Tシャツやトートバッグ・マグカップなど、オリジナルグッズの制作がちょっとしたブームとなっています。市販されていない品を自分で作れば友人に自慢できますが、グッズ販売を副業の手段とすることも可能です。
今は誰でも自作のイラストやデザインを使って、手軽にオリジナルグッズの制作ができるサイトが数多く存在します。個人でも低コストでネットショップが作れるサービスやフリマアプリなどと併用すれば、オリジナル商品を販売する副業が成り立つというわけです。販売ビジネスを大々的に展開できれば本業にもなり得る仕事ですが、この記事では副業として始める方法について解説していきます。
オリジナルグッズ販売の副業を個人で始める方法
すでにネットショップ運営やせどり・転売は副業の手段として確立されていますが、いずれも何らかの手段で商品を仕入れて売るのが一般的です。仕入れサイトで購入した商品をフリマサイトや自身のネットショップで販売するやり方では、他の人と商品が重複する可能性もあります。そうなるとライバルより価格を下げないと売れなくなり、利幅の小さいビジネスに陥りがちです。
自分でデザインしたオリジナルグッズなら他で売られていないため、商品に魅力があれば価格競争をせずに済みます。販売方法そのものは既存の商品を扱う場合と共通しますので、後はどうやって自作のデザインでグッズを制作するかがポイントです。
商品を手作りするハンドメイド販売が副業として人気を集めていますが、作る手間や材料費もばかになりません。一から手作りするのが難しい商品も含め、今はデザインを入稿するだけでオリジナルデザインが手軽に作れるサービスが数多く存在します。グッズ制作を外注するとなれば費用も当然かかってきますが、利益を上乗せした価格設定で商品が売れれば費用を回収することも可能です。
オリジナルグッズの販売を副業にする大まかな手順は、以下の通りとなります。
- 何を販売するのか決める
- オリジナルグッズのデザインを考える
- オリジナルグッズ制作サイトに注文する
- 完成した商品をネットショップやフリマサイトに掲載する
- 商品が売れたら梱包・発送する
- 売上金が振り込まれる
オリジナルグッズ制作サイトの中には、後述するように1点から受注生産が可能なところもあります。グッズ制作だけでなく発送まで代行してくれるサービスを利用すれば、(3)と(4)の手順を入れ替えて(5)を省略することも可能です。
オリジナルグッズの例
販売が可能なオリジナルグッズはアイデア次第でいくらでも考え出せますが、よくある商品としては以下のような例が挙げられます。
- Tシャツやパーカーなどの衣類
- トートバッグやエコバッグ・ポーチなど携帯具
- スマホケースやモバイルバッテリーなど家電関連商品
- キーホルダーや缶バッジなどのアクセサリー類
- マグカップやボトル・タンブラーなど食器類
- カレンダーやポスター・シールなど紙製品
- ギフトカードやQUOカードなどのカード類
- クリアファイルやノート・ボールペンなどの文房具
- マスクやタオル・ティッシュなど生活雑貨
- うちわや扇子・携帯用カイロなど季節用品
以上のような商品であれば、総合型のオリジナルグッズ制作サイトで注文が可能です。他にも玩具やぬいぐるみ・パズルのような品を扱う特化型のグッズ制作サイトもあります。
オリジナルグッズ制作は1個からでも可能!
量販店で売られている商品は大量生産・大量消費を前提としているため、通常はロットと呼ばれる数量の単位で製造・出荷されています。オリジナルグッズの制作を代行しているサイトの中にも、ロット単位での注文が必要な例は少なくありません。
1ロットあたり10個の商品を注文すれば、1個あたりの料金が安くなる代わりに在庫を多く持つことになります。商品が順調に売れるとは限らないだけに、ロット単位での注文はハードルが高めです。
オリジナルグッズ制作サイトの中には、商品を1点から製造してくれるところもあります。ロット単位で注文する場合と比べて料金は高めですが、在庫リスクを負わないで済むという点は大きなメリットです。後述するように商品の発送まで代行してくれるサービスを利用すれば、自宅の空きスペースを用意したり倉庫を借りたりして在庫をストックしておく必要もありません。
おすすめのオリジナルグッズ制作サイト
オリジナルグッズの制作ができるサービスは数が非常に多く、その全体像を把握するのは困難です。さまざまな種類の商品制作に対応した総合型のサービスもあれば、Tシャツなどの衣類を中心とした特化型のサービスもあります。
数あるオリジナルグッズ制作サービスの中で、代表的なサイトは以下の通りです。
ClubTとTシャツトリニティ・UTme!・Up-TはオリジナルTシャツなど衣料品が中心ですが、バッグやスマホケースを作ることも可能です。それ以外のサイトは総合型のオリジナルグッズ制作サービスで、アクセサリーや食器・文房具など多種多様な商品の制作に対応しています。
ネットショップ作成サービスのBASEとME-Qの連携機能を利用すれば、グッズの販売も手軽に実現できます。「minneなどのハンドメイドマーケットで作品を売ってみたいけれど、手作りする自信がない」という人にもおすすめのサービスです。
オリジナルグッズを売る方法
以上のようなサービスを利用して制作したオリジナルグッズを販売するには、実店舗で売る方法とネット販売の2通りが考えられます。
グッズ販売の副業を始めるためにわざわざ実店舗を用意するのは、高額な開業資金が必要なだけにおすすめできません。すでに店舗を持っている人が副収入を得る目的で、オリジナルグッズを制作するような例に限られます。飲食店を経営している人がオリジナルのマグカップやコースターなどを制作し、店の一角に置いて販売するようなケースです。
露店や移動販売車でオリジナルグッズを販売する売り方も考えられますが、現在の主流は何と言ってもネット販売です。仕入れサイトで扱っているような既製品の販売では、Amazonや楽天市場のような大手通販サイトが圧倒な強さを発揮しています。
一般の通販サイトでは売っていないオリジナルグッズであれば、個人運営のネットショップでも活路を見いだすことは可能です。今は初期費用・月額料金0円でも自分だけのネットショップが作れる時代で、集客の課題さえクリアできればオリジナルグッズ販売の手段として利用できます。
メルカリやラクマのようなフリマアプリには人が自然と集まってきますので、集客の手間が省けるという点がメリットです。minneやCreema(クリーマ)などのハンドメイドマーケットは、手作りの品だけでなく制作を外注したオリジナルグッズの販売も可能です。そうした意味ではオリジナルグッズ販売の副業も、ハンドメイド販売の副業と方法論が重なってきます。
オリジナルグッズ販売ができるサイト
オリジナルグッズの販売方法はプラットフォームを利用して売るやり方と、自分でネットショップを作って売るやり方の2通りがあります。自分のショップを持たない人でも商品を販売できるプラットフォームは、以下の通りです。
Amazonや楽天市場・Yahooショッピングといった大手通販サイトは、既製品の販売ビジネスにも利用されています。知名度が高いだけに絶大な集客力を誇りますが、せっかくのオリジナルグッズが大量の商品に埋もれかねません。出店するのに初期費用や月額料金がかかる場合もありますので、初心者が副業の手段とするにはハードルが高めと言えます。
メルカリに代表されるフリマサイトは個人対個人で取引を行う仕組みで、市販されている商品の新品や中古品の売買が中心です。そうした中でオリジナルグッズやハンドメイド作品が出品されると、既製品にはない個性で目立ちやすくなります。大手ショッピングモールと違ってフリマサイトは誰でも無料で出品できるため、低リスクで販売できる点も1つです。
男性のユーザーが多いネットオークションサイトのヤフオクも、オリジナルグッズを売る手段として利用されてきました。minneやクリーマなどのハンドメイドマーケットは手作りの商品だけでなく、業者に注文して制作したオリジナルグッズの販売も可能です。
自分でネットショップを開業
フリマサイトやハンドメイドマーケットは初期費用や月額料金がかからない代わりに、商品が売れた場合に売上の10%前後が販売手数料として引かれます。以上のようなプラットフォームを頼らずに自分でネットショプを開設して販売すれば、手数料をもっと低く抑えることも可能です。
ネットショップ作成サービスのBASEやSTORES・カラーミーショップには、初期費用・月額料金無料のフリープランが用意されています。いずれも売上が発生した場合にのみ手数料が引かれる仕組みで、その割合はフリープランでも6%前後にとどまります。月額料金が発生する有料プランに加入すれば、販売手数料をさらに低く抑えられます。
WordPressなどを使って自分で一からネットショップを構築すれば、手数料を0%にすることも可能です。その代わり決済システムなども自分で導入する必要があるため、どちらかと言えば上級者向けの方法だと言えます。
ネットショップ作成サービスと連携したオリジナルグッズ制作サービスを利用すれば、商品の制作から販売までがスムーズです。BASEはCanvathやオリジナルプリント.jp・Up-T・Tシャツトリニティ・monomyなど、多くの制作サイトと連携しています。PixivFactoryはBASEとの連携に加え、オリジナルグッズ向けのネットショップ作成サービスBOOTHとの連携も可能です。
個人でネットショップを開業して収入を得る副業の始め方については、以下の記事で詳しく解説しておきました。
無在庫でオリジナルグッズを販売する方法
オリジナルグッズ制作サイトの中には商品1個からの受注生産に対応していて、発送まで代行してくれるサイトも少なくありません。そのようなサービスをうまく利用すれば、無在庫でグッズ販売ビジネスを展開することが可能になってきます。
常に在庫を用意しておけば注文が入り次第すぐに発送できますが、何種類もの商品すべての在庫を持つのは大変です。大量の在庫を用意するだけの資金が必要になるだけでなく、商品をストックしておく在庫置き場も確保しなければなりません。
受注生産に対応できるオリジナルグッズなら余分な在庫を持つ必要はなく、注文が入った分だけ生産して購入者に直接発送してもらうことも可能です。SUZURIやオリジナルグッズラボ・オリジナルプリント.jp・Up-Tといったサイトには、注文・制作したオリジナルグッズの発送代行サービスがあります。
PixivFactoryもBOOTHと連携したオンデマンド販売を利用することで、同様の無在庫販売が可能です。ネットショップ作成サービスのBASEは発送代行サービスを兼ねた提携サイトが多いだけに、オリジナルグッズ販売の手段として有力な選択肢の1つになってきます。
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オリジナルグッズ販売の注意点
以上のようなサイトを併用することでオリジナルグッズの制作と販売が可能になりますが、商品を売る際にはいくつか注意点もあります。「自分の商品」を作り出して販売するビジネスだけに、著作権や肖像権には最大限の配慮が必要です。
オリジナルグッズの制作に使用するイラストやデザインは自分で作成するのが原則で、他人が著作権を持つデザインやイラストを勝手に使用することはできません。許可を得ずにディズニーやサンリオなどのキャラクターを使用し、制作したオリジナルグッズを販売するのもNGです。
漫画やアニメ・ゲームなどのキャラクターにも、当然のことながら1つ1つに著作権があります。特定メーカーのロゴや商品に設定されている商標権も含め、オリジナルグッズを制作する際には知的財産権を侵害しないよう注意が必要です。
自分で撮影した写真をオリジナルグッズのデザインにするのであれば、著作権の侵害には当たりません。この場合でも人物が写った写真を使用する場合、本人の許可を得ずに商品化すると肖像権を侵害することになってしまいます。不当表示や過大な景品類の提供を禁止した景品表示法も、オリジナルグッズの販売で注意を要する法律の1つです。
商品の仕入れ単価を下げるためにロット単位で注文する場合は、過剰在庫に陥らないよう適切に管理する必要もあります。受注生産と無在庫販売が可能なオリジナルグッズ制作サイトを利用する場合、購入者に発送される商品がイメージと違っていたというトラブルもありがちです。発送代行サービスを利用する場合、最低でも1個は自分で購入してみて実物のサンプルを確かめることをおすすめします。
オリジナルグッズ販売で稼ぐ副業まとめ
Tシャツやスマホケース・タオルのようなオリジナルグッズは、デザインを自分で考えることで誰でも制作と販売が可能な時代です。オリジナルグッズの注文が1個から可能で、購入者のもとに発送まで代行してくれるサービスも多くあります。在庫リスクや売れ残りリスクを気にすることなく、物販ビジネスを副業の手段にできるようになりました。
実際に商品が売れるかどうかはデザインやアイテムのアイデア次第で、集客プラットフォームに頼らない場合はSNSなどを使った宣伝の努力も欠かせません。アルバイトの仕事と違って確実にこれだけ稼げるという保証はできませんが、うまくヒット商品を生み出せれば高収入を稼ぐことも夢ではない副業です。まずはリスクの低い無在庫販売からスタートし、自分だけのオリジナル商品が売れるかどうか試してみるといいでしょう。