獅子舞で稼ぐ副業とは?正月やイベントで活躍する伝統芸能を解説

雑学

正月に家々を訪れて新年を祝う獅子舞は、大道芸の一種としても庶民に親しまれてきました。獅子舞が活躍するのは祝い事やイベントなど非日常の場ですが、投げ銭のようにして御祝儀をくれる人もいます。普段は他の仕事をしている人にとって貴重な副収入になることから、獅子舞を副業と見なすことも可能です。

日本の伝統芸能を守りながら収入も得られる獅子舞の副業について、御祝儀の相場を含めた基本情報をまとめてみました。獅子舞を演じるのは体力的にかなりきついとも言われていますので、どれだけ大変な仕事なのかという点についても記事の後半で詳しく解説します。

獅子舞の副業とは?

獅子頭をつけた格好で笛太鼓などのお囃子に合わせながら舞い踊る獅子舞は、正月の風物詩としておなじみの光景です。獅子舞は年賀状にも絵柄がよく使われるほどポピュラーな存在でしたが、近年は後継者不足から担い手の減少が懸念されています。

室町時代に伊勢国(現在の三重県)から江戸へと広まったというのが、獅子舞の起源として有力な説の1つです。獅子舞によく似た民俗芸能は中国から東南アジアにかけての幅広い地域で見られ、日本には奈良時代に古代中国から獅子舞の原型が伝わったという説もあります。

かつては新年を祝う門付芸として盛んに行われていましたが、集合住宅が増えた現代では正月でも本物の獅子舞を目にする機会は少なくなりました。むしろ地域の祭りや商店街のイベントなどで獅子舞が披露される例が多く、結婚披露宴の余興としても根強い人気があります。

獅子舞の種類と語源

獅子舞にはさまざまなバリエーションが存在し、1人で演じるスタイルから数人で舞う大がかりな例まで多種多様です。1人で1匹の獅子を演じる一人立の獅子舞は風流系と呼ばれ、関東地方から東北地方を中心とした東日本に分布しています。岩手県や宮城県の一部では、一人立の獅子舞が集団で太鼓を叩きながら群舞する「鹿踊り」が伝えられてきました。岩手県出身の童話作家・宮沢賢治にも、「鹿踊りのはじまり」という童話作品があります。

©️YAMATO2021

一般に獅子舞のイメージとして多くの人が思い浮かべるのは、2人1組になって舞い踊る二人立の獅子舞です。二人立の獅子舞は西日本を中心に分布する伎楽系の一種で、胴体部分に多人数が入る「百足獅子」のようなスタイルもあります。

獅子舞の「シシ」とはライオンを意味するように思いがちですが、日本の古語においては食肉全般を意味する言葉でした。日本の獅子舞と似た中国の獅子舞は「ライオンダンス」とも呼ばれますが、「獅子」は必ずしもライオンを意味するとは限りません。イノシシやシカは古くから狩猟の対象とされてきたことから、獅子舞の「シシ」もそれらの動物を意味するというのが定説です。

獅子舞の御祝儀相場は?

以上のような由来を持つ獅子舞は門付芸として民衆の間に浸透してきた歴史を持ち、大道芸人が投げ銭をもらうようにして金品を受け取る風習がありました。正月に獅子舞がやってきて玄関先で演じてもらった場合には、御祝儀を包んで渡すのが礼儀です。

かつてはこうした芸能を生業としていた人たちも存在していましたが、現在では獅子舞を本業の仕事としている人にはなかなかお目にかかれなくなりました。少数ながらプロの獅子舞集団が所属するプロダクションのような会社も存在するとは言え、正月やイベントで獅子舞を演じてる人の大半はアマチュアです。普段は会社員や自営業など本業の仕事をしながら、依頼に応じて獅子舞を演じるという副業のようなスタイルとなります。

気になる御祝儀には決まった金額がなく、仏事の際に僧侶に渡すお布施と同じく渡す人の気持ち次第です。お布施には仏教の宗派ごとにある程度の相場も見られますが、獅子舞の御祝儀は金額にかなりの幅が見られます。

小銭を紙に包んで獅子の口に入れる人もいますが、1,000円や3,000円、5,000円、10,000円などお札を使ってきりのいい金額を渡すのが一般的です。多人数が集まるイベントでは投げ銭的に少額を渡すという人も、正月に演じられる獅子舞には奮発して1万円を包むということはよくあります。

獅子舞バイトはきつい?

正月やイベント時に獅子舞を演じるバイトが募集される場合もありますが、同じ獅子舞でも演じる役割によって仕事内容が違ってきます。獅子舞を演じるには獅子頭を操作する人だけでなく笛太鼓や鉦を演奏する囃子方が必要で、宰領と呼ばれる介添え人がつく場合も少なくありません。

未経験者が獅子舞バイトを務めるには、事前の稽古で自分の演じる役割をしっかりと覚える必要があります。中でも獅子頭を操作する役はかなりの重労働で、複数人が交替で演じなければ持たないほど体力的な負担が大きい役目です。獅子頭の重さは数kgから10kg以上にも及ぶだけに、重い獅子頭を操作しながら舞を演じるには相応の体力が必要になってきます。

1回の演舞時間は10分程度から30分前後までさまざまで、2人1組になって舞う場合には相手とうまく息を合わせなければなりません。本番の前にもハードな稽古を積むことになるため、御祝儀をもらっても時給換算では思ったほど稼げないという場合はあり得ます。

神社の御札を配ったり餅をまいたりする介添え役であれば体力的な負担も少なく、舞手と違って長時間の稽古を積む必要はありません。いずれもアルバイト求人サイトに募集が掲載される例はほとんどありませんが、興味がある人は地域の獅子舞保存会や獅子舞団体で募集していないかどうか問い合わせてみるといいでしょう。

獅子舞で稼ぐ副業まとめ

日本の伝統芸能として受け継がれてきた獅子舞は、必ずしも報酬を伴う仕事として担い手が募集されているわけでありません。地域の保存会などがボランティアとして活動し、祭りや正月などの際に依頼を受けて無償で舞を披露するという場合もよくあります。そうした場面でも投げ銭やおひねりのようにして御祝儀を渡してくれる人は少なくないため、演じ手にとっては貴重な臨時収入になるというわけです。

中にはイベントへの出張を行う獅子舞団体でバイトを募集しているところもありますので、体力的にきつい面さえ覚悟すれば、一風変わった副業として話の種になり得ます。伝統芸能の保存にも貢献できるという点を考えると、獅子舞は金銭的な報酬以上にやりがいのある仕事なのです。

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