棚卸しバイトは意外ときつい?仕事を楽にするコツを経験者が解説

スーパーの食料品売り場と棚卸しのイメージ副業

求人サイトに募集が掲載されている棚卸しのアルバイトは、店舗や倉庫で商品を数えるだけの簡単な仕事です。重い荷物を運んだり接客したりする必要がないため楽な仕事に見えますが、実際に働いてみた人の中には「意外にきつい」と言っている人も少なくありません。

本当のところはどうなのか、スーパー業界で何度も作業を経験してきた筆者が棚卸しの実態を公開します。単調になりがちな作業を楽にするコツについても、記事の後半で詳しく解説しておきました。

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棚卸しとは

辞書

棚卸しの作業を一言でわかりやすく言えば、「商品の数を数える仕事」ということになります。何のために数を数えるのかと言うと、決算書を作成するのに商品の在庫を把握する必要があるからです。

普通は決算月にのみ棚卸しを行いますが、筆者の勤務していたスーパーでは月次決算で月末ごとに棚卸しを実施していました。工場やオフィスなどの場合、商品の原材料や資材・備品なども棚卸しの対象となります。スーパー業界でも生鮮部門や惣菜部門は資材の棚卸しが欠かせませんが、アルバイトを雇うほど大量の人員が必要になるのは商品数が多い部署です。

筆者は一般食料品部門や日配部門を担当していたため、大量の商品を数える棚卸し作業には毎月忙殺されていました。作業は一日がかりとなるのが普通でしたが、月末と言えども日常業務はあります。棚卸し作業の分だけ仕事が増えることになるため、月末には深夜まで残業するのが常態化していました。

予算に余裕のある企業は従業員の負担を軽くする目的で、こうした棚卸し業務を代行業者に外注しています。棚卸し作業だけを専門に行うアルバイトも随時募集され、依頼があった店舗や倉庫などに派遣されているというわけです。

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決算に棚卸しが必要な理由とは?

売上から仕入額を単純に引いただけでは、期間内の正確な収益(粗利益)を把握できません。損益計算を正確にするには、在庫の金額を計算に入れる必要が出てきます。

売上から仕入額を引いた金額に在庫金額の増減分をプラスまたはマイナスした数字が、実質的な粗利益となる計算です。前月より在庫が増えていれば粗利益が「売上-仕入額」よりプラスになり、減っていればマイナスということになります。

棚卸しバイトの仕事内容

ハンディターミナルを持つ男性スタッフ

棚卸しバイトの主な仕事は、依頼先の店舗や倉庫にある商品を数えて記録する作業です。かつては「棚卸表」の用紙を大量にコピーしておいて、商品名と数量を手書きで記入していました。現在はバーコードを読み取るハンディターミナルの機械を使用し、数えた商品の数量を入力する方式が一般的です。

手書きの時代には2人が1組となって1人が商品を数え、もう1人が棚卸し表に記入することで作業を効率化していました。ハンディターミナルを使うようになってからは、1人で商品を数えて端末に入力するのが基本です。端末に入力されたデータをパソコンに送信する必要がありますので、その操作が仕事内容に加わる場合もあります。

棚卸しバイトのきついところ

棚卸しの作業は誰でもできるような単純労働と思われがちですが、「きつい」という声も多く聞かれます。それほど体力を使う仕事とは見えないのに、棚卸しバイトが「きつい」と感じられるのはどうしてなのでしょうか?

筆者も棚卸し作業は嫌というほど経験してきましたので、この仕事の大変さは身にしみるほどよくわかります。毎月月末が近づくと、「また棚卸しをやらなければならない…」と気が重くなるほどでした。

鮮魚や青果など生鮮部門と比べ、筆者が担当していた一般食料品や日配品は商品の種類が桁違いに多い部門です。日持ちのする商品が多い関係で在庫数も生鮮部門より全般に多く、商品を数える作業にも時間が余計にかかります。

数取器

数をカウントするだけの作業は一見簡単そうですが、数え間違いは許されません。大量の商品を正確に数えるためには長時間にわたっての緊張を強いられるだけに、品出し作業以上に神経をすり減らす仕事です。後述するようなコツをつかんでからは棚卸しの作業もだいぶ楽になりましたが、単純作業が苦手な人は余計に「きつい」と感じられる可能性があります。

店舗によっては閉店後に棚卸しを行うケースも多く、深夜の作業は眠気との戦いです。筆者の場合も日中だけでは棚卸しが終わらず残業になるのが常で、夜遅くなると眠気に耐えながらの作業でした。棚卸しを専門に行うアルバイトで夜勤シフトに入った場合、夜昼逆転の生活を強いられることになります。

アイスや冷凍食品など冷凍庫の在庫を数える作業は寒さとの戦いで、真夏でも防寒具が必要になるほど過酷な作業でした。店内の棚卸しでも乳製品や漬物類など、要冷蔵・要冷凍の商品を数える作業をしていると体が冷えられてしまいます。それでなくても体を屈める姿勢で長時間作業を行うことになるため、腰や膝が痛くなりがちです。

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棚卸しバイトの楽なところ

簡単なイメージ

以上のような大変さがある一方で、棚卸し作業には他のアルバイトより楽な一面もあります。商品の数を数えるのに特別なスキルは不要で、仕事そのものはそれほど難しいものではありません。数え間違えないようにするには気を張って作業をする必要があるとは言え、仕事そのものが簡単だという点では楽なバイトだと言えます。

棚卸しを専門に行うアルバイトの場合、2人1組や数人でチームを組んで作業を行う例も珍しくありません。商品の数を数える作業そのものは1人で行うのが一般的で、接客を伴うアルバイトの仕事より気が楽です。

長時間作業を続けていると腰や膝に負担がかかる可能せもありますが、重い荷物を運んだりする仕事のように体力を使うわけではありません。体力的な負担の面では他のアルバイトより楽な部類で、女性でも始めやすい軽作業の一種です。

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棚卸しバイトの応募方法

履歴書

アルバイト求人サイトで「棚卸し バイト」と打ち込んで検索すると、数多くの求人がヒットします。求人数は豊富なように見えますが、棚卸し以外の作業が仕事内容に含まれる求人も少なくありません。

小売店や倉庫では従業員が棚卸しを担当する例も依然として多く、仕事内容の中に棚卸し業務が含まれるというイメージです。普段は品出しやレジ打ち・仕分け・シール貼りなどの作業に従事し、決算の時期のみ棚卸し業務を行うことになります。

規模の大きい店舗では棚卸しに大量の人員が必要になるため、決算月になると臨時バイトを募集するのが常でした。最近はそうした企業を顧客として、棚卸し代行ビジネスが成り立っています。

店舗や倉庫で直接募集する棚卸しの臨時バイトは、求人サイトに掲載されない場合も珍しくありません。棚卸しのアルバイトをするには、代行会社や派遣会社で募集している求人を見つけて応募する必要があります。それぞれのケースに分けて、アルバイトの応募方法を紹介します。

棚卸し代行会社の求人募集状況

アルバイト求人サイトで検索してみても、「仕事の一部に棚卸し業務も含まれる」求人が多く表示されてしまいます。「棚卸しの仕事だけに専念したい」という人にとっては、希望の求人を見つけるのが大変な状況です。

近年は棚卸し業務の外注需要が増えているため、棚卸し代行サービスが数多く登場しています。サービス運営会社の中にはアルバイトの求人を募集してるところも多く、総合型求人サイトを通さずにHPから応募することも可能です。

この記事を書いた2022年2月の時点では、以下の代行会社で棚卸しスタッフの求人募集が確認されました。

募集地域が限定されている場合もありますので、各HPで詳細を確認の上で応募を検討してみるといいでしょう。

単発バイトが募集される例も

棚卸し代行会社にアルバイトのスタッフとして採用された場合は、その日によって違う職場で作業を行うことになります。棚卸しの要請を受けるたびに、代行会社が依頼先の店舗や倉庫に必要人数のスタッフを派遣しているからです。

中には代行会社を利用せずに、自社で棚卸しのアルバイトを募集している会社もあります。品出しやレジ打ちなどで継続雇用されるアルバイトとは別に、1日限りのアルバイトとして単発で採用される例も珍しくありません。そうした単発バイトの募集は総合型のアルバイト求人サイトに掲載されない場合が多く、これまでは求人を見つけるのが困難でした。

シェアフルのようなスポット求人に特化したバイト探しアプリには、単発の棚卸しバイトも見つかる可能性があります。1日限りの棚卸しバイトがしたい人は、アプリをダウンロードした上で登録してみるといいでしょう。

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棚卸しの繁忙期

決算のイメージ

筆者が勤務していたスーパーでは月次決算を採用していたため、月ごとに棚卸しを行って正確な在庫金額と粗利益高を計算する必要がありました。小売業を営む企業の中にも同じように毎月棚卸しを実施するところはありますが、決算月のみ棚卸しを行うという店舗や倉庫も少なくありません。そういう企業からの依頼が増えることから、棚卸し代行会社でも決算月が集中する時期が繁忙期です。

決算月は3月や9月という例が多く、6月や12月に決算を行う企業もあります。半期ごとや四半期ごとに決算を行う企業も少なくないことから、3ヶ月から半年ごとに繁忙期が巡ってくる傾向も見られます。棚卸しバイトの仕事も12月から3月にかけての時期が繁忙期となりますが、7月から9月にかけての時期も仕事が集中しがちです。

繁忙期には棚卸し代行会社でも人員が不足気味になるせいか、求人の募集も増えてきます。単発の棚卸しバイトが多く募集されるのも、企業の決算が集中する繁忙期が中心です。繁忙期以外の月は求人も少なくなりますが、毎月棚卸しを行っている企業からの依頼もあるため、仕事がまったくなくなることはありません。

棚卸しバイトの時給相場

前述の棚卸し代行会社で募集している求人を見ると、時給の金額は勤務場所や勤務時間によって結構な差があることに気がつきます。棚卸しバイトは「楽な仕事のわりに時給が高いので稼げるバイト」とも言われていますが、どの時間帯でも時給の相場が高いというわけではありません。

営業中の店舗で棚卸し作業をすると来店客の邪魔になるため、営業時間外に作業を行う方が望ましいとされています。棚卸しを外注している店舗の多くは閉店後の作業を指定してくるだけに、派遣されるスタッフの勤務時間はどうしても深夜に偏りがちです。22時から翌朝5時までの勤務に対しては深夜割増賃金が適用され、時給が1.25倍に上がります。

時計とお金

棚卸し代行会社にアルバイトのスタッフとして採用された場合、日中の勤務であれば時給は1,000円前後が平均的な相場です。東京都など都市部の時給は1,100円前後ですが、地方では900円台という例も見受けられます。深夜のシフトに入ると時給が1,300円前後に上がり、1,500円という求人もあります。

コンビニバイトの時給は東京都で1,100円前後、低い県になると800円台というのが平均的な相場です。これに比べれば棚卸しバイトの時給は全般に高めですが、コンビニバイトより深夜勤務の割合が多いのでは当然と言えます。

棚卸しバイトでも日中のシフトに入った場合の平均時給は、そこまで高水準というわけではありません。しっかりと稼ぎたい人は勤務時間の欄をチェックし、夜勤で働ける求人を探してみるといいでしょう。

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棚卸し作業のコツ

便利なハンディターミナルを使うようになったことで、棚卸しも以前より格段に楽な作業となりました。今の時代に棚卸しのアルバイトをする人は恵まれているわけですが、それでも大量の商品を1個1個数えて数字を入力する作業には時間がかかります。

棚卸し作業は正確さと同時にスピードも求められるため、必要以上に時間をかけているわけにはいきません。速さと正確性を両立させるには、素早く数えるコツを自分なりにつかんでおく必要があります。

人によってやり方は異なりますが、商品を2個単位で「2・4・6・8・10」というふうにカウントするのがオーソドックスな数え方です。基本的には片方の手でハンディ端末を持ち、もう片方の手で商品を数えていきます。作業の経験を積むことで速く数えるコツがわかってきますので、先輩スタッフで数えるのが速い人がいたら真似をしてみるのもいいでしょう。

ポイントのイメージ

筆者は学生時代にも一度棚卸しのアルバイトをやったことがありましたが、単調な作業の連続は苦痛そのものでした。当時は棚卸しを行う意味も知らなかったせいか、ただひたすら数を数えるだけの作業に途中で飽きてしまったのです。

後年になって自分でスーパーの一部門を担当するようになると、無味乾燥な棚卸しの作業にも1つ1つ意味を持ってきます。棚卸しの結果から計算された在庫の金額は、「仮の収益」として粗利益高にプラスされる数字です。この金額が多いか少ないかで、粗利目標が達成できるかどうかが決まってくることもあります。

そうした意味では商品の1つ1つが、お金と同等の価値を持つ貴重な存在です。そういう意識を持つようになってからは単調な棚卸し作業も大きな意味を持つようになり、以前のような苦痛も感じなくなりました。お金を数えるような意識をもって商品を数えれば、棚卸しバイトの仕事も少しは楽になるはずです。

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まとめ

スーパーの食料品売り場

棚卸しバイトは商品を数えるだけの簡単そうな仕事のように見えて、スピード正確さの両立が求められる仕事です。初心者のうちは正確性を重視して丁寧な作業を心がけ、慣れてきたところでスピードアップしていくのが無難な取り組み方と言えます。慣れないうちは単調な作業の連続で精神的に苦痛を感じるかもしれませんが、数えるコツがわかってくればゲーム感覚で任務をこなしていくことも可能です。

店舗閉店後の深夜に作業を行う例が多いことから、眠気との戦いも制する必要があります。要冷蔵・要冷蔵の商品を数える作業で体が冷えられたり、腰や膝に負担がかかったりする点も、棚卸しバイトが「きつい」と感じる理由の1つです。

特別なスキルが不要で接客を行う必要もないだけに、棚卸しバイトは黙々と作業をするのが好きな人に向いています。夜間の勤務が苦にならければ、他のアルバイトより時給の相場も高めです。繁忙期以外でも求人は募集されていますので、棚卸し代行会社のHPや単発バイトアプリで求人を探してみるといいでしょう。

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