されている本書の中でも、「お金の正体」と題する最初の章で著者はまず経済の仕組みを独自の視点から分析しています。続く第2章で既存の経済システムを変える新しいテクノロジーについて言及されますが、その中でもポイントとなるのは代用通貨を意味するキーワードの「トークン」です。

ここまでの前半で既存の経済と新しい経済との対比を浮き彫りにした後に、「価値主義とは何か?」と題した本書のハイライトとも言える第3章が続きます。著者は本書の前半でお金の本質を明らかにした上で、第3章から第5章の後半では「価値」に着目してお金から解放される生き方を指南していくのです。本書はお金に対するコンプレックスからスタートし、最後に「お金は単なる道具である」と結論づけるに至るまでの思考プロセスを1冊の本としてまとめた本だと言えます。

『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』の読みどころ

『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』にはブロックチェーンや仮想通貨に関する記述が少なからず見られることから、ビットコインなどの仮想通貨に関心を持つ人の間でも話題となりました。とは言え本書は仮想通貨の仕組みについて体系的に解説した本ではありませんので、ビットコインの入門書として読もうという目的には不向きな面もあります。

本書で取り上げられている「新しい経済のルール」は仮想通貨に限らず、クラウドコンピューティングやシェアリングエコノミー・動画配信、さらにIoTやAI・ビッグデータ・VRの活用に至るまで多種多様です。本書を読めばここ何年かの間で急速に普及したそれらの新しいテクノロジーの持つ無限の可能性に目が開かれ、世の中で今起こっていることが理解できるようになります。新たな視点を獲得することによって、今まで絶対的と思い込んでいた既存の資本主義やお金を稼ぐ仕組みの限界も見えてくるものです。

前半の読みどころ

本書で触れられているような新しいテクノロジーを駆使することで、自らがそうした限界を打ち破る担い手として名乗りを上げることも決して実現不可能な挑戦ではありません。特にIT企業で働いている人にとっては、本書の前半部分から仕事に役立つさまざまなヒントを得ることができます。

本書で取り上げられている仮想通貨やクラウドコンピューティングといった新しい技術はまだ発展途上の面がある上に、法整備が不完全なこともあって運用上のトラブルが絶えません。そのため金融業界や流通業界などではそうした新しいIT技術の導入に及び腰になっている企業も少なくありませんが、本書がきっかけとなって既存サービスの変革に結びつく可能性もあります。

後半の読みどころ

価値主義に関する著者独自の考えを展開した本書の後半は、さらに多くの人にとって示唆に富んだ部分です。著者は「価値」を「有用性としての価値」と「内面的な価値」「社会的な価値」の3種類に分類していますが、資本主義が高度に発達した既存の経済システムではこのうち「有用性としての価値」しか重視されてきませんでした。この「有用性としての価値」を象徴する概念こそが本書のテーマとなっている「お金」であって、著者はその「お金」を単なる「道具」と結論づけているのです。

仮想通貨に代表されるトークンの新たな仕組みやSNSの普及を背景に、今後は他の2つの価値がお金以上に重視されるようになると著者は予測しています。共感や感謝といった「内面的な価値」を象徴している例として著者はSNSの「いいね!」ボタンを挙げていますが、「社会的な価値」もまたクラウドファンディングなどの形で既存の経済システムに組み込まれるようになりました。従来はお金と結びつきにくいと考えられがちだったそれらの価値も、これからは仮想通貨に代表されるテクノロジーを介して、お金に代わる地位を獲得する可能性を秘めているのです。

本書の後半を読めば、会社に所属して給料を受け取るだけが人生ではないという点にも気づかされます。「本当に価値を提供できる人は会社に属して働く必然性が消えてきています」という第4章の1行は、将来的な起業やフリーランスとしての独立を考える上でも大きな勇気を与えてくれる1文です。現在は会社に属しながら組織の一員として働いていても、自分自身の価値を高めるような働き方を意識することで、未来の自分への投資となり得るのです。

若い世代ほど理解しやすい『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』

以上のような示唆に富む『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』は2017年11月に出版された本ですが、トーハン調べの2018年上半期ベストセラーランキングでビジネス書部門の3位にランクされています。ビジネス書をよく読むという人ばかりでなく、普段はビジネス書や金融関係の本をほとんど読まないという人の間でも話題を集めているのが本書の特徴です。

2018年は仮想通貨取引所で発生したトラブルが大きなニュースになった経緯もあって、本書で取り上げられた仮想通貨への関心が高まっています。本書では特に資本主義経済の仕組みや新しいテクノロジーの革新性を解説した前半部分で抽象的な記述も見られますが、随所でSNSやゲーム・YouTubeなどの例を使ってわかりやすく説明するような努力も払われています。若者に人気のスポーツにたとえて解説した個所もあるだけに、本書は特に20代から30代の若いビジネスマンにおすすめできる本です。

デジタルネイティブ世代におすすめの本

本書の第3章では時間そのものに市場価値を見出して通貨として流通させる可能性についても言及されていますが、この場合は年齢が若い人ほど高い価値を持っていることになります。そうした点でも若い世代の人ほど将来の躍進につながる大きな可能性を本書から引き出せるのだと言えます。

本書のタイトルに使われている「お金2.0」というのは、従来の経済システムを示す「お金1.0」を大きくバージョンアップさせた概念です。近い将来に到来すると予想される「お金2.0」の時代で主役を務めるのは、デジタルネイティブと呼ばれる世代以降の若い読者層にほかなりません。もちろん1980年代よりも前に生まれた世代であっても、日頃からパソコンやスマートフォンを使って情報を収集し、SNSや電子決済サービスにも親しんでいるような人であれば本書はおすすめです。

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まとめ

『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』は仮想通貨やフィンテックなど、経済の分野で話題を呼んでいるキーワードを上手に取り込みながらベストセラーを記録しました。1回読んだだけで本書に書かれてある内容のすべてを理解するのは難しいかもしれませんが、新たなビジネスを模索中の人にとって本書はアイデアの宝庫です。

ビジネス書の分野では次から次へと新しい本が出版され、ベストセラーとなった本も数年経てば忘れられるという例も珍しくありません。そうした中でも本書に書かれている内容は出版から2年以上を経た今もなお色褪せず、まだまだ読まれる価値があります。

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