スマホでお金を稼ぎ出す方法はいろいろと考え出されていますが、オンラインレッスンの講師もその1つです。ZoomやSkypeなどのビデオ会議システムを使って授業を行うオンラインレッスンは、コロナ禍をきっかけに普及が加速しています。
従来はレッスンを行う側も受講する側もパソコンが必要とされていましたが、機器の性能が大きく向上したことでスマホを使った授業も可能です。最近はパソコンを一切使わずに、スマホ1つでレッスンを行う講師も増えています。
実際にオンラインレッスンの講師として起業するには、予約うシステムの導入も欠かせません。そこで今回は講師やインストラクターの初心者に向けて、無料で使えるスマホ対応の予約システム6種類を比較してみました。
個人でもオンラインレッスンの販売は可能?
GoogleやYahoo!で「オンラインレッスン」について検索してみると、レッスンを提供している企業の公式サイトが上位に表示されます。個人がオンラインレッスンを有料販売するのは無理のように思えてしまう状況ですが、決して不可能なことではありません。
フリーランスの講師や副業の講師が個人でオンラインレッスンを開催し、収入を得ている例はいくらでもあります。オンラインで授業を行うツールにZoomやSkype・LINEのような無料のアプリを使えば、個人でも最低限のコストでオンラインレッスンの販売が可能です。2019年までは普及度が今ひとつでしたが、現在では対面型よりオンライン開催の方が多いくらいに需要が増えています。
オンラインのレッスンなら教室を借りて生徒を集める必要はなく、場所代もかかりません。レッスン開催にかかる費用を節約できる上に、居住地域に縛られることなく全国から生徒を集めることも可能です。個人で活動するレッスン開催のハードルが下がったせいか、会社員や主婦の間でもスキマ時間を利用した副業の手段として活用されています。
スマホを使ったオンラインレッスンの起業方法
オンラインレッスンには以上のような多くのメリットがありますが、授業の品質は機器の性能や通信環境に左右されてしまいます。従来はパソコンを使ってレッスンを行うのが一般的で、携帯電話を使ったオンラインレッスンは困難でした。
最近はスマートフォンの性能が大きく向上し、WiFiの通信環境も整備されてきています。ZoomやSkypeを使ったレッスンもスマホ1つでできるようになったため、パソコンが必須というわけではありません。
パソコンを使った方が画面が大きいので授業がやりやすいのも確かですが、スマホには場所を選ばずにレッスンができるという強みがあります。パソコンを持っていない人や操作が苦手だという人でも、普段から使い慣れているスマホならオンライン講師の仕事も始めやすいはずです。
実際にスマホを使ってオンラインレッスンを行うには、受講してくれる生徒を募集する必要があります。ブログやSNSなどを使って自分で集客する方法と、ストアカやココナラのような集客サイトに登録してサイト内で生徒を募集する方法の2通りが考えられます。
応募してきた生徒1人1人とやり取りしてレッスンの日時を決めることになりますが、生徒の人数が多くなるとレッスンの予約を管理するのも大変です。オンラインレッスンに対応した予約システムを利用すれば、予約の管理を大幅に省力化できるようになります。
Zoomとの連携機能や決済機能を備えた予約システムなら、レッスンの予約から事前決済・授業の実施までを一括して管理することも可能です。予約システムを使ってレッスン以外の作業に費やす時間を短縮できれば、時給換算で効率的に稼げる計算となります。
無料で使えるオンラインレッスンの予約システム6選
予約システムの多くは有料ですが、無料で使えるツールやフリープランが用意されている例も少なくありません。この記事は「できるだけ費用をかけずにオンラインレッスンの講師を始めたい」という初心者を主な対象として、スマホを使った起業の方法を紹介するのが目的です。数ある予約システム中から6種類を選び、無料で使える機能や売上から引かれる手数料を比較してみました。
MOSH
最初に紹介するのは、初期費用・月額料金0円が売りのスマホ予約サービスMOSHです。MOSHに事業者登録すると、予約機能を備えたホームページが作成できるようになります。
「無料で使えるホームページ作成サービス」としても紹介されていますが、作成したページ上でレッスンの予約受付が可能な点がMOSHの特徴です。予約管理やキャンセルへの対応など、レッスンの予約に関する機能は一通り揃っています。1回限りのレッスンだけでなく、回数券を発行したりサブスクの形式で月額課金したりすることも可能です。
MOSHはクレジットカードを使った事前決済にも対応しているため、レッスンの予約から集金までがスマホアプリ1つで完結します。パソコンでも利用は可能ですが、スマホで簡単に操作できるように最適化されている点もMOSHの特徴として見逃せません。わずか3分で予約サイトが作れる上に、予約が入ればZoomのURLが自動的に発行される仕組みです。
MOSHはオンラインレッスンの運営に関わる業務を徹底的に効率化できるサービス設計になっているため、「レッスン以外の作業が煩雑で稼ぎにくい」といった悩みから解放されます。オンラインレッスン以外にも、対面型のレッスンやコンテンツ販売にも対応が可能です。
MOSHを利用して売上が発生した場合、「決済手数料」と「サービス手数料」が売上から引かれます。決済手数料は売上の3.5%、サービス手数料は3.0%+99円です。
登録ユーザーが急増しているMOSHについては、以下の記事で基本情報を詳しく解説しておきました。
STORES 予約
STORES 予約はもともとCoubicの名称でしたが、運営会社がヘイ株式会社に統合されたことで現在の名称に変更されました。STORES 予約を運営するヘイ株式会社は、ネットショップ作成サービスで知られるSTORES(ストアーズ)の運営会社でもあります。
STORES 予約はCoubic時代から通じて、飲食店やエステサロンなどを運営する中小企業に多く利用されてきた予約システムです。それだけに予約管理や顧客管理に関する機能は豊富ですが、月額料金無料で利用できるフリープランは有料プランと比べて機能がかなり限定されています。フリープランの月間の予約数は100件までで、予約ページ公開数も2ページ限定です。
フリープランだと回数券や月額課金にも対応していませんので、利用したい場合は有料プランに移行する必要があります。売上から引かれるクレジットカード決済手数料は、無料プラン・有料プランともに4.9%です。
ペライチ
前述のMOSHと似たサービスとしては、同じように予約機能を備えたホームページが作れるペライチが挙げられます。クレジットカード決済手数料は業界最安値級の3.5%ですが、月額料金無料のスタートプランは使える機能にかなりの制限があるという点に注意が必要です。
公開ページ数の上限は1ページまでで、予約機能や決済機能もスタートプランは非対応となっています。予約機能を備えたホームページを作成するには、月額3,278円のビジネスプランとの契約が必要です。
RESERVA予約
登録事業者数が20万社を突破した予約システムのRESERVA予約にも、月額料金0円のフリープランが用意されています。月間の予約件数上限が100件までという点では、STORES 予約のフリープランと似たサービスです。オンラインカードの決済手数料が4.9%という点でも、STORES 予約と同等の水準にあります。
フリープランだと予約サイトの機能にもかなりの制限が加わり、Zoomとの連携機能も「非対応」です。有料プランの方が機能面でどうしても充実度が高いだけに、フリーランスの講師よりは法人に向いた予約システムと言えます。
SelectType
MOSHやペライチと同様にホームページ作成機能を備えた予約システムのSelectTypeにも、月額料金0円のフリープランが用意されています。作成可能な予約カレンダー数は10個までに制限されますが、フリープランでも予約受付の可能件数に制限はありません。
フリープランは有料プランにはない広告が表示されるという点に加え、予約受付期間が7日後までに制限されるなど機能面での違いもあります。クレジットカード決済手数料も有料プランは4.6%から4.9%ですが、フリープランは5.6%で他社の無料プランより高めの水準です。
ストアカ
オンラインレッスンの講師として起業しようという場合に避けて通れないのが、国内最大級の教室集客サイトストアカです。以前は対面の教室のみを扱っていましたが、コロナ禍をきっけにオンラインレッスンも解禁されました。
ストアカに講師として登録すれば、サイト内にレッスンを出品して生徒を募集できるようになります。予約の受付や予約管理・事前決済の機能もサイトに組み込まれているため、自前の予約サイトを持っていない人でも生徒を募集してレッスンを開催することが可能です。マイページの先生用ダッシュボードから「講座を作成」に進み、タイトルやキャッチコピー・画像など必要情報を入力していきます。
ストアカを利用してオンラインレッスンを開催するには、ストアカとは別にZoomのアカウントが必要です。Zoom連携機能もサポートされていますので、ミーティングURLやパスワードの発行がスムーズにできるようになります。以上のような操作はスマホのブラウザでも可能ですが、パソコンを使った方が効率的です。
ストアカには無料プランと有料プランの区別がなく、講師登録や講座の出品に費用はかかりません。売上が発生した場合にのみ、生徒が払った受講料から手数料が引かれる仕組みです
ストアカの集客方法にはサイト経由で生徒が予約した場合のストアカ送客と、ブログなどを通じて予約を獲得する自己集客の2種類があります。オンラインレッスンの開催で売上から引かれる手数料は高めの水準で、自己集客が10%、ストアカ集客は30%です。月間の総売上に応じてキャッシュバックが受けられるボリューム割が適用されれば、ストアカ集客の手数料が30%から20%に割引となります。
ココナラ
スキルのフリーマーケットとして人気のココナラも、オンラインレッスンの開催手段として利用されています。ココナラには占いやイラスト作成などスキルを生かしたサービスが数多く出品されていますが、英会話やプログラミングなどレッスンの出品も少なくありません。
以前のココナラには対面でサービス提供を行う姉妹サイトもありましたが、現在は基本的にオンラインでのやり取りが中心です。専用のトークルームを通じて提供する通常サービスに加え、電話相談サービスとビデオチャットサービスが利用できます。
この中で一般的な意味でのオンラインレッスンに適しているのは、現在β版が提供されているビデオチャットサービスです。ココナラのビデオチャットは対応ブラウザ上で動作する仕組みで、Zoomなどの外部サービスに移動する必要はありません。占いや悩み相談・マネー関連のカテゴリは対象外ですが、英会話や楽器演奏などさまざまなレッスンに利用されています。
ココナラにレッスンを出品すれば予約サイトとして機能するようになりますが、自分専用のホームページを作成できるわけではありません。この点ではストアカも同様とは言え、ココナラはスキルのフリーマーケットとして絶大な人気を誇ります。サイト自体にかなりの集客力がありますので、ココナラでの販売実績が豊富で検索上位に表示される人は生徒も集まりやすいはずです。
初心者はサービスを出品してもなかなか購入してもらえないことが予想されるため、低価格路線で勝負するなどの工夫が求められます。ブログやSNSなどを併用して宣伝する手法も持ちられていますが、そうなると自前のホームページが持てるMOSHの方が少しでも有利です。
ストアカと同様にココナラもサイトへの登録やサービスの出品そのものは無料で、売上が発生した場合にのみ販売手数料が引かれる仕組みとなっています。通常サービスとビデオチャットサービスの手数料は売上の22%で、有料プランのある予約システムよりは高めの水準です。
まとめ
スマホを使ってオンラインレッスンの講師として起業する場合を想定し、無料で使える予約システムを比較してきました。この記事で紹介したサービスは、以下のような2つのタイプに大きく分けられます。
- 売上が発生した場合のみ手数料が引かれるタイプ:MOSH・ストアカ・ココナラ
- 無料のフリープランが用意されているタイプ:STORES 予約・ペライチ・RESERVA予約・SelectType
無料プランと有料プランが併存している予約システムの場合、フリープランはどうしても機能限定版になりがちです。もともと有料プランが存在しないサービスは、月額料金無料でも機能に制限がありません。
その代わりストアカやココナラは売上から引かれる手数料が類似サービスより割高ですが、MOSHは例外的に低めの水準です。MOSHはスマホとの相性やZoomとの連携も良好で、パソコンが使えない人でも予約サイトが簡単に作成できるサービスです。2020年以降にMOSHの登録事業者数が急増しているのは、以上のようなメリットが評価された結果と考えられます。
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