スポーツ審判員を本業にするのは無理?副業審判員が多い理由を解説

副業

スポーツ審判員には競技の種類や所属団体の違いによって、ほとんど無数と言っていいくらいに多様な種類があります。世の中にはそれだけ審判員を名乗る人が数多く存在するわけですが、この仕事を本業にして生計が成り立っているという人はほんの一握りに過ぎません。

競技人口が多い野球とサッカーでそれぞれ国内最高峰のプロリーグに所属する審判員であれば、本業にするだけの安定した収入が得られる可能性も十分にあります。その他大勢の人たちは審判員の仕事だけで食べていくことが難しく、他に会社員や自営業・公務員などの本職を持っているのが普通です。中には審判員を務めても報酬はもらえず、ボランティアとして活動しているという人も少なくありません。

スポーツ審判員の仕事で収入がこれほど不安定なのはなぜなのか、競技ごとの収入源という観点から現状を調べてみました。そうした中で会社員の副業に適した競技のスポーツ審判員についても、記事の後半で紹介します。

スポーツ審判員を本業にしている人はほんの一握り

国内で行われているスポーツ競技には野球やサッカーのようにメジャーな競技もあれば、一部のマニアしか知らないようなマイナー競技もあります。メジャーな競技とマイナー競技では競技人口に大きな差があるだけに、必要とされる審判員の人数が違ってくるのは当然です。

競技人口が多い人気スポーツの野球とサッカーは国内プロリーグの歴史も長く、大勢の観客動員や放映権料・グッズ収益が見込めます。リーグ全体に多額のお金が入ってくるのを背景として、高額年俸を稼いでいる選手も少なくありません。プロ野球やサッカーJリーグでは収益性の高いビジネスモデルに審判員も組み込まれているため、本業の仕事とするのに十分な報酬が確保されやすいのです。

とは言え野球やサッカーの競技人口はそれぞれのトップリーグを頂点とするピラミッド構造をしており、学生を含めたアマチュアの広い裾野を持っています。趣味で競技を楽しむ草野球や草サッカーまで含めると競技人口はさらに拡大されますが、トップリーグ以外の審判員は他に本職を持っているのが一般的です。

アマチュアの場合は試合が週末などに限られるせいもあって、競技人口の多い野球やサッカーでも審判員を本業にするほど安定した収入は望めれません。競技人口がもっと少ないその他のスポーツはプロ野球やJリーグほど収益性が高くないため、本当の意味でのプロは大相撲の行司など一部の例外を除いてごく一部にとどまります。

プロ野球やJリーグの審判員は狭き門

プロ野球とJリーグは審判員の仕事が本業として例外的に成り立っていますが、選手と同様に誰でも簡単になれるというわけではありません。プロ野球の審判になるには定員50名程度のNPBアンパイア・スクールを受講した後、テストに合格して育成審判や研修審判としてスタートするのが一般的です。プロ野球の審判を目指しながら夢を叶えられず、アルバイトをしながらアマチュア野球の審判員として活動を続けている人も珍しくありません。

野球の審判員はプロとアマチュアで所属団体が異なり、アマチュア野球の審判員を務めるのにも所属団体ごとの資格が必要です。サッカーの審判員になるには日本サッカー協会のサッカー公認審判員という資格が必要で、通常は4級審判員からスタートすることになります。1級審判員になって実績が評価されればJリーグ担当審判員に抜擢される可能性も出てきますが、Jリーグを担当できないうちは本業にできるほどの収入が得られません。

その他の競技は審判員を本業にするのが困難?

野球やサッカー以外でも、バスケットボールやバレーボールなどの球技には国内にプロリーグが存在します。大相撲やプロボクシング・プロレスなどの格闘技であれば審判員を本業にすることも可能ですが、競技経験者でもプロの審判員になるのは至難の業です。野球やサッカー以外の球技でもプロリーグの審判員になれる人はほんの一握りに過ぎず、バスケットボールのbjリーグ審判員は職員としてリーグ運営の仕事もこなす必要があります。

アマチュアも含めるとさまざまな競技の試合で審判員の需要が多くありますが、学校の先生や公務員・自営業の人が報酬なしのボランティアとして務めているケースも少なくありません。アマチュア野球やサッカーの試合でも、交通費や昼食代だけで審判員を引き受けている人は多いと見られます。報酬が出る場合でもプロリーグと違って本業の仕事にできるほどの年間試合数がないため、安定した収入を稼ぐことができないのです。

副業でも稼げる可能性があるスポーツ審判員

以上のように本職とするのが困難な審判員の仕事も、副業でも構わないというのであればいろいろと選択肢があります。土日祝日といった休日に試合が集中するアマチュア野球の審判員や、夜間でも楽しんでいる人が多いフットサルの審判員などは、平日の日中に会社の仕事があるサラリーマンに向いた副業です。いずれも時給換算で見れば決して効率的に稼げる仕事とは言えませんが、スポーツが好きな人なら趣味と実益を兼ねた副業になり得ます。

野球やサッカーは全体の競技人口が多いため、トップリーグ以外でも多くの審判員が必要です。他の競技と違って手弁当のような形では人員が十分に用意できないことから、報酬を払ってでも審判員を確保しようとする試合が多くなってきます。そこに副業として稼ぐチャンスも生まれますので、野球やサッカーが好きな人は審判員を募集している団体がないかどうか調べてみるといいでしょう。

フットサル審判員

5人程度の少人数で試合を行うミニサッカーのフットサルは、国内で200万人前後の競技人口を持つ人気のスポーツです。広い屋外コートが必要で天候にも左右される11人制のサッカーと比べ、フットサルは仕事帰りの会社員でも気軽に取り組めるというメリットがあります。フットサルコートが東京などの大都市周辺に多く地方に少ない点はデメリットですが、自宅近くや通勤圏内にコートがあれば審判員の仕事は副業の有力な選択肢です。

フットサル審判員は試合で審判の役割を担当するだけでなく、会場の設営や撤収・受付・写真撮影などさまざまな運営業務を担当します。フットサル審判員には1級から4級までのライセンスもありますが、アマチュアの試合なら資格を持っていない人でも審判員を務めることは可能です。時給の平均的な相場は1,000円前後で、主審を務めるくらいの実力があれば2,000円くらいまで上がる場合もあります。

フットサルを含めたサッカーの審判員は選手の動きに合わせて走り回る必要もあるため、体力的にはハードな仕事です。運動を兼ねながらお金も同時に稼げる点がフットサル審判員のメリットですので、デスクワークで運動不足気味の人にとっては健康に役立つ副業になり得ます。

アマチュア野球の審判員

フットサル審判員と並んで募集数が多いのは、社会人野球や大学野球・草野球といったアマチュア野球の審判です。大都市圏だけでなく全国各地でアマチュア野球の試合が多く行われているため、地方に住んでいる人はフットサル審判員より仕事を見つけやすいところが有利な点です。

アマチュア野球には大学野球や高校野球・リトルシニアから草野球までさまざまな団体があり、各団体ごとに実施される講習会を受講することで審判員の資格を得ることができます。絶大な人気を誇る高校野球の審判員は平日の試合も多く、主要大会中は10日前後の休暇が必要です。審判を務めるには本業の職場から理解を得る必要もあるせいか、一般の会社員よりは教職員や公務員が務めているケースも目立ちます。

草野球の審判にも地域ごとの派遣団体が存在し、こちらは営業マンやエンジニアなどの会社員が担当している例も珍しくありません。アマチュア野球審判員の報酬は1日あたり5,000円程度が平均的な相場で、時給換算ではフットサル審判員より低めです。

夏の炎天下でもグランドに長時間立ち続けなければならない上に、審判は試合中にトイレにも行けません。運動量はフットサル審判員ほどハードではありませんが、何試合も続けて審判の仕事をこなすにはかなりの体力が必要です。報酬を考えると割りに合わない面もあるだけに、野球が本当に好きな人でないと長続きしない副業とも言えます。

スポーツ審判員の現状まとめ

全国各地にはスポーツ審判員が何万人と存在しますが、その中で専業の審判員はほんの一部に過ぎません。大多数の審判員は他に本業を持っていたり、審判員の傍らアルバイトで生計を立てているような人たちです。競技人口の多い野球やサッカーでさえも、需要が最も多いアマチュアの試合は審判員も基本的にアマチュアの人たちが担当しています。

このように本業としては成り立ちにくい面のある審判員も、副業としては意外に穴場と言える仕事です。時給換算では同じようなガテン系の工事現場バイトや引越しスタッフなどと比べて報酬が少なめですが、副業の目的は必ずしもお金を稼ぐことだけではありません。審判員はその競技に深く通じている人でないとできない仕事だけに、他の副業にない大きなやりがいを感じることができます。

審判員の需要が多い野球やサッカーでも、競技の経験がまったくない人ではこれほど重要な役目が務まりません。どうしても審判員の仕事がしてみたいという場合はまず選手として競技を経験し、ルールを体で覚えることをおすすめします。いずれも他の副業と比べて特に高収入が稼げる仕事ではありませんが、その競技が好きな人にとっては天職とも言える役目なのです。

タイトルとURLをコピーしました