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小説の下読みバイトはどこで募集している?求人が少ない理由を解説

ワープロ原稿 公募
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小説の新人賞や文学賞の選考に関わる仕事で、下読みと呼ばれる役割があります。何百編何千編と送られてくる応募作品の予備選考を行い、作品数をある程度絞り込む仕事です。

最近はライトノベル系の新人賞が増えているだけに、下読みにもかなりの人数が必要になってくると予想されます。そのわりに求人サイトで検索してみても、下読みのアルバイト募集はなかなか見つかりません。

下読みバイトはどこで募集されているのか、求人が少ない理由と合わせて情報を調べてみました。小説下読みの仕事をする方法については記事の後半で取り上げ、4つのルートに分けて詳しく解説します。

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小説の下読み募集が見つかった場所

原稿用紙の上で考える男性

この記事を書くに当たって主要なアルバイト求人サイトで一通り検索してみましたが、「下読み」のアルバイトは1件も見つかりませんでした。やはり小説の文学賞・新人賞で下読みを行うのは特殊な仕事と見えて、表立っては募集されていない様子です。

ただし物事には例外もあります。クラウドソーシングサイトのCraudia(クラウディア)で案件をチェックしていたところ、「短編小説コンテスト作品の下読み」という案件が見つかりました。現在は募集終了となっていますが、文学賞の下読みがインターネットで募集されたレアなケースと言えます。

この案件のクライアント(依頼主)は小説投稿サイトの関係者で、短編小説のコンテストに応募された作品が下読みの対象です。3,000文字程度の応募作品を読み、5段階の評価とその理由を書く仕事でした。

クラウドソーシングと言えばクラウドワークスランサーズの2強状態ですが、Craudia(クラウディア)のような中堅サイトにはこういうユニークな案件もあります。今後も同様の仕事が募集される可能性がありますので、下読みの仕事がしたい人は要チェックのサイトです。

下読みバイトの求人が見つからない理由

お探しのページが見つかりませんでした

地方主催の小規模な賞まで加えると、1年間で募集される小説の公募文学賞は100以上にも達します。一般文芸にしてもライトノベルにしても、下読みの仕事そのものは1年中発生しているはずです。それなのに下読みのアルバイト募集が求人サイトに掲載されないのは、別ルートで人員が確保されているからだと考えられます。

出版社系の新人賞では応募原稿を下読みに割り振って予備選考を行い、最終選考だけは有名な作家先生方で実施するのが一般的です。応募原稿は数百編という例が多く、人気の文学賞は1,000編以上にも達します。編集者だけでは予備選考をこなしきれないため、外部の人材に下読みを依頼して応募作品を絞り込んでいるわけです。

この下読み担当者が広く募集されることはほとんどなく、編集部のツテを頼って外注されています。編集者以外で一次選考や二次選考の下読みを担当しているのは、以下のような人たちです。

  1. 編集部に出入りしているアシスタントやアルバイト
  2. 編集者の家族や友人・知人
  3. 編集部とコネがあるライターや評論家
  4. 元編集者やフリーランスの編集者
  5. 駆け出しの新人作家
  6. (地方主催の賞の場合)地域のアマチュア作家

送られてきた膨大な応募作品をふるいにかけ、受賞の可能性がないと判断した作品を片っ端から落としていくのが下読みの仕事です。最終的な受賞作を選ぶのは選考委員の仕事ですが、一次選考と言えどもおろそかにはできません。

受賞の可能性がある応募作を誤って落選させてしまったのでは、応募者はもちろん賞の主催者側にとっても重大な損失です。選考委員の先生方ほど責任が重くないとは言え、下読みの人選も慎重にする必要があります。そういった事情があるために下読みのアルバイトを広く募集するのは避け、編集部の縁故関係から信頼できそうな人を選んでいるわけです。

下読みの仕事をする方法

選考のイメージ

以上のような理由から文学賞の下読みを担当しているのは、編集部と何らかの形でつながりのある人に限られてきます。編集部(または文学賞の主催者)とまったく何の関係もない人だと、下読みの仕事をするのは困難な状況です。文学賞を募集している出版社とつながりを持てば、編集部と信頼関係を築き上げることで下読みを依頼される可能性も出てきます。

小説の下読みを行う仕事は、文学賞の予備選考だけに限りません。文学賞に応募しようとしているアマチュア作家に依頼され、文章をチェックしたりする仕事も広い意味での「下読み」です。

推敲や校正を目的とした下読みまで含めると、「小説を読む」仕事の幅がだいぶ広がってきます。それらのすべてを対象にした場合の、「小説の下読み」を仕事にする方法は以下の通りです。

  1. 編集部とコネクションを築く
  2. 新人賞を受賞して作家デビューする
  3. クラウドソーシングで下読み募集を探す
  4. ココナラ(または類似サイト)で下読みの仕事を募集する

それぞれ詳しく解説します。

編集部とコネクションを築く

文学賞の予備選考で下読みの仕事をするには、賞を募集している出版社で編集部と縁故関係を築き上げるしかありません。編集部ではさまざまなツテを頼って、応募原稿の下読みを依頼しています。後述するような駆け出しの新人作家に依頼する場合もあれば、書評を担当しているフリーライターや評論家に依頼する場合もあります。

過去に在籍した元編集者や編集の仕事を業務委託しているフリーランスも、編集部と縁故関係のある人たちです。編集者自身の家族や友人なども含めた中から読書好き・小説好きの人に声をかけ、下読みの仕事を手伝ってもらう場合もあります。大学の読書サークルや文芸サークルのツテで編集部に出入りしていて、下読みのバイトを依頼されたという学生の例もありました。

「○○さんは小説好きで、年に何百冊も読んでいるという話でしたよね? それなら□□文学賞の下読みをやってみませんか?」

編集者と人脈を築いておけば、こんな具合に依頼を受ける可能性も出てきます。

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新人賞を受賞して作家デビューする

原稿用紙と鉛筆と初心者マーク

特に純文学系の文芸誌で募集している新人賞の場合、その賞を受賞した駆け出しの新人作家に次回以降の下読みを依頼するケースがよくあります。純文学のジャンルでは新人賞を受賞しても受賞作がすぐには単行本化されず、作品が何編かまとまってから出版の話になるのが普通です。芥川賞でも受賞すれば話は別ですが、ほとんどの新人作家は最初の著作を出版するのに苦労します。

念願かなって本を出したところで、その本が必ず売れるという保証はありません。駆け出しの作家の大半は、小説の執筆だけで生活していくだけの収入を得ていないのが実情です。

編集部としても受賞作に選んだ責任があることから、そういう新人作家に下読みの仕事を用意している面があります。賞の予備選考を通過して受賞にまで至ったほどの人であれば、下読みの仕事を依頼するだけの能力にも信頼がおけるというわけです。

下読みの仕事をするためにその文学賞の受賞を目指すのは本末転倒ですが、1つの方法ではあります。もちろん人気作家になれば本業の小説執筆が忙しくなるため、下読みを引き受けている暇はありません。

新人賞を受賞してデビューした作家の中でも、本業だけで生計が成り立っているのは一部の人に限られます。下読みの報酬は時給に換算して200円程度と言われますが、駆け出しの作家にとってはこれも貴重な仕事です。自分を受賞者に選んでくれた文学賞への恩返しも兼ねて、半分ボランティアのような感覚で引き受けている人も少なくないと見られます。

クラウドソーシングで下読み募集を探す

クラウドソーシングのイメージ

前述したCraudia(クラウディア)の下読み案件以外にも、クラウドソーシングの各サイトで小説の下読みの仕事が募集されることはあり得ます。クラウドワークスでは募集を確認できませんでしたが、ランサーズでは過去に「素人原稿(小説)の下読み」という仕事が募集された実績があります。14万字にも及ぶ長編ミステリー小説の原稿を読み、矛盾点や文章の不備などを指摘する仕事でした。

Craudiaで募集された短編小説コンテストの案件と違って作品の分量が多いため、ランサーズの案件では下読みにかなりの時間がかかったものと想像されます。14万文字と言えば単行本1冊分に相当する長さですので、じっくり読めば5時間前後はかかる計算です。報酬は「5,000円未満」と記載されているため、時給に換算すると最低賃金以下になる可能性があります。

ちなみにCraudiaの短編小説コンテスト案件は3,000文字程度の応募原稿を読み、5段階評価と50文字以上の「理由」を書く仕事でした。報酬は1作品あたり50円ですので、時給換算で1,000円分を稼ぐには1時間で20作品をこなす必要があります。

実際には1時間で10作品をこなすのも難しいと思われるだけに、これも最低賃金の基準をクリアするのは困難な案件です。いずれも小説を読むのが好きな人でないと、なかなか務まらない仕事だと言えます。

クラウドソーシングで募集されている他のジャンルの仕事でも、時給換算を言っていては割に合わない案件は珍しくありません。いずれも在宅で収入が得られる貴重な仕事ですので、外に出て働くアルバイトの仕事と同系列に扱うのは無理があります。場所を選ばず好きな時間に仕事ができるという点で、在宅ワークには金銭だけで測れないメリットがあるからです。

ココナラ(または類似サイト)で下読みの仕事を募集する

ランサーズで小説の下読みを募集していたのは、ミステリー小説の新人賞に応募を予定しているアマチュア作家と推測されます。江戸川乱歩賞のように有名な新人賞に応募している人の中には、再デビューを目指すセミプロ級の作家も少なくありません。そういう人が作品の推敲目的で下読みの仕事を募集する場合もあり得ますが、募集を待っていては下読みの仕事になかなかありつけないのが実情です。

クラウドソーシングで募集が見つからないのであれば、いっそのこと自分で下読みの仕事を募集してみるという手もあります。小説を数多く読んできた経験や自作の小説を文学賞に応募した経験を強みに、「あなたの応募作品を読んでアドバイスします」「感想を書きます」といったような形でサービスを出品する方法です。

スキルをお金に換えるイメージ

特技やスキルを商品(サービス)に仕立て上げ、個人対個人で売り買いできるインターネット上のサービスが増えています。そうしたスキル販売サイトの中でもココナラは利用ユーザー数が桁違いに多いせいか、小説の下読みサービスも数多く出品されている状況です。

何らかの新人賞や地方文学賞を受賞した経験のある人が大半ですが、中には受賞歴のないアマチュア作家の出品も見られます。価格設定が高めでも販売実績が多いのは、やはりプロの作家による下読みサービスです。地方文学賞などの受賞歴があるアマチュア作家が価格設定を3,000円程度に抑え、販売実績を上げている例も見られます。

ココナラ類似サイトの中では、SKIMA(スキマ)でも同様のサービス出品が確認されました。「あなたの書いた小説の感想をお伝えします」などという形で、それぞれサービスが出品されている状況です。無料掲示板のジモティーの「助け合い」カテゴリでも、自作小説の下読みを依頼する投稿が見られます。

まとめ

原稿用紙

文学賞の下読み人選は編集部の縁故関係で決まる例が多く、求人サイトなどに募集が出ることはほとんどありません。クラウドソーシングに掲載された短編小説コンテストの下読み案件は、インターネット上で下読みバイトが募集された数少ない例の1つです。

それ以外は文学賞に応募しようとしている人からの下読み依頼がたまに出る程度で、待っていては仕事をなかなか獲得できません。ココナラのようなスキルマーケットを利用して自分で下読みサービスを出品すれば、少しでも依頼を獲得できる可能性が出てきます。文学賞を募集しているような出版社と接点を持つのが難しいという人は、サービスの出品を検討してみるといいでしょう。

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