おばあちゃんの話し相手になるバイトというのがあるらしいけど、本当にそんな仕事があるの?
話し相手のバイトと言えば在宅で収入を稼ぐイメージもありますが、求人サイトで募集されている「おばあちゃんの話し相手」は介護の仕事です。一般の話し相手バイトと違って、残念ながら在宅で収入が得られる仕事ではありません。
ただし対象を高齢者に限定しなければ、在宅でも話し相手の仕事で稼ぐことは可能です。当ブログでこれまでに紹介してきた「愚痴聞きバイト」や「お悩み相談」がこれに該当します。介護職と在宅両方の「話し相手バイト」について、仕事内容や求人募集状況の違いに関する情報をまとめてみました。
おばあちゃんの話し相手になる介護職の仕事をしたい人も、誰かの話し相手になる仕事を在宅で始めたい人も、この記事を読めばやりたい仕事が見つかります。
おばあちゃんの話し相手をするバイトとは?
GoogleやYahoo!で「おばあちゃんの話し相手 バイト」を検索すると、Indeedや求人ボックス・エンバイト・タウンワークといった求人サイトが上位に表示されます。検索でヒットしたのは、主に人材派遣会社で募集している介護関連の求人です。
求人に応募して採用された場合、デイサービスや特別養護老人ホームなどの介護施設に派遣されることになります。高齢者の話し相手だけでなく、食事のサポートや清掃なども仕事の1つです。
介護関連の仕事とは言え、必ずしも資格が必要なわけではありません。慣れてきたところで入浴補助や身体介助のような、難易度が高めの仕事も任されるようになります。
身体介助やおむつ交換などはもちろん、おじいちゃんおばあちゃんの話し相手になってあげるのも大切な仕事の1つです。こうした求人を募集している施設では、働きながら資格所得を支援してくれる職場も少なくありません。介護関係の仕事にやりがいを感じられる人にとっては、未経験でも始めやすい仕事と言えます。
おばあちゃんの話し相手をするアルバイトの求人募集状況
実際に「おばあちゃんの話し相手 バイト 在宅」のキーワードでGoogle検索してみて、上位に表示された求人サイトの募集状況を調査してみました。アルバイト求人サイトのバイトルが1位に表示されていますが、「完全に一致する求人は見つかりませんでした」という理由で、条件に近い求人の一覧が表示されているだけです。
2023年11月の時点では、人材派遣会社の株式会社ネオキャリアが募集する介護求人が大量に募集されていました。3ヶ月前に調査した時点と、状況に大きな変化は見られません。勤務地や時給などの違いはありますが、いずれも身体介護やレクリエーション手伝いなど入所者のサポートがメインの仕事です。
同じく人材派遣会社の株式会社ニッソーネットが募集するホームヘルパーやケアマネジャーなどの求人も、勤務地を変えて複数の求人がバイトルに掲載されています。入所者のサポートを行う際には話し相手をしながら作業する場面もありますが、食事の準備や片付け・清掃などの雑務も仕事のうちです。株式会社ジャストファインでも「おばあちゃんの話し相手から」という名目で、複数の介護求人を勤務地ごとに募集しています。
リクルートの運営するアルバイト求人サイトのタウンワークでも、「話し相手」の求人は似たような状況です。ウィルオブ・ワークや株式会社kotrioなど、人材派遣会社が募集する介護関連の求人が目立ちます。
エンバイトの関東版には、「おばあちゃんの話し相手から始める生活サポート」というタイトルで日研トータルソーシング株式会社の募集する介護派遣バイトの求人が掲載されていました。いずれの求人も雇用契約は派遣会社と結び、老人ホームやグループホームなどの勤務地に派遣されて仕事をする仕組みです。
求人検索エンジンの検索結果
こうした求人広告型のアルバイト求人サイトだと、同じような求人が大量に並ぶ傾向も見られます。Indeed (インディード)や求人ボックス・スタンバイといった求人検索エンジンなら、もっとバラエティに富んだ求人情報が見つかる可能性があります。
それでも「おばあちゃんの話し相手バイト」の検索結果は、ほとんどが介護施設に派遣されて働くタイプの仕事です。在宅で高齢者の話し相手をするような仕事は、横断検索型の求人検索エンジンを利用してもなかなか見つかりません。
スタンバイで「話し相手」の求人を検索してみたところ、通話キャストやPococha(ポコチャ)のライバー募集も検索結果に含まれます。Indeedで「話し相手」の求人を検索すると、飲食店のホールスタッフや観光財団の事務スタッフまで表示されました(いずれも2023年11月時点)。
求人検索エンジンで「話し相手」の求人を検索すれば、介護以外の求人も見つかります。それも3万件前後という膨大な検索結果の中で、ほんのごく一部に過ぎません。求人検索エンジンは地方の求人も幅広くカバーできるという強みを持ちますが、話し相手の求人に関しては限界があるようです。
在宅の求人が見つからない理由
「おばあちゃんの話し相手 バイト」と聞いて、電話でお年寄りの話し相手をするような在宅の仕事を想像した人も少なくないかと思います。介護施設で働く仕事と知ってがっかりしたかもしれませんが、高齢者の話し相手をする仕事の多くは介護関連の職場です。身体介助や食事サポート・清掃など、介護職のこなす仕事の1つに話し相手も含まれます。
訪問介護の仕事で話し相手を務める場合もありますが、話し相手をするだけの目的ではヘルパーさんを派遣してくれない自治体が大半です。介護関連の求人で「高齢者の話し相手をするだけ」の仕事が見つからない背景には、介護業界特有の事情があります。
慢性的な人手不足に悩む介護業界では、施設の仕事でも訪問の仕事でも人員に余裕がありません。単に話し相手を務めるだけの人材に経費をかけるのは難しいため、求人も募集されないというわけです。
在宅でできる高齢者相手の仕事と言えば、電話で話し相手になってあげるくらいしかありません。求人サイトで「話し相手」の仕事を募集しているのは、外で働く介護関連の職場が大半です。介護以外の業界で「話し相手だけ」のバイトが求人サイトに掲載される例は稀なため、他の方法で仕事を探すしかありません。
在宅で話し相手の仕事をするには?
仕事の対象を高齢者に限定しなければ、在宅でも話し相手の仕事で収入を得ることは可能です。記事の冒頭でも触れたように、誰かの話し相手をしてあげるだけでお金が稼げる仕事があります。話し相手をする手段には主に電話を使用しますが、メールやチャットでやり取りするアプリも人気です。
いずれも自身の携帯電話を流用したり、専用端末を用意したりすることで、場所を選ばずに話し相手の仕事ができるようになります。子育てや家族の介護で外へ働きに出るのが難しい人でも、在宅の仕事で収入が得られるというわけです。
このような話し相手の仕事を始めるには、以下のような3つのパターンが考えられます。
- 話し相手サービスのスタッフとして働く
- スキルマーケットに自分で話し相手サービスを出品する
- 個人で話し相手サービスを開業する
それぞれの始め方について、概要を解説します。
話し相手サービスのスタッフとして働く
世の中には「お金を払ってもいいから話し相手をしてほしい」という需要が結構多いため、サービスを運営している会社がいくつか存在します。「愚痴聞きサービス」「お悩み相談サービス」など、サービスの名称はさまざまです。話し相手サービスを運営している会社でスタッフ(アルバイト)を募集していれば、採用してもらうことで在宅の仕事が始められます。
ただしこの手のサービスは求人広告を出していないところが多いため、求人サイトで「話し相手 バイト 在宅」などと検索しても募集がなかなか見つかりません。GoogleやYahoo!で検索すれば、話し相手サービスの公式HPが求人サイトと並んで表示されます。そうしたサイトでスタッフが募集されていないかどうか、それぞれのHPをチェックしてみるといいでしょう。
スキルマーケットに話し相手サービスを出品する
話し相手サービスは1つの業種として十分に確立されていない面もあるだけに、現時点では大手と言えるほどの企業は参入していません。求人そのものも決して多いとは言えない状況ですが、スキルマーケットを利用すればない仕事を自分で作り出す道も開けます。自分の得意な事柄をサービスに仕立て上げ、個人対個人の取引でスキルを販売できるフリーマーケットのような仕組みです。
スキルマーケットの草分けとも言えるココナラは東証グロース市場の上場企業ですので、代表者の連絡先が携帯番号になっているような小規模の話し相手サービスより格段に信頼できます。ココナラに出品可能なサービスはイラスト作成や占いなど多岐にわたりますが、「話し相手」「愚痴聞き」「お悩み相談」も人気ジャンルの1つです。
ココナラ以外では、タイムチケットやSKIMA(スキマ)にも話し相手サービスを出品している人たちがいます。現状ではこうしたスキルマーケットを利用するのが、在宅で話し相手サービスの仕事を始める最も現実的な選択肢です。
個人で話し相手サービスを開業する
ココナラのようなスキルマーケットはサイト自体に集客力があるため、他の出品者との競争さえ制すれば在宅で収入が得られるようになります。ココナラの電話相談サービスを利用した場合、相談料の最低価格は1分100円です。
一見すると時給換算で6,000円もの高収入を稼げる仕事のように思いがちですが、利用客が支払った料金の全額が自分の収入になるわけではありません。集客から決済に至るまでココナラのシステムを利用する以上は、売上からある程度の手数料が引かれてしまうのは仕方がないとも言えます。
トークルームを利用した通常サービスなら手数料は売上の22%で済みますが、電話相談サービスの場合は58%から59%ほどが売上から引かれる仕組みです。手数料の割合は相談料によって異なります。詳しくは得意をお金に換えるスキルマーケット10選!稼ぐ仕組みを解説で。
手数料が引かれるのを回避したいという場合には、自力で集客して話し相手サービスを開業するという手もあります。決済システムを別途導入したり、ブログやSNSで地道に情報発信したりすれば、個人でも話し相手サービスを開業できないことはありません。売上から決済手数料が引かれたとしても、スキルマーケットより安く抑えることは可能です。
実際にGoogleやYahoo!で検索してみると、求人サイトと並んで表示される話し相手サービスには個人で運営している例も目立ちます。「話し相手サービスのバイトとして働く」「スキルマーケットを利用する」と比べて稼ぐ難易度は格段に高くなりますので、失敗のリスクを計算に入れた上で第3の方法を検討してみるといいでしょう。
まとめ
「おばあちゃんの話し相手」という名目で募集されているアルバイトは、実は介護関連の仕事です。介護業界は慢性的な人手不足に悩まされていて、普通に募集していては人材がなかなか集まりません。「1人でも多くの人に興味を持ってもらおう」という狙いで、このような募集の仕方をしているものと見られます。
高齢者の話し相手をするのは仕事の一部で、食事のケアや清掃など他の仕事も覚えていく必要があります。介護関連施設や訪問介護の仕事がメインだけに、電話で「おばあちゃんの話し相手」だけをする在宅バイトの求人は見当たりません。高齢者の話し相手をする仕事にやりがいを感じられる人は、他の作業を行うことも覚悟の上で介護関連の求人を探してみるといいでしょう。
対象を高齢者に限定しなければ、電話やメールなどを使った話し相手サービスの仕事もあります。在宅で話し相手の仕事を始める方法は、以下の3通りです。
- 話し相手サービスのバイトとして働く
- スキルマーケットに話し相手サービスを出品する
- 個人で話し相手サービスを開業する
在宅のアルバイト募集は決して多いと言えない状況ですので、ココナラのようなスキルマーケットを利用するのが無難な選択肢です。ライバルも少なくはない状況ですが、出品を工夫してサービスを購入してもらえれば、リピート客の獲得にもつながります。