パソコンを使った在宅ワークの中でも、文字起こしは主婦や学生の間で根強い人気があります。初心者でもできる仕事だったら、自分もやってみたいと思っている人は少なくないのではないでしょうか?
現役ライターの筆者も、過去に文字起こしの仕事を受注した経験あります。クラウドソーシングで募集されている案件も含め、文字起こしのバイトは経験を問わない仕事が大半です。音声を聴き取って文章にする仕事の環境さえ整えておけば、初心者でも在宅の副業で稼げるようになります。
そこで今回は文字起こしのバイトを副業にする方法について、求人の募集状況から収入の目安まで基本情報をまとめてみました。文字起こしの経験がない人でも、この記事を読めば自宅で収入が得られるようになります。
文字起こしのバイトは初心者でも可能!
音声のデータを聴き取ってテキストデータの文章にする仕事のことを、文字起こしと言います。かつてはカセットテープに録音した音声を扱っていたことから、「テープ起こし」とも呼ばれてきました。
現在ではICレコーダーやスマホの録音機能を使って、音声をデジタルデータとして収録するのが一般的です。パソコンやスマホで音声ファイルを再生して内容を聴き取り、文字情報に直して入力していくことになります。
文字起こしの対象となるのは、以下のような種類の音声データです。
- インタビュー
- 対談・座談会
- セミナー・講演
- 会議
- YouTube動画
- 裁判用音声データ
実際に募集されている文字起こしの仕事は、「インタビュー」「セミナー」「YouTube動画」の3つが圧倒的に多い状況です。正確さが求められる仕事だけに、文字起こしのバイトは経験が必要というイメージもあります。実際には未経験可の求人が多く、初心者でも応募は可能です。
クラウドワークスやランサーズのようなクラウドソーシングのサイトでは、初心者OKの文字起こし案件が数多く掲載されています。「文字起こし経験者に限る」「記事執筆の実績がある方優遇」などという案件もありますが、全体から見ればごく一部に過ぎません。文字起こしの経験以上に、「納期を守れる人」「レスポンスが早い人」「長期で継続できる人」といった点が重視される仕事です。
文字起こしのバイトが未経験でもできる理由
文字起こしの作業そのものは、要領さえ覚えればそれほど難しいこともありません。ゼロから文章を作成する仕事と違って、文章のベースとなる音声データはあらかじめ用意されています。与えられたマニュアルに沿って作業を進める案件も多いだけに、慣れればサクサクと消化できるようになる仕事です。
強いて言えば、文字起こしの仕事をするのに最低限のパソコンスキルは必要になってきます。スマホでも文字起こしの作業をできないことはありませんが、パソコンを使った方が効率的に稼げるからです。
クラウドソーシングに掲載されている案件でも、パソコンを使って作業をするように指示される場合があります。パソコンのキーボードを打つタイピングが遅い人よりは、速い人の方が対応しやすいのは確かです。文字起こしの経験がなくても、ExcelやWordの基本操作を理解していれば仕事を始めやすくなります。
音声を文字起こしにしたテキストデータは、GoogleドキュメントやGoogleスプレッドシートを通じてインターネットで納品するのが一般的です。Word形式やテキスト形式のファイルにまとめて納品するように指定してくるクライアントもいます。
仕事を進めるに当たってはチャットワークやDiscordなどのコミュニケーションツールを使用し、クライアントとやり取りする工程も必要です。文字起こしの仕事そのものは未経験でも可能ですが、以上のようなソフトやツールの使い方は最低限知っておく必要があります。
文字起こしに役立つスキル
文字起こしの仕事は初心者でも可能なケースが大半ですが、中には一定の経験やスキルが求められる案件もあります。経験やスキルが必要な案件は、初心者歓迎・未経験可の案件より単価の面で有利な例も少なくありません。文字起こしの仕事で効率的に稼ぎたい人は、単価アップにつながるスキルを身につけておくのがおすすめです。
英語の音声を聴いて英文に文字起こしするには、ある程度の英語力が必要になってきます。専門用語が多く出てくる会議やセミナー・インタビューの文字起こしをする場合でも、各分野の専門知識を持っている人の方が有利です。
文字起こしには大きく分けて、以下のような3つのパターンがあります。
- 意味のない不要語を取り除いた「ケバ取り」
- 不要語を含めてすべて文章化する「素起こし」
- 読みやすい書き言葉に直す「整文」
文字起こしにした文章をベースにして言い回しや表現を変え、新たな文章に作り変える「リライト」の仕事も多く募集されています。リライト作業を伴う案件を受注する場合は、ある程度の文章力やネット検索のスキルも必要です。
記事作成やシナリオ作成を含めたライティングの実績があれば、高単価の案件も受注しやすくなります。インタビュー音声を文字起こしにして、ブログ記事を執筆する案件も募集されている状況です。一部で動画編集を伴う文字起こしの案件もあるだけに、YouTubeチャンネルの運営経験を持つ人も優遇される傾向が見られます。
文字起こし関連の資格
未経験可の求人が多く募集されているくらいですので、文字起こしの仕事をするのに特別な資格は必要ありません。関連する資格を取得しておけば、高単価の案件を受注するのに役立つ可能性はあります。文字起こしに関連する資格は2つほどありましたが、このうちテープ起こし技術者資格検定試験は終了した模様です。
一般社団法人の文字起こし活用推進協議会が認定している文字起こし技能テストは、現在でも試験が実施されています。文字起こしの仕事に慣れてステップアップしたい場合には、資格の取得に費用をかけることも検討してみるといいでしょう。
文字起こしバイトの求人募集状況
タウンワークやバイトルなどのアルバイト求人サイトでは、文字起こしバイトの求人は決して多くありません。掲載されている求人の大半は、オフィスに出社して働く派遣社員の募集広告です。
Indeedや求人ボックスのような求人検索エンジンには、ネット上で収集した文字起こしバイトの求人情報が数多く掲載されています。HPでアルバイトを募集している企業の求人も拾ってくるため、求人数の多いのが特徴です。
データ入力や文章校正など、パソコンを使った事務作業の中に文字起こしも含まれるという求人が多くを占めています。文字起こしだけの求人は、求人検索エンジンでもなかなか見つからない状況です。在宅勤務可の求人も決して多いとは言えませんので、求人サイトは以下のような人の仕事探しに向いています。
- 外へ働きに出るのに支障がない人
- 文字起こし以外の仕事も受け入れられる人
- 少しでも多く稼ぎたい人
クラウドソーシングの文字起こし案件
クラウドワークスやランサーズのようなクラウドソーシングのサイトには、文字起こしだけの仕事がもっと多く掲載されています。音声データや納品物の受け渡しも含め、クライアントとのやり取りはインター上で完結する仕組みです。場所を選ばずにできる仕事ですので、オフィスに出社する必要はありません。
雇用契約を結んで働く派遣社員と違って、クラウドソーシングに掲載されているのは案件単位で受注する仕事ばかりです。文字起こしの仕事内容まで記載されている例が大半で、以下のような案件が募集されています。
- セミナーの文字起こし
- インタビューの文字起こし
- 動画の文字起こし
- 英語音声の文字起こし
特に最近増えているのは、Youtube動画の音声を聴いて文字起こしをする仕事です。premiere proなどの動画編集ソフトを使用し、テロップ挿入や誤字脱字の修正まで行う文字起こしの案件もあります。
元の動画の音声を文字起こしするだけでなく、原稿をリライトして情報を追記する案件も少なくありません。クラウドソーシングで募集されている文字起こし案件のうち、半数ほどは動画の簡単な編集やリライト作業を伴う仕事です。
単発バイトのように案件単位で受注することになりますが、継続依頼を前提に仕事を募集しているクライアントも多く見かけます。一度受注して仕事ぶりが認められれば、以後は安定して稼げるようになるというわけです。
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自分で仕事を募集する方法
求人サイトやクラウドソーシングでも気に入った仕事が見つからない場合には、自分で文字起こしの仕事を募集するという手もあります。ココナラのようなスキルマーケットを利用して、文字起こしのサービスを個人で出品する方法です。
実際にココナラでは「文字起こし・データ入力」のカテゴリに、6,000件以上のサービスが出品されています。自分の得意なことやスキルを生かしてサービスを考え出し、フリマアプリのように出品できるのがスキルマーケットです。
カテゴリごとに設定された最低出品を守っていれば(文字起こし・データ入力は1,500円)、サービスの価格は自分で自由に決められます。ライバルも多いので必ず稼げるとは限りませんが、ココナラの「文字起こし・データ入力」カテゴリでは販売実績が3桁に達する出品者も珍しくない状況です。出品の工夫しだいでは、クラウドソーシングで仕事を探すよりも効率的に稼げる可能性があります。
とは言え初心者がいきなりスキルマーケットにサービスを出品しても、なかなか売れないのが普通です。まずはクラウドソーシングで文字起こしの仕事実績を積んでから、ココナラのようなマーケットに打って出るのが無難なやり方です。
文字起こしの在宅ワークでどれだけ稼げる?
求人サイトに掲載されている文字起こしの仕事は、オフィスに出社して働く派遣社員の求人が大半です。時給1,500円から1,800円ほどの求人が多く、コンビニや飲食店などのアルバイトよりは効率的に稼げます。雇用契約は派遣会社と結び、派遣先のオフィスに出社して働くのが一般的です。
クラウドソーシングのサイトに掲載されている文字起こしの仕事なら、在宅で作業が完結します。外へ働きに出るのが難しい人でも文字起こしの仕事ができますが、雇用契約ではなく業務委託の形で仕事を受注することになります。派遣社員として働く場合と比べ、在宅ワークだと報酬の単価は全般に低めの水準です。
報酬は1本あたり1,000円から2,500円前後という例が多いですが、文字起こしをする音声の長さは案件によって異なります。時間の長い音声ほど、文字起こしに要する時間が長くなるのは当然です。文字起こしの案件を選ぶ際には報酬の金額だけでなく、音声データの長さも計算に入れる必要があります。
文字起こしの作業に慣れないうちは、熟練した人より時間がかかりがちです。固定報酬制の案件だと、時間をどれだけ多く費やしても金額は変わりません。
作業に要する時間は慣れた人の場合で、音声の時間の5~6倍程度です。音声10分あたり1,000円の案件であれば、時給換算で1,000円から1,200円ほど稼げることとなります。副業で1日平均2~3時間ずつ仕事をした場合は、何日か休みを入れても月に5~6万円ほど稼げる計算です。
文字起こしの初心者で不慣れな人だと、倍以上の時間がかかることも珍しくありません。作業のスピードを早くできるようにするには、案件の数をこなす必要もあります。最初のうちは思うように稼げなくても、数をこなしていくうちに作業時間が短縮されるようになるはずです。
まとめ
文字起こしの仕事は出社して働く派遣社員の求人と、在宅でできるクラウドソーシングの案件に大きく分けられます。時給が高めに設定されている派遣社員と比べて、在宅ワークの文字起こしは報酬の単価が全般に低めの水準です。どちらも未経験可の求人や案件が多く、仕事をするのに特別なスキルや資格は必要ありません。
時給制の派遣社員は働いた時間に応じた給料が支給されますが、クラウドソーシングの文字起こしは固定報酬制の案件が大半です。作業時間が長引けば長引くほど、時給換算で稼げる金額が少なくなってしまいます。初心者のうちは倍以上も時間がかかるため、最低賃金を下回ることも珍しくありません。
文字起こしに慣れて作業時間を短縮できれば、在宅の副業でも時給換算で1,000円以上稼ぐことは十分に可能です。未経験で在宅の文字起こしバイトを始めたら、案件を多くこなして早く慣れるようにするといいでしょう。文字起こしのスピードが上がれば上がるほど、収入も増やせるようになります。