クロスワードパズルやナンプレ・漢字パズルなどの問題は、大人の脳トレとして根強い人気があります。問題を解いて応募すれば賞品が当たる懸賞もありますが、問題を作成する側の「パズル作家」になれば副業の手段にすることも可能です。
月に100万円以上稼ぐ人も存在すると言われるパズル作家にはどうしたらなれるのか、4種類の稼ぎ方に分けて情報をまとめてみました。
パズル作家になる方法
規模の大きい書店の雑誌売場を見ると、いろいろな種類のパズル雑誌が20誌以上も並んでいます。雑誌を出している出版社の社員が問題を作成しているものと思いがちですが、社外のパズル作家に問題作成を依頼しているケースが大半です。読者から投稿されたパズルを掲載している例も含め、パズルの問題を作成した人には謝礼が支払われます。
中でもクロスワードパズルは人気が高く、パズル雑誌以外の一般誌や新聞にも掲載コーナーが設けられています。間違い探しや数独・イラストロジックなどの問題を掲載している新聞や雑誌も少なくありません。それらの問題を考えることで報酬を得るパズル作家になるには、以下のような4種類の方法が考えられます。
- パズル雑誌に問題を投稿する
- パズル作家を募集しているサイトに応募する
- クラウドソーシングで仕事を探す
- ココナラにパズル作成サービスを出品する
それぞれ詳しく解説します。
パズル雑誌に投稿
パズル作家になる最もオーソドックスな方法は、パズル雑誌が募集してる投稿作品に応募して採用を待つやり方です。数あるパズル雑誌の中には、読者投稿の掲載枠を設けているところがあります。プロのパズル作家が考案するよりもユニークな問題が集まりやすいとあって、パズル雑誌でも読者投稿は人気コーナーの1つです。
投稿作品が採用された場合には、最大で10,000円程度の謝礼がもらえます。これだけでも結構なお小遣い稼ぎになりますが、何度も採用されるほどの常連になると編集部から声がかかることもあります。「本誌に掲載するパズル問題を作ってみませんか?」などと連絡を受ければ、パズル作家として本格的にデビューするチャンスです。
パズル雑誌の読者投稿コーナーは、新人のパズル作家を発掘するスカウトの場としても活用されています。作品制作の難易度が高い小説や漫画などと違って、パズル作家にはプロデビューの登竜門となるような新人賞がありません。雑誌への投稿を地道に続けることが、プロとしてのデビューにつながります。
パズル作家募集中のサイト
パズル作家と言えば、出版社から依頼を受けて問題を作成する仕事のように思いがちです。前述の通り、実際には読者から募集した投稿作品を掲載している例も珍しくありません。パズル雑誌を出している出版社の中には、インターネットのHPで投稿作品を募集しているところもあります。
この記事を書いた2022年4月の時点では、以下のサイトでパズル作家の募集が確認されました。いずれも「プロアマ問わず」という条件で、パズルの投稿や提案が募集されています。
ペーパーハウスの場合、パズル作家募集と言うより読者投稿をWeb上で募集しているサイトです。EGG-HOUSEは「パズル作家募集」となっていて、イラストレーターやライターも同時募集されています。
読者投稿レベルでお小遣い稼ぎがしたい人なら、ペーパーハウスの方が気軽に応募できるはずです。パズル作家として雑誌の制作に関わりたい人は、EGG-HOUSEのスタッフ募集に応募してみるといいでしょう。
他のパズル雑誌でもインターネットで懸賞への応募が可能なサイトは多くありますが、公式サイトでパズル作家を募集している例は確認できませんでした。各誌とも問題の作成を担当するパズル作家が十分に確保されていて、新人を採用するだけの余地がないものと見られます。
クラウドソーシングで仕事を探す
パズルの問題を作成する作業は場所を選ばないため、パズル作家は在宅ワークになり得る仕事です。さまざまな在宅ワークの募集を集めたクラウドソーシングのサイトにも、クロスワードパズルの作成案件が掲載されていました。
現在は大手のクラウドワークスやランサーズで検索しても、パズル系の案件募集はめったに見かけなくなっています。パズルゲームに関連した仕事なら募集されていますが、受注するにはゲーム開発に関するスキルが必要です。
すでに募集が終了した案件まで含めると、クロスワードパズル作成の仕事もランサーズで最近募集された形跡があります。パズル作家向けの仕事が絶対に出ないとは限りませんので、「見逃したくない」という人は募集状況をこまめにチェックしてみるといいでしょう。
ココナラでパズル作成を出品
クラウドソーシングは便利な仕組みですが、基本的には自分がやりたい仕事が募集されるのを待つしかありません。納品方法や報酬の金額などの条件面も、仕事を募集するクライアント側に決定権があります。
クロスワードパズルのようにレアな案件になると、クラウドソーシングを通じて安定した収入を稼ぐのが困難な状況です。仕事の募集がなかなか見つからないのであれば、いっそのこと自分で仕事を作り出すという手もあります。
ココナラのようなスキル販売サイトを使えば、個人でもサービスを提供して報酬を受け取ることが可能です。ココナラにはイラストの制作から占いや語学レッスンに至るまで、ありとあらゆるスキルが出品されています。「パズル」のカテゴリーで絞り込んでみると、「オリジナルのクロスワードパズルを作成します」といったサービスを出品している人が数多く見つかりました。
中には販売実績が0件という例も見受けられますが、20件以上の販売実績を持つ出品者が複数います。クラウドソーシングでめったに募集されない案件を探し回るよりも、ココナラで仕事を募集した方が収入につながりやすい状況です。パズル雑誌を出している出版社だけでなく、社内報などにクロスワードパズルを掲載している企業からの依頼も期待できます。
もちろんココナラ内での競争もありますので、価格設定や説明文など出品の工夫も欠かせません。中には6,000円や1万円などという強気の価格に設定している人もいますが、初心者は最低価格の500円からスタートするのが無難です。販売実績を積み上げていけば、高めの価格設定でも依頼を獲得できるようになります。
パズル作家の収入事情
以上のような手段を使えばパズル作成で収入が得られるようになるわけですが、パズル作家になれば実際にどれだけの金額を稼げるのでしょうか?
最も手軽に始められるパズル雑誌の投稿だと、1作品が採用されるごとに受け取れる謝礼の相場は2,000円から10,000円程度です。マス目の数によって金額が増減し、大きいマス目のパズルほど謝礼の額も多くなります。高額謝礼の投稿が複数回採用されれば、月に数万円以上稼ぐことも可能です。
実際にはなかなか採用されないのが普通だけに、パズル雑誌の読者投稿だけでそれだけの金額を毎月安定して稼ぐのは難しいと言えます。投稿が目に留まって編集部から仕事を依頼されるようになれば、パズルの作成で安定した収入を得ることも可能です。
今から10年以上前の話ですが、主婦業の傍らでパズル作家の仕事をしている人の例がテレビで紹介されたこともありました。その人の場合は1日に1時間程度の作業で、月に稼いだ金額の平均が4万円ほどです。
毎日1時間ずつ作業をしたとすると、時給に換算すれば1,300円ほど稼げる計算になります。1,300円と言えばアルバイトの時給としても高めの部類ですので、在宅で稼げる金額としては割のいい仕事です。
それだけ効率よく稼げるのは、パズルの作成に慣れた人に限られます。同じ金額を稼ぐのにもっと時間がかかる人は、普通にアルバイトの仕事をするよりも時給換算で稼げない結果になりかねません。それでも趣味を生かして楽しみながら収入が増やせるのであれば、副業にする価値は十分にあります。
ちなみにテレビの情報番組では、月収100万円以上というパズル作家の例が紹介されたこともありました。パズルの作成だけでこれほどの高収入を稼ぐのは困難な仕事だけに、メディア出演など複数の仕事をこなした上での数字と推定されます。
パズル作家は職業?それとも副業?
パズルの作成は仕事と言うよりも、遊びの延長と捉える向きもあります。前述のような理由で安定した収入を確保するのが難しい面もあるだけに、パズル作家は副業の手段として決してメジャーな仕事ではありません。家計を助ける目的で副業を始めようという人は、普通にアルバイトの仕事をするのが無難だといえます。
そうした中でも書店ではパズル雑誌が何冊も並ぶコーナーが設けられ、コンビニでも人気商品の1つです。新聞や一般誌なども含め、クロスワードパズルには絶えず新しい作品が求められる需要があります。
そうした需要を受けてパズル作家が仕事として成り立っているわけですが、パズルの作成を本業にして生計を立てているプロはほんの一握りに過ぎません。大半のパズル作家は他に本業の仕事を持っているか、主婦業の片手間に作品を考えているかのどちらかです。よほど成功した人でない限り、パズル作家は職業と呼ぶより副業と呼ぶ方が妥当ということになります。
田守伸也氏のように職業として成り立っている有名なパズル作家でも、雑誌や書籍でパズルの作成を担当する仕事は収入全体の40%程度です。それ以外はゲームの問題作成やテレビ出演・企業案件・講演など、さまざまな仕事をこなすことで収入を増やしています。アマチュアの無名パズル作家は雑誌の仕事しか来ないため、副業レベルの収入にとどまるというわけです。
パズル作家になる方法まとめ
本業の仕事ではなく副業で構わないとすれば、誰にでもパズル作家になるチャンスは与えられています。パズル雑誌の編集部から仕事を依頼されるのは、読者投稿で何度も採用されて実力を認められた人たちです。
以前はクラウドソーシングでもパズル作成案件が募集されていましたが、最近は案件数が減ってきています。むしろココナラを利用して自分でサービスを出品した方が、パズル作成の仕事を獲得できる確率が高いと言えます。自分に合った1つの方法に絞って挑戦するだけでなく、複数の方法を併用してみるのも効果的です。