若い世代を中心に、スキマバイトと呼ばれる新しい働き方が人気を集めています。「1日だけ」「数時間だけ」というように、短時間だけ働いて稼げる単発アルバイトの仕事です。
学生や主婦だけでなく社会人の間でも、スキマバイトを副業にする動きが広がってきています。筆者の妹も本業は事務職ですが、最近スキマバイトでスーパーの品出しを始めました。
中途半端なスキマ時間をお金に換えるには便利な稼ぎ方ですが、スキマバイトには怪しい求人も少なくないと言われています。X(旧Twitter)上でも、「スキマバイトやってみたいけど、怪しい仕事しかない」などと投稿されている状況です。
筆者の妹が1日単位で働いたスーパーの品出し業務は、決して怪しい仕事ではありません。給料もきちんとその日のうちに振り込まれ、特に問題はなかったと言っています。
一方で「スキマバイト」の求人を装い、詐欺に誘導するような手口が一部で見られるのも事実です。新しい働き方ゆえに、想定外のトラブルが多発している面もあります。
当ブログではさまざまな副業を紹介する中で、「バイト」と名がつく仕事も数多く取り上げてきました。そこで今回は「怪しい」イメージが先行しがちなスキマバイトをテーマに、安全に稼ぐための注意点を解説します。
この記事を読んで怪しい求人を避けるコツをマスターすれば、こま切れのスキマ時間を使って安全に稼げるようになります。
スキマバイトには怪しい求人が多い?
最初に断っておきますが、「スキマバイト」と呼ばれる仕事の全部が全部怪しいわけではありません。筆者の妹が何度かやってみたスーパーの品出しのように、スキマバイトのアプリには真っ当な仕事も数多く掲載されています。
にも関わらずスキマバイトに「怪しい」イメージがある理由は以下の通りです。
- 怪しい仕事の求人が紛れ込んでいるため
- 履歴書や面接が不要で簡単に働けるため
- 短時間・短期間だけ働ける求人が多いため
- トラブルが多発しているため
- 世間の認知度が低いため
- 即金性の高い求人が多いため
- 直前のキャンセルにはペナルティがあるため
スキマバイトのアプリには、真っ当な仕事と怪しい求人が混在している状況です。以下のような求人を目にすると、どうしても「怪しい」と思ってしまいます。
- 仕事内容がよくわからない
- 求人を募集している会社の実態が不明瞭
- 給料が高すぎる
- キャッチコピーが胡散臭い
- 画像が掲載されていない
スキマバイトアプリの多くは、求人を掲載するのに費用がかかりません。求人に応募した人が実際に働いてから、給料の30%前後を紹介手数料として運営側に支払う仕組みです。
これが求人広告型のアプリだと、応募する人がいなかったとしても掲載費用がかかってしまいます。成果報酬型の求人サイトなら、応募する人がいなければ費用ゼロです。実態がよくわからない怪しげな会社であっても、低リスクで求人を掲載できるというメリットがあります。
スキマバイトの求人には以上のような落とし穴があるだけに、好条件に釣られて安易に応募するのはおすすめできません。実際にどういう仕事をするのか、求人を募集しているのはどんな会社なのか、といった点を考えて慎重に選ぶ必要があります。
スキマバイトの求人に潜む危険性
インスタグラムやX(旧Twitter)・FacebookなどのSNS上でも、「スキマ時間で稼げる」などと称する求人広告をよく見かけます。こうしたSNSの広告は運営側の管理が行き届いていないため、詐欺に誘導しようとする広告が事実上野放しの状態です。
特に最近は副業の広告を装ったり、実在する有名人の名や画像を勝手に使用したりして投資詐欺に誘導される被害が増えています。副業や投資に対する関心が高まっているのを背景に、今も騙される人が後を絶たない状況です。
LINEグループへの登録を通じて架空の投資話に誘導するのが典型的な手口ですが、「副業」や「スキマバイト」の求人が入口となっている例も少なくありません。SNSで「スキマ時間で高収入を稼げる!」などという広告を見かけたら、詐欺だと思って手を出さないでおくのが賢明です。
スキマバイトのメリットが理解されていない面も
SNS上ではスキマバイトの募集を装った詐欺が横行し、専用アプリにも怪しい求人が紛れ込んでいます。初心者が見分けるのは難しい部分もありますが、スキマバイトに対する誤解も「怪しい」と思われている理由の1つです。
スキマバイトの多くは、以下のような点で通常のアルバイトと違っています。
- 履歴書の提出が不要
- 面接なしですぐ働ける
- 仕事は短時間(短期間)だけでOK
- 1回限りの仕事も多い
- 給料が最短で当日に振り込まれる
人はあまりにも良すぎる条件を提示されると、「何か裏があるのでは?」と疑いたくなるものです。スキマバイトのメリットに対しても、「そんな都合のいい話があるはずがない」と思っている人は少なくありません。新しい働き方で十分に理解されていないがために、真っ当な仕事でさえ「怪しい」と感じてしまうわけです。
実際に仕事をして無事に給料を手にすれば、スキマバイトに対するイメージも違ってくると思います。筆者の妹も過去に騙されかけたことがあったので、アプリを使ってみるまでは「怪しい」と思っていたそうです。新しい働き方が浸透してくれば、こうした誤解も解消されてくるものと思われます。
スキマバイトで安全に稼ぐコツ
真っ当な仕事と怪しい求人が混在しているスキマバイトで安全に稼ぐには、危険性のある求人を見分ける目を養う必要があります。
実際にスキマバイトで稼いでいる筆者の妹は、以前も「在宅ワーク詐欺」や「パソコンサポート詐欺」で騙されかけたことがありました。怪しい求人や儲け話に対しては、人一倍の警戒心があります。
何度も危ない目に遭っている妹の話に筆者自身の経験も加味して、スキマバイトで安全に稼ぐコツをまとめてみました。以下のような5つのポイントに分けて解説していきます。
- 知名度の高いアプリを利用する
- SNS広告の求人には応募しない
- 時給が高すぎる求人は特に注意
- バイト先の会社情報と評判をチェック
- エッセンシャルワーカーのカテゴリで求人を探す
それぞれ単独では怪しい求人を回避しきれませんが、5つを併用することで安全性が高まります。
知名度の高いアプリを利用する
スキマ時間を利用して単発バイトの仕事をする人が増えているのを受けて、スキマバイトの求人アプリもリリースが相次いでいます。複数のアプリに登録しておいた方が、仕事を探すのに有利と思いがちです。1つのアプリで気に入った仕事が見つからなくても、別のアプリで見つかる可能性はあります。
とは言えスキマバイトに関しては、運営実績が少ない求人アプリを利用するのはあまりおすすめできません。アプリの実績が少ないうちは、運営する会社にノウハウが十分に蓄積されていないからです。トラブルが発生した場合に対応しきれなかったり、不正な求人が見逃されたりするような不具合が想定されます。
運営実績が豊富で知名度も高いアプリなら、サイトの運営ノウハウも確立されているはずです。運営がしっかりしたサイトには、良質な求人も集まりやすくなります。
以下の3サイトは5年以上の運営実績があって、単発バイトアプリの中では知名度が高い存在です。
タイミーのサービス開始は2018年で、シェアフルは2019年です。サービス開始から日が浅いアプリと比べて、運営会社の信頼度も高いと言えます。
ショットワークスは国内初の単発バイト専門マッチングサイトとして、2004年にサービスが開始されました。ヤフーとリクルートの合弁会社がショットワークスのサービスを始め、現在は東証スタンダード上場企業の連結子会社に運営が引き継がれています。
2024年には東証プライム上場企業の株式会社メルカリからも、メルカリ ハロというスキマバイトアプリがリリースされました。運営会社の知名度という点では申し分ありませんが、スキマバイトの分野では運営実績がまだ少ない状態です。トラブルに巻き込まれるのが心配な人は、アプリの運営が安定するまで様子見した方がいいかもしれません。
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SNS広告の求人には応募しない
インスタグラムやFacebookなどのSNSでも、「スキマ時間で稼げる」などと称した副業関連の広告をよく見かけます。スキマバイトのつもりで応募して、いつの間にか儲け話に誘導されるのが詐欺の典型的な手口です。
「副業」や「スキマ時間」といったキーワードに反応する人には、お金を稼ぐことに関心が高い人が多いという特徴があります。大きなリターンが期待できるからこそ、費用をかけて広告を出稿する詐欺犯が後を絶たないわけです。
詐欺が目的でも最初のうちは少額の報酬を振り込んでおいて、相手を信用させる手口が横行しています。詐欺ではないと油断させてから、投資などの名目で大金を振り込ませるやり方です。
人間心理の弱点を巧みに突いた手口だけに、架空の儲け話に騙される人が後を絶ちません。絶対に騙されたくないという人は、SNS広告の求人に応募しないのが一番です。
時給が高すぎる求人は特に注意
SNS広告の求人を避けて知名度の高いスキマバイトアプリを利用しても、怪しい求人は完全に排除しきれません。何らかの不利益をこうむる可能性がある求人を見分けるには、給料(時給)の部分も見逃せません。
スキマバイトも一般のアルバイトと同様に、給料にはある程度の相場というものがあります。単発のスキマバイトでも雇用契約を結んで働く限り、地域の最低賃金は守られていなければなりません。
最低賃金を下回るほど時給が安いのは問題ですが、相場より高すぎる場合も注意が必要です。「効率的に稼げる」と思って安易に応募すると、後でトラブルに巻き込まれる可能性もあります。
- きつい仕事で応募する人が少ない
- 仕事をするのに資格や専門知識が必要
- 体力的負担は軽くても精神的な負担が重い
相場より給料が高い求人には、以上のような理由があるものです。高時給になる理由がないのに給料が大幅に高く設定されている場合には、何らかの落とし穴があると考えた方がいいでしょう。怪しい求人を見分けるだけの自信がないうちは、時給が高すぎる求人に応募しないでおくのが無難です。
バイト先の会社情報と評判をチェック
給料がそれほど高額でないスキマバイトの中にも、怪しい求人が紛れ込んでいる可能性はあります。怪しい求人で金銭的なメリットが強調されていない場合、仕事がやりやすい点をメリットに挙げている例が多いものです。「簡単に稼げる」「未経験でも稼げる」「短時間だけでOK」など、仕事をするハードルが低く設定されています。
真っ当な会社でも簡単な仕事を募集する場合はありますが、誰でもできるような仕事は給料が低く設定されているのが普通です。実態がよくわからない会社が募集している求人の多くは仕事内容が曖昧で、実際に何をするのかよくわからないという求人も見受けられます。
過去にトラブルのあった会社であれば、何らかの形でインターネット上にマイナスの評判が残されているはずです。誰もが知る知名度の高い会社でない限りは、応募する前に会社名で評判を検索してみるといいでしょう。
本社の所在地や代表者名・電話番号(携帯番号は不可)・事業内容など、きちんとした会社概要が公表されている企業ならひとまず安心です。その上で会社名で検索して悪い評判の口コミがないかどうか、念には念を入れてリサーチするぐらいの慎重さが求められます。
エッセンシャルワーカーのカテゴリで求人を探す
知名度の高いスキマバイトのアプリですら、中には「怪しい」と感じる求人は見受けられます。仕事のカテゴリによっても、怪しい求人が含まれる割合は違ってきます。
筆者が実際にアプリで検索してみたところ、「イベント・キャンペーン」や「エンタメ」の職種は「怪しい」と感じる求人が多めでした。「接客」のカテゴリには真っ当な求人が多いですが、怪しい求人も紛れ込んでいる模様です。
いわゆるエッセンシャルワーカーに分類される職種であれば、真っ当な仕事の割合が高いものと推定されます。筆者の妹が何回かやったスーパーの品出しも、真っ当な仕事の1つです。
筆者自身もスーパー店員として、10年以上働いてきた経験があります。スーパー業界では人手不足の店が多いだけに、短時間の単発バイトでも手伝ってくれる人がいれば助かるはずです。
スーパーのように生活必需品を売る店だけでなく、医療や介護・物流・交通機関などの仕事も社会を維持するのに欠かせません。エッセンシャルワーカーが働いているような業種の求人であれば、「怪しい」と感じる求人の占める割合も低めの傾向です。スキマバイトのアプリで求人を探す際には、「社会生活を維持するのに最低限必要な仕事かどうか」という観点で選んでみるといいでしょう。
まとめ
スキマバイトには怪しい求人が多いという噂が本当かどうか、さまざまな観点から検証してきました。比較的新しい働き方ゆえに誤解や偏見もあって、「怪しい」イメージが先行している面もあります。
リリースされて間もないアプリは運営実績が少ないため、求人企業や運営事務局との間でトラブルが発生しがちです。特に「社会を維持するのに最低限必要」でもない種類の業界に関しては、「怪しい」と感じる求人の割合が高めの印象もあります。
玉石混交の状況にあるスキマバイトで安全に稼ぐためには、以下のような点に注意が必要です。
- 知名度の高いアプリを利用する
- SNS広告の求人には応募しない
- 時給が高すぎる求人は特に注意
- バイト先の会社情報と評判をチェック
- エッセンシャルワーカーのカテゴリで求人を探す
筆者の妹も「地方じゃろくな求人がない」などとぼやいてはいますが、知名度の高いスキマバイトのアプリを利用していて今のところトラブルはありません。危険な目に遭っていないのも、この記事で解説したようなポイントを押さえているからです。
信頼できる求人と怪しい求人が見分けられるようになれば、スキマ時間を有効活用して効率的に稼げるようになります。まずは、
の3大アプリで検索して、安全な求人を見抜く目を養ってみるといいでしょう。