当ブログでは以前、オリジナルTシャツを売って稼ぐ方法について紹介したことがありました。副業の手段としても注目度が高まっている稼ぎ方ですが、「無名の個人がオリジナルTシャツを売ろうとしても、はそう簡単には売れない」という声も耳にします。
どんなに素敵なTシャツを作ったとしても、売れないことには収入になりません。売れない原因がわかれば、対策も可能になってくるはずです。
「オリジナルTシャツ 売れない」というキーワードで検索すると、Tシャツを販売する側の立場から解決方法を指南した記事が数多く見つかります。オリジナルグッズの製作を請け負う企業が情報の発信元となっている例が多いだけに、説得力があると思いがちです。
でもそこには、買い手の視点が抜け落ちているような気がしてなりません。筆者は面白いデザインが好きで、Tシャツもさまざまなデザインの品を買い集めていきました。自分が実際にTシャツを購入したときのことを思い出してみると、意外な盲点が浮かび上がってきます。
そこで今回はオリジナルTシャツが売れない理由について、購入者の心理に基づいて考察してみました。売れるようにするためのアイデアも、記事の後半で詳しく解説します。
オリジナルTシャツはそう簡単には売れない!
何年か前にテレビの情報番組で、オリジナルTシャツを売って100万円以上稼いだという主婦が紹介されたことがありました。会社員の副業としても、Tシャツの販売を始める人が増えている状況です。
ClubTやUP-T、Tシャツトリニティなど、個人でオリジナルのTシャツを注文できるサービスが続々と登場しています。普通の店で売っていないようなデザインのTシャツを作って販売できることから、写真やイラスト・漫画が得意な人にも稼ぐチャンスのある副業です。デザインのセンスに自信がないという人でも、面白い言葉やパロディのアイデアをTシャツにするという手があります。
オリジナルTシャツ販売は無限の可能性を秘めた副業ですが、素人が簡単に稼げるほど甘くはありません。苦心してデザインを考えたTシャツを売ってもなかなか売れず、売るのをやめてしまった人も少なくない模様です。
オリジナルTシャツが売れない理由
「オリジナルTシャツ 売れない」で検索して上位に表示された記事の多くは、売れない理由として以下のような要因を挙げています。
- 商品の魅力が伝わっていない
- 適正価格でない
- 購入手段の選択肢が少ない
- 宣伝や集客力が弱い
「なるほど」と納得できる理由ではありますが、いずれも物販ビジネス全般で言われている「売れない原因」の数々です。必ずしもオリジナルTシャツの販売だけに当てはまる課題とは限りません。
アパレルショップの売り場には、メーカーが生産した多種多様なTシャツが売られています。たいていの人は、店で売られている商品で満足しているのが現状です。よほどの理由がない限り、普通は素人の作ったTシャツになどお金を出しません。
個人が販売するオリジナルTシャツを購入しようとするのは、店で売られている品では満足できないような人たちです。売れない状態から脱するには、Tシャツのマニアとも言える人たちの購入欲をどうやって刺激するかが鍵となってきます。
大量生産された商品にない魅力をアピールできれば、個人が作ったTシャツにも勝機が出てきます。アパレルメーカーのような企業とは違う、個人には個人ならではの強みがあるはずです。
実際に筆者自身がオリジナルTシャツを購入したときのことを思い出すと、決め手となったのは以下のような動機でした。
- 他にないデザインだったから
- 所有欲をくすぐる商品だったから
- 価格に見合った価値を認めたから
- 作り手を応援したいと思ったから
動機の1つでも欠けていれば、注文ボタンを押していなかったでしょう。購入に至ったきっかけを知れば、Tシャツを売るためのヒントが見えてくるはずです。
オリジナルTシャツを売る方法
企業が圧倒的に有利な中でも、オリジナルTシャツの販売でそれなりに稼いでいる人は存在します。企業と同じ土俵に立って正面から対抗しようとするのではなく、個人ならではの強みを発揮している人たちです。
そんな成功者の真似をすれば、自分も同じように成功できるのでしょうか?
Tシャツ販売で稼いでいる人の方法論を知ったところで、必ずしも再現性のあるやり方とは限りません。同じことはブログやSNSで稼ぐビジネスにも当てはまりますが、一部の成功者は他にない恵まれた要素を持っているものです。
例えば有名人が自身の知名度を生かして、オリジナルTシャツを製作した場合を考えてみればわかります。有名人のTシャツが飛ぶように売れたとしても、無名の素人が真似できるものありません。
逆の立場で購入した経験があれば、素人が作ったTシャツを買う理由も見えてきます。筆者が過去に購入したオリジナルTシャツの多くは、誰が作ったのか知らなかったような商品でした。それでも「このTシャツを手に入れたい」と渇望したからこそ、少々リスクを冒してでもお金を出したわけです。
記事の後半では筆者自身の経験に基づいて、購入者の視点で考察した「オリジナルTシャツを売る方法」をまとめてみました。それぞれの法則について、1つ1つ見ていきましょう。
他にないデザインを売りにする
オリジナルTシャツを売ろうとする場合に、デザインは最も重要な要素です。店で売られているのと同じようなデザインでは、わざわざオリジナル商品を購入する意味がありません。
有名人や団体などとコラボしたTシャツなら、ネームバリューそのものが商品価値となり得ます。無名の個人がどこにも頼らずにTシャツを作る場合は、デザインの個性で勝負するするのが王道です。
日本語の言葉がプリントされただけのシンプルなTシャツでも、売れている商品は存在します。プリントされた言葉自体に人を引きつける魅力があるという点は、日本語Tシャツを売るための最低条件です。
店で普通に売られているTシャツに同じような商品があれば、オリジナルTシャツとしての商品価値は大きく下がってしまいます。「他では買えない」と思えばこそ、個人が販売するTシャツでも「買ってみたい」という気にさせられるわけです。
他にないデザインを売りにするという点では、イラストや図案・写真などをプリントしたTシャツでも変わりありません。個人でオリジナルTシャツを販売しようとする人は、どのようなTシャツが市販されているかをよく観察しておく必要があります。「こんなTシャツ、店では絶対に売っていない!」というデザインを思いつけば、第一関門はクリアしたも同然です。
所有欲をくすぐるように演出する
筆者はコレクターを自称するほど多く収集しているわけではありませんが、必ずしも自分で着るわけではないTシャツを購入することはあります。観光地を訪れた際にも土産物店で珍しいTシャツが売っていたりすると、ついつい熱心に見てしまう性分です。
海外の店で奇抜なデザインに興味を惹かれて衝動買いしてしまったTシャツは、一度も着ないままクローゼットの中で眠っています。そんなTシャツでもただ所有しているというだけで、物欲が満たされるのだから不思議なものです。
同じようにコレクターを称するほどでなくても、「これ欲しい!」の思いに突き動かされて珍しいTシャツを買い集めている人は少なくないと見られます。そんな所有欲をくすぐるような演出も、オリジナルTシャツを売るためには欠かせません。
Tシャツコレクターの所有欲を刺激するには、シリーズ化のバリエーションを増やすのが効果的です。「シリーズの全種類を揃えたい」と思わせることに成功すれば、まとまった売上につながっていきます。Tシャツ1枚のデザインを単体で考えるのではなく、シリーズ化を想定したデザインにするのがコツです。
商品の価値に見合った価格設定にする
どれだけ個性的なデザインで所有欲を刺激されても、価格が高すぎるのではなかなか手が出せません。一方では1枚1万円以上の価格設定で、それなりに売れているTシャツが存在するのも事実です。価格以上の価値があると認められれば、1万円のTシャツでも売れる可能性はあります。
だからと言って、初心者がいきなり1万円超で価格設定するのはおすすめできません。「Tシャツ1枚に1万円の価値はない」というのが、普通の人の金銭感覚です。慣れないうちはよほどの理由がない限り、低めの価格設定で反応を見るのが無難と言えます。
安くすればするほど売れやすいのは確かですが、Tシャツ1枚を作るのにもコストがかかります。価格設定が低すぎては、たとえ売れても儲けが残りません。
個性的なデザインのTシャツで数千円くらいの価格であれば、買う価値があると筆者は考えます。他の出品者の動向も見ながら、適正な価格を模索してみるといいでしょう。
作り手を応援したいと思わせる
個人が販売しているオリジナルTシャツで気に入った商品が見つかったら、どんな人が作っているのか興味が湧いてきます。Tシャツの販売を通して社会貢献を目指している人や、好きなジャンルをとことん追求しているような人は、ついつい応援したくなってくるものです。Tシャツを購入することで支援につながるのであれば、少しぐらい割高でも「買ってみようかな」という気にさせられます。
商品の販売ページだけでは、クリエイターの人柄やバックグランドまではなかなか伝わりません。SNSやブログ・動画など、他のメディアと連携した情報発信が効果的です。
作品そのものの力で「この人を応援したい」と思ってもらうのが理想ではありますが、発信力があれば多くの人の目に触れるようになります。「面白いTシャツを作ってる人がいる」ということで話題になれば、作り手への興味が売上にもつながっていくはずです。
まとめ
「素人が作ったオリジナルTシャツなど売れるものではない」と思われがちな中で、売るための法則を考察してきました。筆者自身が実際に購入してきた経験に基づいていますので、販売する側にとっても参考にする部分があるかと思います。
「商品の魅力が伝わっていない」「集客力や宣伝が弱い」などは、アパレルメーカーの商品にも共通する売れない要因です。個人がオリジナルTシャツを販売する場合、大量生産された既製品にない個性や希少価値が強みとなってきます。
大量生産に向かないがゆえの魅力が弱ければ、目の肥えたTシャツマニアに興味を持ってもらえません。所有欲をくすぐる仕掛けや商品価値に見合った価格設定も、オリジナルTシャツを売るためには必要になってきます。
その上で作り手の人柄が感じられるように情報発信していけば、売れない状態から脱する道も開けてくるというものです。異論もあるかとは思いますが、1つの考え方として参考にしてみるといいでしょう。