SNSで有名人なりすましが相次いでいる理由とは?詐欺には要注意

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TwitterやInstagramなどのSNSは知らない人同士がネット上で自由にやり取りできるだけでなく、一般の人が有名人と交流する場としても利用されてきました。そんな便利さの一方で、最近は著名人のふりをしてフォロワーを欺く「なりすまし」行為が相次いでいます。TwitterやInstagramは必ずしも実名で登録する必要がないだけに、いくらでも偽アカウントを作れる状況です。

有名人の知名度を悪用したなりすまし行為にはどういう目的があるのか、詐欺サイトへの誘導も懸念される手口について最新情報をまとめてみました。このような偽アカウントを見抜くコツに関しても、記事の後半で詳しく解説します。

SNSで有名人なりすましが続出

知名度の高い芸能人はSNSでもなりすましの標的にされやすい存在ですが、ここに来て有名政治家の名前まで使われる事態となっています。Instagramで河野太郎行政改革担当大臣のなりすましが出現し、フォローした人に怪しいメッセージを送りつけているのです。

問い合わせた人物に届いたというメッセージは、河野大臣の写真を使った「KONO TARO」名義のアカウントから届き、「こんにちは勝者 おめでとう今日2020年に私は勝者にプライベートメッセージで連絡します」「今すぐ500000円を入手して、ここに登録してください」と、怪しいリンク先が記載されている。(出典:デイリースポーツ

Instagramではお笑い芸人カズレーザーのなりすましも確認されており、フォローした人が同様のメッセージを受け取っています。

いずれの例でも50万円の現金プレゼントと称して、ダイレクトメッセージに貼られたURLをクリックさせようとする手口です。指示通りにクリックした先のサイトで登録しようとすれば、個人情報の入力を求められるものと見られます。

詐欺に誘導される可能性もあるこうした不審な有名人なりすまし行為も、以前は迷惑メールの形で送りつけるのが常套手段でした。海外では数年前から有名YouTuberを騙ったなりすましも登場し、同様にプレゼントで釣ってURLをクリックさせようとする手口が確認されています。河野大臣やカズレーザーのなりすましはそのSNS版とも言える例ですが、メッセージの日本語が少々不自然な点を考えると、外国人が関わっている可能性も否定できません。

有名人になりすます目的とは?

SNSやYouTubeで有名人になりすましている人は、いったいどのような目的でこうした迷惑行為に及んでいるのでしょうか?

考えられる目的としては、以下のような4つのパターンが考えられます。

  • 単純な愉快犯
  • ターゲットとする有名人を貶める目的
  • 個人情報の取得目的
  • 金銭目的

それぞれ詳しく見ていきます。

単純な愉快犯

有名人なりすましの目的で最も単純な動機は、世間を騒がせてやろうという邪な欲望を抱いた愉快犯の例です。Twitterは匿名性が高いだけに、著名人を装った偽アカウントも簡単に作れる状況にあります。同じく実名登録でなくてもアカウントを開設できるInstagramなども含め、SNSは著名人のふりをして偽のメッセージを発信することが可能な状態です。

その人のファンだからという単純な理由でなりすまし行為に走る人もいますが、ファンでもない人が偽物を演じている例も少なくありません。著名人の持つ知名度を利用して不適切なメッセージを発信し、世の中を混乱に陥れようとするのが典型的な愉快犯の発想です。

有名人を貶めようとする目的

そうした愉快犯の行為がさらにエスカレートすると、ターゲットにされた著名人の評判を貶める結果にもつながってしまいます。そういう行為に走る人は標的とする有名人のファンではなく、むしろ恨みや妬みの感情を抱いている例が多いものです。

ライバル関係にある別の著名人のファンが、相手の評判を貶める目的でなりすまし行為を働くという可能性もあります。SNSでわざと不適切な発言をしてみたり、炎上につながる行為を写真や動画で撮影して投稿してみたりするのが典型的な手口です。

個人情報の取得目的

Instagramに出現した河野大臣やカズレーザーのなりすましは、URLをクリックさせて登録サイトに誘導しようとするのが目的と見られます。実際に登録してしまった人がいるのかどうかは現時点でまだ明らかになっていませんが、クリック先に移動すれば氏名や住所・電話番号・メールアドレスなど個人情報の入力を求められるはずです。

なりすましの目的が単なる愉快犯や誹謗中傷でないとすれば、こうした個人情報の収集を狙っている可能性があります。取得した個人情報が何らかのマーケティングに利用されるだけならまだしも、特殊詐欺などの犯罪に利用される危険性があるという点には注意が必要です。

金銭目的

個人情報の収集も最終的には同じ目的につながりますが、SNSにおける有名人なりすましで最も厄介なのは金銭目的のケースです。著名人を騙ったSNSアカウントを利用して集客し、広告が貼られてあるサイトに誘導して広告収入を稼ごうとする目的であれば、実害も比較的少なく済みます。

URLをクリックさせた先にフィッシング詐欺のサイトを用意してあるような例になると、個人情報を盗み出されるだけでは被害が済みません。クレジットカード情報を入力した場合はカードが勝手に使われ、後で身に覚えがない高額の請求が来る事態を招いてしまうのです。同じようなフィッシング詐欺の被害はSNS上での有名人なりすましだけでなく、企業を装ったメール送信やiPhoneカレンダーへの通知など、さまざまな手口が確認されています。

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有名人なりすましは違法?

SNSやYouTubeなどで有名人になりすますのはとんだ迷惑行為だけに、犯人が見つかれば罪に問えるものと思いがちです。TwitterやInstagram・YouTubeではそうした行為が規約違反に該当するため、発覚すればアカウント停止などの処分が下されます。なりすまし行為によって実害が発生すれば刑罰の対象となる可能性もありますが、ただ著名人になりすましただけで直ちに違法とされるわけではありません。

IDとパスワードを盗み出して有名人の公式アカウントを乗っ取った場合は、不正アクセス禁止法に触れる完全な違法行為です。最近問題となっているInstagramの有名人なりすましは手口が異なり、公式アカウントは別に開設されたアカウントを使った行為でした。本物とよく似た紛らわしいアカウント名に設定したとしても、これだけでは違法性に問うことはできません。

紛らわしい名前を使って開設した偽アカウントを悪用し、他人を貶めるような言動に及んだ場合は名誉毀損罪や侮辱罪・信用毀損罪が適用されます。そうした行為によって著名人本人や所属事務所等に経済的な実害が生じた場合は、業務妨害罪で訴えることも可能です。

URLをクリックさせることでフィッシング詐欺のサイトに誘導し、金銭が騙し取られるなどの被害が発生した場合は詐欺罪が成立します。このように有名人なりすまし行為は目的によって違反する法律が変わってきますので、被害が疑われる場合は警察や弁護士に相談してみるといいでしょう。

有名人の偽アカウントを見抜く方法

SNSは以上のような迷惑行為の温床となっている面があって、実名登録が原則のFacebookですら他人になりすます行為が問題とされてきました。TwitterやInstagramは実名でなくても登録が可能で、一般人が著名人を装ったアカウント開設も可能な状態です。YouTubeもアカウント名は自由に設定できる仕組みだけに、有名YouTuberを騙った偽のアカウントが以前から問題となっていました。

このような偽アカウントと本物を見分けるには、アカウント名の違いに着目してみるのが基本中の基本です。Instagramに出現した偽カズレーザーのアカウント名は、本物と比べて末尾の「r」が1つ多い「kazlaserr」と記されていました。同じアカウント名では登録できないことから、1文字だけ変えた紛らわしい名前を付けて本物になりすましているのです。

名前以外はプロフィールの画像や自己紹介の文言なども本物とほとんど同じで、いずれも無断コピーして使用しているものと見られます。そのため見た目では本物と偽物の区別がつきにくい状態ですが、フォロワー数の違いで見分けることも可能です。

本物のカズレーザーはフォロワー数が40万人を超えているのと比べ、偽物は600人ほどしかいません。著名人のわりにフォロワー数が少ないとすれば、そのアカウントは偽物の疑いが濃厚です。

とは言えSNSのフォロワー数はいくらでも水増しできるのが現状で、実際にフォローを1万人単位で購入しているインフルエンサーも存在すると言われています。フォロワー数が多いからと言って必ずしも本物とは限りませんので、本物か偽物かはそれ以外の点も含めて総合的に判断するかない状況です。芸能人であれば所属事務所の公式HPにSNSのアカウントが記載されている例が大半ですので、そういった信頼できるサイトの情報を参照して判断するのが最も確実な確認方法だと言えます。

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有名人なりすましの実態まとめ

Instagramで多発している有名人のなりすましは、現金のプレゼントで釣って個人情報を入力するサイトに誘導するのが目的と見られます。真の目的が詐欺にあるのかどうかは現時点で定かではありませんが、見ず知らずの他人にお金を気前よくプレゼントしようという奇特な人は普通あり得ません。

そういう「うまい話」には必ず裏があると知っていれば、著名人を装った誘いにも引っかからずに済みます。SNS上には残念ながらそうした輩がうようよしている状態ですので、実社会と同じような警戒感を常に持ちながら情報に接する姿勢が大切です。

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