有名な神社や寺院を対象として、参拝代行や代理参拝というサービスがあります。遠方に住んでいたり体が不自由だったりして、自分で参拝するのが難しいという人向けの代行サービスです。神社やお寺には、自分で直接参拝することに意味があるようにも思えます。自分で参拝しなくても、神仏のご利益はあるのでしょうか?
当ブログではこれまでに、多種多様な代行の仕事について取り上げてきました。墓参り代行に対しては否定的な意見もありますが、神社仏閣の代理参拝は江戸時代から存在する伝統的な風習です。正しいやり方で実施すれば、代理参拝を依頼した人にもご利益もあるとされてきました。
そこで今回は代理参拝にもご利益があって、サービスとして成り立つ理由について解説します。ただし参拝代行の仕事をしようとしても、アルバイトの求人はなかなか見つからないのが現状です。自分で参拝代行サービスを始める方法についても、記事の後半で詳しく解説します。
代理参拝にもご利益はある!
神社や寺院の代理参拝サービスを利用して、本当にご利益があるのでしょうか?。
- 自分で参拝しなければ意味がない
- お金でご利益を買おうとするのは虫が良すぎる
そんな声も聞こえてきそうです。
今の時代は本当にさまざまな代行業があって、面倒なことは何でもかんでも代行業者に任せてしまおうという風潮すら見受けられます。神社仏閣の参拝まで代行業の対象となっていることに対しては、良い印象を持たない人がいるかもしれません。
実際には、代理参拝(代参)は江戸時代から広く行われてきました。代表者が伊勢神宮に赴く「伊勢講」は、代理参拝の代表的な例です。講の参加者が旅費を積み立て、くじに当たった人が他の参加者の代理で伊勢神宮を参拝する仕組みでした。
代表者が熊野本宮大社に参拝する熊野講は、平安時代にまでさかのぼる古い歴史があります。森の石松が親分・清水次郎長の代理で、金毘羅大権現に御礼参りしたのは有名な話です。
神社や仏閣に参拝して得られる「ご利益」は、今も昔も変わらないはずです。昔は現在と違って、交通機関が発達してませんでした。有名な神社や仏閣には誰でも簡単に参拝できるものではなかったため、代理参拝も活発に行われていたわけです。
現在でも受験シーズンになると、受験生本人に代わって家族が神社に合格祈願するような風習は残されています。神社で発行しているお守りも、もともとは参拝できない人に渡す想定で作られたものでした。以上のような事実から、「代理参拝にもご利益がある」と言えます。
参拝代行サービスが成り立つ理由
代理参拝そのものには古い歴史があるわけですが、今の時代でも参拝代行サービスは成り立つのでしょうか?
GoogleやYahoo!で検索してみると、数多くの参拝代行サービスが見つかります。法人が運営している業者のサービスもあれば、個人で依頼客を募集している例もあるという具合です。
検索結果を見る限りでは、神社や仏閣の参拝代行サービスが成り立っている様子が見て取れます。江戸時代の昔と違って交通機関が発達している中でも、代理参拝にはそれなりの需要があるという証拠です。
神社や仏閣へ参拝に行きたいけれど、自分で参拝するのが難しいという人は少なくありません。以下のような事情を抱える人たちです。
- 高齢のため長距離の移動が困難
- 持病があるため外出が難しい
- 身体が不自由なため自分で参拝できない
- 参拝したい神社や仏閣が遠方にある
- 仕事の都合があって自分では参拝できない
- 体調管理の都合で本人の参拝を避けるべきケース(受験生など)
無償で代理参拝を引き受けてくれる家族や知人がいれば、お金を払ってまでして参拝代行サービスを利用することもありません。代理参拝を頼める人がいない場合に、有料の代行サービスが利用されているわけです。
昔と比べて神仏のご利益を信じる人は減っていますが、高齢者の中では素朴な信仰心を持つ人も少なくありません。受験生や家族の間では、合格祈願のご利益を信じたい気持ちにも根強いものがあります。
有名な神社や寺院に毎年多くの人が訪れるのも、ご利益を信じる人がまだまだ多いという証拠です。神社仏閣のご利益を信じる人たちの中で、自分では参拝するのが難しい人は一定数存在すると見られます。今の時代でも代理参拝には根強い需要があるために、参拝代行サービスが成り立っているわけです。
参拝代行サービスの例
Googleの検索結果で見つけた参拝代行サービスのページには、以下のような依頼の例が書かれています。
- 受験生を対象とした合格祈願
- 健康祈願や病気平癒祈願
- 縁結び・恋愛成就の祈願
- 安産祈願
- 家内安全の祈願
- 旅行などの安全祈願
- 悪縁断ち・悪霊退散の祈願
- 商売繁盛の祈願
一般の人が神社仏閣を参拝する際の、願い事の大半が網羅されています。
依頼人の代理で参拝する際には、代参を依頼された本人との関係を明確にしながら祈願するのが作法です。
代行サービスに代理参拝を依頼する場合でも自身の名前や年齢・性別・住所などの情報を、成就させたい願望とともに詳しく伝えておく必要があります。
代行サービスで対応しているのは、拝礼をしたりお賽銭をあげたりする一般的な参拝だけではありません。業者によっては絵馬などの奉納代行や、お守りの代理購入をオプションで用意しているところもあるほどです。
参拝代行と関連した仕事には、他にも以下のようなサービスもあります。
- 御朱印代行のアルバイト
- お遍路代行
御朱印代行のアルバイト
神社や仏閣の中には、参拝の証として御朱印を発行しているところがあります。それぞれに趣向を凝らしたデザインで、1つとして同じ御朱印はありません。近年は切手や切符などと同じように、御朱印の収集がブームとなっているほどです。
神社や寺院の多くは参拝客にのみ御朱印を授与する一方で、郵送による発行はしていません。御朱印をもらうには現地まで足を運んで、直接参拝してくる必要があります。
自分では行けないという人に代わって神社やお寺を訪れ、参拝の証をもらってくるのが御朱印代行の仕事です。便利屋を運営する会社などで、アルバイトを雇って御朱印代行のサービスを実施している場合があります。
御朱印代行は特殊な仕事のせいか、アルバイト求人サイトで検索しても求人がなかなか見つかりません。スキルマーケットのココナラには、個人で御朱印代行のサービスを出品している人が何人かいます。
SNSやブログを通じて依頼客を募集することも可能ですが、集客力の面では不利な方法です。御朱印の収集は若い女性の間でもブームとなっていますので、ココナラにサービスを出品していれば購入される可能性もあります。ない仕事は自分で作り出すというのが、今の時代に合った稼ぎ方です。
最初からメルカリやYahoo!オークションなどに出品する目的で、御朱印を発行してもらうのはおすすめできません。正式な代理参拝ではなく、自分自身に対して発行してもらった御朱印をフリマサイトで転売するような行為です。依頼を受けて御朱印代行サービスを実施する際には、あくまでも代理参拝だということを明かした上で発行してもらう必要があります。
お遍路代行
四国八十八ヶ所の霊場を巡礼するお遍路は、約1,400キロの距離を回る過酷な行程です。車を使っても10日ほどの行程が必要で、徒歩で回れば50日前後はかかると言われています。人生で一度は挑戦してみたいと思っていても、実行に移すのは簡単でありません。
仕事を持っている人がお遍路の旅に出るには、長期休暇を取得する必要があります。高齢や持病など、健康上の理由で断念する人も少なくない状況です。
四国地方の各県には、お遍路と関連した産業がいろいろと存在します。自分で巡礼するのが難しいという人から依頼を受けて、お遍路を代行するサービスもその1つです。
お遍路代行サービスを運営しているのは、観光関連の会社や便利屋だけではありません。ココナラにサービスを出品し、個人でお遍路代行の依頼を引き受けている人もいます。
お遍路代行サービスの料金は、経費込みで20万円台が平均的な相場です。交通費や宿泊費などの諸経費を引いても、一度依頼を受ければかなりの高収入が期待できます。
会社員と違って安定して稼ぐのは難しいですが、副業と考えれば割の良い仕事です。四国在住でお寺巡りを趣味にしている人は、お遍路代行サービスの起業を検討してみるといいでしょう。
まとめ
神社仏閣の参拝代行=代理参拝(代参)について、依頼人にもご利益があるかどうかを検証してきました。本人が現地を訪れて直接参拝するのが理想ですが、さまざまな事情があって参拝できない人も少なくありません。代理参拝の手順に従えば、依頼人がご利益を得られると考えられています。
江戸時代から続く伊勢講のように、代理参拝は古い歴史を持つ伝統的な参拝方法です。神様や仏様への信仰心が衰えない限り、代理参拝によるご利益は今の時代にも有効と見なされます。伝統的な代理参拝の風習を現代風にアレンジし、参拝代行サービスとして事業化されているほどです。
御朱印代行やお遍路代行も含め、個人で参拝代行サービスを営んでいる人もいます。神社仏閣巡りを趣味にしている人にとっては、まさに天職とも言える仕事です。
自分もやってみたいという人はココナラにサービスを出品し、副業からスタートしてみるといいでしょう。
ココナラに登録してサービスを出品してみる