最近はビットコイン価格が高騰している件が話題を集めていますが、その暗号資産(仮想通貨)とよく似たNFTへの注目度が急激に高まっています。この記事を書いた時点でビットコイン価格は1BTCあたり約650万円ですが、NFTの中には75億円もの高値で取引された例が出てきているのです。
一攫千金も夢ではないデジタル資産として熱い視線を浴びているNFTとはどのようなトークンなのか、暗号資産との違いに着目して基本情報をまとめてみました。NFTに関する情報はネット上に分散していてカオスの様相を呈していますので、資産化が可能な9つのジャンルごとに整理した最新情報も記事の後半で紹介します。
NFTの売買に利用するマーケットプレイスについては、以下の記事で詳しく解説しておきました。
NFT(非代替トークン)とは?
NFTはnon-fungible tokenの略で、「非代替トークン」を意味する用語です。トークンはもともと「代用貨幣」を意味する言葉でしたが、現在では暗号資産(仮想通貨)とほぼ同じ意味を持つ用語として通用しています。非代替は「交換できない」という意味だけに、暗号資産と違ってNFT同士の交換はできません。
NFTはネットワーク上にデジタルデータの形で存在し、ビットコインやイーサリアムなどの暗号資産と同じようにブロックチェーンの仕組みを使って記述されています。デジタル署名としての役割を果たすNFTの仕組みを活用すれば、ゲームアイテムや画像などのデジタルデータに所有権を持たせ、唯一の価値を生み出すことが可能になってくるのです。もちろんデジタルデータそのものはいくらでもコピーできますが、NFTと紐付けられた元データと複製されたデータはデジタル署名によって明確に区別されます。
暗号資産(仮想通貨)との違い
正式名称に「トークン」が付く記録方式だけに、NFTも暗号資産の一種のように思いがちです。確かにビットコインのような暗号資産とNFTは、どちらもブロックチェーンの仕組みを使って発行されるという共通点があります。
暗号資産は代替可能なトークンで、Aさんが所有する1BTCとBさんが所有する1BTCは交換が可能です。この場合はAさんのビットコインとBさんのビットコインとの間に、資産価値としての明確な区別はありません。ブロックチェーン上に記録されたそれぞれの取引履歴は互いに異なりますが、1BTCはあくまでも1BTCです。
これに対してNFTはゲームアイテムにしてもデジタルアート作品にしても、1つ1つに固有のデータが記録されています。NFTは暗号資産と違って世界に1つずつしか存在しないため、基本的には別のNFTと等価交換ができません。
ビットコインのような暗号資産を実物の貨幣にたとえると、10億枚以上も発行されている1万円札のようなものです。ビットコインは約2,100万BTCまでしか発行できないようにプログラムされてはいますが、同じ価値を持つ仮想的な通貨が数多く存在するという点では1万円札と変わりありません。
世の中にはさまざまな美術品が存在し、現金同様の価値を持つ資産として投資の対象にもされてきました。有名画家が描いた絵画作品は世界に1点ずつしか存在しないため希少価値が高く、将来的には購入時より高値で売れる可能性があるからです。デジタルの世界に当てはめると、NFTがそういう一点物の美術品に相当します。
つまりNFTと暗号資産はどちらもブロックチェーンの技術を使って記録されたデータでありながら、代替可能かどうかという点で大きな違いがあります。暗号資産のビットコインは1BTCを0.1BTC×10のように分割できますが、NFTは通貨単位のような形では分割できません。かつて佐竹本三十六歌仙絵が36分割されて売却されたような形であれば、アート作品などのNFTも分割できるようになる可能性はあります。
ブロックチェーンの仕組み
NFTを支えているブロックチェーンというのは、分散型ネットワークの仕組みを使って過去の取引をすべて記録した台帳のようなものです。NFTでデジタル署名の役割を果たすブロックチェーンの仕組みは、「ビットコイン生みの親」とも言われるサトシ・ナカモトという謎の人物が発明したとされています。
この1年間で価格が6倍以上に高騰しているビットコインは、サトシ・ナカモトが2008年に発表した論文に基づいて作り出された暗号資産(仮想通貨)です。ビットコインの取引を記録したブロックチェーンの台帳はインターネット上に公開され、複数のユーザーが検証できるようになっています。
過去の取引記録を改ざんすることはほとんど不可能とされているため、ブロックチェーンの仕組みを利用した暗号資産は高い信頼性を誇ります。ビットコイン価格がこれだけ高騰しているのも、ブロックチェーンの信頼性が認められるようになった証拠です。
NFTの多くはビットコインではなく、イーサリアムのブロックチェーンを利用して取引が行われてきました。ビットコインは知名度が最も高い暗号資産で流通量も多いとは言え、NFTの作成プログラムを組むのは難易度が高いと言われています。イーサリアムはビットコインよりプログラムが組みやすい上に、暗号資産の中でも利用者が多いというのがNFTで主流となっている理由です。
NFTが盛り上がっているジャンル
以上のようなNFTの仕組みを利用すれば、理論上はどのようなデジタルデータにも所有権を付与することで資産化が可能になるはずです。希少性が高いと認められたNFTをオークションに出品して高値で売却したり、資産を保有する手段として利用したりするような用途が考えられます。インターネット上には多種多様なデジタルデータが存在する中で、すでにNFTが活用されているのは以下のような9つのジャンルです。
- ゲーム
- スポーツ
- デジタルアート
- 音楽
- 動画
- ファッション
- 不動産
- 投稿
- 電子チケット
それぞれの最新状況について、詳しく解説していきます。
ゲーム
NFTは2021年に入ってから主にデジタルアートの分野で注目を集めていますが、ゲームの分野ではそれ以前からNFTを利用した取引が活発です。2018年にはブロックチェーンゲーム「CryptoKitties(クリプトキティーズ)」の仮想猫キャラクターがが、1匹約2,000万円で売買されました。
NFTの先駆けとも言えるCryptoKittiesは、イーサリアムのブロックチェーンを利用して仮想的な猫を育てるゲームです。ブロックチェーンゲームはNFTと相性が良く、OpenSeaのようなマーケットプレイスではゲームアイテムやキャラクターがトークンとして売買されています。
NFTを利用すれば特定のゲームだけに縛られず、あるゲームで獲得したアイテムを別のゲームに流用することも容易に実現可能です。ゲーム内通貨やアイテムを売買するRMT(リアルマネートレーディング)と似ていますが、RMTはゲーム会社の規約違反に当たる場合も少なくありません。ゲームアイテムや通貨の売買が不正につながるとして、RMTを法的に禁止している国もあるくらいです。
ブロックチェーンゲーム内でNFTアイテムを売買するのはRMTに該当しないため、ゲーム会社の規約違反や違法には該当しません。実際にMy Crypto Heroesのようなイーサリアムベースのブロックチェーンゲームでは、ゲーム内通貨やアイテムがNFTとして売買されています。ブロックチェーンの仕組みを利用したゲームだけでなく、デジタルトレーディングカードゲームの分野でもNFTの導入が活発です。
人気トレーディングカードゲームのクリプトスペルズもそうした例の1つで、カードの所有者や取引履歴などの情報がブロックチェーンで管理されています。カードに関する情報が改ざんされにくいため、ユーザー同士がカードを売買できる仕組みが整備されてきました。そうした中でレアな価値を持つカードはNFTとして資産化され、高値で売買されているというわけです。
スポーツ
NFTを使ったゲームの流れはスポーツ界にまで波及し、NBAやNLB、F1などの競技と連携した動きが出てきています。その代表的な例は、日本でも人気が高まっているトレーディングカードゲームのNBA Top Shotです。米プロバスケットボールリーグのNBAと連携したこのゲームの中では、ダンクシュートやブロックなどのハイライト場面を集めた短い動画をカードのように収集できます。そうなるとレアな動画は高値で取引される可能性も出てくるわけですが、その取引で動画の所有権を保証するのがブロックチェーンを使ったNFTの技術です。
同様の動きはプロ野球のMLBにも及び、MLB Crypto Baseballというゲームが開発されています。日本のプロ野球やJリーグなども含めたスポーツ界にブロックチェーン型のゲームが普及すれば、選手のキャラクターやゲームのアイテムがNFTとして活発に売買されるようになるかもしれません。
こうしたゲーム分野とのコラボに限らず、NFTはスポーツ界にとって新たなサービスの開発につながる画期的な技術です。サッカー界と紐付けられたトークンのプラットフォームとしては、欧州プロサッカーチームとファンを結ぶChilizの例が挙げられます。ACミランやFCバルセロナなどのサポーターは暗号資産のChilizやNFT購入を通じて、チームの資金調達を支援できるようになるというわけです。
このChilizが日本の暗号資産取引所コインチェック(Coincheck)と提携を結び、2021年3月にβ版がスタートしたCoincheck NFTでの利用を検討しているのは注目すべき動きです。スタート当初はCoincheck NFTで扱うトークンがブロックチェーンゲーム内のアイテムに限られますが、今後はスポーツやアートなど多様なジャンルでNFTを取引できるようになることが期待されています。
デジタルアート
2021年に入ってからは米国アーティストのビープル氏が制作したデジタルアートのコラージュ作品がオークションにかけられ、日本円にして約75億円という驚異の金額で落札されて話題となりました。75億円で落札された作品は複製可能なデジタルアートでありながら、NFTの技術によって世界で唯一の作品として所有権が付与されています。
「The First 5000 Days」と題したこのコラージュ作品は、ビープル氏が2007年以降の14年間に制作した5,000作品の集大成です。それだけに縦横2万ピクセル以上という巨大な画像データですが、NFTアートの世界では過去にわずか24×24ピクセルのアイコンのようなドット絵が約8億円で落札された例もありました。
クリプトパンクと呼ばれるこのキャラクター画像には1万体の種類があり、1体1体の所有権がNFTとしてブロックチェーンで記録されています。8億円もの高値がついた画像は特に希少性が高いキャラクターとは言え、仮に1ピクセルあたりの単価を計算すれば75億円で落札されたビープル氏の作品よりはるかに高額となる計算です。
日本ではVRアーティストのせきぐちあいみ氏がNFTアート作品をオークションに出品し、約1,300万円で落札された例があります。タレントや歌手としても活躍中のせきぐちあいみ氏は、VRペイントソフトのTilt Brushを使った独自の3Dアート作品で知られる世界的なVRアーティストです。およそ1,300万円で落札されたこの作品は、NFTで唯一の所有権が付与された一点物の動画データとして作成されています。
75億円で落札されたビープル氏の作品は、250年以上の長い歴史を持つ老舗オークションハウスのクリスティーズに出品されました。せきぐちあいみ氏が出品したOpenSeaは、ゲームアイテムも扱う総合的なNFTマーケットプレイスです。
著名な現代アーティストの村上隆氏もこのOpenSeaを利用して、24×24ピクセルのNFTアート作品を出品してます。1日に12点ずつ出品された作品が108点揃った時点で、オークションにかけられる予定です。海外ではNifty GatewayやSuperRareなどデジタルアート専門のNFTマーケットプレイスも続々と誕生しているだけに、今後もアート分野でNFTの盛り上がりが期待されます。
デジタルアートのNFT最新事情に関しては、以下の記事で詳しく解説しておきました。
音楽
NFTの仕組みを利用して作品を販売する動きは、音楽の分野にも広がりを見せています。2021年2月には米ロックバンドのリンキン・パークでボーカルやギター・キーボードを担当するマイク・シノダ氏が、楽曲をNFT形式でオークションに出品しました。オークションサイトのZoraに出品された「One Hundredth Stream」と題するこの音楽作品は、最終的に約300万円で落札されています。
同じく米ロックバンドのキングス・オブ・レオンもアルバムをNFTのオークション形式で発売し、日本円にして2億円以上の売上を記録しました。3LAUの芸名で知られる米国の電子音楽アーティスト・ブラウ氏がNFTを使ったアルバムをネットオークションに出品し、およそ4億円で落札されたのは現時点で最大の成功例です。日本のアーティストではNFTの普及度も今ひとつですが、覆面ユニットのAmPmが未公開楽曲の視聴権をオークションに出品した例があります。
2021年3月には世界で一二を争う大富豪として知られる米国実業家のイーロン・マスク氏が、自作の楽曲をNFT化して販売するとツイッターで発表しました。
NFTをテーマにしたこの楽曲データはオークションサイトのValuables(バリュアブルズ)に出品され、1億円を上回る価格で入札があったと伝えられています。最終的にこの楽曲は落札されないままマスク氏自身が出品を取り下げた模様ですが、本職のミュージシャンでなくても音楽をNFTとして資産化できる可能性を示した点では注目に値する出来事です。
ダウンロードやストリーミングで音楽を聴くのが当たり前になった時代に、楽曲データを「所有」するという価値にどれだけの人が対価を支払うのか注目されます。現時点では音楽業界で作品をNFTとして売り出す動きも一部にとどまりますが、将来的にはアーティストが巨額の収入を稼ぐ手段にもなり得るでしょう。
動画
前述のNBA Top Shotで十数秒程度の短い動画が約2,000万円で売れた例があるように、動画もまたアート作品と同様にNFTによる資産化が可能です。実際にNFT化された動画がオークションに出品され、高値で売れた例が出てきています。
自身のデジタルアート作品が75億円で落札されたビープル氏は映像作品も制作していますが、2020年にはわずか10秒ほどのNFT動画に約700万円で買い手がつきました。2021年に入ってからこの動画がおよそ100倍の価格で転売されているところを見ると、最初の買い手は投資目的での購入だった可能性があります。
2021年には米国コミックアーティストのクリストファー・トーレス氏が制作した「Nyan Cat(ニャンキャット)」のGIF限定バージョンがオークションに出品され、約6,000万円で落札されました。「Nyan Cat」は2011年以降にYouTubeで話題を集め、累計で1億回以上も再生された猫のアニメーション動画です。
日本では企業の主導でNFTをビジネスに活用しようという動きが目立ち、VTuberを撮り下ろしビジュアルNFTとして販売する例が出てきています。VTuberはバーチャルYouTuberの略で、2Dや3DのCGで描画された美少女などのキャラクターを動かした動画配信の形態です。
音楽事務所などに所属するVTuberと同じように動画や画像をNFT化して販売する動きは、バーチャルでないリアルなアイドルの間にも広まりつつあります。アイドルグループのSKE48に所属するメンバーのデジタルトレーディングカードが、NFTトレカとして予約限定販売されたのはそうした動きの1つです。動画をトークン化する動きも現時点ではまだ限定的ですが、NFTの普及が進めば巨大市場に発展する可能性を秘めています。
ファッション
多様化するNFTはファッション業界にも波及する様相を呈し、ゲームなど他のジャンルとのコラボが話題を呼んでいます。ブロックチェーンゲームを提供するシンガポールのEnjin社は提携するアバター生成アプリに対して、洋服やアクセサリーなどファッションアイテムの提供を行うことを発表しました。海外のファッションハウスが手がける限定版のファッションアイテムをNFTとしてデジタル化し、アバターが着用できるようにしようという試みです。
グッチがVRアバター向けのデジタルスニーカーをNFTとして発売したように、同様の動きは有名ブランドにも広がりを見せています。仮想的なファッションアイテムがNFTのアセット(資産)として取引できるようになれば、コロナ禍で売上が低迷しているファッション業界にも活路が開かれるはずです。
実際にデジタルスニーカーの分野では、すでにナイキがNFTを用いたトークン化を試みています。NFTとしてトークン化されたデジタル靴を購入すると所有権が付与され、本物のスニーカーのように転売も可能になるという仕組みです。
ファッション業界では過去にバーチャルの世界でしか着用できないデジタルドレスがブロックチェーンで作成され、日本円にして100万円で落札された例もありました。有名ブランドがバーチャル空間を対象にした限定ファッションアイテムをNFT化して販売するようになれば、仮想的なブランド品を高値で取引する道も開けます。
現状ではリアル空間におけるファッションアイテムの偽ブランド対策として、真贋鑑定にブロックチェーンを活用するという方向で実用化されているに過ぎません。有名ブランドのルイヴィトンが導入した「オーラ(AURA)」というブロックチェーンの記録方式は、商品の原材料調達から製造工程を経て店頭に並ぶまでのプロセスを確認できるようにする仕組みです。
デジタルスニーカーを販売しているナイキでも、実物のスニーカーにブロックチェーンでトークンIDを付与して所有権を証明する技術の特許を取得しています。同様の技術をバーチャル空間にまで拡大すれば、NFTの巨大ファッション市場を生み出すことも決して夢物語ではないはずです。
不動産
NFTはあらゆる分野に応用が可能な概念だけに、ゲーム内の仮想空間をトークン化して不動産のように売買する動きは過去にもありました。ブロックチェーンゲームのAxie Infinity内にある仮想的な土地区画が、NFTとして約1億6千万円で落札されたのは代表的な例です。
NFTが普及すればゲーム内の仮想空間だけでなく、現実の土地や建物など不動産の所有権をNFTとして発行する動きも出てくるものと予想されます。将来的には不動産投資がNFTで大きく様変わりする可能性もありますが、現時点ではリアル空間とデジタルデータをブロックチェーンでどのようにリンクさせるかが課題です。
ファッション分野でアバター向けNFTアイテムの提供を始めた前述のシンガポールEnjin社は、不動産分野でもアパートやホテルといった不動産の所有権をNFTとして発行しています。不動産の建物全体だけでなく、部屋単位に断片化された所有権をNFTの形で売買することを可能にする仕組みです。
大型の不動産は企業や機関投資家が投資の対象としてきましたが、所有権がNFT化されることで個人投資家も参入しやすくなります。この方面では日本企業が立ち遅れているだけに、不動産の分野でもNFTマーケットは海外の企業が中心になりそうです。
投稿
NFTとして資産化が可能なデジタルデータは画像や動画に限らず、文字列の組み合わせからなる文章も対象の1つに含まれます。ツイッター創業者のジャック・ドーシーCEOが2006年に投稿した世界で最初のツイートをNFT化し、オークションに出品して話題を呼んだのは2021年3月の出来事です。
ツイートの売買が可能なオークションサイトのValuables(バリュアブルズ)で、この投稿は日本円にしておよそ3億円の価格で落札されました。今や世界で2億人近いユーザーが利用する人気SNSとなったツイッターで、創業者自身が最初に投稿したツイート第1号だからこそ、3億円分の価値があるのだと言えます。
ツイートのように簡単にコピーできる短い文字列からなる投稿文でも、デジタルデータである限りはブロックチェーンを使ったトークン化が可能です。140文字以内の短文がNFT化されることでこれだけの価値を生み出せるのであれば、もっと長文の投稿や小説作品も同じよううに資産化する道が開けてきます。
NFTの発行を手がけるブロックチェーンのプラットフォームサービスGO BASEが、小説や電子コミックの著作権を持つ企業との提携を発表したのはそうした動きの1つです。日本のSBINFT Marketはイラストレーターや音楽アーティストだけでなく、作家も公認クリプトアーティストの対象に含まれます。
以上のようなサービスが広く普及すれば、人気作家がNFT化した新作をマーケットプレイスを通じて限定販売する日が来るかもしれません。小説を書いて収入を得る手段と言えば本を出版して印税収入で稼ぐのが一般的でしたが、NFTにはそうした出版の常識を根底から覆す可能性すら秘められています。
電子チケット
NFTの仕組みを利用した資産化が可能な分野で最後に紹介するのは、チケットや会員権のような権利そのものの概念をトークン化しようという試みです。電子チケットの販売を手がけるZAIKOでは、ブロックチェーンを使ったNFTチケットの販売サービスとしてDigitamaを開始しました。
チケットの高額転売による弊害が大きな問題となったのを受け、2019年にチケット不正転売禁止法が成立して以降は転売が制限されるように変わってきています。そうした中でもDigitamaで扱うNFTチケットは転売も可能で、この場合はチケットを発行したアーティスト側も転売による収益を受け取れる仕組みです。
仮に元値の何倍もの価格でNFTチケットが転売された場合は、アーティストが手にする収益も増えることになります。NFTを利用した電子チケットには、転売ヤーだけが儲けていた現状が大きく改善される可能性が秘められているのです。
電子チケット以外の分野では、オンラインの記事を広告なしで読める会員権をNFTとして販売するような手法も考えられます。オンラインサロンなどへの導入が考えられるこのNFT会員権も、トークン化された電子チケットと同じく売買によって他人への譲渡が可能です。NFTを利用すれば電子チケットや会員権に限らず、目に見えないさまざまな権利をトークンとして売買できるようになります。
NFTの最新情報まとめ
現時点では以上のような9つのジャンルで、NFTを活用したデジタル資産の形成や取引が始まっています。NFTはゲームの分野で先行して開発が進められてきただけに、他のジャンルでもゲームとのコラボに活路を見いだしている例は少なくありません。そんな中でアートの分野ではNFTを活用した独自の資産化が試みられ、投資の対象としても活性化の兆しが見られます。
同じトークンでもビットコインのような暗号資産は投資家に認められつつありますが、資産価値がブロックチェーンの技術に裏付けられているという点ではNFTも変わりありません。現物の資産でも資産価値が認められた美術品やコレクターズアイテムは、金のような貴金属と同様に投資の対象です。最近の盛り上がりはバブルの様相を呈しているという指摘もありますが、近いうちにはNFTがビットコインなどと並ぶ資産として立派に通用するようになるものと予想されます。
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