車を所有していると車両税や保険料・車検費用などの維持費で年間何万円もかかるため、コロナ禍の影響で収入が減少傾向にある家計にとっては痛い出費です。そんな悩みを抱えている人でもマイカースポンサーというサービスを利用すれば、権利収入を稼いで維持費を節約できる可能性があります。
車に広告ステッカーを貼って走行するだけで収入が得られるというこのサービスは、2019年に全国版のサービスが開始されたばかりの新しいビジネスモデルです。いったいどういう仕組みで収入が得られるのか、実際にどれだけ稼げるのかわからないという人も多いと思います。
車を使った新しい節約術として注目されるマイカースポンサーについて、知られざるサービスの概要をまとめてみました。車が欲しいと思いながら維持費がかかるために敬遠していた人も、この記事を読めば購入に前向きな姿勢になれます。
マイカースポンサーとは?
車を持つ人の間でもまだ知らないという人が多いマイカースポンサーは、自分の車のリアウィンドウに広告ステッカーを貼ることで権利収入が得られるサービスです。2020年に運営会社が変わった影響もあって現在は一時中断中ですが、9月にはサービスの再開が予定されています。
同じように広告を貼って収入を得るビジネスモデルとしては、アフィリエイトやYouTubeなどが代表的な例でした。いずれも副業の手段として多く利用されてきましたが、ブログや動画に広告を掲載したからと言って必ず稼げるとは限りません。インターネット広告を掲載して収入を得るには、ある程度のアクセス数や再生回数が必要です。
その点でマイカースポンサーは自分の所有する車に広告を貼りつけた上で、通勤や買い物・ドライブなどで走らせるだけで収入が得られます。最初の手続きと後述する写真撮影は必要ですが、ブログを作り込んだり動画を撮影・編集したりするほどの手間はかかりません。運転免許証を持つ70歳未満の人で専用アプリをスマホにインストールすれば、誰でも申し込むことができます。
マイカースポンサーを「副業」として紹介しているサイトもありますが、実際には「権利収入」であって一般的な意味での副業には当たりません。収入を得るために運営会社と雇用契約や業務委託契約を結ぶわけでないため、副業が禁止された会社や公務員でも参加は可能です。
車に貼ったステッカーで権利収入が得られる仕組み
マイカースポンサーを利用して広告収入を得るには、公式サイトで専用アプリをダウンロードして会員登録する必要があります。車検証と運転免許証の画像をアップロードし、スポンサード料を振り込んでもらうための口座情報を登録すれば申請が可能になります。
この記事を書いた時点では過去に募集された広告の例として、抽選応募型と先着応募型合わせて60件ほどがHPに掲載されていました。アプリで自分の好きな広告を選んで応募すれば、申請されたステッカーが自宅に届くという仕組みです。
ただし抽選応募型は配布枚数が月ごとに決まっていて、抽選で当たった人だけに貼る権利が与えられます。先着応募型も月ごとの広告枠が埋まりしだい締め切られる仕組みとなっていて、際限なく発行されるというわけではありません。
マイカースポンサーは2019年に全国版のサービスが開始されたばかりで認知度がまだ高くないせいか、現時点では広告主の企業も少なめの状態です。今後はサービスが普及するとともにスポンサー企業も増え、ステッカーを獲得できる確率も高まるのではないかと期待されます。
専用アプリで写真撮影し不正を防止
マイカースポンサーは一般にまだ馴染みが薄いサービスだけに、車に広告を貼って走るのを恥ずかしいと思いがちです。だからと言って届いたステッカーを貼らずに済ませ、権利収入だけ稼ごうとするような不正はできない仕組みとなっています。ステッカーを貼った車を走行させずに放置した場合でも、スポンサー料が支払われないように工夫されているのです。
運営会社では専用アプリを使った広告効果評価システムの特許を取得済みで、サービスが適正に運用されているかどうかが写真撮影を通じて判断されます。ステッカーを貼り付けたらリアウィンドウの内側と外側の両方から写真撮影すると同時に、走行メーターも撮影して送信することになっています。月末時点で再び撮影してステッカーの位置にずれがない点と走行した点が証明され、スポンサー料が指定口座に振り込まれるという仕組みです。
撮影に使われる専用アプリでは、画像の日付改ざんができないようにプログラムが組まれています。特許に基づいた評価システムが確立されているため、不正を疑われることなしに安心して収入が得られるようになるのです。
マイカースポンサーでどれだけ稼げる?
同じように広告を利用してお金を稼ぐアフィリエイトやYouTubeと比べ、マイカースポンサーを始めるのに特別なスキルは必要ありません。それで高収入が稼げるのなら誰もが飛びつくところですが、参加者はマイカーを所有している人の一部にとどまります。収入を得るためのハードルが決して高くはないせいか、スポンサー料も低めに設定されているからです。
中には1件で1万円以上稼げる高単価のステッカーもありますが、条件の良い広告は競争率も高いため簡単には権利を手に入れられません。マイカースポンサーの広告ステッカーには抽選応募型と先着応募型という2種類のプランがありますので、それぞれのプランごとに稼げる金額の目安を解説します。
申し込める地域が限られる抽選応募型プラン
毎月10日に締め切られる抽選応募型プランのステッカーは、広告主のアンケートに答えることで抽選に参加する権利が与えられます。スポンサー料が最高でも1万円にとどまる先着応募型と比べ、抽選応募型は1件あたりの報酬が1万円から10万円と高単価なのが特徴です。
抽選型の方が断然有利と思いがちですが、抽選に選ばれるのは多くても10名程度で、3名から5名程度しか選ばれない例も少なくありません。抽選型と先着型は重複して応募できずどちらか一方を選ぶ必要があるため、抽選型に応募してすべて落選した場合は1ヶ月間広告による収入が稼げなくなります。
抽選応募型のステッカーは広告物の扱いとなるため、屋外広告物が条例で規制された自治体に住んでいる人は対象外です。ナンバープレートが条例で規制されていない地域の車であれば、抽選応募型のステッカーにも申し込むことができます。当選する確率を考えると懸賞に応募するようなものですが、高額広告を狙いたい人は抽選型にチャレンジしてみるのもいいでしょう。
すべての地域で申し込める先着応募型プラン
抽選応募型のステッカーは申し込める人が限られてしまいますが、条例で規制されている地域に住んでいる人でも先着応募型のステッカーなら申請可能です。こちらは毎月15日が応募の締切日で、スポンサー料は500円から1万円までの範囲となっています。あくまでも先着順で枠には限りがあるため、こちらのプランは早い者がちです。
過去に募集された先着応募型ステッカーの大半は1,000円以下の広告で、最低価格の500円という例も少なくありませんでした。マイカースポンサーは新しいビジネスモデルで運用実績がまだ少ないだけに、広告主の側でも様子見というところです。先着応募型は締切日までの期間内に2枚まで応募が可能で、500円のステッカーでも2枚貼ることができれば月に1,000円稼げる計算となります。
運営会社が変わった影響は?
実はつい最近マイカースポンサーを運営する会社が変わり、株式会社モノクスから株式会社マイクロウェーブへと事業が継承されました。2020年前半に日本経済を直撃したコロナ禍の影響で、サービスの円滑な運営に支障が生じたものと見られます。
そうした経緯もあって運営会社が変更になったのではないかと推測されますが、事業を受け継いだマイクロウェーブ社はインターネット関連事業を幅広く手がける中堅のIT企業で、2020年9月にはマイカースポンサーもサービスを再開する予定です。
モノクス社より資金力に余裕があると見られるマイクロウェーブ社に運営会社が変わったことで、再開されるサービスもさらなる充実が期待されます。新たな運営会社のもとでこの画期的なサービスが普及するようになれば、広告主として名乗りを上げる企業も増えてくるはずです。
マイカースポンサーを利用した節約術まとめ
車の維持費に頭を悩ませてきた人にとっては希望の星となり得るマイカースポンサーも、現状ではまだまだ発展途上のサービスという感があります。肝心の広告主が集まらなければユーザーが期待するほどの広告が集まらず、思ったほど稼げないということになりかねません。運営会社が変わったことでそうした状況にも好転の兆しが見られるようになれば、マイカーにステッカーを貼って稼ごうとする人も一気に増える可能性があります。
若者の車離れが報じられる中でも、地方では車が生活に欠かせない必需品です。前を走る車のリアウィンドウに広告が貼ってあれば嫌でも目についてしまうだけに、絶大な宣伝効果を発揮するのは間違いありません。車に広告を貼る人が増えればステッカーへの抵抗も薄れ、サービスがますます普及していくものと期待されます。