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退職代行サービスって違法じゃないの?後悔しない代行業者選びを解説

退職代行のイメージ 仕事術
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辞めたいのに辞めさせてもらえないブラック企業から逃れる最終手段として、退職代行サービスが話題を集めています。退職の意思を伝えるという気が重い役目を代行してもらえる点では画期的なサービスですが、違法性があるのではないかという不安の声があるのも事実です。弁護士や労働組合が間に入るのであれば、退職に関連した交渉や手続きの代行も法律で認められています。

一口に退職代行サービスと言っても大きく3種類に分けられますので、すべての業者が違法というわけではありません。退職の意思を会社に連絡する代行だけなら、どの業者でも合法の範囲内です。

退職代行サービスのそういった違いに関する現状について、利用を検討している人が知っておきたい基礎知識をまとめてみました。実際に利用する際の手順についても、記事の後半で詳しく解説します。

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退職代行サービスが登場した背景

退職のイメージ

2017年頃から退職代行サービスの存在が話題になるにつれて、SNS上でも賛否両論の声が交わされるようになりました。「退職の手続きを人任せにするなんて無責任だ」という意見も少なくありませんが、辞めたくても辞めさせてもらえない辛さは経験した人にしかわからないものです。

当ブログを運営するYAMATOもかつて小売業の会社で働いて当時、自分に向いていない仕事で何度も辞めようと思いながら辞められなかった経験がありました。下手に責任のあるポジションを任されるようになったためなかなか辞められなくなり、気がついたらずるずると10年以上もその会社で働かされて心身ともに消耗してしまったのです。あの当時に今のような退職代行サービスが存在したら、利用を検討していたかもしれないほど最後は精神状態が悪化してしまいました。

退職代行サービスは日本だけにしか見られない代行業の形態で、サービスの需要がある背景には日本的な同調圧力も深く関わっています。なかなか辞めさせてもらえない会社が存在するのも、「みんながんばって働いているのだから、自分だけ楽をしようとして逃げ出すのは卑怯だ」という日本人ならではの集団心理が作用した結果にほかなりません。今なお日本的なムラ社会に支配された会社から脱出するには、一見すると常識に反するように思える支援の仕組みが必要になってくるのです。

退職代行サービスが違法となるケース

退職代行を利用する人に対しては社会人としての常識を疑う声がある一方で、業者の側に対しても違法性はないのかという疑問の声は少なくありません。明確な期間を設定して雇用契約を結んでいた契約社員の場合を除き、労働者はいつでも自分の意思で退職できることが民法の規定で認められています。

退職届を提出してから2週間が経過すれば、たとえ会社側が拒否しても雇用関係も自動的に解消される仕組みです。したがって代行業者を利用するしないに関わらず、退職届を会社に送付する行為自体は違法でも何でもありません。

六法全書

退職代行サービスの大半は、本人に代わって退職の意思を会社側に電話で連絡するのを主要な業務としています。実際に退職届を書いて会社に郵送するのは依頼者本人で、業者は会社と依頼人との間に入って連絡を仲介する役目です。手続きをスムーズに進めるためのアドバイスもサービス内容に含まれますが、本来は退職の意向を会社に伝える行為だけが代行の対象とされます。

その範囲を超えて残業代の支払いや有給休暇の取得などの交渉まで代行するのは、基本的に弁護士でないとできない法律事務に該当する業務です。例外的にユニオンと呼ばれる合同労働組合も法律で交渉が認められており、実際にユニオン系の退職代行サービスも存在します。

退職代行サービスには弁護士系とユニオン系・それ以外の非弁系という3種類の業者があり、すべてに共通する業務は退職意思の連絡代行です。弁護士系やユニオン系でない普通の業者のサービス内容に交渉の代行が含まれている場合は違法ですので、利用の際には業者の種類を見極めることが大切になってきます。

合法的な交渉も可能な弁護士系とユニオン系

話を聴く弁護士の男性

自分に代わって退職の意思を会社に伝えてもらうだけならどの業者でも合法の範囲内ですが、実際には円満退職を実現させるためにさまざまな交渉が求められるケースが出てきます。そうなると法律も関わってくることが避けられないだけに、最初から弁護士に依頼するのが無難です。

退職代行が話題となる以前から一部の弁護士で同様の代行業務は行われていましたが、見返りとして高額な費用を請求されるケースが大半でした。最近は一般業者並みのリーズナブルな料金でありながら、退職意思の伝達から交渉に至るまでを専任の弁護士がサポートしてくれる業者も登場しています。交渉がこじれて裁判沙汰になった場合でも、弁護士なら代理人を依頼することが可能です。

数は決して多くありませんが、同じく会社との交渉を合法的に依頼できるユニオン系の退職代行サービスも存在します。弁護士と違って裁判の代理人を依頼することはできないとは言え、実際に裁判沙汰にまで発展した例はほとんどありません。未払い賃金や残業代・退職金の請求、有給休暇の取得などで交渉する必要があると予想される場合には、団体交渉を得意とするユニオン系の業者に依頼するのも有力な選択肢です。

退職代行サービスの利用手順

退職のイメージ

以上のように退職代行サービスには3種類の業者が混在していますが、実際に利用する際の基本的な手順はある程度共通しています。正式契約後は以下のような流れで退職代行の手続きが進められるのが一般的です。弁護士系やユニオン系の業者で会社側との交渉を代行する場合には、依頼人も業者とLINEでやり取りができるように待機するように求められることがあります。

  1. 退職代行業者が指定した日時に会社へ電話で連絡し、退職の意向を伝える
  2. 退職代行を依頼した本人が会社に退職届を郵送する
  3. 郵送や電子メールなどの手段を利用し、業務の引き継ぎや貸与物の返却を出社せずに済ませる
  4. 離職票や源泉徴収票など、退職に伴って受け取る必要がある書類が郵送されてくる

退職に当たって会社側から受け取る必要がある書類は、以下の通りです。いずれも退職届を郵送する際に自宅まで送ってくれるよう自分で依頼するのが一般的ですが、弁護士系やユニオン系の業者なら発行依頼も代行してもらうことができます。

  • 離職票
  • 雇用保険被保険者証
  • 社会保険資格喪失証明書
  • 年金手帳
  • 源泉徴収票

退職届を送付するタイミング

代行サービスを利用した退職手続きは、依頼する本人が出社したり電話したりして会社側と口頭でのやり取りをする必要のない点が最大のメリットです。すべての手続きを業者に代行してもらうわけにはいかず、法的効力を発揮する退職届は自分で提出する必要があります。とは言っても二度と行きたくない会社にわざわざ出社して直接届ける必要はなく、退職届を郵送するだけでも十分です。

この場合は郵送のタイミングも重要なポイントの1つで、退職届を郵送したという事実を前もって会社に伝えておく必要があります。そうすることで社会人として求められる最低限の常識は踏み外さないで済み、なおかつ退職の意志が固いという点を会社側に強く印象付けられるのです。

退職届

退職届を郵送するやり方が許されるのであれば、わざわざお金を払って代行業者を使う必要はないと思うかもしれません。一般的な常識では退職届は出社した上で会社に直接提出するのが基本とされており、郵送で済ませるのは体調不良などやむを得ない事情がある場合に限られます。無理やり引き止められて退職できない可能性がある場合は、「やむを得ない事情」に該当するとも見なし得る例外の1つです。

とは言え事前に何の連絡もなしに無断で出社しなくなり、そのまま退職届を送りつけて会社と縁を切るようなやり方はトラブルの元になりかねません。料金を払ってでも事前に電話で連絡してもらった方が、以後の手続きがスムーズに進みやすくなるのです。

退職代行サービスの利用方法については、以下の本で詳しく解説されています。

Bitly

会社との交渉が必要になった場合

オフィスビル

退職届を郵送して返却すべきものも返却した上で、失業の手当受給や転職に必要となる書類も会社から送ってもらえれば問題はありません。実際にはそのようにすんなりと事が運ぶとは限らず、退職代行業者が電話で連絡した際に会社側から異議を申し立てられる場合も考えられます。給料や残業代の未払いが残っていたり消化していない有給休暇があったりする場合も、労働者としての権利を守るには会社との交渉が欠かせません。

退職代行サービスを利用ほど追い詰められている場合は依頼する本人が会社との直接連絡を断ち、引き止め工作に遭わないようにするのが普通です。交渉の必要が生じた場合でも自分で対応するのはリスクが大きすぎるため、業者に代行してもらう必要があります。そうなると一般的な退職代行サービスではそれ以上話が進められなくなりますので、法律で交渉の代行が認められた弁護士系かユニオン系の業者に頼らざるを得ません。

退職代行サービスを選ぶ際には、どうしても料金の安さで業者を選びがちです。交渉の必要が生じると予想される場合はサービスの内容を重視し、最初から弁護士系やユニオン系のしっかりとした業者を選んでおけば後悔しません。

退職代行サービスの基礎知識まとめ

退職願とカレンダーとボールペン

退職代行サービスにも大きく分けて3種類があり、退職手続きを進める中で交渉の必要が生じた場合は弁護士系かユニオン系の業者でないと対応できません。料金が比較的安いのは弁護士系でもユニオン系でもない第3のサービス形態ですが、そういう業者が法律に関わる代行業務を行うのは違法です。ブラック企業を辞めたいという場合は何らかの形で交渉する場面が想定されますので、弁護士系かユニオン系の業者に依頼した方が安心して任せられます。

世の中にはブラック企業と知らずに就職してしまい、辞めるに辞められなくなって苦しんでいる人は決して少なくありません。退職代行サービスに対してはまだまだ誤解も多いせいか、いざ依頼するとなれば躊躇してしまうものです。そうした馴染みのなさもサービスの認知度が高まれば、徐々に解消されていくものと見られます。

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