当ブログではこれまでに数多くの副業を紹介してきましたが、コロナ禍で副業を取り巻く状況は大きく様変わりしつつある状況です。コロナの影響で以前より稼げなくなった副業もありますが、巣ごもり需要を受けて脚光を浴びるようになった副業も少なくありません。宅配需要の急増に応えたウーバーイーツ配達員などは、コロナ禍で注目度がアップした副業の1つです。
コロナの影響が続く中で迎える2021年も、当面は動画関連やネット通販・コンテンツ販売に関わる副業が大きく伸びると予想されます。単発バイトアプリなど企業と緩くつながる仕事も含め、2021年に注目すべき副業を10種類集めてみました。
動画編集
外出を控える動きが広がった中でも好調を維持していたのは、VOD(ビデオオンデマンド)の配信サービスやYouTubeなど動画関連のジャンルです。自宅で過ごす時間が長くなったことで、動画を視聴する人が増えたものと分析されています。
そうした需要の変化を考えると、2021年に注目すべき副業の筆頭にはYouTuberが挙げられそうなものです。実際にはYouTubeも2018年の規約改定以降は収益化のハードルが高くなり、新規参入者は稼ぎにくくなっています。YouTuberを副業にして収入を得るには、長期間にわたる地道な努力が必要になってきている状況です。
むしろ2021年にはYouTuberとして活動している人から依頼を受けて、動画編集を引き受ける仕事が副業として大きく伸びる可能性があります。クラウドワークスやランサーズといったクラウドソーシングでも、動画編集の仕事を募集する案件は増加傾向です。ココナラを利用しながら自分で集客し、YouTuberから動画編集の仕事依頼を受けている人も少なくありません。
以前はYouTuber自身が動画の撮影から編集までを1人でこなすのが主流でしたが、クォリティが求められる動画制作の分野では分業化が進みつつあります。動画編集スキルを持つ人は裏方に徹し、YouTuberを支える仕事を副業にするのが無難な稼ぎ方です。
ライブ配信
中高生のお小遣い稼ぎにも利用されているライブ配信は、YouTubeなどと違って動画編集スキルが不要なことから初心者向けの副業と見なされてきました。YouTuberは動画に掲載される広告が主な収益源ですが、ライブ配信の収益源は配信時間に応じて付与されるポイントや投げ銭機能です。
10代を中心に絶大な人気を誇るTikTokには、これまで直接の収益を得る手段がありませんでした。2021年1月からはTikTokのライブ配信でも投げ銭機能が開始され、多くのユーザーが待ち望んだ収益化が実現可能になります。
中国発のTikTokは個人情報流出の疑惑が報じられ、米国を中心にTikTokを禁止しようという動きが出ているのは気がかりな要素です。サービス終了の噂も流れるなど不安要素もありますが、2021年はTikTokの収益化でライブ配信市場がこれまで以上に活性化されるものと予想されます。
ライブコマース
日本ではまだなじみが薄い面もありますが、ライブ配信とネット通販を組み合わせたライブコマースもコロナ禍で注目度が高まっています。コロナの影響で外出を伴う買い物行動を控える人が増えている一方で、ネット通販の利用が急増しているのは周知の通りです。
BASEやSTORES(ストアーズ)など無料でネットショップを作れるサービスも利用者は増えていますが、個人でネットショップを開店しても簡単には売れません。砂漠の真ん中で開店したも同然のネットショップを収益化するには、ブログやSNSなどと併用しながら集客を工夫していく必要があります。
海外ではネット上で絶大な影響力を持つインフルエンサーが動画のライブ配信を行いながら、生中継で商品を紹介するというライブコマースの手法が盛んです。中国でも11月11日の「独身の日」にライブコマースで商品を販売し、莫大な売上を記録したインフルエンサーが続出しました。
商習慣の異なる日本でライブコマースが普及するかどうかは不透明な状況ですが、コロナ禍における巣ごもり需要の拡大が続けば一気にブレイクする可能性が秘められています。好調が続くネット通販とライブ配信が結びつけば、歌やダンス・雑談が中心だった配信のあり方が大きく変わるかもしれません。現時点では企業の主導でライブコマースの導入が進んでいる状況ですが、ライブ配信やSNSで一定の知名度を獲得してる人なら個人の副業にもなり得ます。
発送代行
コロナ禍にあってはネット通販を利用する人が急増しましたが、これに伴って宅配業者の負担は増大しています。通販サイト以外でもメルカリやラクマなどのフリマアプリを使って商品を購入している人が増えており、注文が殺到するようになった出品者は梱包・発送作業に追われている状況です。
そうした企業や個人の中にはクラウドソーシングを利用し、発送作業を第三者に代行しているケースも少なくありません。個人でネットショップや転売ビジネスを手がける場合でも、自分ひとりで商品リサーチから梱包・発送作業までこなすのは大変です。
販売を大きく拡大すればするほど作業が煩雑になることから、ネット通販や転売ビジネスで大きく稼いでいる人はほぼ例外なく発送代行のバイトを利用しています。この梱包・発送作業は特別なスキルも不要で、商品を自宅まで送ってもらえば在宅で完結できる仕事です。クラウドソーシングでは発送代行とともに、ファッションブランド通販のBUYMAを中心に出品代行の募集も増加傾向です。
ネット通販で好調な業績が続くと予想される2021年も、こうした発送代行や出品代行の副業は安定した需要が見込まれています。一方でSNS上では在宅で簡単に高収入が稼げると称する荷受代行詐欺が横行している状況ですので、たとえ一時的でも金銭的負担が生じるような副業には手を出さないのが賢明です。
note販売
コロナ禍をきっかけに需要が伸びている副業は、以上のような物販ビジネスだけではありません。文章や漫画・イラスト・写真集・音楽などのデジタルコンテンツを販売するビジネスも、巣ごもり需要の拡大を背景に成長の兆しが見られます。
今は誰でも一通りの知識さえあれば、Kindleダイレクト・パブリッシングを利用して電子書籍を出版できる時代です。紙の本と比べて出版のハードルが低いだけに、電子書籍出版は副業の一種として定着しつつあります。
そうした中でクリエーターから注目を集めているのは、電子書籍よりも手軽にコンテンツを作成できるメディアプラットフォームのnoteです。noteの月間利用者数は右肩上がりの急成長が続いており、2020年も緊急事態宣言が発令された4月から5月にかけての2ヶ月間でユーザー数が急増しました。コロナ禍にあって有益な情報の投稿が相次ぎ、情報メディアとしての注目度を高めた点が背景にあると見られます。
テキストや画像・音声を使ったデジタルコンテンツは有料noteとして販売することが可能で、コンテンツ販売のプラットフォームとしても注目すべき存在です。無料で公開した作品であっても、サポートと呼ばれる投げ銭機能を利用すればnoteの収益化につながります。
noteは検索エンジンに弱いと言われてきましたが、TwitterなどSNSとの連携に強みを持つのは有利なポイントです。GoogleやYahoo!の検索結果にもnoteが少しずつ上位表示されるようになっているだけに、2021年は副業の手段としてさらなる成長が予想されます。
オンライン講師
コロナ禍で人と人との接触が避けられるようになると、対面でスキルを教える講座や教室・セミナーの開催が困難になってきます。副業で講座を開催しながら収入を得ていた副業の講師にとっては死活問題ですが、テレワークでもおなじみのオンライン技術が問題を解決しました。
ZoomやSkypeなどのテレビ会議システムを使えば、講座やセミナーがオンラインで開催できるようになります。国内最大の教室集客サイトとして知られるストアカでも、コロナ禍を受けて2020年6月にはオンライン講座の正式サポートに踏み切りました。
カフェトークやTechAcademyなど従来から存在するオンラインレッスンのサイトも含め、2021年は副業でオンライン講師を始める人が増えると予想されます。オンラインで教えるスタイルは対面型の講師よりハードルが低いだけに、「人に教えるなんておこがましい」と思っていた人でも講師になれるチャンスです。
オンライン占い師
講師業と並んでコロナによる打撃が大きかったのは、対面でサービスを提供するのが基本的だった占い師の仕事です。電話占いやメール占いなど対面によらない方法も従来から存在しましたが、対面でないとうまく占えないという人も少なくありません。
そんな占いの世界にもオンラインの波は押し寄せており、Zoomなどを使って擬似的な対面占いを行うスタイルが登場しました。コロナ禍で新たに定着しつつあるオンライン占いに加え、電話占いやメール占い・チャット占いにも根強い人気があります。スキルシェアサイトのココナラを利用した占いも、そうした非接触型占いの一種です。
コロナ禍にあっては多くの人が仕事を失ったり差別に遭ったりして、心が不安定な状態に陥っています。さまざまな悩みを抱える人からの相談が急増している中で、相談者に寄り添いながら癒やしのメッセージを伝える占い師が人気を集めている状況です。2021年も新たな副業占い師のデビューが相次ぐと同時に、こうした心理カウンセリング的な占いが重視されるようになると予想されます。
リモートモデル
コロナ禍でテレビや映画・雑誌などの撮影現場にも混乱が起きていますが、副業として活動しているモデルの中には仕事が激減してしまった人が少なくないものと見られます。撮影現場はスタッフとの間でどうしても密になりやすいだけに、感染防止には人一倍気を使う仕事です。
そうした問題を解決するための手段として、週末モデルが2020年5月に開始したリモフォトが注目されます。週末モデルはモデルを務めたい女性とモデルを起用したい企業とを結ぶプラットフォームで、専業ではなく副業のモデルが5,000に以上も登録されているサービスです。
企業が募集するリモフォトの対象に選ばれれば、自宅にアパレル製品やコスメ製品などの商品が送られてきて撮影を依頼されます。送られてきた商品を着用したり使用したりした上で、写真を自撮りで撮影するのがリモフォトの特徴です。撮影が完全リモートで完結するためカメラマンやスタッフと顔を合わせる必要はなく、その気になれば在宅でもモデルの仕事で収入が得られるようになります。
副業モデルと言えば撮影現場まで出かけるのが一般的でしたが、リモフォトはそういう既成概念を打ち破る画期的な仕組みです。リモフォトの仕事をするにはある程度の撮影スキルも必要になってくるとは言え、日頃からInstagramに自撮り写真を投稿している人であればそれほど難しくはありません。
自撮りでモデルを務める類似のサービスは、個人対個人で取引を行うココナラにも数多く出品されています。副業モデルのあり方を大きく変えるきっかけとなりそうな自撮り型のリモートモデルも、2021年に注目される副業の1つです。
単発バイトアプリ
アルバイトの仕事と言えば飲食店やコンビニなどの店に雇われ、勤務シフトに従いながら与えられた仕事をこなすという働き方を想像しがちです。学生やフリーターだけでなく会社員や主婦の副業手段としても、そうしたアルバイトの仕事は利用されてきました。
とは言え飲食店や宿泊施設の多くはコロナの影響で売上が大きく落ち込み、アルバイトのシフトを減らしたり解雇したりする動きも相次いでいる状況です。継続的に雇用されるバイトの求人が見つかりにくくなっている中で、最近は若い世代を中心に単発バイトの仕事を手軽に探せるアプリが人気を集めています。単発バイトアプリ「シェアフル」の他、タイミー・ショットワークスなどがその代表的な例です。
1日限りの仕事が中心で給料もその日のうちに現金でもらえる求人が少なくないだけに、単発バイトは勤務シフトに縛られず自由に働けるというメリットがあります。2020年にウーバーイーツ配達員を始める人が急増したのも、好きな時間に好きなだけ働けるという気楽さが人気の一因でした。
「試しに働いてみる」ことも可能な単発バイトアプリの登場で、アルバイトのイメージが大きく変わりつつあります。アルバイトを募集する企業の側でもコロナの影響で経営が厳しくなっているせいか、継続雇用ではなく必要な日時だけ単発バイトを雇って人件費を節約しようとする動きが見られる状況です。コロナ禍による経済的影響は2021年によりいっそう大きく出ると予想されるだけに、単発バイトの募集もこれまで以上に増える可能性があります。
副業の手段としてアルバイトの仕事をする人の側でも、継続的な雇用を嫌う人は少なくありません。アプリを利用しながらスキマ時間にこうした単発バイトの仕事をこなせば、シフトに縛られずに自分の都合のいい日時だけ働いて収入を増やせるようになります。2021年はアルバイトの仕事で稼ぐ副業の分野でも、そういうスマートな働き方が主流になるものと予想されます。
ギグパートナー
単発バイトやウーバーイーツ配達員の仕事は1件ごとに企業と契約を結ぶのが基本で、企業と緩くつながることで収入が得られる副業だと言えます。ヤフーが募集して話題を集めたギグパートナーの副業人材も、企業と個人が緩くつながるという意味では同じようなコンセプトの働き方です。
この場合にギグパートナーが果たす役割は単なる作業ではなく、ヤフーが手がける事業へのアドバイスが想定されています。専門的なビジネス知見を持つ個人が企業にアドバイスを行うことで報酬を受け取る副業という意味では、ビザスクに代表されるスポットコンサルとも似た仕事です。スポットコンサルは対面でアドバイスを行う場合も想定されているのに対して、ヤフーのギグパートナーは基本的にオンラインで仕事が完結します。
ココナラやメルカリなど個人対個人の取引で収入を得る副業が脚光を浴びていますが、個人と企業が緩いつながりを持つスタイルの副業もまだまだ捨てたものではありません。都市部の会社に勤務する個人と地方の中小企業をオンラインで結び、ビジネスに関するアドバイスを行う副業のプラットフォームも続々と誕生しています。
コロナをきっかけに地方への移住を検討し始めた人が増えていますが、地方では仕事が見つかりにくい事情もあって実現は困難な状況です。そうした中で地方の企業と緩くつながりながら収入を得る副業が浸透していけば、将来的な地方移住に向けた足がかりにもなり得ます。ギグパートナーやスポットコンサル・ふるさと副業は起業にもつながりやすいだけに、副業の新しいスタイルとして2021年に大きな話題を集めそうな勢いです。
2021年に注目の副業まとめ
数ある副業の中でも対面に頼っていた仕事はコロナ禍で厳しい状況に置かれましたが、代わって巣ごもり需要を支える仕事やオンラインの副業が台頭しています。一方では単発バイトアプリやギグパートナーなど、企業と緩くつながる働き方を選ぶ人が増えている状況です。そうした点を総合すると、2021年には以下10種類の副業が伸びると予想されます。
- 動画編集
- TikTokを含むライブ配信
- ライブコマース
- 発送代行
- note販売
- オンライン講師
- オンライン占いなど非接触型の占い師
- リモートモデル
- 単発バイトアプリ
- ギグパートナー・スポットコンサル
2021年に国内でもコロナワクチンの接種が開始されることで世の中の風向きが変わり、対面型の副業が息を吹き返す可能性もゼロではありません。とは言え多くの人がオンラインの便利さを知ってしまった後は、完全に元の状態に戻ることはないと見るのが妥当です。アフターコロナ時代に向けて新たな副業にチャレンジしようと考えている人は、以上に解説した予想を参考にしてみるといいでしょう。