パソコンを使って収入を得る副業の中で、Web制作は在宅でも稼げることから根強い人気を誇る仕事です。最近はコロナ感染リスクを避けながら収入を増やせる副業の1つとして脚光を浴びていますが、プログラミングなどのスキルを持たない初心者はWeb制作の仕事でなかなか稼げないという声もあります。
本当のところはどうなのか、副業が可能なWeb制作の仕事募集状況と必要なスキルについて情報をまとめてみました。初心者がWeb制作の仕事を探す手段としてはクラウドソーシング大手のクラウドワークスがおすすめですが、その理由についても報酬の相場とともに記事の後半で詳しく解説します。
Web制作の副業とは?
そもそも「Web制作」として総称されている仕事とは、インターネット上で公開されているホームページや企業の公式サイト・ブログ・通販サイトなどを作る仕事を意味します。新規サイトの構築だけでなく、既存サイトの更新や修正・改善などもWeb制作の範囲内です。
そうしたWebサイトの各ページはHTMLやCSS・Javascriptといったプログラムで記述され、サーバー上ではPHPやJavaなどのプログラムに制御されながら動作しています。個人レベルでも知識と予算があればWebサイトを制作することも可能ですが、個人ブログを除く大半のサイトは企業が運営しています。
企業が情報発信の手段に使っているブログも含め、最近は自社の社員ではなく一般の個人にこうしたWeb制作の仕事を外注する企業が増えている状況です。Web制作の仕事が発生したときだけアウトソーシングした方が、常勤の従業員を雇用するより人件費を節約できるという理由によります。
個人で企業からWeb制作の仕事を請け負っている人の中には本業のフリーランスもいますが、休日や空き時間を利用した副業として受注している人も少なくありません。Web制作の仕事をするのに必ずしも出社する必要はなく、リモート勤務のような形で作業を行うことも可能です。1日2時間だけ働くような自由度の高い働き方が実現できるようになってきたことから、Web制作は副業の手段としてすっかり定着した感があります。
Web制作の副業で募集されている仕事の種類
一昔前のシンプルなホームページならともかく、高度に複雑化した現在のWebサイトを1人で作り上げるのは大変な作業です。そのためWeb制作会社では作業を複数の工程に細かく分け、それぞれの工程ごとに専門の職種を割り当てています。WebマーケターやWebプロデューサー・Webディレクターは上流工程を担当し、WebデザイナーやWebエンジニア・コーダー・Webライターは下流工程を受け持つ職種です。
クラウドソーシングではそうした職種の区別をせずに、Webサイト制作の仕事を丸ごと募集している例も見られます。「工務店のホームページを制作してほしい」「美容クリニックの新規サイト制作」など、デザインからコーディング・記事ライティングまで一括で発注されるような案件です。一方では特定の工程だけを募集している例も多く見られますので、それらの中から副業でも可能な職種の仕事内容について解説します。
Webディレクター
上流工程に属するWeb制作の職種では、Webディレクターの仕事募集が特に目立ちます。Webサイトの企画や予算管理、クライアントとの交渉を担当するWebプロデューサーと違って、Webディレクターはプロジェクトの進行管理を行うのが主な仕事です。下流工程を担当するWebデザイナーやエンジニアなどのスタッフに指示を出しながら、必要に応じてクライアントに進捗状況を報告する仕事もあります。
WebディレクターはWeb制作の現場で管理職としての任務を負う仕事だけに、通常であればクライアント企業の社員が担当するところです。最近はIT業界でも人手不足に悩まされている企業が少なくない状況で、下流工程だけでなくWebディレクターの仕事まで外注する例が増えています。他のスタッフも同じようにアウトソーシングで業務委託された個人が多いことから、フリーランスや副業人材を上手にまとめながらWeb制作現場の全体を統括する仕事です。
Webディレクターはプロジェクトを円滑に進める管理能力だけでなく、スタッフに指示を出す関係でWebデザインやコーディングに関する幅広い知識も求められます。それだけにWeb制作案件の中でも報酬の単価が全般に高めで、副業でも月に10万円以上の副収入を稼ぐことは十分に可能です。
Webデザイナー
下流工程を受け持つ職種の中でも、Webデザイナーはサイトの見た目を大きく左右する重要な仕事です。企業の公式サイトはデザインの良し悪しによって訪問者の印象ががらりと変わってくるだけに、Webデザインの出来不出来が売上や収益にも大きく影響してきます。
Webデザイナーは制作の依頼を受けたサイトのレイアウトを作成するとともに、配色や画像配置を行うのが主な仕事です。必要に応じてロゴやアイコン・挿入画像の作成も行いますが、依頼内容によってはHTML/CSSやJavaScriptを使ったコーディングまでWebデザイナーが担当する場合もあります。
クラウドソーシングで募集されているWebデザイン案件の中には、サイトのデザインを丸ごと発注するような仕事も少なくありません。その一方では「ヘッダー画像の作成」「広告用バナーの作成」など、画像作成に特化した募集も見られます。
そういった作業はフリーソフトでも代用できなくはありませんが、デザインのプロは有料グラフィックソフトのIllustratorやPhotoshopを使用するのが一般的です。クラウドソーシングの「デザイン」カテゴリでは提案をコンペ方式で募集する案件が大半を占めている中で、Webデザインのカテゴリに関しては固定報酬制のプロジェクト方式で募集されている案件も少なくありません。
Webエンジニア
Webサイトのデザインが決まったら、次は出来上がったレイアウトに合わせてHTMLやCSSのコードを作成する作業に移ります。コーディングと呼ばれるこの工程を担当する職種はコーダーとも呼ばれていましたが、近年では単純なコーディング作業だけでは対応しきれなくなっているのが現状です。そのため現在はコーダーの仕事を進化させ、Webエンジニアの職種名でプロジェクトに参加するように変わりつつあります。
Webエンジニアにはフロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアの2種類があって、HTML/CSSやJavaScriptを使ってコードを記述するのがフロントエンドエンジニアの仕事です。フロントサイドエンジニアはWebサイトを訪問したユーザーの目に触れる部分のコード作成が担当領域ですが、バックエンドエンジニアはサーバー側で動作する部分のコードを記述することになります。
副業が可能なWebエンジニアの仕事はWebサイトの新規制作だけでなく、既存サイトのメンテナンスや更新作業が募集される例も少なくありません。HTML/CSSコーディングのみの作業を募集する案件も依然として多く、最近増えているWordPress制作・修正案件でもHTML/CSSのスキルがあれば受注の幅が広がります。Webエンジニア向け案件やコーディング案件は件数が最も多いだけに、副業が可能なWeb制作の仕事で最も仕事を見つけやすいジャンルです。
Webライター
以上はプログラミングやデザインに関する専門スキルを要する仕事ですが、Web制作には文章を作成する仕事も含まれます。どのWebサイトを見てもキャッチコピーや記事コンテンツで文章が使われているように、短文や長文のライティングはWeb制作に必要不可欠な工程です。
クラウドソーシングでは「Web制作」のカテゴリ内にもそうしたライティングの募集は見られますが、「ライティング・記事作成」カテゴリがこれとは別に独立して設けられています。Webデザインやコーディング案件よりライティング案件の件数が多いのは、それだけ記事コンテンツの作成に手間がかかる証拠です。
Webサイトのデザインやコードは一度作成すれば複数のページに使い回しができるのと比べ、記事コンテンツは各ページごとに用意しなければなりません。大規模な企業サイトでは数百から数千単位で大量の記事コンテンツが必要になってくるだけに、Webライターの仕事も大量に募集されることになるというわけです。
「Web制作」カテゴリではWebサイトのデザインやHTMLコードの作成だけでなく、コンテンツのライティングまで含めた全工程を一括して募集している高単価の案件も少なくはありません。Webライター向けの案件は全般に単価が低めですが、HTML/CSSやWebデザインのスキルがあればそうした案件も受注できるようになります。
Web制作の副業に必要なスキル
一口にWeb制作の仕事と言っても以上のようにさまざまな職種があるため、求められるスキルは案件ごとにそれぞれ違ってきます。クラウドソーシングで募集されている案件を見ると、必ずしも職種ごとに仕事内容がはっきりと分かれているわけではありません。Webデザインの募集でありながらHTML/CSSコードの記述まで仕事内容に含まれる場合もあれば、デザインとコーディングに加えて画像作成やSEO対策までの全行程を依頼する案件もあるという具合です。
中でも以下に挙げるようなWeb制作関連のスキルは副業向けの案件で需要が高く、1つでも身につけていれば仕事を受注できる可能性が高くなります。
- HTML/CSS
- Javascript/jQuery
- PHP
- Illustrator/Photoshop
- WordPress
- SEO
それぞれ詳しく解説していきます。
HTML/CSS
HTMLはWebサイトやページを記述するための言語で、Web制作に必要なスキルの中でも基本中の基本です。最近はWordPressを使って制作されたブログや企業サイトが増えているため、Webサイトを制作するのにHTMLの知識は必須というわけではなくなりました。それでもHTMLのコードを知っていれば、WordPressをカスタマイズして思い通りの表現にすることが可能になってきます。
CSSはHTMLだけで制御できないWebサイトの外観を記述する言語で、HTMLとセットでスキルを取得するのが一般的です。最低でもHTMLとCSSのスキルを身につけておけば、Web制作の副業で仕事がまったく見つからないということはなくなります。Webデザインの仕事を受注する場合でもHTML/CSSの知識があれば、対応できる案件の幅が広がるのは間違いありません。
JavaScript/jQuery
HTMLとCSSだけでは静的な表現しか記述できませんが、スクリプト言語のJavaScriptを使えば動きのある表現が可能になってきます。訪問ユーザーが問い合わせフォームに文章を入力して送信したり、通販サイトで代金の合計金額が自動的に計算されたりするのも、JavaScriptがWebブラウザ上で実行されているおかげです。副業可能なWeb制作案件の中でコーディングの仕事をこなすには、HTML/CSSだけでなくJavaScriptを扱うスキルも必要になってきます。
JavaScriptを使ったコーディング案件では、jQueryに関する知識を求められる場面も少なくありません。jQueryというのはJavaScriptで頻繁に使用するプログラムを集めたライブラリの1つで、さまざまな拡張機能を備えたプラグインも数多く作り出されています。HTMLとCSSのスキルだけでは単価の低い案件しか受注できないという場合には、JavaScriptとjQueryのスキルを身につけるのが単価アップにつながる解決策です。
PHP
以上はWebサイトを訪問したユーザーが直接目にする部分に関連したプログラミング言語のスキルで、フロントエンドエンジニアの担当領域となります。これに対してサーバー上で動作するプログラムを作成するのが、バックエンドエンジニアの仕事です。
Webサーバーを制御するためのプログラムを記述する際には、PHPやRuby・Java・Pythonといった言語が使われています。中でもPHPは動的なWebページを作るのに適していて汎用性が高いことから、Web制作の仕事でも需要の高い言語スキルの1つです。
PHPのスキルを身につけておけば、案件の多いWordPressのカスタマイズにも対応できるようになります。サーバー上で動作するプログラミング言語はHTMLやCSSより難易度が高めですが、PHPは初心者でも文法を理解しやすいのが特徴です。
Illustrator/Photoshop
Webデザインの仕事を手がけようとする場合に必須とされているのは、IllustratorやPhotoshopといったグラフィックソフトを扱うスキルです。どちらもAdobeが提供する有料のソフトウェアで、Creative Cloudと呼ばれるサブスクリプション方式のサービスと契約することで使えるようになります。
Illustratorは印刷物をデザインする仕事に多く利用されてきましたが、最新のバージョンならWebデザインにも対応は可能です。PhotoshopはWebデザインの現場で長く愛用されてきた定番の画像加工ソフトで、写真の加工や補正だけでなくロゴやイラストの作成にも使われています。
Photoshopは点が集合したビットマップデータの画像を扱うのに対して、Illustratorは拡大・縮小しても画質が劣化しないベクターデータを扱うソフトです。両者の違いを理解して使い分けながら操作スキルをマスターすれば、副業でWebデザインの仕事を受注する道も開けてきます。
会社のパソコンならどちらのソフトも社の経費でインストールされていますが、副業を目的に自分のパソコンで使用する場合は月額料金も自分で払わなければなりません。Adobe Creative Cloudのキャンペーンや割引セールを利用したとしても、両方のソフトを導入するには年間で5万円から6万円程度の費用が必要です。どちらか片方だけの単体プランに絞れば、費用を年間で3万円程度に抑えられます。
WordPress
クラウドソーシングで募集されているWeb制作の仕事で最近目立つようになったのは、WordPressを使ったWebサイトの制作や更新などの案件です。クラウドワークスでは「WordPress制作・導入」のカテゴリが設けられているほどで、「ホームページ作成」や「Webデザイン」のカテゴリでもWordPressを扱う案件は少なくありません。
WordPressはもともとHTMLやCSSの知識がなくてもWebサイトを制作できるように開発されたソフトウェアで、オープンソースのため基本的には無料で使えます。機能が豊富でプラグインや無料・有料のテーマ(テンプレート)も数多く用意されているだけに、WordPressを使いこなすにはある程度のスキルも必要です。需要が大きく拡大しているWordPressのスキルを身につけておけば、副業でWeb制作の仕事を受注しようという場合でも有利になってくるのは間違いありません。
個人でも月額1,000円程度のレンタルサーバーを借りて年1,000円前後で独自ドメインを取得すれば、WordPressを使ってブログを運営できるようになります。Web制作で案件受注の幅を広げるためにも、ブログ運営でWordPressの操作に慣れておくのは得策です。
SEO
クラウドソーシングで募集されているWeb制作案件には、「検索エンジン対策」を意味するSEO対策の仕事も含まれます。どんなに見栄えの良いWebページを作り上げたところで、サイトを訪問してくれるユーザーがいなければ意味がありません。狙ったキーワードに関連した情報を知りたがっているユーザーをサイトに導くためには、検索結果で上位に表示されるような対策が最も効果的です。
アクセス解析データの活用や競合サイトの分析、記事コンテンツの改善など、SEO対策にはさまざまな手法が考えられます。企業が自社サイトのSEO対策を行う場合にはSEO会社に依頼するのが一般的でしたが、業者を利用すれば費用がどうしても高額になりがちです。最近はクラウドソーシングなどのマッチングサービスを利用し、SEOスキルを持つ個人に対策を依頼するケースが増えています。
本業でSEO会社に勤務していて他社の検索エンジン対策の仕事を手がけている人は、副業でもそうした依頼に応えるだけのスキルの持ち主です。SEO会社に所属していなくても、個人でアフィリエイトに取り組んでいればSEOのスキルも自然と身についてきます。
クラウドソーシングでは「Web制作」カテゴリ内でそうしたSEO対策案件が募集されていますが、SEOスキルを持っていればライティング案件の受注にも有利です。「ライティング・記事作成」カテゴリでライターを募集しているクライアントの間では、SEOライティングのスキルを持つライターが重宝されています。
「Web制作」カテゴリでサイトの制作を丸ごと依頼するような案件でも、SEOのスキルが求められるのは言うまでもありません。SEOスキルはWeb制作の副業を始めるのに必須というわけではありませんが、身につけておけば初心者でも案件を受注しやすくなってくるのです。
初心者にはWeb制作の副業は無理?
以上のようにWeb制作の仕事には案件の種類ごとにさまざまなスキルが求められるだけに、初心者には荷が重いように思いがちです。社員を雇ってWeb制作スキルをゼロから教える余裕がない企業が増えているからこそ、実務経験を持つ個人に仕事を外注するようになっているとも言えます。
プログラミングスクールや教材などを使って学んだ程度のスキルがあれば受注できる案件もありますので、Web制作のジャンルだからと言って必ずしも実務経験が必須とは限りません。案件によってはまったくの初心者相手にも懇切丁寧に指導してくれるクライアントが存在するほどに、Web制作の現場は人手不足が深刻な状況です。まさに猫の手も借りたい状況となっている中では、Web制作の実務経験を持たない人にも仕事を受注するチャンスがあります。
Web制作のスキルを身につける方法
実務経験がなくても可能なWeb制作の仕事は募集されているとは言え、前述のようなスキルを何一つ持たない初心者の状態では受注できる案件も決して多くはありません。そのような人はプログラミングスクールを受講するか、または書店で売られている入門書で勉強するなりして、どれか1つでもスキルを勉強をしておくことをおすすめします。
インターネットで検索すれば関連する情報が数多く見つかりますが、無料で得られる情報だけでWeb制作のスキルをマスターしようとしても限界があるものです。Web制作について書かれた書籍を使う独学は最も安上がりな勉強方法ですが、よほど強い意志を持って取り組まないと長続きしません。
プログラミングスクールを受講する方法は独学よりも費用が多くかかる反面、「お金をかけているのだから損はできない」という意識が芽生えます。独学よりは長続きしやすい方法ですので、意志の強さに自信がないという人はWeb制作の講師に学ぶのがスキルを身につける近道です。
Web制作の仕事を探す方法
ある程度のスキルを身につけた上で実際にWeb制作の副業を始めるには、本業と両立できるような仕事を探す必要があります。副業であっても企業と雇用契約を結ぶ働き方を希望するのであれば、求人サイトで仕事を探すのが一番の近道です。
とは言えWeb制作の仕事を個人に外注している企業の多くは従業員を雇用する余裕がなく、クラウドソーシングやフリーランス向けエージェントで仕事を募集しています。いずれも案件単位で仕事を受注する業務委託契約が主流で、雇用契約を結ぶ働き方よりも副業の手段にしやすいのが特徴です。
雇用にこだわっているとWeb制作の仕事で選択肢が狭くなってしまいますので、副業として手がけるなら業務委託で受注できる案件を探した方が仕事を見つけやすいと言えます。Web制作の仕事を探す3種類の方法について、それぞれのメリットとデメリットをまとめてみました。
アルバイト求人サイト
タウンワークやバイトルなどのアルバイト求人サイトでも、Web制作関連の求人は募集されています。雇用形態はアルバイトやパートだけでなく派遣や正社員・契約社員も含まれ、土日祝日が休みとなっている求人が多い印象です。
会社と雇用契約を結ぶ働き方は労働者として保護されるメリットがある一方で、勤務シフトに縛られたりして柔軟な働き方が難しいというデメリットもあります。Web制作の求人を募集している会社の大半は勤務時間が平日の日中となっていて、土日の仕事で稼ぐ副業の手段には向いていません。雇用ではなく業務委託で勤務時間や勤務場所が自由に選べる求人が掲載されているサイトもありますが、副業可能なWeb制作の仕事を探す手段としてはあまり効率的でない面があります。
クラウドソーシング
初めてWeb制作の副業に挑戦しようという初心者におすすめなのが、クラウドワークスやランサーズ・シュフティなどのクラウドソーシングです。いずれも「Web制作」「ホームページ制作」「Webデザイン」といったカテゴリがサイト内に設けられていて、案件単位で多数の仕事が募集されています。
中でもクラウドワークスは業界最大級の規模を誇るサイトで、Web制作のカテゴリも案件数は豊富です。Webデザインやホームページ制作・HTML/CSSコーディングで実務経験がある人はもちろん、未経験の初心者でも受注できる仕事が募集されています。プログラミングやデザインのスキルを持たない人は、「ライティング・記事作成」のカテゴリでWebライティングの仕事に挑戦してみるといいでしょう。WebライティングもWeb制作に欠かせない工程の1つで、募集されている案件数はプログラミングやデザインの仕事より多いくらいです。
Webライティングの仕事をこなしながらプログラミングやWebデザインについて独自に勉強していけば、より高単価のWeb制作案件も受注できるようになります。初心者がWeb制作の仕事を副業にしようという場合に、クラウドソーシングは最も現実的な仕事の探し方だと言えます。
フリーランス向けエージェント
Web制作関連の仕事を探すもう1つの手段として、レバテックフリーランスやMidworks・ITプロパートナーズといったフリーランス向けエージェントが挙げられます。いずれもフリーランスのエンジニアやプログラマー・Webデザイナーのスキルが生かせる案件を多く扱っており、報酬の単価はクラウドソーシングより全般に高めです。
会社を辞めてフリーランスとして独立した場合には、普通は自分で営業しながら仕事を取ってこなければなりません。フリーランス向けエージェントはエンジニアやプログラマーに代わって企業に営業を行い、登録ユーザーにマッチした仕事を紹介してくれるサービスです。転職エージェントのフリーランス版とも言える存在ですが、Web制作の初心者が仕事を探す手段としては不向きな面があります。
フリーランス向けエージェントで扱っている案件は高単価の報酬と引き換えに、相応の実績や経験が求められる難易度高めの仕事が大半です。初心者が応募可能な案件を扱っているエージェントもありますが、案件が豊富なクラウドソーシングの方が仕事を見つけやすいと言えます。Web制作のスキルやキャリアに自信がある人でない限り、クラウドソーシングから副業をスタートするのが無難です。
Web制作の副業でどれだけ稼げる?
フリーランス向けエージェントよりは単価が低めとは言え、クラウドソーシングで募集されているWeb制作案件の報酬もさまざまです。プログラミングやWebデザインの知識がない初心者でも受注できるWebライティングの仕事は、1文字あたり1円に満たない案件も少なくありません。文字単価0.5円以下のライティング案件になると、よほどタイピングの速い人でない限り時給換算で1,000円以上を稼ぐのは難しくなります。
クラウドワークスで募集されているWebサイト制作やHTML/CSSコーディングの案件は、固定報酬制で10,000円~50,000円が平均的な相場です。同じ固定報酬制でも短時間で済むような仕事になると、数千円から5,000円~10,000円程度で募集されています。
中には10万円を超えるような高額の案件募集も見られ、1,000,000円~5,000,000円というフリマサイト制作の案件もありました。そういう高単価の案件はそれだけ納品までに日数を多く費やすのが普通で、作業に要する時間も大がかりになりがちです。実績に乏しい間は単価が低めでも積極的に数をこなし、評価が高まってきたところで高単価の案件に挑戦していけば採用確率が上がります。
コンペ方式と時間単価制
Webデザインやランディングページ制作のカテゴリは、固定報酬制のプロジェクト方式ではなくコンペ方式を採用している案件もあります。コンペ方式というのは複数の応募者からデザインなどの提案を集め、最終的に採用された人だけが報酬を受け取れる方式です。
応募しても提案が採用されなければ報酬は0円ですが、コンペ方式で募集されている案件の中には10万円を上回るような高額報酬も珍しくありません。Webデザインでは平均で5万円前後がコンペ方式の報酬相場となっていますので、他の提案を確認して勝算があれば応募してみるといいでしょう。
コンペ方式以外では固定報酬制が多数を占めている状況ですが、同じプロジェクト方式でも時間単価方式で募集してる案件があります。Web制作のカテゴリは「事務・ビジネスサポート」より時給高めの案件が多く、1,500円前後が報酬の平均的な相場です。「固定報酬制では時給換算で効率的に稼げるかどうか心配」という人は、Web制作カテゴリでも時間単価制の案件を探してみるといいでしょう。
Web制作の副業まとめ
日々進歩を続けるインターネット業界は人員不足が深刻な状況となっているだけに、Webデザインやコーディングなどのスキルを持つ副業人材が求められています。副業可能なWeb制作の仕事募集もそれだけ豊富な状況にありますが、ほとんどの案件はプログラミングやデザインなどのスキルが必要です。
Webライティングの仕事ならそうした専門スキルがなくても受注は可能ですので、Web制作に関わる仕事で副業収入を稼ぎたいという初心者に向いています。HTML/CSSやIllustrator/Photoshop、WordPressの操作スキルを身につければ、Web制作で受注できる仕事の幅が大きく広がるのは間違いありません。まずはクラウドソーシングの仕事をこなして実績を積みながら、書籍を使った独学やプログラミングスクール受講でWeb制作について学ぶのが収入アップへの近道です。