何年か前にテレビで紹介されて以来、「海岸で拾ったシーグラスを売れば儲かる」という噂が広がりました。シーグラスはハンドメイドなどの材料になるため、結構な需要があるのも確かです。
一方では拾ったシーグラスをメルカリなどで売る人が増えた結果、販売価格は下落傾向にあります。競争が激しくなったせいか、「思ったより儲からなかった」という声も少なくありません。
当ブログではこれまでに、海や川・山などで拾って売れるものを20種類以上紹介してきました。シーグラスについても同じ法則が当てはまりますので、実際にいくらで売れるのか調べた結果を紹介します。
記事の後半ではシーグラスを拾える場所や、見つけるコツについても詳しく解説しておきました。この記事を読めば、ただで拾ったものを売ってお金を稼げるようになります。
シーグラスを売る副業が「儲かる」と話題に!
ここ数年、「海で拾ってきたシーグラスをメルカリで売る」副業が話題となっています。テレビの情報番組で紹介されてから、「儲かる副業」というイメージが一気に広がりました。
そもそもシーグラスというのは、ガラス瓶が波の作用で細かい破片となった漂着物です。ゴミも同然だったものが、本当に売れるのでしょうか?
メルカリで検索してみると、シーグラスがたくさん出品されています。「SOLD」となっている商品も数多くあるので、実際に売れているのは確かです。
「拾ったシーグラスを売る」というのは、2016年~2017年頃から出てきたものと推定されます。Googleの期間限定検索だと、2015年以前は該当する情報が表示されません。
2020年頃までは珍しい稼ぎ方の部類でしたが、2021年以降は「シーグラスを拾って売る方法」について書かれた記事が急増します。この時期にテレビでも紹介され、副業手段としての認知度が上がったのが一因です。
新規参入する人が増えた結果、現在はメルカリでもシーグラスの出品は飽和状態にあります。出品価格も下落傾向で、以前ほど「儲かる副業」でなくなってきた感は否めません。
一方では、シーグラスの販売でそれなりの儲けを出している人がいるのも事実です。売るコツさえつかめば、副業として十分に成り立つものと期待されます。
ただで拾ったシーグラスが売れる理由
シーグラスの販売がこれほど盛り上がっているのは、「ただで拾ったものだから元手は0円」というのが大きいです。もともとはゴミとして流出したガラス瓶が、自然の作用でシーグラスに変化します。
工業生産された商品と違って、海岸や川などで拾った自然物を売るのに仕入れ値はかかりません。それでいてシーグラスは、ハンドメイド作品などの材料として一定の需要があります。特に赤や黄色など暖色系の色や珍しい色のものは、フリマサイトでも高値で取引される状況です。
海岸などに落ちているシーグラスをハンドメイドの材料にするには、いろいろと手間がかかります。海の近くに住んでいる人でもない限り、シーグラスを拾いに行くだけでも時間がかかるはずです。拾ってきたシーグラスを洗って乾燥させたり、選別したりするにも手間がかかります。
メルカリなどを利用してシーグラスを購入しているのは、個人のハンドメイド作家に限りません。シーグラスを使ったアクセサリーや小物を製造・販売している業者が、材料を仕入れるのにメルカリを利用する場合もあります。
シーグラスが落ちている場所へ行くまでの交通費や駐車場代に加え、洗浄や消毒に要する費用も無視できません。経費をかけてシーグラスを自社で用意するよりも、メルカリで購入した方が安上がりです。
元手0円の自然物でも、商品化するには手間やコストをかける必要があります。手間がかかる作業を代わりにやってあげるからこそ、ただで拾ったシーグラスにも買い手がつくといういうわけです。
シーグラスの販売方法
拾ってきたシーグラスを洗浄・消毒してしっかりと乾燥させたら、次は販売に向けた作業に移ります。リサイクルショップや貴金属買取店舗に持ち込んでも、天然のシーグラスは買い取ってもらえないのが普通です。知り合いの雑貨店などに置かせてもらうのでない限りは、インターネットを利用して販売することになります。
メルカリのようなフリマサイトに出品するにしても、Yahoo!オークションに出品するにしても、拾ったシーグラスが何でも売れるというわけではありません。畑や家庭菜園で採れた野菜を出品するのと同じように、売れそうなものを選別する必要があります。
サイズや色でシーグラスを選別してから、写真を撮影して説明文も作成します。送料や梱包費用などを計算に入れて利益が残るように価格設定したら、あとは出品して売れるのを待つだけです。
出品したシーグラスが売れたら丁寧に梱包し、指定された住所宛てに発送します。荷物が購入客のもとに届いた後に、売上から手数料を引いた金額が振り込まれるという仕組みです。
インスタグラムなどのSNSを通じて直接販売することも可能ですが、集客にはそれなりの工夫が欠かせません。すでに多くのフォロワーを持つ人でない限りは、販売プラットフォームを利用した方が売りやすいと言えます。
シーグラスを販売するのによく利用されているのは、以下のようなプラットフォームです。
- メルカリ
- Yahoo!オークション
- minneなどのハンドメイドマーケット
- BASEなどのネットショップ
メルカリ
シーグラスの販売で最も多くの人に利用されているのは、売る方も買う方も手軽に使えるフリマアプリのメルカリです。海や川で拾ってきたものと見られるシーグラスが数多く出品されていて、「完売」となっている商品も少なくありません。
シーグラスの販売にメルカリを利用する一番のメリットは、ユーザー数がとにかく多いという点です。ハンドメイドやシーグラスアートに興味を持つユーザー層とも重なってくるだけに、「シーグラスを売るならとりあえずメルカリ」という雰囲気もあります。
ここ数年はメルカリにシーグラスを出品する人も増えたため、なかなか売れずに在庫を抱える人も出てきている状況です。ライバルが多い中で選んでもらうには、出品の工夫も必要になってきます。
メルカリに出品した商品が売れた場合に、売上から引かれる販売手数料は10%です。送料も出品者側で負担するのが当然という雰囲気ですので、手数料と送料を計算に入れて価格設定する必要があります。
Yahoo!オークション
旧ヤフオクのYahoo!オークションにも、シーグラスは数多く出品されています。この記事を書いた時点では、オークション出品と定額出品を合わせた出品数は2,700件以上でした。
シーグラスのオークション出品は定額出品の5分の1以下ですが、過去180日間に1,000件以上が落札されています。オークションで価格が吊り上がる場合もありますので、メルカリより高く売れる可能性のある出品方法です。
Yahoo!オークションに出品して売れた場合に売上から引かれる手数料はメルカリと同じ10%ですが、有料のYahoo!プレミアム会員は8.8%です。Yahoo!オークションでは送料を落札者の負担としている例も多く見られます。
ハンドメイドマーケット
シーグラスはハンドメイド材料として需要があるせいか、minneやCreema(クリーマ)のようなハンドメイドマーケットにも出品されています。シーグラスを使ったハンドメイド作品だけでなく、海などで拾ってきたシーグラス自体も「ハンドメイド素材」のカテゴリで出品は可能です。
ハンドメイド作家からすれば、素材の仕入れから完成品の販売まで1つのサイトで完結するメリットがあります。ライバルが多いメルカリあたりでなかなか売れない場合は、ハンドメイドマーケットにも出品してみるといいでしょう。
売上から引かれる販売手数料はminneが10.56%で、Creemaが11%です。送料は購入した人が負担する例が多いですが、中には「送料0円」を売りにしている出品者もいます。
ネットショップ
インターネットでシーグラスについて検索していると、シーグラスを独自に販売している通販サイトが結構あることに気がつきます。検索結果に表示されたネットショップを運営しているのは、必ずしも企業とは限りません。BASEやSTORESなどのサービスを利用して、個人でネットショップを開業しているケースもよくあります。
自分で集客する必要はありますが、独立したネットショップなら売り方も基本的に自由です。集客に成功してリピート客がついてくれれば、ライバルとの競争に消耗することもなくなります。
ネットショップのサービスとプランによって料金は変わってきますが、売上から引かれる手数料もメルカリなどに出品するよりお得です。SNSなどを通じて集客する見込みがある人は、個人でネットショップを運営する販売方法も検討してみるといいでしょう。
シーグラスはいくらで売れる?
「シーグラスは儲かる」と言われていますが、実際にどれくらいの値段で売れているのでしょうか?元手は0円ですので、安くしか売れなかったとしても儲けはあるはずです。高値で売れれば、収益性はさらに高くなってきます。
メルカリの例で見ると、シーグラスの出品価格は1,000円前後という例が多いです。たくさんのシーグラスをまとめて出品したセット販売が主流となっています。
個数ではなくグラム数で分量を表記する例が多く、1セットあたりのグラム数は出品によってさまざまです。個数やグラム数を表記しない場合、写真を何枚も載せて分量がわかるように工夫されています。
出品価格で1,000円前後が多いのは、ハンドメイ材料として購入する場合の値頃感が反映された数字です。メルカリ最低価格の300円で出品している人もいますが、送料を自己負担すると収益がほとんど残りません。評価を上げる目的で、敢えて低価格で出品している人も少なくないと見られます。
逆にシーグラスで5,000円以上の価格設定だと、割高に感じられるためなかなか売れません。最も売れやすくてある程度の利益も残るのが、1,000円前後の価格帯というわけです。分量を増やしたりレアカラーを混ぜたりして2,000円~3,000円程度に価格設定し、それなりに完売している出品の例も少なくありません。
同じ価格でも中身を変えれば、収益性が大きく変わってきます。大量のシーグラスを1,000円でまとめ売りするのと比べ、半分の分量を2回に分けて同じ1,000円で売れば、合計の売上が2倍になる計算です。分量のわりに価格設定が割高だと売れにくくなりますので、グラムあたりの価格相場も把握しておく必要があります。
シーグラスの価格相場
シーグラスはAmazonや楽天市場などの大手通販サイトでも売られていますが、赤や黄・オレンジなどのレアカラーは少ない印象があります。比較的多く出回っている白や寒色系・茶色のシーグラスに限ると、100gあたりの価格相場は以下の通りです。
- 水色系 1,400円前後
- 白色系 1,300円前後
- 緑色系 1,500円前後
- 茶色系 400円前後
メルカリを利用してシーグラスを購入しようとする人は、相場より安く買いたいと思っています。出品者が設定した価格の平均値も、大手通販サイトより全般に低めの印象です。
メルカリでは水色系のシーグラスを500gまとめて出品して、価格設定は約1,000円という完売例もありました。赤やオレンジ色などのレアカラーを混ぜた出品だと、100g未満でも1,000円で売れた例が見られます。
拾ったシーグラスを高く売るコツ
元はただで拾ってきた漂着物とは言え、どうせシーグラスを売るなら少しでも高く売りたいものです。元手0円でもハンドメイド材料などに使ってもらうには、入念な洗浄と消毒・乾燥の作業が欠かせません。商品化するのに費やした労力に見合うだけの対価が得られないことには、損をした気分になってしまいます。
高めの価格設定でも購入ボタンを押してもらうには、実際に売れている人の例を見て学ぶのが一番です。メルカリに出品されているシーグラスを検索して、販売状況「売り切れ」で絞り込みます。どういう出品の仕方をした人が売れているか実例を見てみて、取り入れるところは取り入れるのが近道です。
値頃感のある価格に設定するのは当然ですが、売れている商品には以下のような共通した傾向が見られます。
- ある程度の数量(分量)をまとめ売りする
- レアカラーを加えてセット販売する
- 色やサイズ・形を揃えて統一感を出す
- 角が取れて欠けがないものを選別して売る
- 傷や汚れのあるものは「訳あり品」として格安で出品
- 貝殻や珊瑚・流木などをおまけに付けて売る
メルカリでもハンドメイドマーケットでも、出品の際には掲載する写真に工夫が必要です。室内で撮影した写真はどうしても暗く写りがちですが、明るく撮影された写真の方が印象も良くなります。レフ板を使ったりして補助光を上手に活用し、できるだけ明るく写るように工夫してみるといいでしょう。
シーグラスを雑然と並べただけの写真では、購入意欲がそそられません。売れている人は粒を揃えたシーグラスを円形や放射状に並べてみたり、渦巻きの形を作ってみたりして、見栄えが良くなるように工夫しています。
大きさがわかりやすいように1円玉などの硬貨を入れて、一緒に撮影するのもよく使われるテクニックです。木目調のテーブルの上にシーグラスを並べたり、おしゃれな器に入れて撮影したりするやり方もあります。
実物を手に取って確認できない販売方法だけに、写真の演出でアピールするだけではまだ十分と言えません。写真だけでは伝えきれない特徴や使い道・注意点などを、説明文でていねいに書いておく必要があります。
- どの場所で採取したのか
- 洗浄・消毒済み
- 梱包・発送方法
といった情報まで詳しく説明しておけば、購入する方も安心して注文できます。購入者からの評価も次回以降の売れ行きに影響してきますので、「丁寧な梱包」と「迅速な発送」も欠かせない要素です。
シーグラスの梱包・発送方法
もともとはガラス瓶だったものだけに、シーグラスには割れやすいという弱点があります。簡易包装でも送れないことはありませんが、破損した状態で届いたのではマイナス評価されかねません。シーグラスを梱包する際には、プチプチなどの緩衝材で保護するのがおすすめです。
メルカリでシーグラスを販売している人のほとんどは、らくらくメルカリ便のネコポスを利用して商品を発送しています。210円の送料で小さな荷物を送れるため、シーグラスの発送に最適な発送方法です。
ネコポスで発送するには、厚さ3cm以内で重さ1kg以内に収める必要があります(縦横サイズにも制限あり)。ネコポスに使えるクッション封筒や段ボール箱は、メルカリストアや一部のコンビニで購入が可能です。
まとめ
海や川で拾ってきたシーグラスを販売するまで、一通りのやり方について解説してきました。「シーグラスは儲かる」と言われていますが、そう簡単な話ではないことがおわかりいただけたでしょうか?
元手0円のシーグラスが売れるのも、工業製品に近いレベルまで清潔な状態にすればこその話です。拾ったシーグラスをハンドメイドなどの材料にするには、洗浄や消毒などで手間がかかります。洗剤類や道具などの経費に加え、遠方に住んでいる人は拾いに行くための交通費もばかになりません。
それらの手間や費用を負担する代わりに、お金を払って綺麗な状態のシーグラスを手に入れたいという人が大勢いるのも確かです。海岸の近くに住んでいる人にとっては稼ぐチャンスですが、シーグラスを売る人も増えてきています。メルカリなどに出品してシーグラスを売るには、ライバルの上を行く工夫が欠かせません。
シーグラス拾いは自然に親しみながら取り組めるだけに、リフレッシュ効果が期待できる副業です。普段デスクワークの仕事や主婦業などに追われている人にとっては、格好の気分転換にもなります。この記事で紹介した情報を参考にしながら、海や川でシーグラスを探してみるといいでしょう。