覆面調査員（ミステリーショッパー）は主婦や会社員など、一般の人が本業の片手間に引き受けることが多い仕事です。現金やポイント・デジタルギフト券などの形で謝礼がもらえることから、副業の1つとして紹介されてきました。
一方で覆面調査のバイトは、「副業にならない」という声も少なくありません。覆面調査の仕事をするのにかかる費用が、もらえる謝礼を上回ることも多いからです。
でも世の中には、覆面調査の仕事をしてそれなりに稼いでいる人もいます。副業になるかならないかは、はっきり言って案件しだいです。覆面調査の仕事内容をきっちりと把握した上でミッションを完ぺきにこなせば、稼げる案件を獲得できるようになってきます。
そこで今回は何かと謎の多い覆面調査の仕事について、メリットとデメリットを含めた基本情報をまとめてみました。「副業にならない」と言われてきた覆面調査の仕事でも、この記事を読めばお小遣い稼ぎの手段になります。
覆面調査を副業にすることは可能！
覆面調査の仕事をするには、調査を依頼された店舗を訪問する必要があります。客さんのふりをして来店して、従業員に気づかれないように店の調査をする仕事です。まるで探偵かスパイのようにスリリングな仕事とあって、「自分もやってみたい！」と思っている人も多いのではないでしょうか？
覆面調査のミッションは、普通の主婦や会社員に依頼されることが多いです。調査レポートを提出して承認されれば謝礼も出ますが、調査をするには買い物や飲食などの費用がかかります。交通費を含め、費用はいったん自分で払うのが普通です。
後で謝礼が出ても、費用の全額が戻ってくるとは限りません。代金の30％や50％相当の金額が、ポイントの形で還元されるという案件が目立ちます。100％還元の案件でもプラスマイナスゼロですので、普通にアルバイトの仕事をして給料をもらうようなわけにはいきません。
中には費用に上乗せして、謝礼がもらえる案件もあります。「費用＋謝礼」の案件を獲得できるようになれば、覆面調査のバイトを副業にすることも十分に可能です。
稼げる案件は数が限られていますので、覆面調査サイトに登録した人の全員に割り当てるというわけにはいきません。きちんと調査・報告をしていれば調査会社から信頼され、稼げる案件を紹介してもらえるようになるというわけです。そのためには覆面調査の目的や仕組みをよく理解し、仕事内容についてもきちんと把握しておく必要があります。
覆面調査のバイトでいくら稼げる？
覆面調査のバイトでもらえる謝礼の金額は、1,000円から10,000円というケースが多いです。調査を行う店舗や案件によって、予算の金額や謝礼が違ってきます。
謝礼には飲食代や買い物の代金・交通費などの費用が含まれるため、費用を引いてしまえばほとんど残らないことも珍しくありません。利用金額の30％を謝礼として受け取れる案件もあれば、100％の還元が受けられる案件もあるという具合です。それで謝礼の金額に幅があるわけですが、案件によっては交通費や宿泊費が別に支給される場合もあります。
AJIS（エイジスリサーチ・アンド・コンサルティング）の謝礼は1店舗あたり1,000円～10,000円程度ということです。老舗のミステリーショッピングリサーチHPには、案件の例が都道府県別に紹介されています。謝礼の金額は1,000円から１万円超まで、やはり案件によってさまざまです。
ミステリーショッピングリサーチでは、最大5,000円まで交通費の上乗せを希望して応募できます。費用に謝礼を上乗せした「プレミアム調査」もあるという話です。
飲食店や美容系の調査が多いファンくる
の謝礼は、利用金額の25％から100％相当がポイントまたはデジタルギフト券で支給されます。案件ごとに決められている謝礼の上限金額は、500円から1万円超までさまざまです。
中には最大2万円や3万円という高額案件もありますが、必ずしも100％還元ではありません。利用金額の方が上回る案件の場合、謝礼の上限が高額なほど出費が増えてしまう可能性があります。
覆面調査バイトの経験者によると、「費用＋謝礼」の案件を多くこなした月は5万円前後稼げるそうです。稼げる案件が多い月と少ない月がありますので、平均すれば月に数千円から1万円ほどの収入になるということでした。
副業にならなくても節約術にはなる
覆面調査のバイトで稼ごうとしても、サービスを受けたり飲食したりした代金が謝礼を上回る例が少なくありません。高額案件にはあまり人気のない商品やサービスが多く、人気の案件は応募者が殺到して抽選になるのが当たり前です。
費用に上乗せした金額の謝礼をもらえる案件もありますが、調査会社に信頼されるようにならないと紹介してもらえません。調査をするのに費用がかかる仕事だけで、費用の100％が還元されればいい方です。現金収入を稼ぐという意味での副業にするのは、特に初心者にとっては難しい面があります。
それでも、覆面調査のバイトをする意味がまったくないわけではありません。募集されている案件の中に自分がもともと買いたいと思っていた商品や、普段から利用しているサービスがあれば、覆面調査の謝礼が節約につながります。飲食代が結果的に割引となったり、美容院代やエステ代を安くしたりするような利用方法です。
副業で現金収入を稼いで飲食代やサービス代金を全額払うのも、覆面調査に協力して割引になるのも、家計簿上では最終的に同じ結果となります。生活費の不足を補う目的で副業を始めたいと思っている人なら、覆面調査の案件も十分に利用価値があるはずです。
そもそも覆面調査とは？
ミステリーショッピングとも呼ばれる覆面調査は、接客を改善するための調査手法としてアメリカで1940年代から行われてきました。社長など会社の幹部クラスが店舗を視察して調査を行うよりも、一般客を装った人による調査の方が店舗スタッフの日常的な働きぶりを自然に観察できるからです。
飲食店や小売店・サービス業など、接客を伴う対面型の店舗が覆面調査の主な対象となってきます。チェーン展開やフランチャイズ展開している企業の本部が、各店舗に極秘で覆面調査員を派遣しているケースが大半です。保険外交員・宅配デリバリーなど訪問型のサービスや、通販サイトのように接客を伴わないサービスの覆面調査が行われる例も少なくありません。
調査に必要な食事代や商品購入代金・サービス利用料・交通費などの費用は、いったん自分で負担することになります。調査レポートを提出して承認されれば、費用の一部または全額が謝礼として支給される仕組みです。
覆面調査員が提出したレポートは依頼主の企業にフィードバックされ、店舗の改善や従業員のモチベーションアップなどの目的に活用されます。企業に正式雇用されて働くわけではありませんが、覆面調査のバイトは社会貢献にもつながる仕事です。専業主婦のような一般消費者の立場でも、覆面調査の仕事を通じて企業の活動に参加できるようになります。
覆面調査のバイトは高校生でもできる？
覆面調査の仕事を、高校生のアルバイトにすることは可能なのでしょうか？
年齢制限に関しては、覆面調査のサイトごとに対応が違ってきます。ファンくるに登録できるのはは16歳以上で、AJIS（エイジスリサーチ・アンド・コンサルティング）は18歳以上です。ミステリーショッピングリサーチには、他社のような年齢制限が設けられていません。
携帯電話をお持ちで、パソコンまたはスマートフォンから調査に参加できる環境があれば、性別、年齢に関係なくご登録いただけます。
出典：みんなの在宅ワークご参加の皆様へモニター募集と調査のご案内（ミステリーショッピングリサーチ）
以上のような年齢制限に引っかからない場合でも、「高校生不可」のサイトがあります。高校生で覆面調査サイトに登録する際には、採用の条件に注意が必要です。
覆面調査のサイトそのものには高校生が登録できても、掲載されている案件ごとに年齢制限が設けられている場合があります。居酒屋のようにアルコール類の注文を伴う店舗の調査は、20歳以上でないと参加できません。
16歳以上の人が登録できるファンくるでも、応募条件に「20代～60代」「20歳以上」などと書かれてある案件が（特に飲食店の案件で）目立ちます。高校生でも参加できる覆面調査の案件は、それほど多くないと考えた方がいいでしょう。
覆面調査員は資格が必要？
覆面調査バイトの仕事をするのに、特別な資格は必要ありません。採用に当たって適性テストを実施している調査会社もありますが、覆面調査の仕事をするのに経験は問わないところが大半です。スマホやパソコンが使えてインターネットを利用できる環境にあれば、誰でも覆面調査の仕事を始められます。
覆面調査のバイトはこんな人におすすめ
覆面調査の仕事をするのに資格や経験は不要ですが、どんな仕事にも向き不向きがあります。以下のような適性の持ち主であれば、覆面調査のバイトも楽しみながらできるはずです。
- 飲食店や美容関係の店舗をよく利用する
- 新しい店ができたら必ずチェックする
- 人間観察が得意で好奇心が強い
- 人とのコミュニケーションが得意
- 演技力に自信がある
覆面調査の案件は、店舗の多い都市部に集中する傾向も見られます。地方は調査の対象となる店舗が多いとは言えない状況です。
来店調査をしてもレポートに不備があって承認されないため、謝礼が受け取れません。消費者の立場で引き受ける仕事でも、謝礼が出るからにはある程度の責任が伴います。そうした点を考えると、覆面調査に向いているのは以下のような人です。
- 店舗が多い都市部に住んでいる人
- 時間やルール・マニュアルを守れる人
- 責任感のある人
- 記憶力に自信がある人
- 接客業の経験がある人
- 文章を書くのが得意な人
自分に当てはまらない部分があっても、慣れれば対処できるようになるものです。覆面調査に向いた人の条件に1つでも当てはまるようなら、挑戦してみる価値はあります。
覆面調査バイトの仕事の見つけ方
覆面調査の仕事が探せる掲載先は、以下のような3種類のサイトに大きく分けられます。
- アルバイト求人サイト
- 覆面調査サイト
- ポイントサイト
一般の求人サイトで募集されている調査員の仕事は単発の業務委託案件だけでなく、アルバイトやパートとして雇用契約を結ぶ求人も少なくありません。
調査案件を最も多く取り扱っているのは、ファンくるやとくモニ
・ミステリーショッピングリサーチなど覆面調査の専門サイトです。ポイントタウン・ちょびリッチ・ハピタスのようなポイントサイトでも、アンケートモニターの他に覆面調査の案件を多く扱っています
アルバイト求人サイトでも覆面調査のバイトが募集されることはありますが、求人数は決して多いとは言えません。他のアルバイトの求人が圧倒的に多いせいか、関係ない大量の求人に埋もれてしまっています。覆面調査の仕事がしたい人は、やはり専門サイトに登録して案件を探すのがおすすめです。
覆面調査の仕事内容
一口に覆面調査と言っても、対象となる店舗やサービスは様々です。実際に店舗を訪れて実施する調査と、在宅でできる調査に大きく分けられます。このうち店舗の覆面調査で対象となるのは、以下のような業種の店や施設です。
- 小売店
- 飲食店
- 美容関連のサービス
- ライフ関連のサービス・宿泊施設
小売店
小売店で覆面調査の依頼が多いのは、以下のような種類の店舗です。
- 百貨店
- ショッピングセンター
- スーパーマーケット
- コンビニ
- ドラッグストア
- ホームセンター
- アパレルショップ
- 家電量販店
普段から買い物に利用している店舗が多いのではないでしょうか？
商品の陳列状況や店内の清潔感、従業員の接客態度などをチェックして報告する仕事です。レジの対応などもチェック項目に含まれるケースが多いため、商品を購入するための費用がかかります。帰宅後に書いて送信したレポートが承認されれば、代金の一部または全額に相当する謝礼を受け取れる仕組みです。
飲食店
覆面調査の案件で特に多いのは、飲食店を対象とした調査の仕事です。覆面調査の紹介サイトには、以下のような飲食店の調査案件が掲載されています。
- レストラン
- 焼肉店
- ラーメン店
- ファストフード店
- カフェ
- 居酒屋
居酒屋のようにアルコール類の注文を伴う店舗を調査する案件は、年齢制限が20歳以上となっているケースが大半です。他にも年齢や性別に条件があったり、来店する時間帯や人数を指定されたりする案件があります。
飲食代の30％から50％程度に相当するポイントを還元する案件が大半ですが、100％還元の案件を利用すれば飲食代を実質0円にすることも可能です。
美容関連のサービス
美容院・ヘアサロンやエステサロン・ネイルサロンなど、美容関連のサービスを行う店舗も覆面調査の依頼が多い業種の1つです。脱毛サロンやクリニック・整骨院・スポーツジムなど、美容や健康に役立つさまざまな店舗や施設の調査案件が紹介サイトに掲載されています。
ライフ関連のサービス
覆面調査を実施しているのは、小売店や飲食店・美容関連の店舗だけではありません。窓口業務などで接客が伴う店舗でも、従業員に極秘で接客態度やサービスの質などをチェックする調査が行われています。
覆面調査の対象となるライフ関連のサービスは、以下のような店舗や施設です。
- 保険会社
- 銀行
- 携帯ショップ
- ガソリンスタンド
- カーディーラー
- 結婚式場
- 学習塾
- カラオケ店
- ホテル・旅館
小売店や飲食店などと違って必ずしも日常的に利用する店舗ばかりではありませんが、この中に利用してみたい店があれば覆面調査で稼ぐチャンスです。
在宅の覆面調査
覆面調査の案件は以上のような来店調査が多いですが、在宅でできる調査の案件もあります。来店調査の対象となる店舗は、東京などの都市部に多いのが特徴です。在宅で仕事が完結する覆面調査の案件なら、地方に住んでいる人でも気軽に参加できます。
在宅でできる覆面調査は、以下のような案件です。
- グルメ関連の通販サイト
- 化粧品や健康食品の通販サイト
- コールセンターの電話調査
- 宅配デリバリーの覆面調査
- 保険外交員の覆面調査
通販サイトの商品を実際に購入してみて調査を行う案件では、パッケージのデザインや包装・パンフレットの状態などとチェックします。使用方法や使用感についての感想に加え、お礼メールの有無について返答する場合もあります。化粧品や健康食品を試すモニター案件では、副作用に関する項目が重要な要素です。
覆面調査の仕事の流れ
来店調査の場合、覆面調査の仕事で謝礼を受け取るまでの流れは以下の通りです。
- 覆面調査のサイトに調査員として登録
- サイトで募集されている案件をチェック
- やりたい仕事を選んで応募
- 抽選で選ばれると当選メールが届く
- 来店条件や調査方法を確認
- 実際に来店して覆面調査を実施
- 帰宅後に調査レポートをまとめる
- 指定された写真を添付して送信
- レポートが承認されて謝礼を受け取る
仕事を選ぶ際には、店舗の場所や来店時間・人数・支払い方法などの条件を確認しておくことが大切です。レポートに不備があると「調査不履行」と判定され、謝礼が受け取れなくなってしまいます。
レポート（アンケート）と一緒に提出すべきものは、案件によって変わります。どの案件でも来店を証明するために、レシートを提出するのが一般的です。飲食店の調査では、出された料理の写真を撮影して提出するよう求められることもよくあります。
簡単な設問に答えるだけのアンケート形式なら、レポートを送信する要する時間は10分程度です。謝礼が高額な案件ほど設問数が多く、レポート作成に1時間以上かかることも少なくありません。
レポートが承認されれば、決められた金額の謝礼が支払われます。金額相当のポイントで謝礼を支払うサイトもありますが、ポイント交換サイトを通じて現金と交換することも可能です。
覆面調査のチェック項目
店舗の種類によっても調査内容は違ってきますが、覆面調査でチェックすべき主な項目は以下の通りです。
- 入店時の挨拶
- 接客態度
- 質問に対する印象
- 対応した従業員の名前
- 商品・サービスの品質
- サービスの提供スピード
- 売り場のチェック
- 店内の清掃状況
- レジのチェック
- 退店時の挨拶
調査は店に入った時点から始まっています。入店時に従業員から挨拶があるのとないのでは、来店客に与える印象が大きく変わってくるからです。笑顔の有無や身だしなみなど、さらに細かくチェックするよう指定してくる店舗もあります。
飲食店の調査をする場合、オーダーを取りにきたり配膳したりするたびに、従業員の接客態度や印象をチェックします。従業員の接客スキルをチェックする目的で、わざと質問するように指定される案件も少なくありません。
美容関連のサービスや保険会社・携帯ショップなどでは、「説明がわかりやすかったかどうか」もよくあるチェック項目の1つです。従業員の名札を見て、どの人の接客が良かった（悪かった）と具体的に書くよう指示される案件もあります。
小売店や飲食店の調査では、販売されている商品や提供された料理の品質チェックも欠かせません。サービスの提供スピードも重要なチェック項目ですので、スマホの時計機能などを使って時間を測定するケースも出てきます。
小売店を調査する際には商品の陳列状況や、通路が確保されているかどうかといった点もチェックすべき項目の1つです。小売業・サービス業に関わらず、どの店舗でも店内やトイレなどの清掃状況・清潔感をチェックする必要があります。
支払いの際にはレジの会計がスムーズだったかどうか、ここでも従業員の対応をチェックします。間違いなく覆面調査を実施したことを証明する必要がありますので、会計の際にはレシートの受け取り忘れに注意が必要です。
最後の退店時にも、店員からの挨拶はあったかどうかをチェックして店を出ます。帰宅後の記憶が鮮明なうちに調査レポートをまとめ、記述もれがないように送信して任務は終了です。
覆面調査バイトのメリット
覆面調査のバイトに限らず、どのような仕事にもメリットがあれば、デメリットもあります。他にもいろいろな副業の手段がある中で、覆面調査のバイトを選ぶメリットは以下の通りです。
- 資格や経験が不要
- 好きな時間にできる仕事
- 買い物や飲食代などの節約になる
- 副業禁止の会社でもバレにくい
- スリルを味わえる仕事
- 社会貢献につながる仕事でやりがいがある
覆面調査はプロの調査員ではなく、一般消費者の立場でできる調査の仕事です。ある程度の演技力は必要ですが、仕事を始めるに当たって特別なスキルは必要ありません。
覆面調査の案件に当選したら、普通のお客さんのふりをしてこっそり調査を行うことになります。スパイか探偵のようにスリルも味わえる点が、他のアルバイトと違うところです。よくある副業に飽き足りないという人は、覆面調査の仕事も楽しみながら取り組めるでしょう。
覆面調査バイトのデメリット・注意点
覆面調査のバイトにはいくつかデメリットもありますので、副業の手段にする場合はあらかじめ承知しておく必要があります。
覆面調査の対象となる店舗は東京などの都市部に集中しがちで、地方では応募できる案件が多いとは言えません。交通費は出ないのが普通だけに、近くに対象店舗が多くある人の方がどうしても有利になってきます。
普段から買い物や飲食などで利用しているような店の調査でも、きちんと報告するには細かい観察が欠かせません。普通に店を利用するよりは精神的に疲れることになりますので、そのへんもデメリットの1つです。
覆面調査のバイトは特別な経験や資格が不要なだけに、スキルが身につかない点をデメリットに挙げる人もいます。この他にも、以下のような点は覆面調査のデメリットです。
- バレたら終わり
- 写真撮影が難しい
- レポートを書くのが手間
- 交通費は出ないのが普通
- 収入が不安定
それぞれ詳しく解説します。
バレたら終わり
覆面調査は従業員に気づかれないように店を利用して報告するのが役目だけに、万が一バレてしまっては仕事になりません。怪しまれた時点で相手は警戒して、接客やサービス提供が普段通りではなくなってきます。
調査目的で来店する際には、少しでも調査員だと疑われるような行動は禁物です。いかにも「調査しています」という風に周囲を見回したり、店内でメモをしたりするような行動は禁止されています。
店の雰囲気にそぐわない服装や、目立ちすぎる格好も、調査員だと疑われかねないのでNGです。あくまでも一般客を装ってする仕事ですので、演技に自信がない人にとってはデメリットと言えます。
写真撮影が結構難しい
飲食店を調査する案件では、出された料理を写真撮影してレポートと一緒に提出する場合もよくあります。最近は料理を撮影してインスタグラムに投稿する人も増えているため、店内で撮影する行為もそれほど不自然ではなくなりました。それでも写真撮影が苦手な人にとっては、料理の状態がわかるように撮影するのは意外と難しいものです。
写真の添付が義務付けられている案件で撮影を忘れてしまうと、文章のレポートが完ぺきでも調査が非承認となってしまいます。写真撮影を伴う案件が多いという点は、覆面調査を副業に選ぶデメリットの1つです。
レポートを書くのが手間
覆面調査で写真撮影が必要ない案件もありますが、レポートの作成はどの案件にも共通する作業です。記述式の設問がある案件に当たった場合は、決められた最低文字数以上の文章を書く必要が出てきます。プロのライターほどの文章力は求められないとは言え、文章を書くのが苦手な人にとっては気の重い作業です。
レポートには提出期限がありますので、後回しにしていると期限に間に合わなくなってしまいます。飲食店の調査では、「抽選に当たってから1週間以内にレポート提出」などという案件も珍しくありません。
店内であからさまにメモを取るのはNGですが、音声で下書きを作成するという手もあります。スマホのボイスレコーダーを使ったりして、同伴した友人との会話を録音しておくような方法です。調査項目についてさり気なく録音しておいた音声記録があれば、帰宅してからの作業が楽になります。
交通費は出ないのが普通
覆面調査の仕事は「バイト」と表現されることも多いですが、飲食店やコンビニなどに雇われるアルバイトとは根本的に異なります。調査の依頼主や仲介サイトと、雇用契約を結んで働くわけではありません。業務委託の形で調査の仕事を案件単位で引き受け、給料ではなく「謝礼」として対価を受け取ることになります。
覆面調査もアンケートや商品モニターなどと同じように、あくまでも「一般消費者に調査の協力をしてもらう」形です。商品の購入代金や飲食代・サービス利用料金など、調査をするのにかかった費用は立て替える必要があります。レポートが承認されれば、費用の一部または100％分の金額（または金額相当のポイント）が謝礼として戻ってくる仕組みです。
調査費用を一時的に負担しなければならない点もデメリットですが、ほとんどの案件で謝礼の中に交通費は含まれません。このへんは通勤手当が支給される一般の仕事と違うところです。交通費や宿泊費が別に支給される案件もありますが、全体から見るとほんの一部にとどまります。
覆面調査の対象店舗は大都市に多いからと言って、地方に住んでいる人が交通費をかけて遠方の店舗を調査するのはおすすめできません。原則として自己負担になる交通費を引いてしまうと、謝礼がほとんど残らなくなるからです。
収入が不安定
覆面調査のバイトは、どこに住んでいるかによって稼ぎやすさが大きく違ってくる仕事です。在宅の覆面調査案件なら地方に住んでいる人でも参加できますが、募集されている案件の中に欲しい商品が見つからないこともあり得ます。
対象店舗に恵まれた都市部に住んでいる人でも、覆面調査のバイトで安定して稼げるとは限りません。人気の案件は抽選が行われ、選ばれるかどうかは運しだいです。定員が多く当選確率が高い案件に限って、謝礼の金額がそれほど高額でなかったりします。
高額の謝礼がもらえる案件に多く当選した月は収入が増えますが、落選が多かった月は収入が大きく落ち込むことになります。収入が不安定になりがちな点も、覆面調査のバイトを副業にするデメリットの1つです。
「費用＋謝礼」がもらえる案件は多くないせいか、「覆面調査のバイトは副業というより節約術の一種」という声もあります。とは言え、「覆面調査のバイトを副業にするのは絶対無理」というわけでもありません。
覆面調査サイトの中には独自のランク制度を設けていて、ランクが上がるほど当選しやすくなるサイトもあります。毎回きちんとレポートを提出して調査会社から信頼されるようにするのが、収入を安定させる近道です。案件に応募する際にも、応募理由の文字数を多めに書いてアピールしてみるといいでしょう。
まとめ
覆面調査の仕事をするには、買い物の代金や飲食代などの調査費用がかかってきます。費用の一部に相当する金額しか謝礼が出ない案件も少なくないため、「覆面調査のバイトをしても副業にはならない」と言われてきました。
費用の100％が還元される案件は結構ありますので、副業にならなくても節約術としては有効です。数は多くありませんが、案件によっては費用に上乗せした謝礼が出る場合もあります。「費用＋謝礼」が出る案件を多く獲得できれば、覆面調査のバイトを副業にすることも十分に可能です。
対象店舗が多い都市部に住んでいる人なら、覆面調査で月に数万円を稼げる可能性があります。高収入を稼ぐのは難しいですが、節約を兼ねた副業としては試す価値のある仕事です。この記事で解説したメリットとデメリットを理解した上で、覆面調査の仕事にチャレンジしてみるといいでしょう。
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