ラッパーの年収はどれくらい?普段の仕事と副業の収入源を解説

副業

かつてはネガティブなイメージで語られがちだったヒップホップも、今やすっかり市民権を得た感があります。アイドルの歌う楽曲の歌詞やCMソングにもラップが使われるようになりましたですが、日本では初心者がラッパーを職業にするのは今なお困難な状況です。

一方で本国アメリカは日本と状況が異なり、巨額の年収を稼ぎ出すラッパーも少なくありません。アメリカと日本のラッパーは何がどう違うのか調べてみると、お国柄の違いも浮かび上がってきます。日本のラッパーは何を収入源としているのか、普段の仕事は何をしているのか、知られざる実態について調査してみました。

当ブログではこれまでに約200種類の副業を紹介してきましたが、ラッパーもまた副業の手段になり得る活動の1つです。ラッパーの活動で収入を得るための方法についても、副業研究家の視点から詳しく解説していきます。

ラッパーとは?

ラッパーというのはその名の通り、「ラップを歌う人」を意味する音楽用語です。Wikipediaではラップについて、以下のように定義されています。

ラップは、メロディをあまり必要とせず、似た言葉や語尾が同じ言葉を繰り返す、韻(ライム)を踏むのが特徴的で、口語に近い抑揚をつけて発声する。曲の拍感覚に合わせる方法(オン・ビート)と合わせない方法(オフ・ビート)がある。

出典:ラップ – Wikipedia

以前からラップに親しんできた人たちの中にはラッパーという呼び方を嫌い、「microphone controller」を略したMCを自称する人も少なくありません。MCと言えば普通は「master of ceremony」の略で、番組やコンサートなどの司会進行役を意味します。

1970年代ニューヨークのブロックパーティーで進行役を務めていたDJがラップの手法を取り入れ、パーティーを盛り上げるようになったのがヒップホップの始まりです。若い世代ほどラッパーの呼称に抵抗を覚えない人が増えているようで、一般向けにはMCよりラッパーを名乗った方が通じやすくなっています。

現在のラップはヒップホップのビートに合わせて歌うのが一般的ですが、必ずしも「ラップ=ヒップホップの歌唱法」というわけではありません。オールドスクールとも呼ばれる初期のラップは、ソウル(R&B)やディスコ・ファンクといったジャンルの音楽をバックに歌われていました。喋るように歌うラップ独特の唱法はロックやポップスなど他の音楽ジャンルにも広まり、1980年代以降に数々のヒット曲を生み出しています。

ラッパーはラップの唱法を専門として歌うミュージシャンを意味し、商業デビューしていない人でも何らかの音楽活動をしていればラッパーを自称することは可能です。日本のラッパー人口については具体的なデータが見つかりませんでしたが、趣味でラップを楽しんでいる人たちを加えると相当な人数に及ぶものと推定されます。

ただし音楽活動だけで生計が成り立つほどの収入を得ている職業ラッパーは、その中でもほんのごく一部の人に過ぎません。収入があっても副業程度の金額にとどまるか、またはラッパーとしての収入がほとんどないという人も少なくないものと見られます。

ラッパーの平均年収は?

ミュージシャン全体の平均年収を示すデータが存在しないように、ラッパーの平均年収について調査した数字も見つかりませんでした。一口にラッパーと言っても著名なビッグアーティストもいれば、一般にはほとんど知られていない自称ラッパーもいます。

ラッパーとして成功を収めた人の中には億単位の年収を稼ぐ人もいますが、売れないラッパーの年収は他の仕事をしないと食べて行けない程度の金額です。そういった末端のラッパーに至るまで全部ひっくるめて年収を集計した調査は実施されていないため、サラリーマンなどと違って平均年収は明らかでありません。

その代わり海外においては、トップクラスのラッパーの年収が毎年発表されています。米国の経済誌フォーブスに掲載された2019年版の「最も稼ぐヒップホップアーティスト」は以下の通りです。

1位:カニエ・ウェスト/ 1億5000万ドル
2位:ジェイ・Z/ 8100万ド
3位:ドレイク/ 7500万ドル
4位:ショーン・コムズ (Diddy)/ 7000万ドル
5位:トラビス・スコット/ 5800万ドル
6位:エミネム/ 5000万ドル
7位:DJキャレド/ 4000万ドル
8位:ケンドリック・ラマー/ 3850万ドル
9位:ミーゴス(Migos)/ 3600万ドル
10位:チャイルディッシュ・ガンビーノ/ 3500万ドル
*出典:「ヒップホップ長者」1位にカニエ・ウェスト、年収160億円 _ Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

このランキングに日本のラッパーは含まれていませんが、本場アメリカのラッパーは稼ぐ金額も桁外れです。必ずしも音楽活動だけでこれだけの金額を稼いだわけではなく、上位にランクされたラッパーの大半は何らかの事業や投資を行っています。ラッパー活動で得た収益を元手に投資し、さらに巨額の収益を稼いでいるのが彼らに共通する特徴です。

日本のラッパーに関しては年収のランキングも発表されていませんが、同じようにサイドビジネスで億単位の年収を稼いでいると推測されるラッパーは存在します。ラッパー活動だけでこれだけの金額を稼ぎ出すのは難しいですが、売れるようになれば年収1,000万円以上を稼ぐことも十分に可能です。

副業で音楽活動をしているラッパーになると、年収100万円に満たない人も少なくないと見られます。当然のことながら音楽活動だけでは生計が成り立ちませんので、正社員の仕事やアルバイトの仕事で食いつなぐしかありません。

日本のラッパーは貧乏?

以上のようなデータを見ると、本国アメリカに比べて日本のラッパーはあまり稼いでいないような印象を受けてしまいます。かと言って日本人ラッパーの全部が全部貧乏というわけではなく、高級外車を乗り回しているような人も少なくないのは事実です。世界のヒップホップ長者ランキングで米国人ラッパーが上位を占めているのは、国民性の違いも一因と見られます。

ヒップホップはもともと起業精神を持つ音楽として誕生した経緯があるだけに、アメリカで成功したラッパーの中にはビジネス感覚に優れた人が少なくありません。音楽活動で得た収益で事業に投資し、さらに巨額の収益へと結びつけるのが米国型ラッパーの典型的な成功パターンです。ラップで稼いだお金で豪遊したり高額な買い物で消費したりしていては、ヒップホップ長者ランキングに入るほどの年収を稼げるようにはなれません。

ヒップホップの世界では商業主義に走るアーティストが軽蔑されがちなだけに、音楽活動だけで巨万の富を築き上げるのは難しいジャンルだと言えます。国内ヒップホップの市場規模は、商業主義が優勢なJ-POPに及びません。

日本に貧乏ラッパーが多いと言われているのも、大衆受けを狙わない音楽ジャンルがゆえの運命とも言えます。米国のラッパーに金持ちが多いのは旺盛な起業精神に加え、ヒップホップの市場規模が日本より大きいという音楽事情の違いも一因です。

副業ラッパーという稼ぎ方

現在ラッパーとしてメジャーデビューを果たした人でも、デビュー当初はなかなか売れずに苦労した例は少なくないはずです。職業ラッパーを自認していても音楽活動だけでは食べていけず、アルバイトの仕事を副業にして食いつないでいる人もいます。ラッパー活動を副業とするのか、それとも他の仕事を副業と見なすのか、その人の考え方次第です。

ラッパーの活動はアルバイトの仕事と違って、時給いくらという形で働いた分だけ確実に給料がもらえるわけではありません。必ず稼げるとは限らない点では副業に不向きですが、自分の好きなことが収入につながり得るという点ではやりがいのある副業です。

生活の基盤はあくまでも会社員の仕事やアルバイトの仕事に置きながら、余った時間を利用してラッパー活動に取り組むスタイルが想定されます。「収入が得られれば儲けもの」ぐらいのつもりでラッパーとして活動していれば、たとえ稼げなかったとしても悲壮感はありません。

副業ラッパーは本業の収入の不足分を補う仕事ではなく、本業では得られない充実感を味わうための活動と考えた方が気が楽です。むしろラッパー活動をとことん楽しむという姿勢で取り組んだ方が上達も早くなり、結果的として収入につながるという場合もあり得ます。

ラッパーがしている普段の仕事とは?

音楽活動で1円も稼いでいないラッパーを含め、職業ラッパー以外は生活のために何らかの仕事をしている人が大半です。そういう人たちが普段している仕事はさまざまで、普通のサラリーマンもいれば、地方議員や僧侶でラッパーをやっている人もいます。

現在の年収が1,000万円前後と推定される人気ラッパーの晋平太さんも、売れなかった頃は郵便配達の仕事をしながら音楽活動をしていました。引越し業者や宅配業者・工事現場でアルバイトをしながら、ラッパー活動を続けている人もいます。

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2000年前後の第1次ヒップホップブームの頃は10代の若者を中心に盛り上がっていましたが、第2次ブームと言われる現在は30代から40代でラップを楽しんでいる人も少なくないのが特徴です。その年代になると社会人として一定の経験を積んでいる人も少なくないだけに、ラップが市民権を獲得するのに大きな役割を果たしてきました。日本でもヒップホップ文化が成熟してきている証拠ですが、今もなおラッパーを職業にするのは困難な状況です。

ラッパーを職業にするのが難しい理由

一般の人の間でヒップホップやラップに対する抵抗は薄れてきているとは言え、初対面の人に「職業はラッパーです」と自己紹介するのは勇気が要ります。そもそもラッパーというのは職業ではなく、「ラップを歌う人」を意味する言葉です。音楽活動で生計が成り立つほどの収入を稼いでいようがなかろうが、自分で自分をラッパーだと思っていればラッパーを自称しても何ら差し支えありません。

それを「職業」と称するには、ラッパー活動で食べていけるほどの収入を得ていることが条件となります。音楽活動だけでは生活できずにアルバイトの仕事をしている人でも、バイトで稼いだ給料をラッパー活動の稼ぎが上回っていれば「職業ラッパー」を名乗ることは可能です。普通はラッパーの活動でそこまでの収入を得るのは難しいことから、職業ラッパーは全体の一握りに過ぎないものと推測されます。

このようにラッパーを本業にするのが困難なのは、職業ラッパーが最大の収益源とすべきCDの売上落ち込みも一因です。これはヒップホップだけに限った話ではありませんが、CDの売上は2000年前後をピークに年々減り続けています。

2000年代からは音楽のダウンロード販売が普及し、近年はストリーミング配信で音楽を聴くスタイルが主流です。CDを発売せず、ストリーミング配信だけで楽曲を発表するラッパーも出てきました。Apple Musicなどの配信サービスを利用すれば、メジャーデビューしていない人でも自分が作った楽曲を配信できるようになります。

その点では職業ラッパーになるハードルが下がったとも言えますが、1再生あたりの収益は1円未満というサービスが大半です。無名のラッパーがストリーミング配信の収益だけで食べていくのは困難なため、他の仕事をしながら食いつなぐ必要があります。

副業ラッパーの主な収入源

ラッパーが収入を得る手段はCDの売上やストリーミング配信など、著作権使用料による収益だけではありません。ライブハウスやクラブでのイベント出演料も、ライブのチケット収入とともにラッパーを潤す収益源の1つです。

とは言えそれほど有名でないラッパーの場合は、イベントへの出演料も1回あたり数万円程度と見られます。時給換算では1万円以上稼げる計算となりますので、ライブやイベントへの出演を副業と見なせば割のいい仕事です。

フリースタイルで活動を行うラッパーの中には、MCバトルなどの大会に出演して賞金獲得を狙う人も少なくありません。そう簡単に賞金を獲得できるものではありませんので、これも副業の手段としては確実性の低い方法です。

ヒップホップはファッションと相性の良い音楽ジャンルだけに、自分でアパレルブランドを運営したりグッズ販売で稼いだりしているラッパーも少なくありません。たとえ音楽活動そのものの稼ぎは少なくても、ラッパーとしての知名度が上がればサイドビジネスの成功につながります。

著名なラッパーの中にもYouTubeチャンネルを開設している人は増えていますが、YouTubeやライブ配信アプリは無名のラッパーがファンを獲得する手段としても効果的なメディアです。音声配信メディアのポッドキャストも含め、副業ラッパーの収入源となり得る手段は他にもいろいろと考えられます。

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YouTuberのラッパーはどれだけ稼げる?

人気ラッパーの晋平太さんはYouTuberとしても有名で、Yo!晋平太だぜ Rapsはチャンネル登録者数19.2万人、累計の視聴回数は約6,000万回を誇ります。YouTubeで稼げる広告収入は、1再生あたりの平均で0.1円前後が目安とされる数字です。単純計算しても、晋平太さんはYouTubeチャンネルだけで600万円以上の広告収入を稼いでいるものと推定されます。

もちろん無名のラッパーがYouTubeチャンネルを開設したとしたところで、これだけの収益をすぐに稼げるようになるわけではありません。YouTubeで広告収入で稼ぐには、パートナープログラムへの登録が必須です。チャンネル登録者数1,000人以上、直近12 か月間で4,000時間以上の総再生時間が参加資格を満たす条件となっています。

この条件を満たすまでは、ほとんど無収入の間もYouTubeに動画を投稿し続ける努力が必要です。条件をクリアしてパートナープログラムへの登録が実現できれば、動画の再生回数に応じた広告収入を稼げるようになります。投稿した動画が1カ月に合計10万回再生されれば、1万円前後の月収になる計算です。

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これくらいのレベルになれば、YouTuberもラッパーの副業として現実味を帯びてきます。実際にはここまで到達するのがなかなか大変なため、稼げないままYouTuberをやめてしまう人も少なくありません。

むしろ17LIVESHOWROOMふわっちのようなライブ配信アプリの方が、ファンの少ないラッパーでも投げ銭収入で稼げる可能性があります。YouTube Liveにもスーパーチャットという投げ銭機能はありますが、利用するには前述のYouTubeチャンネルで広告収入を受け取る条件を満たしていることが必要です。

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副業ラッパーの稼ぎ方まとめ

お金を稼ぐことを目的とせずにラッパーとして活動している人も多いですが、その気になれば副業の手段になり得るのがラップの面白さです。J-POPほど商業主義に染まっていない音楽ジャンルだけに、よほど有名にならない限り職業ラッパーとして生計を立てていくのは困難な状況にあります。

生活を維持する収入の手段を他に持っていれば、副業ラッパーとして自由に活動することも可能です。不足しがちな収入を増やす手段としては必ずしも効率的な「仕事」ではありませんが、趣味と実益を兼ねた副業には十分になり得ます。

アメリカで成功を収めたラッパーのように大きく稼ぐには、音楽活動で得た収益で他のビジネスに投資するのが鉄板です。サイドビジネスや投資には失敗のリスクも付きものですので、それだけの勇気を持てるかどうかが成功の鍵となってきます。

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