
軒下なんかにぶら下がっている蜂の巣が高く売れるって本当?
風水などで、蜂の巣が縁起物とされているのは確かです。高く売れるかどうかはケースバイケースですが、メルカリやヤフオクにも実際に出品されています。

でも蜂の巣って危険そうだし、取るのはやめておこうかな…
素人はへたに手を出さない方がいいかもしれませんね。
でも知識と勇気があれば、蜂の巣を取って売ることも可能です。販売している人の多くは業者さんですが、個人でも売れないことはありません。
当ブログでは以前にも、蜂の巣駆除を副業にする方法について取り上げました。前回の記事では駆除作業に伴う副産物として、蜂の巣を売って稼ぐ方法についても触れています。今回は蜂の巣の意外な使い道について、販売方法や価格相場と合わせて詳しい情報をまとめてみました。
害虫駆除の仕事をしている人も、そうでない人も、この記事を読めば蜂の巣を売ってお小遣い稼ぎができるようになります。
蜂の巣はなぜ売れる?
スズメバチ科の蜂の巣は、漢方で科露蜂房という生薬の材料として用いられてきました。殺菌や解毒作用・鎮痛・痛み止めの効果があるとされ、関節痛や蕁麻疹などの症状にも効くとされています。
一方で蜂の巣は昆虫の生態を知る上で、学術的にも貴重な研究材料です。保存処理を施した巣を学校の教材として利用したり、博物館の標本として展示されたりする場合もあります。
研究機関や製薬会社が相手では需要も限定的ですが、蜂の巣は昔から縁起物としても珍重されてきました。むしろスピリチュアルな需要が期待できるからこそ、フリマサイトにも出品されているわけです。
縁起物と言われる理由
風水の考え方によると、蜂の巣は家に良い運気を呼び寄せるものとされています。軒下に蜂の巣ができると、その家は「繁栄する」「火事にならない」などと言われるほどです。
蜂の巣に数多くの働き蜂が出入りする光景は、商売繁盛の象徴ともされてきました。造り酒屋では新酒ができたことを知らせるため、店先に「杉玉」と呼ばれるものを吊るす風習があります。この杉玉が蜂の巣に似ているのも、商売繁盛を願っての造形なのかもしれません。
1つの巣に出入りする働き蜂は、すべて1匹の女王蜂が産んだ蜂です。女王蜂がたくさんの働き蜂を産むことから、蜂の巣は子孫繁栄の象徴とも言われています。
強力な毒針を持つ働き蜂は巣に餌を運んだり、巣を外敵から守ったりする頼もしい存在です。そんな様子から蜂の巣は、家族円満の象徴とも言われてきました。蜂の巣があると家に泥棒が入りにくくなるため、家内安全にもつながります。
スズメバチなどの蜂は、安全と判断した場所にしか巣を作りません。このことから蜂の巣は、魔除けや厄除けのお守りとしても利用されてきました。実際に古い家では蜂の巣を床の間に飾ったりして、魔除けに用いている例も見られるほどです。
ミツバチの巣には、働き蜂が集めた花の蜜がたくさん蓄えられています。ハチミツが金色に輝く様子から連想して、蜂の巣は金運上昇の象徴とも考えれてきました。
以上のように蜂の巣はさまざまな意味で、縁起物とみなされているわけです。
縁起物とされている他の自然物
自然界の中には、他にも縁起物とされている生き物由来の品が存在します。実際にメルカリやヤフオク(Yahoo!オークション)では、以下のような自然物が「縁起物」として出品されていました。
- 鹿の角
- 蛇の抜け殻
- フクロウの羽根
- カメの甲羅
いずれも「神の使い」「幸運のシンボル」「長寿の象徴」などという意味で、縁起が良いとされてきた生き物です。登山やハイキングを趣味としている人や、ペットとして飼育している人は、比較的安全に入手できる可能性があります。
ただで手に入れた自然物でもきれいな状態にして出品すれば、購入してくれる人が出てくるかもしれません。「蜂の巣は危険だから手を出すのはやめておこうかな」という人は、他の生き物から出た自然物を探してみるといいでしょう。
蜂の巣の使い道
風水の置き物やお守りなどスピリチュアルな用途以外にも、蜂の巣にはさまざまな使い道が考えられます。新しい巣を作られないように、古い巣を軒下に吊るしておくのもその1つです。
本物に似せたダミーの巣も市販されてはいますが、空き家となった本物の巣にも蜂除けの需要があります。中には新しい巣を作るためのリサイクル目的で、古い巣に寄ってくる蜂もいるので注意が必要です。
この他にも蜂の巣には、以下のような使い道があります。
- オブジェやインテリア
- 自由研究や工作の材料
それぞれ詳しく解説します。
オブジェやインテリア
スピリチュアルな要素を抜きにしても、よく手入れされた蜂の巣には骨董品的な価値があります。ハニカム構造と呼ばれる正六角形を隙間なく重ねたこの構造の美しさは、まさに「自然が生み出した驚異の美」です。
蜂の巣を模したアート作品も数多く制作されていますが、本物の巣も芸術作品の材料として利用されています。防虫処理・防腐処理を施した巣にニスを塗ったり、ガラスケースに入れたりするような飾り方も可能です。博物館や教育機関だけでなく、インテリアやオブジェとして部屋に飾る目的で購入する人もいます。
自由研究や工作の材料
保存状態の良い蜂の巣は学術的な価値があるため、大学などの研究機関が購入している例もあることは前述しました。学術目的での購入例は多いと言えませんが、子どもの自由研究や工作の材料としての需要はそれなりにあると見られます。夏休み前や休み期間中に蜂の巣を入手できたら、メルカリなどに出品してみるのもいいでしょう。
夏休みシーズンに需要が増える自然物
メルカリでは毎年夏休みの時期になると、自由研究や工作の材料にする自然物が数多く出品されます。蜂の巣以上の多く出品されているのが、庭や道端でも見つかる「セミの抜け殻」です。自分で集めるのが難しい子どもや親が、メルカリに出品されている抜け殻を購入しているものと思われます。
海岸で拾える貝殻やシーグラスなども、夏休みシーズンに需要が増える自然物です。松ぼっくりやどんぐりなどの木の実とともに、工作や手芸の材料として人気があります。いずれも蜂の巣を取るよりは危険が少ないですので、機会があったら探してみるといいでしょう。
蜂の巣はどうやって手に入れる?
蜂の巣も一種の自然物ですが、誰にでも簡単に入手できるものではありません。それなりの需要があって手に入りにくい品だからこそ、お金を出してでも買おうとする人がいるわけです。
業者でもない一般の人が蜂の巣を手に入れるには、以下のような2つの方法が考えられます。
- 業者に駆除してもらった巣を譲り受ける
- 自分で蜂の巣を駆除する
それぞれのケースについて詳しく解説します。
業者に駆除してもらった巣を譲り受ける
自宅の軒下などに蜂の巣を作られ、害虫駆除業者に依頼して撤去してもらった場合、取り外した巣は業者が持ち帰るのが一般的です。産業廃棄物として処分されるのが普通ですが、持ち帰った巣を販売している業者もいます。廃棄する予定であれば、交渉によっては蜂の巣を譲ってくれるかもしれません。
撤去した蜂の巣を譲ってもらえるかどうかは、駆除を依頼した業者次第です。置物や研究材料として販売するなら、できるだけ薬剤を使わないで蜂の巣を駆除する必要があります。駆除のやり方が変わってきますので、料金も含めて業者選びが重要になってきます。
自分で蜂の巣を駆除する
駆除した巣を譲ってくれる業者がどうしても見つからなければ、自分で蜂の巣を駆除するしかありません。販売目的で蜂の巣を手に入れようと思えば、薬剤を使わずに蜂を駆除する必要があります。薬剤を使った方が安全かつ楽に駆除できるだけに、プロのスズメバチハンターでも難易度が高い作業です。
晩秋から冬にかけての時期になると、スズメバチは巣から蜂がいなくなります。働き蜂は冬を越せずに死に絶え、女王蜂は越冬のため巣を出て土の中などに移動するからです。巣が空になったタイミングなら、薬剤を使わなくても蜂の巣を入手できる可能性があります。

©YAMATO2023
筆者も自宅の軒先にスズメバチの巣を作られた際には、雪が積もる時期になるのを待ってから自分で巣を撤去しました。日中でも気温が氷点下という寒冷地だけに、生きた蜂が巣に残っている可能性はありませんでした。
最近は温暖化の影響で、12月頃になっても蜂が生き残っている場合があります。冬の気候がもっと温暖な地域では、冬に自分で蜂の巣を入手するにも注意が必要です。念のため蜂駆除用のスプレーなどを用意した上で、蜂がいないのをよく確認してから巣を取り外すようにするといいでしょう。
「冬になって蜂がいなくなってから巣を手に入れる」という手が使えるのは、スズメバチやアシナガバチの巣に限られます。ミツバチは冬眠せずに越冬し、巣の中に1年中働き蜂がいるので危険です。
週末養蜂という手も
ミツバチはハチミツを採取する目的で、養蜂家に飼育されています。養蜂業を専門に営んでいる業者もいますが、ミツバチの飼育は趣味や副業でも可能です。
最近は「週末養蜂」と称して、会社勤めなどの傍らに養蜂を営む人も増えてきました。ある程度の元手は必要ですが、自家製のハチミツが採取できれば高く売れる可能性もあります。
ヤフオクなどでミツバチの巣を出品している人の多くは、養蜂業の副産物として手に入れたと思われる人たちです。普通はなかなか得られない貴重な商品が入手できるようになりますので、費用を準備できる人は週末養蜂も検討してみるといいでしょう。
蜂の巣を売る方法
蜂の巣は一種の骨董品としても取引されていますが、骨董品を扱う店に持ち込んでも買取してもらえないのが普通です。古物商に知り合いでもいれば別として、たいていはフリマサイトに出品して買い手を探すことになります。
メルカリやヤフオク(Yahoo!オークション)では本物の蜂の巣が出品されていて、実際に売れた例もある様子です。郵送ではなく直接受け渡す形で蜂の巣を売るなら、無料掲示板のジモティーに投稿してみるという手もあります。
蜂の巣はいくらで売れる?
苦労して手に入れた蜂の巣だけに、少しでも高く売りたいものです。蜂の巣はメルカリにも多く出品されていますが、実際に売れたのはごく一部の出品に限られます。
過去には大きく立派なスズメバチの巣が、1万円以上で売れた例もあったという話です。普通は大きいもので5,000円前後、小さい巣だと1,000円未満でしか売れないということもあり得ます。
ヤフオクで「過去180日間に落札されたスズメバチの巣の商品」を検索すると、50件ほどの落札例が見つかりました。ヤフオクでは生きた昆虫も出品可能なだけに、生きたままの蜂を生け捕りにした巣が5,000円以上で売れた例も見受けられます。害虫駆除業者による出品と見られ、素人には真似できそうにない出品方法です。
蜂の空き巣は数千円で売れればいい方で、1,000円以下でしか落札されなかった例もいくつか見られます。「蜂の巣を高く売るのはなかなか難しい」というのが現状です。
蜂の巣を売るコツ
置物として飾っておくにしても、研究目的で購入するとしても、薬剤が付着した状態の蜂の巣はなかなか売れません。販売目的で蜂の巣を採取するなら、薬剤を使わずに蜂を駆除する必要があります。
冬になって蜂がいなくなるのを待ってから巣を採取するのが理想ですが、軒下に作られてしまった蜂の巣を放置するのは危険です。業者に依頼する際には薬剤を使わない駆除方法が可能かどうか、事前に交渉してみるといいでしょう。
スズメバチハンターの中には掃除機や粘着シートを使ったりして、薬剤を使用せずに蜂を駆除している人もいるそうです。素人が真似をすると大変危険ですので、蜂が活発な時期に巣を取るのはプロに任せた方が安全と言えます。
冬に自分で蜂の巣を取る場合も含め、採取する際には巣をできるだけ完全な形で保存するのがポイントです。置物として販売する場合には巣の表面をニスで塗り固めたり、防虫・防カビ処理を施したりする必要もあります。緩衝材などの上に巣を置いて安定させ、ガラスケースに入れておけば申し分がありません。きれいな形で保存するのに手間がかかるからこそ、自然の産物でも買い手がつくわけです。
蜂の標本にも需要あり
メルカリには生きた昆虫は出品できませんが、昆虫標本なら出品可です。実際にスズメバチやアシナガバチ・クマバチなど、蜂の標本が数多く出品されています。蜂の巣やセミの抜け殻などと同様に、夏休みの自由研究に使う目的で購入される例が多いと見られます。
自由研究以外でも、趣味で昆虫標本を収集している人は少なくありません。蜂の標本には1年中需要がありますので、入手が可能な人は出品を検討してみるといいでしょう。
まとめ
業者に駆除してもらうと普通は廃棄される運命にある蜂の巣について、いろいろな活用方法があることを見てきました。業者と交渉してみれば、薬剤を使わずに駆除した蜂の巣を譲ってもらえる場合もあります。蜂がいなくなる時期まで待てるようなら、筆者のように自分で巣を採取することも可能です。
薬剤を使わずに採取してきれいな形に保存した蜂の巣は、メルカリやヤフオクなどに出品すれば売れる可能性もあります。廃棄されるのが当たり前の蜂の巣にも、以下のような使い道があるからです。
- 魔除けや厄除けのお守り
- インテリアや置物
- 自由研究や工作の材料
当ブログで取り上げてきた自然物の中でも難易度は高めですが、蜂の巣もその気になれば元手0円で手に入れることは可能です。蜂を駆除する機会があったら巣を捨てる前に、フリマサイトへの出品も検討してみるといいでしょう。