記事を作成する仕事はある程度の文章力も必要ですが、口コミやレビューを書く仕事なら特別なスキルを必要としません。気軽に取り組める副業として、会社員や主婦の間で人気を集めています。
2023年10月にステルスマーケティング(ステマ)規制が始まったことで、口コミの投稿で違法になる可能性が出てきました。これまで横行していた「やらせの口コミ」はステマと認定されるため、違法に当たる行為です。口コミを書く仕事がしたいと思っても、「怖くて手が出させない」という人も多いのではないでしょうか?
当ブログではこれまでに、300種類以上の副業を紹介してきました。違法性のある副業もネタとして取り上げましたが、その場合は「おすすめできない稼ぎ方」として注意を促しています。
そこで今回は口コミを書く仕事について、違法になるケースとならないケースに分けて情報をまとめてみました。スキルに自信がない人でもこの記事を読めば、スキマ時間で安全に収入を増やせるようになります。
口コミを書く仕事は違法?
グーグルマップで店舗を探したり、通販サイトで買い物をしたりする際に、店舗や商品の口コミを参考にするという人は多いと思います。口コミに売上が大きく左右されることになるだけに、経費をかけて良い口コミを書いてもらおうとする会社や店舗もあるほどです。実際に口コミを書いて稼げる仕事も募集されていて、その中には「やらせレビュー」を書く仕事も含まれます。
でも、うその口コミを書くのって違法なんじゃない?
その通り!報酬と引き換えに良い口コミを投稿してもらうのは、いわゆるステルスマーケティング(ステマ)に当たる行為です。ステマは景品表示法に違反するため、やらせレビューも違法ということになります。
広告であるにもかかわらず、広告であることを隠すことがいわゆる「ステルスマーケティング」です。
景品表示法は、うそや大げさな表示など消費者をだますような表示を規制し、消費者がより良い商品・サービスを自主的かつ合理的に選べる環境を守ります。出典:令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。(消費者庁)
口コミを書く仕事なら私にもできそうだから、副業にしたいと思ってたんだけど…
ご安心を!規制の対象となるのはレビューや口コミを募集する企業の方で、レビューを書く人は罰則の対象外です。それに、口コミを書く仕事のすべてが違法というわけではありません。違法にならない範囲内で、口コミを書いてお金を稼ぐ手段はまだ残されています。
法律を守って安全に稼げる方法があるなら知りたい
違法にならない口コミの書き方を知っていれば、安心して稼げるようになります。まずはどのような口コミが違法に当たるのか、具体的なケースを見ていきましょう。
違法に該当するケース
2024年の6月には東京都大田区でクリニックを運営する医療法人がステルスマーケティングと認定され、消費者庁から措置命令を下されました。2023年10月から開始されたいわゆる「ステマ規制」で、初の行政処分となったケースです。
問題のクリニックはインフルエンザワクチン接種の費用を割引するのと引き換えに、グーグルマップの口コミで高評価を投稿するように依頼していました。
報酬じゃなくて割引でも違法になるの?
料金の割引やクーポンのプレゼントも、現金と同じく「報酬」として扱われます。
口コミの投稿を依頼しただけでは、景品表示法に違反することにはなりません。問題のクリニックは「星4つ以上の高評価」を条件として割引を実施していたため、消費者のふりをした宣伝・広告=ステマと認定されてしまったわけです。
同じような手法で良い口コミの投稿を依頼するようなことは、店舗や企業でも以前から行われてきました。今回摘発されたのは特別なケースでなく、氷山の一角と見られます。
他にも以下のようなケースはステマに当たりますので、仕事を探す際には注意が必要です。
- 口コミ高評価で◯◯プレゼント
- 良い口コミ投稿で報酬◯◯円
- 商品を無料でもらえる代わり高評価の口コミを依頼される
- 報酬と引き換えにAmazonの偽レビューを依頼される
- 報酬と引き換えに、競合相手の評価を下げる口コミを依頼される
ステマに該当するケースには、ある共通した特徴が見られます。いずれも現金やポイント(クーポン)・現物などの対価と引き換えに、依頼主に有利となる口コミの投稿を求められるのが共通点です。
依頼主の企業や店舗は本来なら、広告であることが明確にわかる形で宣伝活動をする必要があります。消費者が自発的に投稿したかのように装って、自社に有利な口コミを依頼するのは消費者を欺く違法行為です。
普通は何らかの対価がないと、良い口コミの依頼には応じてもらえません。対価を用意する企業が少なくないために、口コミを書いてお金を稼ぐ仕事も成り立っているわけです。
こうしたステマに加担しても、口コミを書いた人の側が罰せられるわけではありません。罰則が適用されるのはあくまでも企業や店舗など、やらせの口コミを依頼した側です。
とは言え違法行為に手を貸すのは、決して褒められた稼ぎ方とは言えません。「報酬と引き換えに、競合相手の評価を下げる口コミを依頼される」仕事を引き受けた場合、名誉毀損などの罪に問われる可能性もあります。どういう形で累が及ぶことになるかわかりませんので、違法性のある仕事には関わらないのが無難です。
違法ではない口コミの仕事
ステマ行為に協力するような仕事はおすすめできませんが、インターネットで募集されている口コミの仕事すべてが違法というわけではありません。違法ではない仕事も多く募集されていますので、真っ当な案件を選べば口コミの仕事で安全に稼げるようになります。
対価を伴う口コミの募集で違法にならないのは、以下のようなケースです。
- 高評価に限定しない口コミの募集
- 正直な感想を書くアンケートの仕事
- 自由な評価が可能な商品モニターの仕事
- 評価に関する指示がないレビューや体験談の募集
商品を購入したりサービスを利用したりする場合に、ネットで検索して出てきた口コミ情報を参考にするという人が増えています。企業のWebメディアや個人のブログでも、そうした口コミやレビューの記事を掲載している例は少なくありません。読んだ人を自社の商品やサービスに誘導したり、掲載した広告を利用してもらおうとしたりするように書かれてある記事です。
いずれもサイトの運営者にとっては利益につながりますが、企業の担当者やブログの運営者だけで口コミを書くには限界があります。そこで代わりに口コミやレビューを書いてくれる人を募集し、報酬を支払うという仕事が成り立っているというわけです。
企業のサイトに掲載する目的だと、良い口コミを書くように依頼されるケースが多いと見られます。公平な観点からさまざまな企業の商品やサービスを検証するサイトなら、募集される口コミは必ずしも高評価に限定されません。
低評価を含む自由な感想を投稿しても報酬が得られるサイトであれば、違法性を気にしないで口コミを投稿できるはずです。つまり「評価の部分を指定されるかどうか」が、違法な口コミの仕事と違法でない仕事の違いと言えます。
口コミ副業の稼ぎ方
食べログや価格COM・アットコスメのようなレビューサイトに口コミを投稿しても、報酬は出ないのが普通です。Amazonなどの通販サイトやグーグルマップにレビューを投稿している人たちも、対価を期待して書き込んでいるわけではありません。任意で投稿された口コミ情報だからこそ、信頼性が高いとみなされているわけです。
一方では違法ではない口コミの仕事で述べたような理由で、口コミやレビューの投稿に報酬を伴う場合もあります。換金が可能なポイントを付与されるケースも含め、口コミを書いてお金を稼ぐ方法は以下の通りです。
- クラウドソーシングで仕事を探す
- ポイントサイトの口コミ案件
- レビューブログを運営する
それぞれ詳しく解説します。
クラウドソーシング
企業や店舗の依頼を受けてうその口コミを投稿するのはNGですが、中には違法にならない仕事の依頼もあります。投稿した口コミに、「PR」や「広告です」などと記入するように指示されるような案件です。きちんとPR表記がされていれば、ステマに該当することはありません。
インスタグラムなどのSNSで企業から依頼を受けて商品を紹介する場合でも、PR表記しないとステマに該当してしまいます。こうした「企業案件」はインフルエンサーと呼ばれる人が対象ですが、PR表記が必要なのは大きな影響力を持つ人だけではありません。良い口コミの投稿と引き換えに報酬を得る場合は、一般の人でもPR表記が不可欠です。
クラウドソーシングではこの他にも、データ入力に近い口コミ代行の仕事が募集されることがあります。インターネットが苦手な人から集計した手書きのアンケートをテキスト化して、口コミサイトで代わりに投稿す仕事です。
一般の求人サイトで検索しても、これらの仕事はなかなか見つかりません。クラウドワークスやランサーズなど、在宅ワークの仕事募集を集めたクラウドソーシングのサイトで探すのが近道です。
店舗・サービスを利用したことのある人を対象とした口コミや、映画・ドラマ・アニメの感想など、クラウドソーシングにはさまざまな口コミの案件が掲載されています。大手のサイトには「レビュー・口コミ」のカテゴリが用意されていますので、会員登録した上で案件を検索してみるといいでしょう。
ポイントサイト
ポイ活の手段として利用されているポイントサイトでも、口コミの投稿やアンケート回答でポイントが付与される案件を扱っています。クラウドソーシングと違って現金を直接稼げる仕事ではありませんが、ポイント交換サイトを経由することで換金も可能です。
「駅口コミ」や「IT製品のレビュー」などの案件は、多くのポイントサイトに掲載されています。ポイントが付与されるには条件を満たした上で、投稿した口コミが承認される必要もあります。
マクロミルやアンケートに答えてスキマ時間にお小遣い稼ぎ!「リサーチパネル」・ファンくるなどのアンケート・モニターサイトも、口コミやレビューの投稿でポイントを稼げるサイトの1つです。「商品を使ってみた感想」や「サービスを利用した感想」といった口コミを、アンケート形式で回答することになります。
報酬はポイントサイトと同じようにポイントの形で付与され、一定金額以上で共通ポイントや現金などと交換できる仕組みです。「口コミを書いて稼ぐ副業に興味があるけど、文章を書くのは苦手」という人は、アンケート・モニターサイトから始めてみるといいでしょう。
レビューブログ
クラウドソーシングの各サイトでは、「ブログの口コミ・レビュー記事を作成する仕事」のような案件が募集されています。商品やサービスを利用した感想・体験談をメインとしたブログで、運営者に代わって記事を執筆する仕事です。
最近は検索大手のGoogleでも、「体験」を重視する傾向が強まっています。同じ商品のキーワードで検索した場合、実際にその商品を使ってみた人の体験談が上位に表示されやすい傾向です。
検索結果で上位にされればされるほど、ブログを訪問する人の数が増えてきます。ブログに掲載した広告を通じて商品が売れると、ブログの運営者に売上の何%かが報酬として支払われる仕組みです。
広告商品の体験談をブログに掲載することで、広告収入がどんどん増えるものと期待されます。商品を使った経験のある人の口コミ情報は、ブログの運営者から見れば宝の山です。
クラウドソーシングを通じて口コミの仕事を請け負った場合に得られる報酬は広告収入の一部で、それも1回きりに過ぎません。こうしたレビューブログを逆に運営する立場となれば、広告収入の全額を自分1人で独占することも可能です。
ブログなら広告経由で「商品購入」「会員登録」などの成果が承認されるたびに、何回でも収益が発生します。実際にその商品やサービスを利用した1つの口コミ情報を元手にして、収益を無限に生み出すことも可能になってくるわけです。
口コミを書いて稼ぐ副業としては上級者向けですが、稼げる可能性のある金額は他の2つと比べて桁違いとなってきます。
その代わり個人ブログも企業や店舗と同様に、景品表示法におけるステマ規制の対象です。広告主や代理店に迷惑をかけないよう、記事の目立つ位置に「PR」などの表記をしておく必要があります。
レビューブログなら美容やグルメ・旅行・エンタメなど、自分の得意分野に限定して口コミ情報を発信することも可能です。募集されている口コミ・レビューの仕事に飽き足りなくなってきたら、レビューブログの運営にもチャレンジしてみるといいでしょう。
まとめ
良い口コミは企業や店舗に大きな利益をもたらすため、「やらせレビュー」や「うその口コミ」が横行する実態もありました。ステルスマーケティング(ステマ)が規制されるようになった現在は、こうした不正な口コミ操作は違法の対象です。
報酬と引き換えに良い口コミの投稿を依頼した場合、罰則の対象となるのは依頼した側の企業や店舗に限られます。偽の口コミを投稿した人には罰則が適用されませんが、どういう形でとばっちりを受けることになるかわかりません。「君子危うきに近寄らず」ということわざがあるように、違法性のある仕事には手を出さないのが賢明です。
クラウドソーシングやポイントサイトでは、高評価に限定しない「正直な感想」を投稿する口コミ・レビューの仕事も募集されています。良い口コミを投稿する仕事でも、「PR」「広告」と明記すれば違法にはなりません。
以上のようなポイントを押さえた上で仕事を選べば、口コミを書くだけの手軽な仕事でお金を稼げるようになります。主婦や学生のお小遣い稼ぎだけでなく、忙しい会社員の副業にもなる仕事です。この記事で解説した情報を参考にしながら、口コミの副業を始めてみるといいでしょう。