企業のカスタマーサポートや電話営業を代行するコールセンターの仕事は、女性を中心に副業の手段としても人気を集めています。飲食店のアルバイトなどと違ってコールセンター業務はデスクワークで体力的負担が小さく、その気になれば高収入を稼ぐことも可能な点が人気の一因です。
オフィスに出社して働くスタイルのコールセンター業務は大勢のオペレーターが同じ部屋に密集するため、いわゆる「三密」の状態が避けらません。新型コロナウイルス感染のリスクを避けたい人には、自宅で副業が始められる在宅コールセンターがおすすめです。
新たなスタイルの在宅ワークとしても人気が高まっているコールセンターの仕事は、向き不向きが激しいとも言われています。この仕事に向いている人は副業でも高収入を稼いでいる反面、性格的に向かない人は短期間で辞めてしまう例も珍しくありません。在宅コールセンターの副業で稼いでいる人にはどんな特徴があるのか、仕事の実態をインバウンド業務とアウトバウンド業務に分けてまとめてみました。
一方でコールセンターを含む在宅ワークの中には、詐欺まがいの求人が紛れ込んでいる可能性も否定できません。在宅コールセンターの求人には問題がないのかどうかという点も検証し、安全な求人の見分け方を記事の後半で解説します。
在宅コールセンターで副業を始める人が増えている理由
コールセンターで働いている人の中には正社員や契約社員として雇用されている人もいますが、半数以上は派遣社員やパート・アルバイトなど非正規雇用の人たちです。最近は業務委託の形で運営会社と雇用契約を結ぶ例も増えており、コールセンターでの働き方も多様化しています。
土日のみの勤務や短時間だけ働くケースに加え、夜間のテレオペ業務など副業に向いた求人も少なくありません。普段から会社で電話応対や接客・営業の仕事をしている人であれば、在宅コールセンターの副業にもすんなり対応できる可能性が高いと言えます。
ビジネスフォンと業務用PCを連動したシステムが必要なコールセンターの仕事は、オフィスに出社しないとできないと思いがちです。緊急事態宣言下でテレワーク実施に踏み切る企業が増えた中、コールセンターを運営する企業の多くは在宅勤務に移行できないでいるのが現状でした。
そうした中でもチューリッヒ保険会社のようにコールセンターの100%で在宅勤務を実現した例があり、必要な設備を従業員の自宅に移せればテレワークも不可能ではりません。技術的にもクラウドを通じたコールセンター業務が在宅で実現できるように進歩しており、あとは新規システムを導入できるかどうかの問題です。
最近は在宅コールセンターを専門とする企業も登場しており、在宅ワークの一種として定着しつつあります。時代のそうした変化を受けて、在宅コールセンターの仕事が新たな副業として選ばれるようになってきているのです。
インバウンド業務で稼げる収入の目安
在宅コールセンターの仕事もオフィスで働く場合と同様に、顧客からの電話を受けるインバウンド業務と、こちらから電話をかけるアウトバウンド業務に大きく分けられます。このうちインバウンド業務はテレオペとも呼ばれ、注文の受付業務やカスタマーサポート・テクニカルサポートなどが主な仕事です。パソコン操作やIT機器のトラブルに関する相談に対応するテクニカルサポートはヘルプデスクとも呼ばれ、技術的な専門知識を要する仕事だけに時給も高めに設定されているケースが多くなっています。
インバウンド業務を担当する在宅オペレーターの時給は、1,000円から1.500円程度が平均的な相場です。ヘルプデスクを担当する場合も時給の水準は同程度ですが、時給2,000円前後に達する求人も珍しくありません。インバウンド業務の在宅コールセンターで高収入を稼いでいる人は、パソコンやIT機器について専門知識を持っていて難易度の高いヘルプデスクの仕事をこなせる人です。
テレアポなら高収入を稼ぐことも可能
一方のアウトバウンド業務はテレアポと呼ばれる営業電話をかける仕事と、テレマと呼ばれるアンケート調査を行う仕事に分かれます。法人に営業を行う仕事がテレアポ業務の中心ですが、個人宅に電話をかけて商品やサービスを紹介する仕事も少なくありません。
テレアポ業務は成果報酬制を採用しているケースが多く、収入は営業成績次第で大きく変動するのが特徴です。成約が1件も取れなければ収入は0ですが、1件につき数万円から10万円の報酬が得られる案件もあります。
テレアポ業務はコールセンター経験者に向いた仕事で、紹介する商品やサービスのセールスポイントをアピールする営業スキルが求められます。コールセンター未経験者でも営業の仕事が得意な人なら、副業でも高単価のテレアポ業務で月に10万円以上を稼ぐことが可能です。
アンケート調査を行うテレマ業務は企業などに電話をかけて決められた質問に答えてもらうだけなので、コールセンター未経験者に向いています。それだけに報酬の単価はテレアポより低く設定されており、1件あたり100円~1,000円程度が平均的な相場です。営業トークが得意で相手に断られ続けても心が折れない性格の持ち主は、アウトバウンド業務で高収入を稼げる可能性があります。
在宅コールセンターの副業に危険はないの?
在宅コールセンターの副業について詳しく知りたいという人の質問で特に目立つのは、仕事を始めるのに危険はないかどうかという不安の声です。実際に在宅ワークの副業と称して最初に教材や機材の購入を持ちかけられ、高額な費用を払っても稼げなかったという詐欺の例が過去にはありました。主婦を狙った内職商法詐欺は以前から問題となっているだけに、「在宅」と聞いただけで警戒してしまうのは無理もありません。
在宅コールセンターにも問題のある求人が紛れ込んでいる可能性は否定できませんが、ほとんどの求人は真っ当な仕事の募集です。以下に挙げるポイントに注意して募集記事をチェックしていれば、詐欺に遭うリスクを避けられます。
こんな在宅コールセンターの求人には要注意
在宅コールセンターの仕事を始めるには、コールシステムと接続される電話機の他にパソコンや専用のソフトウェアが必要です。私物のパソコンやスマートフォンを利用できるコールセンターもありますが、運営会社からパソコンを貸与またはレンタルするケースが多くなっています。
在宅コールセンター大手のコールシェアではPCレンタルも可能で、システム利用料と合わせたPCレンタル料は税込で月額3,300円です。自分のパソコンやスマートフォンを使って仕事をする場合は、月額1,320円のシステム利用料だけで済ます。
仕事を始めるのに何十万円もする高額機材の購入が必要な求人は、在宅ワーク詐欺の可能性が高いので注意が必要です。在宅コールセンターの求人を検討する際には報酬や仕事内容だけでなく、仕事に使用する機材が支給されるかどうかという点もチェックするといいでしょう。初期費用0円でも求人に書かれてある仕事内容と実際に指示される仕事内容が違う会社は、オープンにできないような仕事を求められる可能性があるので避けた方が無難です。
クレーム対応やノルマはある?
在宅に限らずコールセンターの仕事で心配になるのは、クレームに対応しなければならないのではないかという点です。インバウンドのテレオペ業務を担当する場合はカスタマーサポートが仕事の中心になってくる関係で、クレーム客への対応が避けられません。中には理不尽な苦情を申し立てる人や関係のない話を延々と続ける人もいるだけに、メンタルがある程度強い人でないとオペレーターが務まりません。
テクニカルサポートの仕事はそうしたクレーム客に当たる確率が低く、アウトバウンド業務も基本的にはクレーム対応を行う必要がありません。とは言えアウトバウンドでもテレアポ業務は自分から営業電話をかける必要がありますので、クレーム対応とはまた違った苦労が予想されます。テレアポの仕事は成果報酬制が一般的で、成約が獲得できないと収入も得られなくなってしまうのです。
テレアポは断られて当然の仕事だけに、1日に何回も同じ内容の営業電話をかけるのが苦痛だという人も少なくありません。中にはノルマが課せられる求人もありますが、成約を獲得できればインバウンドやテレマ業務より大きく稼げるのがテレアポ業務の魅力です。在宅コールセンターの求人に応募する際には、どちらの業務を担当することになるのか事前によく確認する必要があります。
在宅コールセンターの副業まとめ
一口に在宅コールセンターと言っても、インバウンドとアウトバウンドでは仕事内容がだいぶ違ってきます。クレーム客への対応が苦手という人はアウトバウンドの仕事を、営業トークに自信がないという人はインバウンドかテレマ業務を選ぶのが無難です。どちらにしても在宅コールセンターは電話を通じて顧客とやり取りする必要がある仕事だけに、コミュニケーション能力に自信のある人に向いています。
オフィスに出社するコールセンターの求人と違って、在宅の求人なら上司や同僚と直接顔を合わせる必要がありません。新型コロナウイルスへの感染リスクを減らせる上に通勤の必要もないため、地方に住んでいる人でも副業で高収入を稼ぐ道が用意されているのは大きなメリットです。自分の性格に合った在宅コールセンターの仕事を選ぶことで、住んでいる場所に関係なく効率よく副業収入が得られるようになります。
コメント
[…] […]
[…] […]
[…] […]
[…] […]