運転代行やモーニングコール代行・墓参り代行など、さまざまな代行の仕事が副業の手段として利用されています。中には場所取り代行や愚痴聞き代行・結婚式出席代行といった変わり種もありますが、最も大きな需要が期待できるのは家事代行バイトの仕事です。
共働き家庭や単身世帯が増えてニーズが高まっている中、一般家庭を対象とした家事代行サービスを手がける企業も増えています。家事代行バイトは飲食店やコンビニなど普通のアルバイトと比べて時給が全般的に高く、副業として効率的に稼ぎやすいのが人気の一因です。
一方で家事代行バイトは仕事内容が幅広いため、自分にできるかどうか不安に感じている人も少なくありません。家事代行バイトに興味があるのになかなか踏み切れないでいる人に向けて、主な仕事内容と必要なスキルに関する基本情報をまとめてみました。家事代行の仕事を始める3通りの方法についても、記事の後半でそれぞれの実例を解説します。
家事代行バイトの仕事は誰でもできる?
家事代行の副業について解説しているサイトを見ると、特別な資格やスキルは不要と説明されている例が大半です。掃除や洗濯・料理など普通の主婦が毎日やっているような家事スキルの持ち主なら、誰でもできる仕事とされています。
富裕層の間で古くから利用されてきた家政婦と違って、家事代行の仕事はサラリーマン家庭や一人暮らしの人からの依頼も珍しくありません。仕事が忙しくて家事をする暇がないという共働き家庭や家事が負担になってきた高齢者など、依頼人にはさまざまなパターンが見られます。
家事代行を副業にしている人は主婦が圧倒的に多く、年齢層では30代から50代の女性が中心です。最近ではテレビドラマの影響もあって、20代の若い女性で家事代行バイトをしたいという人が増えています。家事代行サービスの募集している求人を見ても年齢制限を特に設けてないケースが大半で、20代の人や未経験の人でもスタッフになることは可能です。
一方で家事代行を依頼する人の側では30代以上の経験豊富な女性を希望する例も多く、実績の少ない20代の人は信頼を得るのに時間がかかる可能性もあります。家事代行サービスのスタッフは女性が圧倒的に多く、マッチングサイトを利用する場合も含め男性スタッフは少数派です。
男性でも家事代行バイトで稼ぐことは不可能ではありませんが、依頼人の自宅に上がりこんで行う仕事だけに、女性客からは敬遠されがちな面も否定できません。男性が家事代行バイトを始める際には、女性以上に信頼を獲得することが重要となってくるのです。
家事代行の仕事内容
家事代行バイトに関する質問を見ると、「どのような仕事をすればいいのですか?」という声が目立ちます。食器洗いのような子供が手伝える簡単な仕事もあれば、大掃除にするような仕事もあるという具合で、家事と言ってもさまざまです。
家事の経験が浅い人にとっては「自分にもできるだろうか?」と不安になるのも無理はありませんが、一般的な家事代行はそれほど難しい仕事ではありません。基本的には掃除や洗濯・調理など、日常的な家事を依頼人に代わって行う仕事です。
料理の作り置きや食料品の買い物など、調理に伴う諸々の作業も家事代行の仕事に含まれます。ゴミ出し・靴磨き・アイロン掛けなどの雑用や、クリーニング受け取り・宅配の荷物受け取りなど細々とした仕事も家事の範囲内です。
依頼内容によっては植物への水やりや草むしりなど庭の手入れが含まれる場合もある他、子供の相手をしたり犬の散歩などペットの世話をしたりする仕事が加わることもあります。仕事内容が似ているハウスクリーニングは掃除に特化しているだけでなく、エアコン掃除やフロアコーティングなど専門的な作業を伴う点で家事代行とは異なるサービスです。
家事代行を始めるのに必要なスキル
家事代行を始めるのに特別な資格などは不要ですが、お金をもらって引き受ける以上は家事のプロとして恥ずかしくない仕事ぶりが求められます。家事代行サービスのスタッフとして採用されれた場合には、実地の前に事前研修を受けるのが一般的です。家事のプロを名乗る自信がないという人でも、研修を通じて必要なスキルを身につけらることができます。
家事代行スタッフとして働くのに資格は必須でないとは言え、調理師や栄養士・管理栄養士などの資格を持っていれば採用や時給の面で有利になるのは間違いありません。整理収納アドバイザーやハウスクリーニング技能検定・保育士など、家事と関連する資格が生かされる場面もあります。
仕事に使う掃除用具や調理器具などは、依頼人の自宅にある道具類を使用するのが一般的です。そうでない場合でも家事代行業者の側で道具類を準備してくれるため、通常は自分で用意する必要はありません。家事代行サービスを開業して独自に集客する場合は、掃除や調理などを効率化する道具も用意することで付加価値を高められます。
家事代行ではていねいな仕事ぶりが求めれますが、決められた時間内に指定された作業をすべて終わらせるだけの手際良さも必要です。家事代行に限らず依頼主の自宅にお邪魔する仕事では何よりも信頼関係が重要になってきますので、掃除などの際には物を壊したりなくしたりしないよう細心の注意を払って作業を行う必要もあります。
家事代行バイトで副業を始める方法
家事代行バイトを始める最も手っ取り早い方法は、代行サービスを運営する店舗のスタッフとして採用されることです。この場合は家事代行業者にパートやアルバイトとして雇用される形となり、勤務シフトに従って働くことで決められた時給に基づく給料が支払われます。
家事代行にはこうした雇用契約を結ぶ働き方以外にも、個人事業主として依頼人と業務委託契約を結ぶ働き方があります。家事代行を募集する依頼人と仕事がしたい人を仲介するマッチングサービスは、個人事業主として働く代表的な例です。副業としてはハードルが高めですが、フランチャイズなどを利用して自分で家事代行サービスを開業するという手もあります。
富裕層向けの家政婦は専業にする人が多かったと比べ、1日数時間程度で週1日からの勤務も可能な家事代行バイトは副業に向いた働き方です。週に1回や月に何回など決まった頻度で依頼人の自宅に訪問する定期プランを契約できれば、副業でも安定した収入につながります。来客や引越し・産後サポートなどの際に依頼されるスポット案件は長時間に及ぶ仕事も少なくないため、一度にまとまった金額を稼げる点がメリットです。
家事代行サービスのスタッフ
家事代行サービスを運営する会社では、求人サイトなどと通じてスタッフを随時募集しています。各社独自の事前研修で家事スキルを身につけられる上に、マニュアルがしっかりしている点がそうした会社のスタッフとして採用されるメリットです。
時給は1,000円程度から2,000円以上まで代行サービスによって幅が見られ、交通費が支給されるケースも少なくありません。家事スキルが高く依頼人から指名を受けるようになれば時給も上がり、効率的に稼げるようになるという仕組みです。
未経験からスタートする場合は家事代行サービスのスタッフとして働くのが有力な選択肢ですが、サービス提供エリアは首都圏などに限られる例が多くなっています。SWIPPは東京23区が対象エリアで、家事代行のマエストロサービスは東京・神奈川県が中心です。家事代行大手のベアーズは首都圏の他に、北海道や愛知・関西圏・福岡県もエリアに含まれます。日本初の家事代行サービスとして1983年にサービスを開始したミニメイド・サービスは富裕層向けの家事代行サービスを展開しており、東京23区の高級家庭を対象としています。
時給1450円以上が売りのCaSyは首都圏と関西圏に加え、愛知県や宮城県にも対象エリアを拡大中です。CaSy(カジー)は週1日2時間から働けるだけに、スキマ時間を有効活用して稼ぐのに向いています。
CaSy(カジー)についての詳しい情報は、以下の記事で解説しておきました。
首都圏の1都3県を対象エリアとするキャットハンドの時給は1,200円~1,500円以上で、仕事ぶりが認められれば昇給も可能になってきます。キャットハンドは事前の研修がしっかりしているため、家事代行の経験がないという人でも安心です。
マッチングサービスを利用
家事代行のマッチングサービスは仕事の依頼人とワーカーを仲介する存在で、仕事の契約自体は個人間で結ぶ方式です。個人事業主として依頼人と個別に契約を結ぶ形となるため、家事代行の経験を持つ人や家事に自信があるという人に向いています。
家事代行サービスのスタッフと違って時給が決まっているわけではありませんが、マッチングサービスを利用した場合の料金にもある程度の相場が見られます。1時間あたり2,000円から3,000円程度が基本料金の平均的な相場で、サービス利用手数料を引いた残額が自分の収入になる仕組みです。
代表的なマッチングサイトのタスカジは経験豊富な家事のプロを「タスカジさん」と呼び、テレビや書籍でも紹介されて有名になりました。タスカジのサービス対応地域は首都圏の一部と大阪を中心とした関西圏に限定されますが、今後は対応エリアが順次拡大される予定です。
タスカジの登録方法や時給の目安については、こちらの記事で詳しく解説しておきました。
家事代行のプロが3万店以上も出店しているくらしのマーケット対象エリアは、北海道から沖縄県までの全国に及びます。「ご近所助け合いアプリ」のANYTIMESや無料掲示板サイトのジモティーも全国が対象です。
自分で家事代行サービスを開業
特定のサービス事業者に頼りたくないという人は、自分で家事代行サービスを開業するという手もあります。東京など家事代行サービスが多いエリアに住んでいる人は副業を始めるのに有利ですが、地方に住んでいるとスタッフの求人もなかなか見つからないものです。家事代行サービス各社の対応エリア外でも、自分で開業してしまえば地元の人から依頼を受けることが可能になってきます。
この場合は依頼人から受け取る報酬を全額自分の収入とすることも可能ですが、どうやって集客するかが問題です。フランチャイズに加盟して知名度の高いブランドの看板を使う集客方法は高額な加盟金が必要になるため、副業で家事代行を始める方法には向いていません。新聞折込チラシやポスティングを使った集客も効果的とは言え、この場合もある程度の経費がかかってきます。
ブログやSNSなどを利用したネット集客はそれほど経費をかけずに済む点がメリットで、副業からスタートする家事代行サービスの起業に合ったやり方です。料金の15%から20%程度が手数料として引かれますが、前述のマッチングサイトを利用して依頼人を募集するやり方も有効な集客方法の1つです。
家事代行バイトの始め方まとめ
どの方法を選んで家事代行の副業を始めたとしても、依頼主から指名を受けるようになれば定期的に仕事が入り安定した収入につながってきます。都心部など家事代行の需要が高い地域は移動時間を短くして効率的に回れるため、土日などの限られた時間内でも稼ぎやすいものです。
家事代行は依頼人によって仕事内容もさまざまで、必ずしもすべての作業を1人でこなさなければならないというわけではありません。料理の作り置きだけという依頼や掃除だけの依頼など、自分の得意な家事に絞って仕事を引き受けることも可能です。依頼人としても赤の他人を自分の家に入れるのに不安を感じるのが当然ですので、トラブルを避けるためにも依頼人とのコミュニケーションが重要になってきます。
初心者は家事代行サービスのスタッフからスタートし、研修を受けた上で少しずつ実績を積み重ねていくのが無難な始め方です。家事の経験が豊富で腕に自信がある人や家事に関連した資格の持ち主なら、最初からマッチングサイトを利用して集客してみるのも有力な選択肢となってきます。
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