当ブログでは以前釣った魚を売って稼ぐ副業を紹介しましたが、買取が可能なのは魚だけではありません。川や池などに生息する生き物の中でも、スッポンは高値で取引されています。
実際にスッポン釣りを副業にして、月に何万円も稼いでいる人が存在するのは確かです。意外に儲かると言われるスッポン釣りの副業を始める方法について、価格の相場や法律面の注意点と合わせて情報をまとめてみました。
スッポン釣りの副業が意外に儲かる理由
淡水産カメのスッポンは、鍋やお吸い物などの高級食材として古くから利用されてきました。料理店などに卸す目的で養殖も行われていますが、スッポンは本州以南の川や池などに自生している生き物です。
スッポン料理を出している店の多くは専門業者から仕入れていますが、中には天然物のスッポンを買取している店もあります。そういう店舗を見つけて買取してもらえば、趣味のスッポン釣りが副業になるというわけです。
料亭などで食べたことのある人なら知っているように、スッポン料理は結構な値段がします。スッポンは成長に時間がかかるため、養殖には高額の費用が必要となるからです。
スッポンは1年の半分ほどを冬眠して過ごし、この間は成長が止まってしまいます。冬眠させないようにすれば成長が早まりますが、そのためにはボイラーなどの加温設備が欠かせません。スッポンの養殖場が温泉地に多いのも、温泉熱を有効活用して水温を高く保つのに有利という理由があります。
素人の副業レベルで養殖はハードルが高すぎますが、スッポンはそのへんの川にも生息している可能性のある生き物です。野生のスッポンを捕獲できれば、高く売れる可能性が出てきます。1匹あたりに稼げる金額が大きいために、スッポン釣りの副業は「意外に儲かる」と言われているのです。
スッポンの釣り方
スッポンは水温が10℃以下になると冬眠に入りますので、水温が上がる4月から10月頃にかけての時期が釣りのシーズンです。生息域は西日本が中心で、本州より四国や九州に多いと言われています。
全国各地にはスッポンの養殖場があって、そこから逃げ出して野生化した個体も少なくありません。そのせいか、関東地方の川や沼でもスッポンの目撃例は多くあります。
警戒心の強いスッポンは川の浅瀬で砂に潜って隠れていることが多いため、普段はなかなか見かけません。スッポンもカエルやトカゲなどと同じ変温動物で、日光を浴びて体温を上げる必要があります。日中でも甲羅干しに出てくることもありますので、そういう目撃情報を頼りに釣りスポットを見定めるといいでしょう。
スッポンは肉食性で、普段は魚や貝・ザリガニなどを食べています。スッポン釣りにはサンマやサバなど、魚を使ったエサがよく使われてます。鶏肉や豚肉の臭いにも釣られて食いついてきますので、スッポン釣りのエサに最適です。
獲物に一度食いついたらなかなか離さない習性を持つだけに、スッポンは比較的簡単に釣れます。釣り竿とリールを使ったオーソドックスな方法でも釣れますが、ペットボトルに糸を巻いて針を結んだ安上がりの釣法も可能です。
釣り上げたら針を無理に引き抜かずに糸を切っておけば、後で針を吐き出します。釣り竿もペットボトルも使わずに、スッポンのいそうな川底の砂をタモ網で丹念にすくって探している人もいます。
スッポンに噛まれるとかなり痛いですので、捕まえる際には長い首が届かないように甲羅の後ろ側を持つのがコツです。万が一噛まれた場合に備えて、厚めのゴム手袋を装着することをおすすめします。
スッポンを売る方法
スッポン釣りを副業にしようという場合、捕獲そのものはそれほど難しくありません。買ってくれる人(業者)がいないことにはお金を稼げませんので、むしろ売る方が難しいと言えます。
釣ったスッポンをお金に換えるには、以下のような2つの方法が考えられます。
- スッポン料理を提供している料亭などの店に直接買取してもらう
- 鮮魚卸売市場に持ち込む
料亭などの店に売るのが一般的な販売方法ですが、買取してくれる店舗がなかなか見つからないという問題もあります。スッポン料理を提供してる店の多くは、信頼できる専門業者から食材を購入しているからです。
どこの誰だかわからない素人が自分で釣ってきたと称するスッポンを持ち込んだところで、たいていの店では断られてしまいます。1軒や2軒に断られてもめげずに次の店を探し、買取してくれる店が見つかるまで何度でもチャレンジするだけの粘り強さも必要です。
常時買取はできなくても、スッポン料理の予約が入った日に合わせて買い取ってくれる店はあり得ます。地域によってもスッポン買取の事情は違ってきますので、心当たりのある店に片っ端から問い合わせてみるしかありません。
鮮魚卸売市場に魚を売れるのは漁業関係者に限られると思いがちですが、個人が釣った魚を買取している例も珍しくありません。スッポンも鮮魚卸売市場で扱われる水産物の1つですので、交渉してみる価値はあります。まったく面識のない状態では難しいですが、何度も通って市場関係者と懇意にしていれば買取してくれる可能性が出てきます。
スッポンを買取している業者
釣りで収入を得る副業とは?趣味と実益を兼ねた6種類の稼ぎ方を紹介でも釣った魚の買取が可能な業者をいくつか紹介しましたが、買取の対象となっているのは魚が中心です。スッポンの買取が可能かどうかは、個別に問い合わせてみる必要があります。
少なくとも高知県四万十市にある鮎市場では、鮎やウナギ・ナマズとともにスッポンも買取の対象です。四万十川の遊漁券・漁業権を取得した上で、同水系の川で釣った獲物に限って買取しています。天然鮎の買取をしている業者は全国各地に見られますが、スッポンの買取が可能な業者はなかなか見つからないのが現状です。
釣った魚を出品できる魚専門のオークファンサイトFish Saleにも、天然のスッポンが出品されています。落札価格の10%が手数料として引かれますが、うまく落札されれば販路が全国に広がります。せっかく釣ったスッポンの買い手が見つからない場合には、Fish Saleへの出品も検討してみるといいでしょう。
Yahoo!オークションの食品・飲料(魚介類)カテゴリには、スッポンも出品されています。スッポンは爬虫類なので生きたままでは出品できませんが、締めた状態なら「食品」としての出品は可能です。鮮度が劣化しないよう、冷凍した状態で発送するのが一般的と見られます。
フリマサイトのメルカリでは衛生上の理由から、魚などの生鮮食品は出品できません。野菜やきのこなどは出品可能ですが、スッポンのような食材を売る手段には不向きです。ラクマやYahoo!フリマも同様の理由で、魚や肉などの生鮮食品は出品禁止となっています。
天然スッポンの買取相場
自分で釣ってきた天然のスッポンを鮮魚卸売市場に持ち込んだ人の例で見ると、買取価格は1キロあたり4,000円という話です。スッポンは大きいもので7~8キロになる個体もありますが、1キロから1.5キロ程度の個体が最も多く流通しています。料亭などの店に直接買取してもらう場合は、1匹5,000円前後が平均的な相場です。
鮮魚オークションのFish Saleでは、過去に1匹7,000円ほどで落札された例もありました。即決価格3,000円前後で出品している人が多いですが、「期限切れ」「取り下げ」となった例も少なくありません。
スッポンは養殖物も市場に流通していて、1キロあたり3,000円ほどで取引されています。天然すっぽんは市場で出回る数が少ないせいか、買取価格は養殖物の1.5倍ほどです。傷などがなく状態の良い1キロの天然物なら、4,000円以上で売れる可能性があります。
ちなみにYahoo!オークションに出品した場合、過去180日間に落札されたスッポンの平均落札価格は3.800円ほどです。3kgを超える大型の個体が、1万円以上で落札された例も複数見られます。
スッポンは買取してくれる業者を見つけるまでが大変ですが、売れさえすれば結構な収入になるのは確かです。1匹平均5,000円で売れるとした場合、月に10匹の買取で5万円ほど稼げる計算となります。
スッポンの捕獲に関係のある法律
野生のスッポンは乱獲の影響で数を減らしつつあり、環境省レッドリストでは「絶滅の危険が増大している種」に指定されています。捕獲にも規制が加えられているように思いがちですが、現時点では野生のスッポンを捕獲しても違法にはなりません。
ただしスッポンの生息している河川によっては、漁業法に基づいて漁業権が設定されている場合があります。そうした場所で漁具を使用して水産動植物を捕獲するには、遊漁券の購入が必要です。
遊漁料を払わずにスッポンを捕獲した場合は、鮎やボラなどの魚を釣るのと同様に違法ということになります。川でスッポンを釣る際には、漁業権が設定されている場所でないかどうか事前に確認することをおすすめします。
合法的な手段で捕獲したスッポンに関しては、飼育する場合でも許可は必要ありません。スッポンに噛みつかれるとケガをする恐れもありますが、飼育に許可が必要な特定動物には指定されていないからです。
スッポン釣りの副業まとめ
釣りの対象としては変わり種の部類ですが、スッポンは高級食材だけに結構な高値で売れる可能性があります。とは言え素人が釣ったスッポンを買取している店や業者は限られるため、捕獲より売る方が難しい生き物です。
料亭などの買い手さえうまく見つかれば、スッポン釣りが副業にもなり得ます。鮮魚卸売市場や鮮魚オークションなども、スッポンが売れる可能性のある販路の1つです。販売手段を確保した上で、副業のスッポン釣りにチャレンジしてみるといいでしょう。