YMYLに含まれるジャンルとは?上位表示が難しくなった理由を解説

仕事術

個人でブログを運営している人が検索上位を目指そうとする際に、大きな壁となるのが「YMYL」と呼ばれるジャンルの存在です。「Your Money or Your Life」を略したYMYLはお金や生活に関わるジャンルを意味しますが、関連する分野では情報の信頼性や権威性が重視されます。YMYLジャンルでは検索アルゴリズムのアップデートを経て大企業のHPや専門家が監修しているサイトが優遇されるようになり、個人のブログは上位表示が難しくなってしまいました。

筆者もここ数年Webライティングに関わる中で、検索エンジンのそうした変化を肌で感じています。アフィリエイトでも「稼げるジャンル」と言われていたYMYLでこのような状況となったのはどうしてなのか、初心者にも理解できるように基本情報をまとめてみました。

YMYLの意味

SEO(検索エンジン対策)を意識している人なら、YMYLという言葉を一度ならず耳にしたことがあるはずです。「Your Money or Your Life」をGoogle翻訳に貼り付けてみると、「あなたのお金かあなたの人生」という日本語に変換されました。「Life」には「人生」だけでなく「生活」という意味もありますので、YMYLとはお金と生活に関するジャンルを総称した概念だと考えられます。これだけでは範囲があまりにも広すぎますので、コロナ禍で話題となったエッセンシャルワーカーと不要不急産業との違いに例えてみましょう。

緊急事態宣言下では不要不急の外出を控えるように呼びかけられた一方で、人々の健康や生活を守るためにどうしても出勤しなければならない職業の存在もクローズアップされました。医療従事者や介護職に加え、スーパーやドラッグストアの従業員、ライフラインの維持に関わる仕事をしているような人たちです。

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緊急事態宣言下では医療従事者やスーパーの従業員・配達員など、エッセンシャルワーカーと呼ばれる人たちが敬意を集めました。営業自粛の対象となった業種やテレワークが可能な職種との違いについて、エッセンシャルワーカー経験者の視点から解説します。

お金や生活に関するジャンルを意味するYMYLのうち、エッセンシャルワーカーが担っていたのは「生活」ジャンルに該当します。これに銀行や保険など金融関係のジャンルを加えた概念が、Googleの重視するYMYLというわけです。

逆に緊急事態宣言下で営業の自粛が求められたエンタメ業界や観光・レジャー産業などは、不要不急産業としてYMYLの対象外と見なされます。同じく営業制限の対象にされがちだった飲食店は食を担う業種として、一見「生活」に関わるジャンルだと思いがちです。

このへんの区別は難しいところで、グルメに関する情報は必ずしもYMYLに含まれているわけではりません。生活必需品としての食から外れたグルメ情報は人生や生活に大きな影響を与えるわけではないと見なされ、どちらかと言うとエンタメやレジャーに近い扱いとされている可能性があります。

YMYLに含まれるジャンル

Google品質評価ガイドラインに記載されているYMYLは、以下のような6つのジャンルに分かれています。

  1. ニュース・時事問題
  2. 市民・政府・法律
  3. 財務
  4. 買い物
  5. 健康・安全
  6. 人々のグループ

これ以外にもフィットネスや栄養・住宅・教育・就職などのジャンルは、「その他」としてYMYLに含まれるという記載がされています。6つの主要ジャンルのうち「ニュース・時事問題」は必ずしもすべてのニュースがYMYLと見なされるわけではなく、スポーツやエンタメに関する話題は対象外です。日常のライフスタイルに関する話題も含まれないと考えられますが、政治や経済・科学など重要な分野のニュースはYMYLとして重視されます。

「市民・政府・法律」のジャンルには社会福祉や公的機関に関する情報も含まれ、離婚や養子縁組・遺言の作成など法律が関わるさまざまな情報が対象です。投資やローン・税金・保険・決済などお金が関わる情報にも信頼性が問われてきますので、YMYLの定義においては「財務」ジャンルとして総称されています。

YMYLの中に「買い物」ジャンルが独立して設定されているのは、どのようなジャンルの商品でも購入手続きが伴う以上は信頼性が何よりも重視されるという証拠です。したがって通販サイトはたとえ個人が運営しているネットショップでもYMYLの対象となり、Googleで検索される際にはAmazonや楽天市場などの強敵と同じ土俵で競い合っていかなければなりません。

「健康・安全」ジャンルはYMYLの中でも特に重視されているカテゴリーで、医療に関する情報や健康食品・健康法に関する情報などが主な対象です。人の命にも関わるジャンルだけに誤った情報の流布は許されず、YMYLの各ジャンルで最も厳しく判定されています。

「人々のグループ」とは人種や民族・国籍・宗教などによってグループ分けされた人々に関する情報や主張を扱い、障害や年齢・性的指向・性同一性を同じくするグループも対象です。こうした人々のグループは偏見に基づいた誹謗中傷の対象となる例も少なくないだけに、情報の信頼性を厳しくチェックする必要があります。

YMYLでは信頼性や権威性を重視

以上のようなYMYLの各ジャンルに共通しているのは、誤った情報が広がってしまうと大きな社会問題に発展しかねないという点にあります。どのジャンルであっても情報が誤っていては人に迷惑をかけることになりますが、YMYLジャンルは迷惑だけで済まないほど深刻な結果を招くケースが考えられるのです。

政治や法律に関する誤った情報を信じて行動した場合には、違法行為に問われる結果を招きかねません。お金に関する情報が間違っていれば経済的な損失につながり、信頼できない通販サイトを通じて買い物をした場合も消費者にとって不利益な結果になりがちです。特に「健康・安全」のジャンルは誤った情報が与えるリスクが最も大きく、最悪の場合には生命が危険にさらされる事態となります。

これらのジャンルに関するキーワードで検索した場合に上位表示されやすいのは、専門性と権威性・信頼性を兼ね備えた公式サイトの情報です。医療で言えば病院や医師・製薬メーカー・医療機器メーカーなどがこれに当たり、記事の内容そのものよりサイト運営主体の方が重視されるように変わってきているのです。

病院や医師は言うまでもなく医療の専門家と見なされ、インターネットで医療に関する情報を調べて書いただけの素人ライターの記事より信頼できると判断されます。製薬メーカーや医療機器メーカーでも東証一部などの上場企業は社会的責任を負っているだけに、自社の利益だけを追求したような情報をHPに掲載するわけにはいきません。そういう大手企業の運営するHPの情報は医療機関と同様に信頼性が高いと見なされ、個人が運営する医療・健康関連のブログより上位に表示されやすいというわけです。

健康アップデートの波紋

このよにYMYLを重視する方針は世界的な流れでもありますが、特に日本ではこの「健康」ジャンルに重点を置いた検索アルゴリズムのアップデートが実施されてきました。1つのきっかけとなった出来事は、2016年にワイドショーや週刊誌にまで取り上げられるほどの炎上を招いたWELQ事件です。

IT企業のDeNAが運営していたまとめサイトのWELQは医療や健康に関する情報を扱いながら、肩こりの原因を霊の仕業とするなど非科学的な記事が数多く掲載されていました。そんないい加減な記事でもキーワードに関連したSEO対策を施していたために、Googleで検索すれば上位表示されていたのです。

これが問題視されて一大騒動に発展した結果、運営会社のDeNAはサイト閉鎖と謝罪に追い込まれました。騒動の影響で「インターネットの情報は信頼できない」という風潮も広がりましたが、現在ではGoogleが検索アルゴリズムを変更したことで改善しつつある状況です。

騒動から1年を経た2017年には「健康アップデート」と呼ばれる大規模なアルゴリズム更新が実施され、医療や健康に関連する情報は病院関係や製薬メーカーなど信頼できる情報ソースが検索上位を占めるように変わってきています。

医療や健康に関する情報は「稼げるジャンル」と言われ、以前は個人でブログを運営している人の間でも多く取り上げられていました。健康アップデートが実施されたことで個人ブログは検索順位が軒並み下落し、稼げなくなったために撤退する動きが相次いでいます。最近はYMYLの対象がダイエットや美容に関する情報にまで拡大する様相も呈しており、ブログアフィリエイトも大きな曲がり角に直面している状況です。

個人ブログはYMYLジャンルで上位表示が困難?

医療や健康以外のYMYLジャンルでは、健康アップデートほど甚大な影響を及ぼした大規模な検索アルゴリズム更新は国内でまだ実施されていないとも見られます。WELQ事件の影響もあって日本では特に医療・健康ジャンルが狙い撃ちにされた面もありますが、他のYMYLジャンルでも何か大きな問題が生じれば同様の措置が避けられません。

現状でも金融ジャンルや法律関連のジャンルなどは専門性や信頼性・権威性が重視されるようになり、個人のブログは記事の品質をよほど高くしなければ上位表示が難しい状況です。サイトの権威性を示す1つの指標として、ドメインパワーを100段階の数字で表したドメインオーソリティ(DA)があります。企業や専門家の団体が運営しているWebメディアは概してDAが高く、個人が運営するブログはDAが全般に低めです。

YMYLジャンルに関連したキーワードで検索してみるとDAが高いサイトの記事が上位表示されやすい一方で、DAが低くても上位に入っているサイトは記事の文字数が多い傾向も見られます。つまり「権威性・専門性・信頼性」に勝るWebメディアに個人ブログが対抗して上位表示を勝ち取るには、ライバルよりも多くの文字数を費やして品質の高い記事を書かなければならない状況なのです。

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副業に関する情報もYMYL?

YMYLをめぐるこうした不穏な動きは、当ブログで扱う仕事や働き方に関する情報にも忍び寄ってきています。当ブログではこれまで副業をめぐる動きに注目し、本業以外に収入を得るための手段について数多く取り上げてきました。

その中には検索結果で上位表示が難しかったテーマもあれば、ある程度は上位表示が実現しているテーマもあります。副業の手段として利用されている仕事の中でも検索上位が困難でPV数が伸びないのは、一般的なアルバイトの仕事について取り上げた記事です。そういうキーワードはYMYLの「その他」に含まれる就職ジャンルに属するせいか、専門性や権威性に勝る求人サイトが検索上位を占めています。

それとは逆にアルバイト求人サイトでほとんど募集されていないタイプの副業や、一般に副業として広く認知されていないようなお金の稼ぎ方に関する記事は、当ブログでもPV数の伸びが見られました。遺跡発掘や発送代行・愚痴聞きサービス・ライブ配信などはその一例です。苔や流木・石・木の実・貝殻を拾ってきてお金に換える方法なども、メダカ養殖や昆虫養殖などと合わせて一定の反響があった記事でした。

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副業の手段にもなり得る稼ぎ方は無数と言っていいほど数多く考え出されていますので、大手企業やWebメディアがカバーしきれていないキーワードはまだまだ見つかるはずです。そうしたキーワードに着目すれば、個人ブログでもYMYLに抵触するようなジャンルで上位表示が実現される可能性は残されています。

あまりにも検索ボリュームが少なすぎるキーワードでは、ライバルが少なくてもたいしたPV数を稼げません。YMYLジャンルで個人ブログが生き残っていくには、ある程度の検索需要があってライバルが少ないキーワードの発見が鍵となってきます。

YMYLの基礎知識まとめ

検索エンジンからの流入に大きく依存している限りは、以上のようなYMYLの縛りから抜け出すのは困難な状況です。信頼性や権威性という面で劣る個人ブログが検索上位を勝ち取るには、YMYLに分類されないジャンルに活路を見いだすのが無難なやり方だと言えます。

そうした中でも敢えてYMYLジャンルで勝負しようと思えば、長く運営しているWebメディアや大手企業にも負けない専門性でアピールしていくしかありません。そうしたDAの高いサイトも情報が完全というわけではありませんので、大手がカバーしきれてないキーワードを見つけて情報を補填する役割に徹するという道も考えられます。そうやって地道に評価を積み重ねていけば他のキーワードでも検索順位が少しずつ上昇し、大手に対抗できるようになっていくのです。

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