NHKドラマにも取り上げられた復讐代行とは?詐欺が多い理由も解説

副業

10月9日からスタートしたNHKのドラマ10「タリオ 復讐代行の2人」には、「復讐代行」という裏稼業が登場します。フィクションの世界だけに存在する架空の職業だと思いがちですが、復讐代行は現実の世の中にも実在する代行業の一種です。

ドラマで取り上げられたのを機に改めて検索してみると、いろいろと怪しげな情報が見つかりました。ドラマを見て自分も復讐代行業者を利用してみたいという人や、副業の手段として復讐代行を手がけようとする人が出てくる可能性があります。

しかしながら復讐代行は違法行為を伴う場合もあるだけでなく、依頼して料金を払ったのに復讐が実行されなかったという詐欺の被害も少なくありません。場合によっては依頼した人も法律違反に問われる可能性がある復讐代行について、知られざるサービスの実態を調査してみました。復讐代行で詐欺が多い理由についても、記事の後半で詳しく解説します。

復讐代行とは?

NHKのドラマに取り上げられたことでにわかに注目されるようになりましたが、復讐代行という特殊な代行業そのものは以前から存在していました。漫画のアイデアとしては、少なくとも40年以上前から復讐代行が考え出されていた証拠があります。諸星大二郎の「復讐クラブ」という短編作品は会員同士が互いの復讐を代行し合い、実行する様子を隠し撮りした映像を上映会で披露するというストーリーでした。


(出典:諸星大二郎『不安の立像』(集英社)所収「復讐クラブ」より)

この時点ではあくまでもフィクションの世界だけの話でしたが、いつからか本当に復讐代行をサービスとして提供する業者が現れました。Wikipediaにも「復讐代行」の項目が存在するほど一般化し、以下のような記述が見られます。

業務を行うためには裏の世界に精通していなければならないので、探偵が副業として行っている、あるいは暴力団関係者の場合がある。
(出典:復讐代行 Wikipedia

現在でも「復讐代行」で検索すると業者のHPが複数表示され、中には個人で代行を請け負っている人の例も見受けられます。数ある代行業の中でも復讐代行は法的に危ない橋を渡らければ任務を遂行できない仕事のせいか、どうしても「怪しい」というイメージを抱きがちです。

復讐代行業者は「特殊工作」などと称して、依頼人に代わって復讐したい相手を貶めるための作戦を実行します。業者のHPを見ても具体的な工作の内容は必ずしも明確でないため、法律に反する行為が行われるのではないかという懸念も拭いきれません。

中には完全に合法の範囲内で復讐代行を行うとしている業者もありますが、それで依頼人が満足できる結果が得られるかどうかは不透明です。本当に復讐が実行されたかどうかを確認する方法としては依頼人が工作の実行場面に同行するパターンと、動画を撮影して後で確認してもらうパターンがあります。

業者HPに記載されている料金は数十万円から数百万円と高額な例が多く、サービスに見合った適正価格なのかどうかは判断に苦しむところです。工作の実行には数ヶ月単位の時間が必要とも言われ、法律や金融のスペシャリストが作戦に加わるために料金が高額になると称しています。

いずれにしても復讐代行は同じように代行業を名乗っていても、運転代行や家事代行の類とは性質がまったく異なる裏の稼業です。中には女性の工作員や助手を募集している業者もありますが、副業のつもりで安易に応募するのはおすすめできません。

呪い代行業者も実在

復讐代行とよく似たサービスを提供する業者として、「呪い代行」というジャンルもあります。名称からしていかにもおどろおどろしい印象を受けますが、こちらは占いや祈祷・除霊などと共通したスピリチュアル系のサービス業です。よく知られた呪いの藁人形による丑の刻参りなど日本的な呪いを代行する業者と、黒魔術を駆使した西洋的な呪いを代行する業者があります。

復讐したい相手に対して物理的・精神的なダメージを直接与える特殊工作と違って、呪い代行は相手に知られることなく実行されるのが特徴です。丑の刻参りにしても黒魔術にしても本当に呪いの効果があるのかどうかは、「信じるも信じないもその人次第」という面があります。

呪い代行業者の料金体系は復讐代行ほど極端に高額というわけではありませんが、それでも30万円のコースが設けられていたりして、大工業としては十分に高額の部類です。効果があると昔から信じられてきた呪いの作法をプロに代行してもらうというだけで満足し、高額な料金を支払う人がいるからこそサービスが成り立っているとも言えます。

利用客の多くは復讐というよりも恋愛成就や金運・仕事運アップが目的で、占いの延長として利用されている状況です。それにしては料金が高額なことから、ありきたりの占いでは満足できないほど思いの強い人が呪い代行に走っている様子も見て取れます。復讐代行業者はどちらかと言うと探偵業者に近いのに対して、呪い代行業者は占い師に近い存在です。

復讐代行は違法?

職場や家族の関係・友人など復讐したいと思う相手がいて代行業者に依頼しようと考えている人にとって、最も気になるのは法律に反する行為が行われるのではないかという点です。仮に自分に自身が相手に復讐しようとする場合を想定してみればわかるように、完全に合法の範囲内で如実な効果を発揮するのは簡単でありません。相手に対して心理的効果の高い復讐方法ほど違法性が高くなりがちで、相手がその気になれば犯人を突き止めれば警察に訴えることも可能になってきます。

これまで実際に使われた復讐の代表的な手段は以下の通りです。

  • 何度もいたずら電話をする
  • 相手の悪事を告発する手紙を書く
  • 相手やその家族に中傷メールを送信する
  • SNSで相手を中傷する書き込みを行う
  • 相手のポストやロッカーなどに汚物を投げ込む
  • 異性の工作員を相手に接近させて誘惑する
  • 相手の自宅に大量の出前を注文する
  • 相手を中傷するビラをまいたり貼り付けたりする
  • 相手に冤罪に陥れる
  • 相手に直接の暴力をふるう

こうした行為は迷惑防止条例や名誉毀損・侮辱罪・脅迫罪・器物損壊罪・偽計業務妨害罪・暴行罪・傷害罪など、刑法上の罪に問われる可能性のある違法行為です。料金と引き換えに復讐を代行する依頼そのものは違法に当たりませんが、実際の復讐に使われてきた行為はほとんどが何らの法律に引っかかってきます。実際に復讐代行業者が依頼人の要望に基づいて中傷メールを送信し、名誉毀損の疑いで逮捕された事例が2013年にありました。

合法の範囲内で復讐を代行することも不可能ではないとは言え、それでは高額な料金に見合うだけの効力が発揮できません。相手が泣き寝入りせずに嫌がらせの主を徹底的に調べ上げた場合、名誉毀損や脅迫罪などの罪に問われる可能性のある行為です。

復讐として効力のある違法行為をサービス内容としてHPに記載すれば、業者も警察に摘発されることになります。復讐代行と称する業者の中にはHPに依頼から工作までの流れについて掲載していながら、肝心のサービス内容について具体的に記述されていないケースが多いのは記載できない理由があるからです。

そういう業者を利用して復讐を依頼した場合には、依頼した人自身も業者と共謀して犯罪行為に加担したと見なされます。犯罪が立件された場合には違法行為を教唆・幇助した共謀共同正犯として逮捕され、処罰の対象となり得る点には注意が必要です。

復讐代行業者に詐欺が多い理由

探偵が副業として手がけている例も多いと見られる復讐代行には、犯罪に加担する可能性があるというリスクに加えて、詐欺が多いという二重のリスクがあります。復讐代行業者の料金は最低でも数十万円で、100万円以上に達する場合も珍しくありません。料金だけ払わせて実際には復讐が実行されないという詐欺が多く、まともに機能している代行業者の方が圧倒的に少ない状況です。

現在でも「復讐代行」と検索すれば複数の業者のHPが見つかりますが、ほとんどの業者は0から100までの数字で示されるドメインオーソリティ(DA)の数値が一桁台で低くなっています。DAとはインターネット上の住所に相当するドメインを診断し、サイトの信頼性を推測するための1つの指標です。

ドメインパワーと検索順位の関係とは?評価を上げる7つの方法を解説
ブログを始めて間もないうちは記事を書いても検索上位になかなか表示されませんが、原因の1つとしてドメインパワーが弱いという点が挙げられます。検索順位に大きな影響を与えるドメインパワーについて、ランクを上げるための対策と合わせて解説します。

大手企業の公式サイトほど高い数字を示すDAが極端に低いということは、それだけ検索エンジンの評価も低いという事実を示しています。検索順位が高ければ高いほど優良企業だとは限りませんが、復讐代行業者は全体的にDAの低さが目につきます。

サービス内容の多くは違法行為で下手をすれば自分自身も逮捕されかねないだけに、料金を払ったのに復讐が実行されないとしても被害者は警察に訴えるのが困難です。そうした行為は民法の規定でも公序良俗に違反すると判断される可能性が高く、契約の履行や代金の返還を請求するのも難しくなります。相手の弱みにつけ込んだ詐欺の温床となっている面があるという点を考えると、どれだけ復讐したい相手がいても代行サービスには手を出さないのが賢明です。

復讐代行の実態まとめ

天下のNHKがドラマの題材に取り上げたことで復讐代行の知名度が上がる可能性もありますが、サービスの実態としては決しておすすめできる状況ではありません。依頼人に代わって復讐したい相手に電話やメール・SNSなどを使って嫌がらせを行うのが主なサービス内容だけに、法的にはグレーゾーンどころか違法の可能性が大です。

中には合法の範囲で復讐を代行するとしている業者も存在するとは言え、それでは数十万円から100万円以上が平均相場と言われる高額な料金に見合った顧客満足度が得られません。一見よく似た業者に呪い代行というのもありますが、こちらは占いやスピリチュアルに近いサービスです。

探偵業を営む人が副業にしている例も多いと見られる復讐代行は高額な料金だけ払わせ、実際に復讐が行われないという詐欺の温床になっています。この業界には信頼できる業者がほとんど存在せず、世間の「怪しい」というイメージは払拭はできません。NHKドラマに取り上げられたことで復讐代行に興味を持った人も多いかと思いますが、依頼人の立場でも副業を行う立場でもおすすめできない代行業です。

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