在宅ワーク詐欺の新たな手口とは?内職商法がなくならない理由も解説

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在宅でも高収入が稼げる仕事という触れ込みで、内職商法と呼ばれる悪質な勧誘の被害に遭う例が主婦を中心に相次いできました。以前は宛名書きや清書など手作業の仕事を勧誘する例が多かった内職詐欺も、時代とともにパソコンを使った在宅ワークを扱うように形を変えてきています。高額の登録料などを要求するのが常套手段だった在宅ワーク詐欺も、最近は報酬を支払って信用させる手口に巧妙化しているのが現状です。

内職商法から在宅ワーク詐欺へと受け継がれてきた騙しの手法について、法規制がされているのになかなか根絶されない理由を考察してみました。いずれも「楽をしてお金を稼ぎたい」という人間心理を巧みに突いているのが勧誘の特徴ですので、騙されないための自衛策についても記事の後半で解説します。

在宅ワーク詐欺とは?

外へ働きに出る必要がなく自宅で仕事をしてお金を稼げる在宅ワークは、子育てや介護などさまざまな事情を抱える主婦の間で人気を集めています。最近は「自営型テレワーク」とも呼ばれるほど普及が進む在宅ワークですが、社会経験の少ない主婦層を狙った詐欺の温床になっている点には注意が必要です。

実際に「誰でも自宅で高収入が稼げる仕事」などという甘い宣伝文句で勧誘し、高額な登録料や教材費などを騙し取る手口が横行しています。以前はチラシや電話を使った宣伝・勧誘が中心でしたが、最近はSNSを使って誘い込もうとする例も少なくありません。詐欺と気づいたときには業者と連絡が取れなくなっている場合が多く、偽の連絡先や計画倒産の例も目立ちます。

本物の在宅ワークを仲介しているサービスと、詐欺を目的に勧誘を行う悪徳業者が混在していて情報が錯綜としているのは厄介な点です。すべての在宅ワークが怪しいというわけではなく、実際に自宅でパソコンを使って仕事を請け負いながら収入を得ている人は数多く存在します。

クラウドソーシングを利用すれば在宅ワークの仕事を手軽に探せるようになったのも事実ですが、正しい情報は必ずしもすべての人に行き届いていないのが実状です。在宅ワークで稼ぐための方法をよく知らない人がSNSやチラシなどでたまたま悪徳業者の宣伝を目にした結果、甘い文句に釣られて騙される例が跡を絶ちません。そうした被害が相次いだために、「在宅ワーク」と言えば「怪しいのではないか」というネガティブなイメージがついて回るようになったのです。

内職商法との共通点

主に主婦を狙った在宅ワーク詐欺の手法は、今に始まった話ではありません。内職商法と呼ばれる詐欺の手口が以前から存在し、過去にも数多くの被害者を出してきました。少しでもお金を稼ぎたいために内職をしようと申し込んだのに、かえって高額のお金を支払う羽目になってしまうのが内職詐欺の典型的な例です。

現在の在宅ワーク詐欺との大きな違いは、パソコンを使わない仕事の紹介を名目に勧誘している例が多いという点にあります。主婦の中にはパソコンが苦手な人が今も少なくないだけに、古典的な内職詐欺も完全になくなったというわけではありません。在宅ワーク(自営型テレワーク)と内職との違いについては、以下の記事で詳しく解説しておきました。

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在宅ワークよりも古い歴史を持つ内職は、以前であれば洋裁や和裁など裁縫の仕事で高収入を稼ぐことも可能でした。工場から請け負う裁縫の仕事以外にも宛名書きや清書・シール貼り・造花作り・アクセサリー作り、さらに袋詰め作業・電子部品の組み立てなどさまざまな内職があります。

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現在でも細々と続けられている内職の仕事は、ほとんどがパソコンを使わない手作業でお金を稼げるのが特徴です。ほとんどの内職は作業の単価が低く、外に出て働く仕事と比べて稼ぐ効率はどうしても低くなってしまいます。そうした弱点を逆手に取り、内職でも高収入が稼げるなどと巧みな宣伝文句で誘い込んだのが内職商法の常套手段でした。

一方の在宅ワークはデータ入力や記事作成・プログラミング・デザインなどが多く、基本的にパソコンを使って仕事を行う必要があります。在宅ワークの中には手作業の内職並みに単価が低い仕事も少なくない一方で、専門的なスキルの持ち主はオフィスに出社する仕事以上に高収入を稼いでいるのも事実です。同じ在宅ワークとして総称される仕事の間でも収入の格差が大きいことから、「在宅で高収入が稼げる」という詐欺の手口にも誘い込みやすくなります。

内職と在宅ワークではパソコンを使う仕事かどうかという違いはありますが、どちらもお金を稼ごうとする人が逆にお金を払うことになるという点では変わりありません。悪徳業者にとってはいずれの被害者も仕事を依頼する相手ではなく、お金を稼がせてもらう(巻き上げる)ための顧客という立場なのです。

ちなみに1990年代から2000年代にかけてパソコンが普及する過程では、当時まだ高額だったパソコンを分割払いで購入させるという手口の内職商法が流行しました。パソコンの普及率が高くなってスマホでも代用できる現在では有効でなくなりましたが、内職商法から在宅ワークへと移行する時期に特徴的な詐欺の手法と言えます。最近はパソコン自体の購入ではなく、高額なソフトや教材の購入または講座の受講という形に姿を変えてきている点にも注意が必要です。

内職商法や在宅ワーク詐欺がなくならない理由

被害の多発を受けて内職商法も法規制の対象となり、現在では「業務提供誘引販売取引」に当たる勧誘が特定商取引法で厳しく制限されています。広告の表示や契約書面の交付についても厳格なルールがあるにも関わらず同様の詐欺が跡を絶たないのは、テクノロジーが進化して情報収集手段が大きく変わったというのも一因です。

テクノロジーの進化に法整備が追いつかず、法の抜け穴をくぐり抜けるような詐欺の手口が次々と考え出されてきました。そうした詐欺の対象は内職や在宅ワークだけに限りませんが、新手の勧誘方法ほど違法性が気づかれにくく被害者も騙されやすくなりがちです。

内職商法や在宅ワーク詐欺でも巧みに誘い込む文言は「セールストーク」などと呼ばれ、あたかも合法的なマーケティングの手段であるかのようにノウハウが売り買いされているのが現状です。そうしたノウハウを伝授するセミナーや情報商材も存在するものと推定され、それ自体が楽をして高収入を稼ぐ手段として確立されているのが実状なのです。実践している当事者からすれば詐欺という名の犯罪に手を染めているというよりも、違法すれすれのビジネスでお金を稼いでいるという感覚なのかもしれません。

似たような悪徳商法は内職や在宅ワーク以外の分野でも少なくないだけに、詐欺的手法でお金を稼ぐ行為に「仕事」として取り組もうとする考え方をなくさない限りは、被害の根絶も難しいと言わざるを得ません。そうしたグレーゾーンのビジネスが横行している背景には、完全に合法的なビジネスの範囲内だと競争が厳しく効率的に稼ぐのが難しいという世知辛い現実があるのです。

在宅ワーク詐欺に引っかからないための心得

法整備を進めても脱法的な新手の詐欺が次々に考え出されている現状を考えると、内職商法や在宅ワーク詐欺の被害に遭わないためには鉄壁の自衛策を講じるしかありません。以前はその手の勧誘に釣られて申し込むと、最初に高額の登録料や教材購入を要求されるのが常套手段でした。それでは相手に警戒されて断られる例が増えたために、最近はもっと手の込んだ手口に変わってきています。

SNSなどで勧誘された在宅ワークの仕事を始めたところへ、最初にテストライティングのような仕事を与えられるのが新手の手口で典型的な例です。テストの結果が大変素晴らしかったと称して一定額の報酬を支払ってもらうと、たいていの人は詐欺だと気づかずに信用してしまいます。ここで本格的な仕事を開始するにはサーバーとの契約が必要だとか何とか話を持ちかけられ、数十万円の費用を求められるままに支払ってしまうというというわけです。

このような在宅ワーク詐欺に引っかからないためには、一にも二にも正しい情報の収集が欠かせません。うまい話を持ちかけられたら相手の業者の名前で検索し、悪い評判がないかどうか確認するのは基本中の基本です。在宅ワーク詐欺に手を染めるような悪徳業者は会社情報に架空の住所を掲載していたり、HPに代表者名や連絡先が書いていなかったりする例が少なくありません。たとえ報酬が支払われたとしてもすぐには信用せず、高額な費用の支払いを要求してきた時点で断りを入れた方がいいでしょう。

報酬の支払いと引き換えに登録料や教材・資材等の購入を求めるような在宅ワークや内職は、特定商取引法で規制された業務提供誘引販売取引の対象です。うっかり誘い文句に乗ってしまって契約してしまった場合でも、契約書が交付されてから20日間以内ならクーリングオフが適用されます。法律で定められた必要事項が契約書に記載されていなかった場合には、20日を過ぎていてもクーリングオフできる仕組みです。

万が一そうしたトラブルに巻き込まれてしまった場合には、ダイヤル188の消費者ホットラインや全国の消費生活センターに相談するのが解決への近道となります。クラウドワークスランサーズのような大手クラウドソーシングであれば登録料は無料で、後から高額な費用を請求されるようなこともありません。どちらの運営会社もマザーズの上場企業で信頼性が高く、仲介する仕事の中に悪質な募集があれば即刻削除する仕組みが整っているので安心です。

日本最大級のクラウドソーシング「クラウドワークス」

内職商法と在宅ワーク詐欺の現状まとめ

古典的な内職商法のDNAを受け継いだ在宅ワーク詐欺も、最近はSNSを主戦場として罠を仕掛けながら獲物がかかるのを待ち構えています。時代が移り変わっても「在宅の仕事で高収入が稼げる」は最高の誘い文句として今なお効果的なだけに、テクノロジーの皮をかぶった古典的な手法に引っかかる被害者は跡を絶ちません。

仕事の現場から遠ざかって久しい上に収入を得る手段も限られた専業主婦は、悪徳業者にとって特に騙しやすい「お得意様」です。巧みなセールストークで相手を丸め込む手法がセミナーや教材で広まったため、倫理観の低い人でも詐欺まがいの手法で勧誘することが可能になってしまいました。

世の中には真っ当な在宅ワークを仲介しているサービス会社も数多く存在するだけに、悪徳業者との見分け方が難しくなっているのが現状です。そうした中で被害に遭わないようにするには、ついつい釣られてしまうような甘い宣伝文句を見たら疑ってかかる姿勢が求められます。その上で正しい情報を収集する能力を日々更新していけば、相手が騙しのプロでも簡単に引っかかることはなくなるはずです。

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