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絵本を自費出版しても儲けは出ない?費用の目安と販売方法を解説

絵本を自費出版しても儲けは出ない?費用の目安を解説 副業
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最近は自費出版系の出版社が増えて、誰でもお金さえ出せば自作の絵本が出版できる時代となりました。

「私も(僕も)絵本を出版して稼いでみたい…」

そんな夢を持っている人も少なくないのではないでしょうか?

メルちゃん
メルちゃん

でも本を自費出版するとなれば、結構高い費用がかかるはず…
それで儲けが出るの?

お察しの通り、絵本を自費出版して儲けを出すのは正直に言って難しいです。

でも出版費用を少しでも安くするコツは、知っておいて損はありません。部数を多く売れば売るほど、出版費用を回収できるようになるからです。

自費出版した絵本の販売方法も、複数の手段が考えられます。うまく売れれば絵本の自費出版で儲けを出すことも、まったく不可能な話ではありません。

筆者も以前から小説や童話を書くのを趣味としていて、自費出版を検討したことがありました。やはり出版費用がネックとなって断念しましたが、自費出版に関してはリアルな事情を知っています。

自費出版をめぐっては、著者との間で金銭的なトラブルに発展している例も少なくありません。

そこで今回は絵本を自費出版したいアマチュアの作家に向けて、費用の目安について情報を整理してみました。よほどの部数を売らない限りは、自費出版で儲けを出すのが難しいことが納得できると思います。

自費出版した絵本の販売方法も、記事の後半で詳しく解説しておきました。この記事を読めば、少しでも安い費用で絵本を出版する方法が理解できるようになります。売り方の工夫しだいでは、絵本の自費出版で儲けを出すことも十分に可能です。

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絵本を自費出版しても儲けは出ないのが普通

絵本に限らず、本を自費出版しても儲けは出ないのが当たり前です。

商業出版なら費用を出版社が負担してくれる上に、著者は出版部数に応じた印税(著作権使用料)を受け取れます。出版社にとってはリスクが大きい出版方法だけに、無名のアマチュア作家はそう簡単に商業出版してもらえません。

出版費用を著者自身が負担する形態なら、自費出版に対応した出版社や印刷会社が数多く存在します。誰でもお金さえ出せば、自分で作った絵本を出版できるというわけです。

自費出版された絵本

お金を稼ぐ目的で絵本を出版するなら、自費出版の形態は向いていません。出版費用を回収するだけの儲けを出すには、かなりの部数を売る必要があるからです。無名の作家が出した絵本はなかなか売れないだけに、たいていは出版費用の方が上回る結果となります。

自費出版した本は、通常の書籍流通ルートに乗らないのが普通です。商業出版された本と違って、新聞や雑誌などで大々的に宣伝されることもありません。出版社独自の流通ルートに乗せて配本したとしても、無名の作家が出した絵本を店頭に並べてくれる書店は多くないのが現状です。

特に絵本のジャンルでは、同じ本が何十年にもわたってロングセラーとなっている例も目立ちます。アマチュア作家が自費出版した絵本で、儲けを出すほどの部数を売るのは至難の業です。

絵本以外のジャンルでは、自費出版した本でベストセラーとなった例もありました。山田悠介『リアル鬼ごっこ』や、Jamais Jamai『B型自分の説明書』などが代表的な例です。自費出版された絵本でも口コミで話題となれば、商業出版のオファーを受ける可能性が出てきます。

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絵本を自費出版する費用の目安

絵本を自費出版しようと思えば、何十万円という高額な費用がかかるのが当たり前です。条件しだいでは、出版費用が100万円以上に及ぶことも珍しくありません。

絵本1冊あたりの出版費用は安いところで数百円程度ですが、高いところだと1万円以上です。自費出版のコストは、以下のような条件の組み合わせで大きく変わってきます。

  • 判型(B6・A5・B5など)
  • ページ数(絵本の場合は16p~40pが一般的)
  • 発行部数
  • 印刷方式(オフセット/オンデマンド)
  • 使用するインクの色数
  • 用紙の種類
  • 印刷品質
  • レイアウト・デザイン・校正費用の有無
  • 流通費・宣伝費の有無
  • オプションの有無(巻きカバーやPP加工など)

自費出版を依頼できる業者は、出版社と印刷会社の2種類に大きく分けられます。

このうち出版社に自費出版を依頼する場合の料金は、表紙のデザインやレイアウト・流通・宣伝費用込みという例が多いです。レイアウトや印刷などの知識がなくても絵本を出版してもらえる代わりに、費用はどうしても割高となってきます。

1万円札と電卓と「費用」の文字

印刷会社を利用して絵本を印刷・製本してもらうだけなら、費用をもっと安くすることも可能です。この場合は表紙のデザインやレイアウトを自分で作成し、絵本の販売や在庫管理まですべて自分でする必要があります。

1冊あたり数百円という格安の料金で自費出版できるのは、印刷会社に絵本のデータを預けて印刷・製本してもらう場合の話です。インターネット販売限定ではありますが、同じようなサービスにAmazonのPOD(プリント・オン・デマンド)があります。

AmazonのPODを利用すれば、紙の本を1冊206円で出版することも可能です。絵本の場合は40ページ以下という例が多いため、AmazonPODの印刷コストは「1冊あたり475円」のコースに該当してきます。

AmazonのPODで自費出版した本は、Amazonの通販サイトでしか販売できません。他の販売手段を検討するなら、自費出版系の出版社や印刷会社を利用する必要があります。

出版社を利用して自費出版した場合の費用は、1冊あたり2,000円から20,000円ほどが平均的な相場です。注文部数が少なければ少ないほど、1冊あたりの出版費用は割高となってきます。

部数を多く注文すれば1冊あたりのコストを抑えられますが、トータルの出版費用は高額になりがちです。期待したほど本が売れなかった場合には、在庫を抱えるリスクも出てきます。

自費出版の費用を安くするコツ

オリジナルの絵本を少しでも安く自費出版するには、以下のような方法が考えられます。

  • 出版社ではなく印刷会社を利用する
  • 判型を小さいサイズにする
  • ページ数を少なくする
  • 発行部数を減らす
  • 印刷品質のグレードを下げる
  • 安い用紙を選ぶ
  • 有料オプションを利用しない
  • クラウドファンディングで資金調達する
  • 電子書籍として出版する

文字が主体の一般書籍と違って、絵本は画像を駆使したレイアウトが重要になってきます。自分でレイアウトのデータ原稿を作成すれば、印刷会社にデータを渡すだけで絵本の印刷・製本が可能です。出版社にレイアウトを作成してもらう場合と比べ、出版費用を格段に安くできます。

印刷会社やAmazonのPODを利用した場合でも、1冊あたり数百円以上の費用は必要です。自費出版の費用を限りなく0円に近づけるには、AmazonのKindleなど電子書籍として出版するという手もあります。紙の絵本と比べて市場規模は大きくありませんが、デジタル絵本の普及率もじわじわと拡大中です。

出版社を利用した場合には、原稿の校正や内容チェックなどの面でサポートしてもらえるのが一般的です。印刷所を利用すれば料金が安く済む代わりに、出版物に対しては自分ですべて責任を負うことになります。

内容のチェックが甘いと、意図せずに他人の著作権を侵害してしまうリスクも出てきます。初心者は費用が多くかかっても、信頼できる出版社を頼るのが無難と言えます。

自費出版した絵本の販売方法

本の即売会

絵本を自費出版して儲けを出すのは難しいですが、売り方を工夫すれば費用を少しでも回収できるようになります。口コミで評判が広がって多くの部数が売れれば、費用を上回る売上を得ることも可能です。

販売方法は1つでも多い方が売れやすくなりますので、思いつく限りの手段を以下に挙げておきます。

  • 出版社の流通ルートを利用する
  • 書店に頼んで置かせてもらう
  • イベントで販売する
  • Amazonなどの通販サイトで販売
  • フリマサイトやハンドメイドマーケットに出品する
  • 個人のネットショップで販売

出版社の流通ルートを利用する

自費出版した絵本を販売する手段の1つ目は、出版社の流通ルートに乗せてもらう方法です。自費出版事業を展開している出版社の中には、独自の流通ルートを持っているところがあります。

実際に店頭で売ってもらえるかどうかは、配本先の各書店による判断しだいです。自費出版した絵本が必ず店頭に並ぶとは限りませんが、出版社の流通ルートを利用しないよりは売れる確率が少しでも上がってきます。

出版社の流通ルートを利用した場合は、自分で販売ルートを開拓するのと比べて費用が高くなりがちです。ある程度まとまった部数を発行する必要もありますが、書店員の目に留まるチャンスは出てきます。自費出版した絵本を自力で販売する自信がないという人は、全国の書店に流通ルートを持つ出版社の利用を検討してみるといいでしょう。

書店に置かせてもらう

自費出版の本を売る手段として以前から利用されていたのは、地元の書店などに依頼して売場に置かせてもらう方法です。大手の書店だと難しいかもしれませんが、個人経営の書店なら扱ってくれる可能性があります。

カフェやコンビニ・駅の売店など、書店以外の店舗に頼み込んでいる人もいます。あの宮沢賢治も各地の書店を回って、自費出版した童話集『注文の多い料理店』を置かせてもらったという話です。

イベント販売

ブックイベントやコミックマーケットなどのイベント会場では同人雑誌に交じって、アマチュア作家が自費出版した本も販売されています。地元の書店やコンビニなどに持ち込んで断られた場合は、こうしたイベントで販売してみるのも1つの手です。

販売のチャンスはイベント開催期間中に限られますが、会場には大勢の人が訪れます。個人経営の寂れた本屋の片隅に置いておくよりは、自作の絵本が多くの人の目に触れることになります。

自身が開催するセミナーや講演会の会場で、自費出版した本を販売している人も少なくありません。費用は全額自己負担でも、絵本を出版してしまえば立派な「絵本作家」です。「絵本教室」「絵本づくりが学べる講座」を開催し、自費出版した絵本を生徒に売るという手もあります。

Amazonなどの通販サイトで販売

巨大通販サイトのAmazonでは商業出版された本に交じって、自費出版された本も販売されています。Kindleダイレクトパブリッシング(KDP)のサービスを利用すれば、電子書籍だけでなくペーパーバック(紙の本)も出版が可能です。

Amazonでペーパーバックを自費出版するには、POD(プリント・オン・デマンド)呼ばれる仕組みを利用します。Amazonのサイトで注文が入り次第に、紙の本が1冊から受注生産できるシステムです。

基本的にAmazonのサイト内でしか販売できませんが、絵本を自費出版するのに在庫を持つ必要はありません。印刷・製本の費用は販売価格に含まれていますので、初期費用0円で自費出版することも可能な販売方法です。

AmazonのPODを利用して自費出版するペーパーバックの本は、基本的にソフトカバーとなります。絵本に多いハードカバーの表紙にする選択肢は、現時点で日本のKindleダイレクトパブリッシング(KDP)では利用できません。Amazonでの流通をサポートしている自費出版系の出版社も多くありますので、絵本の装丁にこだわりたい人は利用検討してみるといいでしょう。

自費出版した絵本をAmazonで販売するには、他に「e託販売」と「マーケットプレイス出品」という2つの方法があります。e託販売はAmazonに委託販売してもらう方式で、9,000円(税抜)の年会費が必要です。

Amazonのマーケットプレイスには、大口出品と小口出品の2種類があります。いずれも注文のあった商品の梱包や発送は、自分ですることになります。

e託販売・マーケットプレイス出品ともに、自費出版した本の販売にはISBNコードの取得が必須です。MyISBNというサービスを利用すれば、税込5,478円でIBBNコードの付いた本を自費出版できるようになります。アマチュア作家でもISBNコード付きの絵本を自費出版すれば、Amazonやその他の書店で販売できるという仕組みです。

フリマサイトやハンドメイドマーケットに出品

自費出版した絵本を1冊でも多く売ろうと思えば、使える販売手段を何でも片っ端から試してみる必要も出てきます。メルカリやラクマなどのフリマサイトも、絵本の販売に利用できる手段の1つです。

フリマサイトに出品されているのは、古着や古本・家電製品などの不用品だけではありません。出品が禁止された品でなければ、基本的に何でも出品できます。

試しにメルカリで「自費出版絵本」を検索してみたところ、著者自身が自費出版したものと見られる絵本も数多く出品されていました。

無名のアマチュア作家が自費出版した絵本は、メルカリでもなかなか売れないのが常です。minneのようなハンドメイドマーケットでは、自費出版や手作りの絵本で販売実績を持つ出品者も何人かいます。

ハンドメイドマーケットは商品の個性が重視されるだけに、オリジナルの絵本に理解がある利用客も多い様子です。印刷した絵本の出品も可能ですので、腕に自信がある人は出品を検討してみるといいでしょう。

個人のネットショップで販売

自費出版の絵本を売る手段として最後に紹介するのは、個人でネットショップを開店して販売する方法です。簡単な操作でネットショップを作れるサービスがありますので、スマホやパソコンがあれば自分の商品をネット販売できるようになります。

インターネット上の仮想店舗なら、高額の開業資金を用意する必要はありません。SNSやブログなどと併用して集客すれば、初期費用や維持コスト0円での開業も可能です。

BASESTORESカラーミーショップという3つのネットショップ作成サービスには、初期費用・月額料金無料のフリープランが用意されています。売上から引かれる手数料は、メルカリやminneなどと比べて安価な水準です。

販売が軌道に乗ってきたらる有料プランに移行し、手数料をさらに低く抑えるという選択肢もあります。他の販売手段と並行しながら、ネットショップでの販売も検討してみるといいでしょう。

【番外編】絵本を電子書籍として販売

ここまでは紙の絵本を自費出版した場合の販売方法を紹介してきましたが、スマホやタブレット端末で読める電子書籍の絵本もあります。紙の絵本と比べて市場規模はまだ小さいながら、圧倒的に低コストで出版できる点が電子書籍のメリットです。

AmazonのKindleダイレクトパブリッシング(KDP)を利用すれば、無名の個人でも電子書籍を出版できるようになります。表紙の画像を含む電子書籍のデータを自分で用意することで、費用0円での出版さえ可能な方法です。

「自分1人で全部の作業をこなすのは荷が重い」という場合には、電子書籍の出版代行サービスを利用するという手もあります。自費出版した絵本の販売方法としては「番外編」の扱いですが、1冊でも多く売るには利用しない手はありません。

「出版詐欺」には要注意!

「お金が儲かる」と言って勧誘する詐欺師

絵本に限らず、自費出版では何かとトラブルが発生しがちです。過去には出版社を装って巧みに勧誘し、高額の費用を騙し取ろうとする悪質な業者もありました。

こうした「出版詐欺」でよくある被害の例は以下の通りです。

  • 「自費出版した本が全国の書店に並ぶ」と虚偽の説明をされる
  • 負担した費用の分より少ない部数しか発行されていなかった
  • 当初の見積りから追加費用を大幅に増やして請求される
  • 売れる保証はないのに「売れれば元が取れる」として勧誘される
  • 出版費用を支払った後で業者と連絡が取れなくなる

出版社と著者のコミュニケーション不足が原因で、費用や流通に関するトラブルが発生する場合もあります。トラブルの全部が全部「出版詐欺」というわけではありませんが、出版社の名を騙った悪質な詐欺業者が存在するのも事実です。

絵本を自費出版する際には、費用の内訳や作業の進め方を入念に打ち合わせておく必要があります。高額の料金を払ってしまってから後悔しないように、契約事項もしっかりとチェックするのが鉄則です。

まとめ

フリーマーケットで売られている絵本

絵本を自費出版するには、普通はまとまった費用が必要です。商業出版と違って、費用は著者が全額負担することになります。費用の一部を出版社が負担する形態もありますが、高額の費用がかかる点に変わりはありません。

いずれも費用を回収するほど売るのは難しいため、自費出版の絵本で儲けは出ないのが当たり前です。たいていは出版費用の方が上回ってしまい、お金を稼ぐ手段としては成り立ちにくいという現状があります。

絵本の自費出版を副業にしたい人にとっては厳しい現実ですが、1冊でも多く売れれば赤字を減らせます。販売手段が多ければ多いほど売れやすくなりますので、この記事で紹介した方法を1つ1つ試してみるといいでしょう。この記事を読んだ人の中には、筆者が叶えられなかった夢を叶える人も出てくるはずです。

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