ノマドワーカーがカフェで仕事をする理由とは?自己管理が成功の鍵

仕事術

ノマドワーカーと言えば、カフェの店内でパソコンを広げて仕事をしているというイメージがあります。場所を選ばずに仕事できる自由を持ちながら、敢えて人目につく店内で仕事をしているのには何か理由があるはずです。ノマドワーカーは会社に縛られないメリットをを持つ一方で、仕事をサボろうと思えばいくらでもサボれるという自己管理の難しさもあります。

一般の来店客や店の従業員からは「うざい」と思われがちなノマドワーカーについて、見物効果の観点からメリットとデメリットを考察してみました。日本人にとってはまだまだ馴染みが薄い存在ですが、この記事を読めばノマドワーカーの理解につながります。

ノマドワーカーとは?

英語のノマド(nomad)は「遊牧民」を意味するともに、「放浪者」という意味もあります。ワーカーは言うまでもなく「働く人」「労働者」を意味する言葉ですので、「放浪しながら働く人」というのがノマドワーカーを直訳した本来の意味です。狭義のノマドワーカーはパソコンやスマホを使いこなしながら、特定の会社に所属せず決まった働き場所を持たずに収入を得る働き方が想定されています。

似たような言葉としては、1998年に出版された本で「デジタル遊牧民」という呼び方が書名に使われていました。その後は実業家の安藤美冬氏がノマドブームの火付け役となり、2010年代以降にノマドワーカーという造語が広まっていったのです。

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「デジタルノマド」という別名でも呼ばれているように、ノマドワーカーはパソコンやインターネットが使える環境ならどこでも仕事ができます。WiFiが使えるカフェやファミレスで仕事をしている人もいれば、世界中を旅しながらパソコン1つで収入を得ている人も少なくないという具合です。

最近は街中のWiFiスポットが増え、リゾート地のホテルでもノマド生活が可能になりました。ポケットWiFiと予備の電源を持ち歩けば、公園やキャンプ地でさえもパソコンを使って仕事ができます。

そのためノマドワーカーはあらゆる場所に出没し得る存在ですが、最も典型的な例はスターバックスコーヒーの店内でMacBookのパソコンを広げて仕事をしている人たちです。店でそんなノマドワーカーの姿を見かけ、いったい何の仕事をしているのか不思議に感じた人も多いのではないでしょうか?

ノマドワーカーに向いた仕事

パソコンがあれば場所を選ばずに仕事ができるとは言え、ノマドワーカーに向いた仕事とそうでない仕事があります。同じようにパソコンを使う仕事でも、経理や給与計算のような作業をしている人はそれほど多くないはずです。

ノマドワーカーとはイメージやライフスタイルを意識した存在でもあることから、収入を得るためにする仕事も時代の先端をいくような分野がふさわしいと言えます。Webデザインやプログラム開発のような仕事はその代表的な例で、ノマドワーカーの中には元エンジニアや元プログラマー・元デザイナーも少なくありません。クラウドソーシングでも募集が多いWebライティングは、ノマドワーカーと最も相性が良い仕事です。

クライアントからの依頼を受けて記事を書くライティングの仕事は何かと制約が多く、必ずしも自分の書きたい事柄を書けるというわけにはいきません。自分でブログを手がけているノマドワーカーは記事にアドセンス広告やアフィリエイト広告を掲載し、広告収入を生活の糧としています。国内外を旅しながらノマド生活を送っている人は毎日が出会いと刺激の連続だけに、ブログに書くのに欠かせないネタも豊富です。

この他にもデザインやイラストの仕事で収入を得ている人や、得意の語学力を生かした翻訳・通訳の仕事で稼いでいる人もいます。いずれもクラウドソーシングで探せばいつでも募集が見つかり、仕事を行うのに時間や場所も問われません。

中には株やFX・仮想通貨などのデイトレードで稼いでいるノマドワーカーもいますが、投資で稼ぐには元手も必要です。資金さえ用意すればパソコンやスマホで値動きを常時チェックできますので、カフェの店内にいようと公園にいようと、パソコンやスマホがあれば最適なタイミングでいつでも取引ができます。

在宅ワークとの違い

ノマドワーカーが収入を得る手段としている仕事は、主婦に人気の在宅ワークとも似ています。在宅ワークでも同じようにパソコンやスマホが使われ、Webデザインやデータ入力・記事ライティングといった仕事を請け負うのが一般的です。

仕事を探すのにクラウドソーシングを利用する例が多いという点でもノマドワーカーと似ていますが、在宅ワークは仕事をする場所が自宅に限られます。育児や介護などの事情があって外へ働きに出られない人でも自宅で収入を得られるという点は、在宅ワークならではのメリットです。

一方のノマドワーカーは場所を選ばずにパソコンやスマホで収入を得る働き方を意味し、仕事場所は必ずしも自宅に限定されません。広い意味では自宅を仕事場としている人も含まれるとは言え、一般的なイメージのノマドワーカーはカフェやファミレス・コワーキングスペース・図書館などが主な仕事場です。

国内外のリゾート地でもホテルにWiFiが完備されていれば、ノマドワーカーの仕事場になり得ます。ポケットWiFiを持ち込めば公園や河川敷・キャンプ場・海水浴場ですら仕事場にすることが可能で、場所を選択する自由度という点では在宅ワークの比ではありません。

日本のオフィスは東京などの大都市に集中しているため、特定の会社に所属する働き方を選んだ場合は満員電車での苦痛を伴なう通勤を強いられがちです。ノマドワーカーという働き方を選べば満員電車から解放され、自然豊かな田舎でのんびりと過ごしながら収入を得られるようになります。

ノマドワーカーは国境さえも軽々と乗り越え、海外の国々を旅しながらパソコン1つで稼ぐことも可能です。特にタイやフィリピンなどの東南アジアは日本と比べて物価が圧倒的に安いだけに、月に数万円程度の収入でも現地では何とか暮らしていけます。

日本のクラウドソーシングを通じて仕事を受注すれば、海外で仕事をしても稼げる収入は日本の水準です。日本ではぎりぎりの生活を維持するのに精一杯の収入でも、東南アジアなら結構ぜいたくな生活ができるというわけです。在宅ワークは主婦や主夫に向いた働き方なのに対して、ノマドワーカーは独身の若者に向いた働き方だと言えます。

ノマドワーカーがカフェで仕事をする理由

以上のような違いがわかれば、ノマドワーカーが自宅ではなく敢えてカフェの店内で仕事をしている理由も理解できそうなものです。働く場所に縛られないという自由さをアピールするためにそうしているようにも見えますが、自宅の方が仕事をしやすいという人にとっては理解しづらい面もあります。

カフェの店内だと他の客の目もあるし、BGMや他の人の会話も耳に入って気が散るはずです。カフェのテーブルや椅子は必ずしも仕事に適しているとは言えないだけに、「何でこんな仕事をやりにくい場所でパソコンを使っているのだろう?」と思えなくもありません。そんな疑問を解く鍵は、「見物効果」という社会心理学用語にあります。

見物効果のメリット

社会心理学で言う見物効果は観客効果とも呼ばれ、人前で何らかの作業をしたりスピーチや歌を披露したりする際に働く心理作用を意味します。誰も見ていない場面では普通に話せるという人が、大勢の人の前では緊張してしまってうまく喋れないという例は珍しくありません。

見物効果(観客効果)はそのようにしてマイナスに作用するのが普通ですが、その人の性格によっては逆に作用する場合もあります。スポーツの試合でしばしば大番狂わせが起きるように、大勢の観客を味方につけて思わぬ力を発揮するという人はその典型的な例です。

2020年は新型コロナウイルスの影響で、野球やサッカーなどスポーツの分野でも無観客試合が相次ぎました。観客がいないと思ったようなパフォーマンスが発揮できないという選手の声からは、観客の存在が好プレーの後押しをしていた様子が窺えます。

同じような現象は仕事でもあり得る話で、会社を辞めてフリーランスになったとたんに仕事の能率が悪くなったという人も少なくありません。コロナ禍を受けて実施されたテレワークでも、在宅勤務ではONとOFFの切り替えが曖昧でだらけてしまうという悩みがよく聞かれます。オフィスに出社していたときには1時間もかからずに処理していたような仕事に、テレワークでは何時間も費やしてしまうという具合です。

会社を辞めてフリーランスになった場合は同業者がライバルとなりますが、一番の敵は自分自身だと言われています。ノマドワーカーでも自己管理力は最も重要な要素で、だらけがちな心に鞭打って自分自身を奮い立たせるためのマインドが欠かせません。

会社で働いてきた人がノマドワーカーになった場合でも、誰も見ていない場所でそうした自己管理を徹底させるのは困難です。擬似的にでも会社のオフィスに近い仕事環境に身を置き、敢えて人目にさらされることで怠け心を押さえつける必要があります。そのためによく利用されているのが、WiFiや電源が利用できるカフェの店内というわけです。

見物効果のデメリット

人に見られることで力が発揮されるというメリットの一方で、見物効果にはデメリットもあります。人によってはかえって仕事の能率が落ちてしまうことも考えられるため、カフェの店内なら誰でも仕事がやりやすいというわけではありません。

何か作業に取り組んでいる最中に横から話しかけられたりると、集中力が途切れてしまうというのはよくある話です。見物効果は単純作業のような仕事で発揮されやすい一方で、集中力を要するような仕事ではかえって逆効果になります。

特に仕事の習熟度がまだ高くない段階にある人はは些細な刺激でも集中が乱れ、思わぬ失敗につながりがちです。仕事に熟練していれば人に見られることで集中が高まり、高いパフォーマンスを発揮できるようになります。仕事に自信がないと「失敗するのではないか」と恐れるあまり、人に見られている状況では力をうまく発揮できないものです。

ノマドワーカーの場合でも自分の得意とする仕事であれば、人の目にさらされることで仕事の能率がアップする可能性もあります。慣れない仕事を受注してしまった場合はそういう環境がマイナスに作用し、逆に能率ダウンにつながりかねません。慣れた仕事をする場合でも店内が騒がしすぎたりして、思うように仕事が進まなかったという事態はあり得ます。

いくら仕事のためとは言え、店に長時間居座っていると他の客や店の従業員から白い目で見られる場合もあります。そんな他人の目をプラスに転じてパワーに変えるぐらいの図太さがないと、ノマドワーカーになっても長続きしません。見物効果は「他人の目をついつい意識してしまう」という人にこそ発揮される効果ですが、人目を過度に気にすぎる人はかえって逆効果になる場合もあり得るのです。

ノマドワーカーの見物効果まとめ

1つの会社に所属して身を粉にしながら仕事をするという日本企業型の働き方が見直される中で、常識の枠組みを超えたノマドワーカーの存在が改めてクローズアップされています。カフェの店内では奇異の目で見られがちだったノマドワーカーに対しても、見物効果という観点から見れば少しでも理解の助けになるはずです。

もちろんノマドワーカーの仕事場は必ずしもカフェに限定されず、WiFiが使えるならどのような場所でも仕事場になり得ます。人目にさらされた方が仕事の能率が上がるという人は飲食店や図書館のような場所を仕事場に選び、そうでない人は目立たないような場所を選ぶのが長続きするコツです。

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