今流行の副業というものを始めて収入を増やしたいけれど、仕事や家事が忙しかったりして時間がないという人は少なくないはずです。店でアルバイトの仕事をしたり、在宅ワークの仕事をしたりするにも、働く時間を確保する必要があります。
今回の記事で取り上げるレンタルビジネスなら、そんな忙しい会社員でもあまり時間をかけずに稼ぐことが可能です。当ブログではこれまで200種類以上紹介してきた副業の中で、レンタルビジネスに属する稼ぎ方も数多く取り上げてきました。商品を販売するのではなく、貸し出すことで収益を得るのがレンタルビジネスです。
今回は数あるレンタルビジネスの中から、副業に向いた稼ぎ方を10種類選んでみました。この記事を最後まで読めば、自分の時間を切り売りしなくても副収入を稼げるようになります。
レンタルビジネスは個人でも可能?
普通は代金を払って購入する商品を、安い料金で一定期間だけ借りられるようにしたサービスがレンタルビジネスです。レンタカーやビデオレンタルなどが代表的な例ですが、月極駐車場やレンタルスタジオのように場所を貸し出すビジネスモデルもあります。
貸し出す場所や商品を用意するのに資産や資金を要するため、レンタルビジネスは主に企業が手がけてきました。最近はインターネットの普及を背景として、個人対個人で取引を行うCtoCビジネスが大きく成長しています。
レンタルビジネスの分野も例外ではなく、個人でも自分の持つ土地や物品を貸し出して収入を得ることが可能な時代です。駐車場や空き部屋・車など、扱うジャンルごとにレンタルや個人間シェアのプラットフォームが存在します。
プラットフォームへの登録時には作業も発生しますが、一度登録してしまえばそれほど手間はかかりません。会社の仕事や家事をしている間も、レンタルに出した空きスペースなり物品なりが勝手に収益を生み出してくれます。
レンタルビジネスの副業10選
実質的な不労所得を稼げるレンタルビジネスはいろいろと考えられますが、その中で副業に向いたビジネスは絞られてきます。副業で稼ぐには何らかの作業を行い、成果物の対価として給料や報酬を得るのが普通のやり方です。
レンタルビジネスでこの成果物に相当するのは、貸し出す場所や物品ということになります。貸し出す対象の違いによって、副業向けのレンタルビジネスは以下の10種類に大きく分けられます。
- 駐車場シェア
- フルオペレーションの自販機ビジネス
- 民泊
- 物置シェア
- レンタルスペース
- カーシェア
- 自転車シェア
- ブランド品のレンタル
- その他の物品レンタル
- 自分自身のレンタル
それぞれの概要を解説します。
駐車場シェア
レンタルビジネスも多様化している中で、古くから存在するのは駐車場ビジネスです。月極駐車場やコインパーキングを経営するには、ある程度の広さを持つ土地が必要になってきます。駐車場を整備するにも高額の資金がかかるため、誰でも簡単に始められるビジネスではありません。
最近は自宅前の駐車スペースや車庫などを対象として、使わない時間帯だけ貸し出す「駐車場シェア」の利用が増えています。従来の駐車場ビジネスと比べ、低コストで始められる点が駐車場シェアのメリットです。車1台分の空きスペースはもちろん、バイク1台を置けるスペースにも需要があります。
特Pやakippaのようなマッチングサイトに空きスペースを登録しておけば、駐車したい人からの依頼を受け付けられるようになります。特にスタジアムやイベント会場・観光地の付近は需要が多いため、駐車場シェアで稼ぐチャンスです。自動車以外では、シェアサイクルサービスのPiPPAで駐輪場のオーナー募集しています。
コスト0円で始められるスペースビジネス「特P」
スマホでカンタン駐車場オーナー【akippa】
フルオペレーションの自販機ビジネス
自宅前にわずかな空きスペースはあるけれど、車やバイクを置けるほどではないという人も少なくないかと思います。そんな家でも幅100センチ×奥行き70センチほどの空きスペースが道路沿いにあれば、自販機設置の場所を提供することで不労所得を稼ぐことが可能です。
自販機ビジネスにはフルオペレーションとセミオペレーションという2通りの販売形態があります。自販機を置く場所だけを提供するのがフルオペレーション、自販機を購入して自分で販売するのがセミオペレーションです。
フルオペレーションなら自販機を自分で用意する必要がなく、中身の商品も業者の方で補充してくれます。収益率はセミオペレーションより低くなりますが、ほとんど業者任せで手間がかからないのがフルオペレーションのメリットです。
売上の20%から30%程度が販売手数料として業者から支払われ、そこから電気代を引いた残りが自分の収入になります。電気代は自販機1台あたり平均で月額3,000円前後ですので、月に10,000円から15,000円以上の売上があれば収益が残る計算です。
民泊
コロナ禍で外国人観光客の需要が減ってしまいましたが、空き部屋などを利用した民泊も副業として人気のレンタルビジネスです。Airbnbは世界最大の民泊プラットフォームとして、日本を含む各国のユーザーに利用されています。
自分の所有する空き家や自宅の空き部屋などを利用して民泊ビジネスを始めるには、民泊新法に基づいた手続きが必要です。同法の基準を満たした上で必要な届出をしていれば、使っていない部屋を貸し出して副収入を稼げるようになります。
今後は外国人観光客の入国制限も緩和され、民泊の需要も徐々に回復していくものと予測されます。コロナ禍で新たな需要が表面化したテレワーク向けの用途も含め、民泊ビジネスにはまだまだ成長の余地があるはずです。
物置シェア
「自宅に使っていない空き部屋はあるけれど、他人を家に入れて宿泊させるのはちょっと…」
そんな人におすすめなのは、自宅の空きスペースを利用して荷物を預かる「物置シェア」サービスです。物置小屋や倉庫だけでなく、普段使っていない空き家や空き部屋・押入れでさえも物置シェアに活用できます。
一般の住宅を民泊施設にするのと違って、物置シェアなら民泊新法の規制を受けません。その気になれば365日の稼働も可能です。特定のシーズンやイベント時だけに使用するものを預かってほしいという需要や、いつ使うかわからないものを保管しておいてほしいという需要もあります。
モノオクのようなレンタル収納サービスにホストとしてスペースを登録しておけば、荷物を預かってほしいゲストからの申し込みを受け付けられるようになります。料金は0.5畳あたり月額いくらという形で、自分で金額を決めて設定する仕組みです。料金の30%はモノオクの販売手数料として引かれ、残りの70%が自分の収入となります。
0.5畳あたり月額4,000円の価格設定で8畳分の荷物を1ヶ月間預かれば、月に44,800円の収入を自動的に稼げる計算です。最初の登録時と荷物をやり取りするときだけ作業は発生しますが、それ以外は実質的な不労所得が稼げます。
レンタルスペース
民泊施設は観光やレジャー目的での利用が多いのと比べ、レンタルスペースは貸し会議室や撮影などビジネス目的での利用が多いサービスです。パーティルームとして借りる人もいれば、テレワーク用の仕事場として借りる人もいます。お料理教室やヨガ教室の開催場所としても、格安で借りられるレンタルスペースが人気です。
スペースマーケットやインスタベース・カシカシといったところが、レンタルスペースの代表的なプラットフォームです。
一戸建て住宅やマンションの一室などを貸し出している例も少なくないだけに、個人でもレンタルスペースの運営をできないことはありません。自分が所有する空き家や空き部屋を提供している例もありますが、レンタルスペースを運営する目的でマンションなどを借りる人もいます。
不動産投資と違って物件を購入しなくても始められるため、少額の投資で済むという点はレンタルスペースのメリットです。賃貸費用と備品購入費を含め、初期費用50万円程度で始められます。
自分の所有する空き家や空き部屋を活用できる人なら、初期費用をさらに安く上げることも可能です。居住目的ではなくレンタルスペース貸し出しの目的で部屋を借りる場合には、オーナーや管理会社・管理組合の理解が必要になってきます。
カーシェア
以上は自宅などの空きスペースを貸し出すことで収入を得るビジネスモデルでしたが、レンタルビジネスの対象はさまざまな物品にも及びます。購入すれば高額の費用が必要になるような物品ほど、レンタルの需要は高いものです。
自動車はその代表格だけに、古くからレンタカーの事業が展開されてきました。多数のレンタル用車両を保有する企業の独壇場が長く続いてきましたが、ここ10年ほどの間で状況に変化が生じています。インターネットの普及を背景に、個人間で車をシェアする動きが広がってきているのです。
カーシェアのサービスはタイムズカーシェアに代表される「レンタカー型」と、Anycaなど個人間カーシェアリングの2種類に大きく分けられます。レンタル副業の手段として利用できるのは、当然のことながら個人間カーシェアリングの方です。
個人対個人のカーシェアをマッチングするサイトにオーナーとして自分の車を登録しておけば、車を使わない時間帯に貸し出して収入が得られるようになります。登録作業や車の受け渡し時を除いて、お金を稼ぐのにほとんど手間がかかりません。貸している間は車が勝手に稼いでくれる仕組みですので、保険料や税金・車検費用などの維持費を車に稼いでもらうという考え方も可能です。
自転車シェア
普及度はカーシェアより低めですが、自転車シェアのサービスもじわじわと広がりつつあります。特に需要があるのはロードバイクやクロスバイクなど、スポーツタイプの自転車です。電動アシスト自転車も購入するとなれば結構高いだけに、自転車シェアのサービスステーションで人気を集めています。
ただし自転車シェアの業界はHELLO CYCLINGやドコモ・バイクシェアなど、BtoC型のサービスが現在の主流です。個人間の自転車シェアをマッチングするCtoC型のサービスは、カーシェアと比べて多いとは言えません。
現状ではCycleTrip(サイクルトリップ)が唯一とも言える存在です。東京や神奈川・愛知・大阪などの提供エリアに住んでいる人でスポーツタイプの自転車を貸し出せる人は、レンタルに出すことも検討してみるといいでしょう。
ブランド品のレンタルは高リスク?
ブランドバッグや腕時計など、買えば高価な装身具をレンタルするサービスも存在します。一定の需要は期待できますが、高価な品だけにトラブルも少なくありません。
レンタルサービスの運営会社が経営破綻した場合に、預けていた品が返ってこない事例もありました。高級腕時計のレンタルサービスを展開していたトケマッチがサービスを突然終了し、運営会社と連絡がつかなくなった件は記憶に新しいところです。
預かった時計は返却されるとHPに告知されていましたが、現時点では元の持ち主に戻ってきていません。問題の時計がネットオークションに出品されていたという情報もあって、海外に逃亡したと見られる関係者の行方が捜索されている状況です。
そう言えば2020年にも高級車専門のカーシェア事業を展開していた会社が経営破綻し、預けていた車が行方不明になるという事件がありました。トケマッチの一件も、似たような経緯で被害が拡大しています。
ブランドバッグをレンタルできるラクサスや、腕時計レンタルのカリトケは、現在もサービスを提供中です。ただしオーナーとしての登録に関しては、どちらも現在は新規受付を停止中となっています。
レンタルサービスにオーナーとして登録する際には、運営会社が信頼できるかどうかよく考えてから契約することが大切です。
ラクサスを運営するラクサス・テクノロジーズ株式会社は、東証プライム上場企業の株式会社ワールドが主要株主となっています。ラクサスXでオーナー登録の新規受付が再開されれば、ブランドバッグのレンタルも有力な選択肢の1つとなってくるでしょう。
物品レンタル
ブランド品以外では美容家電・生活家電・パソコンなどの家電製品や、デジタル一眼レフカメラ・レンズ・ビデオカメラなどの撮影機材にレンタルの需要があります。アウトドア用品やスーツケース・工具などたまにしか使わない道具に加え、ベビー用品や洋服・ゲーム機なども物品レンタルで人気の品です。
さまざまなジャンルの物品を扱う総合型のレンタルサービスには、アリススタイルやクオッタといったサイトがあります。どちらのサイトも個人間の貸し借りをマッチングする存在で、CtoC型の物品レンタルサービスです。普段使わない物を気軽に出品してお小遣い稼ぎができるという点では、レンタル版のメルカリとも言えます。
自分自身のレンタル
副業の手段になり得るレンタルビジネスの最後に紹介するのは、自分自身を貸し出す「人間レンタル」です。すでに「おっさんレンタル」や「レンタルなんもしない人」など、書籍化やテレビドラマ化されて話題を集めた成功例があります。
自分自身がレンタルの対象となるサービスに、決まった仕事というものはありません。さまざまな年代の人を対象とした悩み相談・話し相手サービスもあれば、高齢者の散歩同行もあります。花見の場所取りや合コンの人数合わせなど、代行業者でサービスを提供しているような仕事を依頼されるケースもありました。
依頼客に代わって何か作業を行う便利屋と違って、人間のレンタルは文字通り「何もしなくても」成り立つ仕事です。料金は空きスペースや物品のレンタルと同じように、普通は「1時間1,000円」というように時間単位で決まってきます。
スキルを30分単位の時間に換算して個人間で売買できるタイムチケットは、このような人間のレンタルと似たコンセプトのサービスです。ブログやSNSを利用して独自に集客することも可能ですが、既存のプラットフォームを活用した方が依頼を獲得しやすいと言えます。
レンタルビジネスの副業まとめ
駐車場シェアから自分自身の人間レンタルまで、合計10種類のレンタルビジネスについて解説してきました。いわゆるレンタル業は他のジャンルでも展開されていますが、副業の手段にできるビジネスとなれば数が限られます。BtoC型のサービスが強いジャンルは企業の独占状態となっているだけに、個人がレンタルビジネスに参入する余地はほとんどありません。
今回の記事で紹介した10ジャンルはCtoC型のサービスが比較的優勢で、個人間の取引を仲介するマッチングサイトも存在します。自分自身をレンタルする場合を除いて、いずれも不労所得を稼ぐことが可能なビジネスです。
人に貸し出せるような空きスペースや物品を持っていない人でも、自分自身をレンタルに出すという奥の手があります。誰でもその気になれば、レンタルビジネスを副業の手段にして収入を増やせる可能性を秘めているというわけです。「副業で収入を増やしたいけれど時間がない」という人は、有料で貸し出せるものがないかどうか、自分自身を含めて棚卸ししてみるといいでしょう。