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壊れたものを直すリペア職人とは?仕事がきついと言われる理由を解説

壊れたものを直すリペア職人とは?仕事がきついと言われる理由を解説 転職
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「ものづくり」に関連した仕事の1つとして、壊れたものを直す仕事があります。機械にしても家具やブランド品にしても、1つのものを長く大事に使いたい人から頼りにされる仕事です。

壊れたものを元通りにしようとすると、時には新品を製造する以上に高度な技術が必要になってきます。魔法のような技を駆使して補修や修復をやってのける職人芸を見て、そういう仕事をやってみたいと思っているDIY好きの人も多いのではないでしょうか?

壊れたものを直す仕事と言っても、機械の修理工もあれば美術品を修復する仕事もあります。今回は今回はその中から住宅関連の補修を行うリペア職人をメインに取り上げ、求人募集状況などの基本情報をまとめてみました。リペア職人の間では「仕事がきつい」という声が聞かれますので、その理由についても記事の後半で詳しく解説します。

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壊れたものを直す仕事3選

スマホと工具

まずは「壊れたものを直す仕事」全般について、どういった職業があるのか確認しておきます。修理や修復の対象となるものは多岐にわたるだけに、壊れたものを直す仕事もさまざまです。自動車修理工や家電製品の修理を専門としている人など、修理の対象ごとに専門職が存在します。

細かく分類していてはきりがありませんので、今回は壊れたものを直す仕事を便宜上以下の3種類に分けてみました。

  1. 機械類を対象とした修理工
  2. 住宅関連やブランド品などの補修を行うリペア職人
  3. 美術品や文化財などを対象とした修復士

それぞれの概要について解説していきます。

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修理工

壊れたものを直す仕事のうち、自動車や家電製品など機械類の修理を専門にする職業は「修理工」として総称されます。修理の対象となる機械の種類ごとに専門職が存在しますが、代表的な例は以下の通りです。

  • 自動車修理工
  • 家電やパソコンなどの修理工
  • 時計の修理工
  • 工場などで使う業務用機器の修理工
  • 電気工事を行う修理工
  • 水道工事を行う修理工

機械類を製造・販売しているメーカーに就職して修理やメンテナンスを担当する場合もあれば、メーカーを問わずに修理の依頼を広く請け負っている業者の例もあります。

どちらも修理の仕事を着実にこなしていくには、機械の構造に関する深い知識が欠かせません。工業系の高校や大学・専門学校で機械を学び、メーカー企業や修理の会社に就職するのが一般的なコースです。

そうした専門教育を受けていない人でも独学で修理の技術を身につけ、就職や起業を実現させた例は珍しくありません。機械に強くて修理の仕事にやりがいを感じられる人は、求人サイトで修理工の求人を探してみるといいでしょう。

リペア職人

機械修理工を男女比で見ると、男性が96%以上を占めていて圧倒的に多い状況です。女性でも修理工の仕事ができないことはありませんが、「男性は女性より機械に強い」と昔から言われてきました。体力を要する作業も少なくないだけに、機械修理工に関しては男性優位の状況が続いています。

その点で住宅や家具類・ブランド品などを対象に、傷の補修を行うリペア職人なら女性にも活躍のチャンスがある仕事です。機械修理工と違って体力はそれほど求められない例が多く、細かい作業が中心という点でも女性に向いた仕事と言えます。

根気の要る細かい作業が苦にならない人であれば、もちろん男性でもリペア職人になることは可能です。リペア職人については、記事の後半で詳しく解説します。

絵画修復士(美術品修復家)

美術系の大学や専門学校で学んだ人には、絵画修復士や美術品修復家の仕事もおすすめです。リペア職人も美術系の専門教育を生かせる仕事ですが、絵画や文化財の修復作業にはさらに高度な技術が求められます。

制作されてから時間が経った芸術作品の劣化した部分を修復し、元の作品の通りに再現していくのが修復士の仕事です。作業に当たっては作品が作られた時代背景や画材に関する知識に加え、芸術的な表現力も求められてきますきます。自分の作品ではなく他人の作品に手を加える仕事ではありますが、補修作業の際には芸術表現への深い理解が欠かせません。

文化財修復技術者になると、神社仏閣や古文書なども修復の対象です。文化財の宝庫と言われるイタリアには、文化財修復士の国家資格があります。美術品修復家を目指す人の中には、イタリアに留学して修復士の資格を取得する例も見られるほどです。

日本で美術品や文化財を対象とした修復士の仕事をするには、特別な資格を取得する必要はありません。美術品の修復について学べる学科のある大学や専門学校を卒業し、専門の工房や美術館・博物館などに就職するコースが一般的です。美術館や博物館で働くには、学芸員の国家資格が必要になってくる場合もあります。

リペア職人とは?

サンドペーパーを使った補修作業

ここからは「壊れたものを直す仕事」3種類の中で、リペア職人にスポットを当てて詳しく見ていきます。

「リペア=repair」とは、「修理」や「修繕」を意味する英語です。その意味では機械修理工や美術品の修復士もリペア職人の一種ですが、求人用語でリペア職人と言えば普通は住宅関連の修復を行う仕事を意味します。

新築の住宅で建築や内装の工事の際に床や壁など傷つけてしまったような場合に、修復作業を行って傷を目立たなくするのがリペア職人の主な仕事です。人が住んでいる住宅や商業施設・オフィスなどを対象に、床や壁・ドアなどの修復を行うケースも少なくありません。

リペア職人にも機械修理工と同様に、補修や修復を行う対象によって多くの種類があります。食器や壺など割れた陶磁器の修復を専門とするリペア職人もいれば、ブランド品バッグ専門の修復工房で働いている職人もいるという具合です。家具や人形・ぬいぐるみのような品々にも、それぞれの分野を専門とするリペア職人が存在します。

そうした中でも求人数が圧倒的に多いのは、やはり住宅関連の修復を行うリペア職人です。木部補修や金属補修・アルミ補修・大理石補修・FPR(強化プラスチック)補修など、修復作業の対象とする建材の種類に応じた専門のリペア職人が存在します。

リペア職人になるには?

住宅や家具などを対象としたリペア職人になるのに、特別な資格や学歴は必要ありません。美術系の大学や専門学校で学んだ知識があれば修復の仕事に役立つ可能性もありますが、専門教育を受けていない人でもリペア職人になることは十分に可能です。

リペア職人を募集している求人の採用条件を見ても、「未経験可」としている例は少なくありません。未経験からスタートする場合は、先輩の職人について仕事ぶりを見ながら作業の手順を覚えていくのが普通です。仕事を覚えたところで一人前と見なされ、単独作業も任されるようになります。

バルコニーの補修作業

実際にリペア職人として仕事を始めるには、ハローワークや求人雑誌・求人サイトなどを通じて求人を探すのが一般的です。リペア職人を募集している会社には、以下のような例があります。

  • 住宅メーカー
  • 不動産管理会社
  • 工務店やリフォーム会社
  • 補修専門の会社

求人サイトで「リペア職人」「補修職人」などと検索すれば、さまざまな会社の募集する求人が多く見つかります。正社員の求人が多くを占めていますが、契約社員やアルバイト・業務委託の形で募集している求人も少なくありません。

週2~3日からOKという求人なら、休日を利用した会社員の副業にもなり得る仕事です。勤務地や勤務時間・給料などで絞り込み、希望条件に合った求人を探してみるといいでしょう。

独立開業する

一人前のリペア職人として腕が認められるようになれば、独立して個人事業主になることも可能です。一人親方のようなスタイルで仕事を請け負った方が、会社に雇われるより稼ぎやすいという人もいます。

独立開業して個人事業主になると、営業から経理まで全部自分でこなしていかなければなりません。フランチャイズに加盟すれば集客しやすくなりますが、加盟料やロイヤリティの費用が発生する点がデメリットです。仕事で築き上げた人脈を生かしながらSNSやマッチングサイトなども活用していけば、自力で集客できないことはありません。

リペア職人として独立開業するには、作業を行う場所まで移動するための車を準備する必要があります。補修作業に使う道具一式を含め、最低でも50万円前後の開業資金が必要です。その代わりリペア職人は身ひとつの営業も可能で、高額の開業資金を投じて店舗を用意する必要はありません。

店舗検索ポータルサイトとして絶大な集客力を誇るエキテンには、無店舗の事業者でも登録は可能です。有料会員になるといろいろな特典が与えられますが、エキテンは無料会員になるだけでも集客に大きなメリットがあります。集客力をさらに強化するには、くらしのマーケットミツモアのようなマッチングサイトと併用するのも効果的です。



リペア職人の年収

札束と通帳と鉛筆

会社に雇用されて働くリペア職人の平均年収は、会社員全体の平均より低めの水準にとどまるものと推定されます。住宅補修事業を行う会社に正社員として採用された場合の年収は、250万円から350万円程度が平均的な相場です。

リペア職人を募集している求人を見ると、アルバイトや業務委託の雇用形態で募集している会社の例も少なくありません。アルバイトのリペア職人として働いた場合の時給は1,000円前後です。リペア職人は給料が日給で支払われる例も多く、この場合は1日あたり10,000円前後のまとまった金額を稼げます。

独立開業して自分で仕事を獲得すれば、顧客が支払った料金の全額を自分の収入にすることも可能です。ガソリン代や資材費用などは経費として差し引く必要もありますが、それでも雇用型の職人と比べると稼ぎやすくなります。

1,000万円以上の高年収を稼いでいるリペア職人の大半は、会社から独立して開業した人たちです。その代わり集客に失敗すれば仕事が得られず、収入ゼロも考えられます。

リペア職人の仕事はきつい?

実際にリペア職人として働いてみた人の声を聞くと、「仕事がきつい」と言っている人が少なくありません。補修の仕事で、どの部分がきついと感じられるのでしょうか?

一口にリペア職人と言っても、補修の対象はさまざまです。家具の補修専門のリペア職人と、住宅の補修を行うリペア職人では、仕事内容や働く環境が違ってきます。一概に言えない部分もありますが、リペア職人の仕事が「きつい」と言われる理由は以下の通りです。

  • 体力が必要な仕事もある
  • 夏の暑さや冬の寒さできつい
  • パワハラ監督に当たる可能性も
  • クレームの可能性がある
  • 化学物質の臭いがきつい
  • トイレに行けなくてきつい
  • 補修の仕事そのものがきつい
  • 移動がきつい

リペア職人のすべてに当てはまるわけではありませんので、それぞれ詳しく解説します。

体力が必要な仕事もある

家具の補修を専門とする会社に就職した場合は、重い家具の運搬作業も仕事内容に含まれるのが普通です。実際に家具補修工房を取材した記事で、「重い家具を運ぶのも職人の仕事」と書かれている例もあります。

お客さんから預かった家具を工房に運び入れたり運び出したりするのは、体力が必要な力仕事です。引越し業者のように大量の家具を持ち運ぶわけではありませんが、慣れないうちは「きつい」と感じる場面も出てきます。

住宅の補修を行うリペア職人でも、補修個所によっては長時間の立ち仕事になる場合があります。デスクワークの仕事と比べると、体力が消耗しやすい仕事です。

夏の暑さや冬の寒さできつい

床や壁など住宅の補修を行うリペア職人は、家具の補修と違って体力をそれほど使う必要はありません。新築住宅で補修を依頼された場合には、暖房や冷房もない中で作業を行うのが当たり前です。夏に気温が30℃を超えるような日でも、仕事の依頼が入ったら暑さに耐えて補修の仕事をしなければなりません。

冬は冬で暖房も何もない中で作業をしていると、体が冷え切ってしまいます。特に女性は冷え性の人が多いだけに、しっかりとした防寒対策が必要です。厚着をしていても手がかじかんできますので、細かい作業をするには過酷な環境となります。

監督のパワハラできつい

住宅の補修を行うリペア職人は、現場監督の指示に従って作業を進めることになります。優しい人ならいいですが、監督にもいろいろな人がいるものです。中には職人を怒鳴ったり、見下すような態度を取ったりする人もいます。

パワハラ気質の監督に当たってしまった場合には、精神的な意味できつい思いをすることになりかねません。作業を急かされたり、長時間の残業を強いられたりして、肉体的にもハードな仕事になってしまいます。

「上司ガチャ」はリペア職人に限った話ではありませんが、「建設業界は体育会系の職場が多い」と言われているのも事実です。リペア職人も大工や塗装工など、他の職人と同じ扱いを受ける可能性があるという点は頭に入れておく必要があります。

クレームの可能性がある

修理や補修の仕事には、依頼主というものが必ず存在します。補修の結果が気に入らなかったりして、クレームをつけてくる依頼主も少なくありません。これもリペア職人に限った話ではありませんが、クレーマー気質の依頼主に当たってしまった場合は「きつい」仕事です。

特にフリーランスで活動しているリペア職人の場合、依頼された仕事を断りづらい部分もあります。依頼が重なったり私用の都合があったりして断ってしまうと、他の職人に仕事を取られてしまうからです。

リペア業界も業者が増えて競争が激化していて、料金の単価が下がってきていると言われています。仕事の取り合いになっている中で選んでもらうには、リペア職人にもコミュニケーション能力や営業力が必要です。コミュニケーションが苦手な人にとっては、依頼主とのやり取りで精神的にきつい思いをさせられる場面も考えられます。

化学物質の臭いがきつい

住宅の建築現場では、塗料やシンナーなどさまざまな化学物質が使われています。補修作業そのものにも、化学物質を含んだ塗料や薬剤を使用するのが普通です。

塗料やシンナーの中には、発がん性物質が含まれた製品もあります。シンナーの臭いを嗅いだだけで、具合が悪くなるという人も少なくありません。

化学物質に敏感な人にとって、住宅の補修を行うリペア職人はきつい仕事です。住宅以外の補修を行う仕事でも、使用する塗料や薬剤の種類によってはアレルギーなどの反応が起きる可能性があります

トイレに行けなくてきつい

依頼主の自宅にお邪魔して補修を行う仕事の場合、途中でトイレに行きたくなっても行けない場面が出てきます。頼めば快く貸してくれる人もいますが、赤の他人にトイレを貸すのに抵抗がある人は少なくありません。

仕事の合間に公園などでトイレを済ませたり、コンビニや飲食店を利用するついでにトイレを借りるのが一般的です。

作業中は遠慮して我慢することが多いだけに、トイレが近い人にとっては「きつい」と感じる瞬間です。リフォーム業者や水道業者・家電修理業者など、リペア職人以外の人たちにも同じような苦労があります。

補修の仕事そのものがきつい

リペア職人の仕事が「きつい」と言われる理由の多くは、働く環境や人間関係に原因があるものです。お客さんから依頼されて出向く仕事ならではの厳しさとも言えますが、慣れないうちは補修の仕事そのものも「きつい」と感じる可能性もあります。

補修作業はマニュアル化が難しい面があって、仕事を覚えるにはある程度の経験が必要です。新人のうちはやれる仕事が限られるため、毎日同じ作業ばかり延々とやらされることも珍しくありません。単純労働の繰り返しは一見楽なようでいて、精神的には案外きついものです。

技術力が上がってくれば、難易度の高い仕事も任されるようになります。失敗は許されないだけに、神経をすり減らすような仕事の連続です。集中力が続かない人にとっては、精神的に「きつい」と感じる可能性があります。

移動がきつい

リペア業界は業者が増えて競争が激しくなっていると言っても、競合の状況は地域によってかなりの差があります。補修業者が少ない地域に住む人や会社から依頼を受け、遠方まで移動して作業を行うケースも珍しくありません。

補修会社によっては、移動時間中は給料の対象外というところもあります。車で移動できない場合には、重い道具箱を持って電車で移動するという人もいるほどです。

依頼先の住所がわかりにくい場所にあると、道順を調べるのに手間取ってしまいます。遠方の依頼先まで車で向かう場合には、運転だけで疲れることになりかねません。

女性のリペア職人が男性客の家に1人で補修作業をしに行く仕事は、別の意味で不安材料の1つです。作業を始める前の段階で「きつい」思いをする可能性があるという点も、頭に入れておく必要があります。

リペア職人に向いている人の特徴

以上のような「きつい」部分もありますが、リペア職人は黙々と作業に打ち込める仕事です。美術系の学校を出た人や絵を描くのが好きな人は、リペア職人に向いています。コツコツと仕事をするのが得意な人なら、細かい作業の連続もそれほど苦になりません。

傷のついた箇所をきれいに補修して感謝の言葉が得られれば、やりがいのある充実した仕事になります。研究熱心な人や手に職をつけたい人も、リペア職人になる適性の持ち主です。

フリーランスのリペア職人として仕事を獲得するには、ある程度のコミュニケーションスキルも必要です。依頼客との打ち合わせやヒアリングで、仕事の良し悪しが決まってくる部分もあります。コミュニケーション能力は後天的に獲得できるスキルですので、仕事に慣れてくれば克服することも十分に可能ずです。

まとめ

リペア職人の使う道具

壊れたものを直す仕事には、リペア職人の他にも修理工や修復士(修復家)があります。修理工は機械に強い人に向いた仕事で、従事している人の大半は男性です。美術品などの修復士は専門的な知識を要する仕事だけに、美術系の大学や専門学校で修復技術を学んだ人に向いています。

リペア職人の補修対象は住宅関連の他、家具やブランド品などさまざまです。住宅の補修を行うリペア職人は求人数が最も多く、女性の職人さんも少なくありません。一人前になったところで独立開業することも可能ですが、個人事業主になると自分で顧客とやり取りする必要も出てきます。

雇用型のリペア職人であればひとりで黙々と作業に専念する場面が多いため、他人とのコミュニケーションが苦手な人でもそれほど苦にならない仕事です。年収は雇用型の職人より開業した方が大きく増やせる可能性がありますので、仕事に慣れてきたら苦手の克服を目指してみるといいでしょう。

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