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謝罪代行は副業でも可能?クレーム対応代行との違いや料金相場も解説

謝罪代行のイメージ 副業
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一風変わった代行業として話題になった謝罪代行はいろいろと批判的な意見がある一方で、今も根強い需要を持つ特殊なサービス業です。世の中には謝るのが苦手な人も少なくないだけに、自分1人では対応しきれないトラブルを抱え込んでしまった場合は謝罪のプロの出番となります。

そんな謝罪代行の仕事は依頼がイレギュラーで本業にするのはなかなか難しい面もありますが、副業の手段として考えれば効率よく稼げる仕事です。とは言え謝罪代行会社の求人は決して多くないため、この仕事を副業にして稼ぐにはどうやって始めたらいいのかわからないという声も聞かれます。

副業としては変わり種に属する謝罪代行の知られざる実態について、自分でサービスを立ち上げる週末起業の可能性も含めて情報をまとめてみました。謝罪代行と共通したスキルを要するクレーム対応代行との違いについても、どちらが稼ぎやすいのかという点を記事の後半で解説します。

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謝罪代行が副業として成り立つ理由

謝罪代行という珍しい仕事が話題になったのは、今から5年以上前の2014年頃が最初です。テレビ番組で取り上げられたことでその存在が知られるようになりましたが、謝罪代行会社そのものはそれ以前から存在していました。現在ではさまざまな代行の依頼に応える会社がサービスの1つとして謝罪代行を行う例も増えており、多様化する代行業のニーズをすくい上げる存在となっています。

業務委託契約書

謝罪代行を専門にする会社には年齢や性別・得意分野の異なる数百人のスタッフが登録されており、依頼客の要望に応じて適切な人材が選ばれる仕組みです。依頼内容に応じて役割を演じた場合に案件ごとの報酬を受け取る業務委託契約が一般的で、待機するスタッフは常に仕事があるというわけではありません。

そのため謝罪代行会社に雇用されている一部の社員以外は、他に本業を持っていて副業として代行の仕事をしているケースが多いと見られます。結婚式出席代行やリア充アピール代行・家族代行・恋人代行など、スタッフがさまざまな役割を演じる代行会社と契約した場合は謝罪代行以外の仕事も少なくありません。

謝罪代行はブラックな仕事?

副業として謝罪代行の仕事に挑戦してみようとう人にとって一番気になるのは、仕事内容がどれだけ厳しいのかという点にあります。自分ひとりの力では謝罪するのが難しいほどの相手だからこそ、依頼人もわざわざお金を払ってまでして謝罪代行会社を利用しようとするのです。

謝罪代行の仕事は相手と直接会って謝罪する対面の案件と、電話やメールを使って謝罪する案件があります。代行会社のスタッフが会社の上司役や親の役・不倫相手役などを演じ、依頼人と同行して相手に謝る「謝罪同行」が基本です。この場合は事前に依頼人と打ち合わせを行って役割を確認し、必要に応じて練習を積んだ上でそれぞれの役を演じることになります。

メンタルの弱い人には不向き?

謝罪代行の仕事には結婚式出席代行などと同様に演技力も求められるだけに、劇団員や駆け出しの俳優が収入を増やす手段としている例も珍しくありません。求められる役割を演じるのが苦手で、謝罪の現場でもついつい「自分」が出てしまうような人には不向きな面もあります。謝罪代行の仕事を取り上げた「謝罪代行承ります」というショートムービーでも、意図せずしてこの仕事をする羽目になった主人公の悪戦苦闘する姿が描かれていました。

自分が当事者になって相手に謝罪する必要に迫られている場合と比べ、たとえ土下座を強いられるような案件でも本来なら「仕事だから仕方ない」と割り切れるものです。逆に見れば本当に自分自身が悪いわけでもないのに土下座したり、相手に罵声を浴びせられたりする役割はプライドの高い人に向いていません。

どれだけ迫真の演技で謝っても必ず許してもらえるとは限らず、相手によっては暴力を振るわれたりする危険性がゼロではないというリスクもあります。メンタル面がある程度強い人でないと務まらないのが謝罪代行という仕事の特徴で、そうでない人にとってはブラックな仕事だと感じてしまう可能性もあるのです。

求人がなければ起業するという手も

一方で謝罪代行の仕事はクレーム処理にも通じる面があることから、社会人としてのスキルが身につくという点で有益な仕事の側面もあります。謝罪代行会社を通じて仕事を割り振られた場合は高度な謝罪ノウハウも伝授してもらえるため、副業で身につけたスキルを本業で生かすことも可能です。

謝罪スキルはさまざまな業種の仕事に役立つことを考えると、謝罪代行の副業で得た経験は転職にも生かせます。何かと批判的な目で見られがちな謝罪代行という仕事にも、前向きに捉えれば副業としての利用価値は十分にあると考えられるのです。

電話機

その一方で謝罪代行は仕事にありつくまでが一苦労で、スタッフを募集している求人が決して多くないという現状もあります。謝罪代行そのものが世間一般的に見てまだまだ認知度が低く市場規模が小さいせいか、人材を募集している企業も家事代行や運転代行など他の代行業より少なめです。さまざまな代行を行う会社にスタッフ登録しておけば謝罪代行の仕事が回ってくる可能性もありますが、依頼状況にも左右されるため自分で自由に仕事を選べるわけではありません。

週末起業で始める謝罪代行

スキルを身につける目的でどうしても謝罪代行の副業を始めたいという場合には、そうした求人に頼らずいっそ自分で代行サービスを立ち上げるという手もあります。そのためにわざわざ会社を辞める必要はなく、例えば土日だけ依頼に応じる週末起業の形でも謝罪代行を始めることは可能です。代行会社に登録しないで依頼を受けるには、ブログやSNS・YouTubeなどを使って集客を行う必要も出てきます。

得意を売り買いできるココナラにも謝罪代行のサービスが出品されていますので、興味のある人は参考にしてみるといいでしょう。謝罪代行の仕事だけでは副業として十分な収入が得られない場合は便利屋を名乗り、さまざまな依頼に応じて稼ぐというやり方も考えられます。

謝罪代行とクレーム対応代行の違い

依頼人の指定した役割を演じながら相手に謝ることで収入を得るという点では、謝罪代行の仕事はクレーム対応代行と似た面があります。実際に謝罪代行を利用する依頼人は個人ばかりに限らず、顧客からのクレームに悩まされている企業からの依頼も少なくありません。納期に遅れたり納入した商品に欠陥が見つかったりして取引先に怒られてしまった企業の担当者が、謝罪に同行してほしいと依頼してくるケースが多く見られます。

取引先とトラブルになった場合も難しい対応を求められますが、クレームの相手が一般消費者だった場合はさらに厄介です。筆者はかつてスーパーの店長を務めていたことがあり、利用客から寄せられるクレームには頭を悩ませてきました。魚や野菜が傷んでいたり商品の賞味期限が切れていたり、レジ従業員の態度が悪かったりと、店に寄せられるクレームの内容もさまざまです。

コールセンターの手がけるクレーム対応ビジネス

筆者は電話でクレームを受けた場合でも可能な限り住所を聞き出してお客様の自宅を訪問し、相手と直接会って謝罪するように心がけていました。電話では逆上してさんざん罵倒していたクレーム客も、自宅を訪れて謝罪したら逆に恐縮し、ものの数分で話が丸く収まったというケースは珍しくありません。

電話でクレームを受けるイメージ

それだけに電話だけでクレームを処理するのは難しい面もありますが、最近は大手企業でもカスタマーサポートをコールセンターに外注している例が増えています。一般にクレーム対応代行と言えば、コールセンター事業を行う会社が提供しているサービスの一種です。

謝罪代行は企業だけでなく個人も依頼人として想定されているのに対して、クレーム対応代行は企業からの依頼に限られる点で異なります。謝罪代行は依頼があってから対面での謝罪同行も含めて個別に対応するのが基本で、クレーム電話の常時受付を代行するわけではありません。クレーム対応代行は24時間対応も可能なコールセンターとしてクレーム電話に常時対応し、テレオペレーターが交替で待機するという違いがあります。

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クレーム対応代行も副業は可能?

コールセンターで募集しているテレオペレーターの求人は、「クレーム対応あり」と「クレーム対応なし」の求人に大きく分けられます。クレーム対応なしとしている求人は顧客からの対応やヘルプデスクの仕事が中心で、精神的なストレスが軽く済むことから人気の職種です。「クレーム対応なし」と明確に書かれていない求人は一般消費者を含めたカスタマーサポートの仕事に多く、苦情電話にも対応しなければなりません。

応募者が減ってしまうと予想されることから、そうしたカスタマーサポートの求人では「クレーム対応あり」と明記されていないケースもよくあります。そのような求人は実質的なクレーム対応代行の仕事と変わりありませんが、単なる問い合わせ電話への対応も仕事内容に含まれてきます。

クレーム対応代行を副業にする方法

これも対してクレーム対応代行を専門にするコールセンターの場合は、クライアント企業に代わって苦情電話の窓口業務を行うのがオペレーターの主な仕事です。対応するオペレーターは一般のコールセンター業務以上に高度なスキルが求められるため、会社員の副業として簡単に始められるような形でアルバイトやパート従業員が募集されている例は多くありません。

電話で謝っている女性

一般的なコールセンターのテレオペ業務としてカスタマーサポートを担当する場合なら、実質的なクレーム対応代行の仕事を経験することもできます。コールセンターの求人には週1日からの勤務が可能な例や、平日の深夜にシフトが組める在宅の案件も少なくありません。そういうコールセンター求人に応募すれば、会社員や主婦でもクレーム対応代行の仕事を副業にすることができます。

在宅コールセンターの副業については、以下の記事で詳しく解説しています。

謝罪代行とクレーム対応代行でどっちが稼げる?

コールセンターでお客様からの電話を受けるテレオペレーターの仕事は、時給1,000円から1,500円程度が平均的な相場です。電話を受けていない待機時間中でも時給通りの給料をもらえるのがテレオペレーターの特徴で、月にどれだけ稼げるか計算を立てやすいメリットがあります。

実質的なクレーム対応代行を行うテレオペレーターの副業も、時給の水準は「クレーム対応なし」の場合と同程度です。時給が決まっている仕事は安定して稼ぎやすい一方で、勤務時間が限られている副業だと大きく稼ぐのが難しい面もあります。

謝罪代行の報酬相場

その点で謝罪代行会社のスタッフは業務委託で仕事が割り振られる例が多く、待機している間は時給が発生しません。仕事の依頼があって謝罪同行スタッフや電話謝罪代行の担当に選ばれれば、依頼人から支払われる料金の50%程度が報酬として受け取れるというのが一般的です。

テレビでも取り上げられた謝罪代行会社アイガプロの例では、謝罪同行の基本料金がスタッフ1人あたり25.000円からと紹介されていました。電話やメールによる謝罪代行は料金が安くなり、10,000円からとなっています。スタッフに支払われる報酬は謝罪同行で最低でも12,500円、電話・メールを使った謝罪代行が5,000円になる計算です。

1万円札10枚と電卓

謝罪代行の料金は一律ではなくケースバイケースで変わり、地方への出張を伴うケースや特殊な事情があるケースなどは割増料金が発生します。謝罪がうまくいけば30分もかからない場合もありますので、事前の打ち合わせや謝罪の練習時間を含めても時給換算では効率的に稼げる計算です。逆に謝罪する相手がなかなか許してくれず話がこじれた場合は何時間も費やすことになり、料金が同じとすれば時給換算の数字が少なくなってしまいます。

案件によって依頼人の上司にふさわしい人が選ばれるケースもあれば、不倫相手を演じて不自然でない人が選ばれるケースもあります。謝罪代行スタッフに選ばれないと報酬も発生しませんので、クレーム対応代行と比べて安定して稼ぎにくい点はデメリットです。

謝罪代行の副業まとめ

土下座している男性

謝罪代行という仕事に対してはモラルに反するという指摘があるだけに、副業として取り組むのに抵抗を覚えるという人も少なくありません。依頼人の上司役を演じたり不倫相手を演じたりして謝る相手を結果的に騙すことになるという点も、謝罪代行の仕事が否定的に捉えられている理由の1つです。同じ批判は謝罪代行を依頼した本人だけでなく、仕事を引き受けたスタッフにも向けられる可能性があります。

謝罪代行にはそうしたデメリットがある一方で、クレーム対応代行という似たようなコンセプトを持つビジネスモデルが確立されているのも事実です。コールセンターにカスタマーサポートを委託して実質的にクレーム対応代行を利用している会社は、知名度が高い大手企業の間でも少なくありません。謝罪代行もそうした流れの中から自然発生的に考え出され、企業だけでなく個人まで依頼の対象とするようになったのです。

とは言え企業がクレーム対応を外注して本来の業務に集中しようとするのはまだしも、個人が不倫の謝罪にまで代行会社を使うのはいかがなものかと思われるのも無理はありません。それでも謝罪代行スタッフとして働くことには、社会人としていつかは役立つ謝罪スキルが副業で身につけられるというメリットがあります。副業の目的は単に収入を増やすだけではなく、本業の仕事では得られない経験を得ようとする目的も考えられます。

謝罪代行の仕事は他の代行副業と比べて精神的なストレスを受けやすい反面、その仕事を一生続けるというわけではありません。普通に仕事をしていては1年にそう何度も違った相手に謝罪をする機会は得らませんが、謝罪代行を副業にすることでさまざまなパターンの謝罪を経験できると前向きに考えることも可能です。本当に困っている人に救いの手を差し伸べるという人助けの側面もある謝罪代行の仕事は、お金だけでは測れないやりがいを感じられる副業とも言えます。

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