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童話作家になるには?童話を書いて収入を得る7つの方法を解説

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童話は児童書の1ジャンルとして根強い人気を誇りますが、童話作家になるにはどうしたらいいのでしょうか?

たとえ副業でも童話作家として人に認められるには、書いた作品を何らかの形で収入に結びつける必要があります。以前は本を出版するぐらいしか選択肢がなく、童話作家になるには高いハードルが存在しました。

今はインターネットの普及を背景に、童話を書いて収入を得る方法も7種類に増えている状況です。それぞれの方法についてやり方を解説するとともに、童話作家として稼げる収入の目安についても記事の後半で詳しく解説します。

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童話作家になるには?

ハリーポッターのイメージ

一般に「作家」と言えば、小説や絵画など芸術作品の制作を職業としている人たちを想像しがちです。「アマチュア作家」などという言い方もされてますので、職業でなくても作家と呼ばれる資格はあります。

そうなると趣味で童話を書いている人であっても、「童話作家」を自称することは可能です。この記事では副業の場合も含め、童話を書いて収入を得ている人を「童話作家」として定義することにします。

実際に童話作家を名乗っている人の中にも執筆業だけでは食べていけず、他に本業の仕事を持っている人は少なくありません。主婦業の傍らで童話を執筆し、副収入を得ている人もいます。童話作家の多くは本業ではなく副業作家という実態もありますが、好きな童話の執筆で収入が増やせるという点では魅力のある仕事です。

童話を書いて収入を得るには、以下のような7つの方法が考えられます。

  1. 出版社への原稿持ち込み
  2. 新人賞を受賞して作家デビュー
  3. 童話の公募で賞金を稼ぐ
  4. 自費出版
  5. 電子書籍の出版
  6. 投稿サイト
  7. 童話ブログ

それぞれ詳しく解説していきます。

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新人賞を受賞して作家デビュー

童話や児童文学の本を出している出版社の中には、新人発掘の目的で新人賞を開催しているところがあります。講談社が毎年募集している講談社児童文学新人賞や、岩崎書店が主催する福島正実記念SF童話賞などが代表的な例です。出版社の主催ではありませんが、日本児童文学者協会・長編児童文学新人賞も新人の発掘を目的として開催されています。

童話作家(または児童文学作家)になる方法としては、受賞作が出版される新人賞を受賞してデビューするのが王道です。自分の書いた童話作品が出版されれば、印税の形で著作権料収入が得られるようになります。初版分の印税が賞金に含まれる公募でも、本の売れ行きが好調で重版がかかれば印税収入が発生する仕組みです。

新人賞のイメージ

童話作家として収入を得るには新人賞を受賞するのが最も理想的なコースですが、誰もがこのやり方で作家になれるわけではありません。作家デビューを目指して新人賞に応募している人は、他にも数多く存在するからです。

講談社児童文学新人賞は60回以上の長い歴史を誇り、2021年度の応募数は過去最多の795編に達しました。どの新人賞も最終候補に残るような作品はレベルが高く、難関を突破できるのは才能のある一部の作家志望者に限られるのが現状です。

一般文芸の小説やライトノベルの新人賞と比べ、童話や児童文学の新人賞は数が決して多くありません。特に童話の分野では応募規定の枚数が少ない公募が多いだけに、受賞しても単独では本を出版してもらえないケースが大半です。入選作をまとめた作品集の形で発行される場合もありますが、普通は印税収入につながりません。

出版社への原稿持ち込み

原稿の入った封筒を渡す

新人賞を受賞するのが王道とは言え、童話作家としてデビューした人の全員が新人賞を受賞しているわけではありません。童話や児童文学の本を出している出版社の中には、新人を発掘するための賞を実施していないところもあります。

新人賞を募集している出版社も含め、編集部への原稿持ち込みで採用してもらえれば出版につながります。漫画や小説の分野でも、持ち込み原稿で作家デビューを実現させた人の例は少なくありません。

とは言え出版社も商売だけに、売れる見込みがないと判断されれば容赦なく断られるのが当たり前の世界です。原稿の持ち込みを受け付ける形で新人を発掘するのは、編集部にとっても決して効率がいいやり方とは言えません。だからこそ出版社側で新人賞を開催し、選考委員を立てて受賞作を選んでいるわけです。

童話のジャンルでも同じ事情があることから、原稿の持ち込みでも新人賞応募と同様に厳しい結果が予想されます。何度没にされてもめげずに再チャレンジするぐらいの根性がある人でもない限り、他の方法を選んだ方が無難です。

童話の公募で賞金を稼ぐ

賞金のイメージ

アマチュアが童話を書いて収入を得る方法としては、賞金が出る公募にチャレンジするのが最も現実的な選択肢です。主にアマチュアの書き手を対象として、入選作品に賞金が贈られる童話コンクールが複数あります。

高額賞金のかかる童話のコンクールほど応募数が多くライバルも強敵揃いですが、1つの公募で複数の賞を選出されるのが普通です。最上位の賞は通常1人しか選ばれないのと比べ、優秀賞や佳作クラスになると一度に複数人が選ばれます。

佳作でも数万円程度の賞金がもらえる公募は多いだけに、童話執筆を趣味としている人にとってはお小遣い稼ぎができるチャンスです。大賞や最優秀賞は無理という人でも、コツコツ応募を続けていれば佳作クラスの賞に引っかかる可能性が出てきます。

筆者も童話コンクールに何度か応募してきた中で、1回だけ佳作に入って3万円をもらったことがありました。筆者の場合は小説やエッセイ公募への応募がメインで、童話は必ずしも得意というわけではありません。童話を書くのが得意な人であれば、入選確率はもっと高いはずです。

自費出版

自作の童話を本として出版するには持ち込み原稿を採用してもらうのでない限り、出版社で募集している新人賞を受賞するしかないのが普通です。100万円程度の出版費用が用意できる人なら、これに自費出版という第3の選択肢が加わります。

出版にかかる費用を自分で負担すれば、新人賞を受賞しなくても自作の童話を出版して世に出すことは可能です。大手出版社の自費出版部門を利用するか、または自費出版・共同出版系の出版社を利用するやり方が考えられます。

いずれも高額の出版費用が必要になるため、「童話を書いて収入を得る」のが目的の人にはおすすめできません。初版だけでは出版費用をまかなえないのが普通ですので、自費出版で収益を出すには重版になるかどうかが1つの分かれ目です。

自費出版の本でも大手書店の店頭で売ってもらえれば、売れ行き次第で重版がかかる場合もあり得ます。そのへんの条件は出版社によっても異なり、自費出版だと通常の流通ルートに乗せてもらえないケースも少なくありません。

自費出版の本

Amazonのプリント・オン・デマンド(POD)を利用すれば、注文に応じて1冊からの印刷・出荷が可能です。SNSなどを使って自分で宣伝する努力も必要ですが、従来の自費出版と違って高額の出版費用を用意する必要がありません。

実際に「絵本・児童書」のジャンルでも、PODを利用したオンデマンド (ペーパーバック)の童話作品が数多く販売されています。売上から印刷費と販売手数料を引いた残りの金額を、著者の収益として受け取れる仕組みです。

印刷費はカラーページが1ページあたり2.5円で、モノクロページが1.8円、販売手数料は価格の40%となっています。この費用を上回る価格に設定すれば、本が1冊売れるごとに差額が自分の収入になるという仕組みです。

ISDNコードなしでもPODを利用した販売は可能ですが、Amazonで売上を伸ばすにはサイト内で適切に検索される必要もあります。プラス5,000円の費用を払ってでも、ISDNコードを付けた方が有利です。これでも普通に自費出版するよりは、出版費用がはるかに安く上がります。

電子書籍の出版

自作の童話を出版して子どもたちに読んでもらう方法は、以上のような紙の書籍だけに限りません。電子書籍の形で出版すれば、タブレットや専用端末・スマホの画面で作品を読めるようになります。

電子書籍の普及度はコミックの分野が大きくリードしている状況で、童話や絵本などの児童書はまだまだ発展途上の分野です。児童書の売上は図書館や学校で購入している分の割合が多いだけに、他のジャンルと比べて紙の本の需要が高めとも言われています。家庭でも紙の本を使った方が読み聞かせに都合がいいせいか、絵本は電子化がなかなか進んでいないのが現状です。

電子書籍を読む

売上については今後の課題ですが、名作童話の多くがすでに電子書籍化されています。AmazonのKindleダイレクトパブリッシング(KDP)を利用すれば、アマチュアの童話作家でも電子書籍の無料出版が可能です。

紙の本をオンデマンド出版する場合と違って印刷製本の必要がないせいか、KDPで著者に支払われる印税率は高めに設定されています。Kindleの独占販売を認めた場合は、販売価格の70%が著者の収益となる仕組みです。他社の電子書籍サービスと併用する場合でも印税率は35%で、紙の本を出版するよりは高い水準となります。

無名のアマチュア作家が出した電子書籍が売れるかどうかは別問題ですが、Kindleで出版すれば最大手のAmazonで集客できるという点が最大のメリットです。童話を書いて収入を得る手段としては難易度が高めとは言え、無料出版も可能な方法だけに試してみる価値はあります。

投稿サイト

紙の本や電子書籍を出版しなくても、自作の童話で収入を得る方法はまだあります。小説や童話などの作品を掲載できる投稿サイトのうち、収益が作者に還元される仕組みがあるサイトを利用して稼ぐ方法です。

投稿作品の一部を有料で公開しているサイトもありますが、無料で公開される作品を投稿しても普通は収益に結びつきません。一部のサイトでは作品を無料で公開しながら、サイトの広告収入を投稿者にも還元する仕組みがあります。カクヨムアルファポリスノベルバといった投稿サイトは、収益化が可能な投稿サイトの例です。

いずれのサイトも投稿作品は小説が中心ですが、童話のカテゴリも用意されています。作品のPV数(閲覧数)や投稿実績に応じて、サイトの広告収入が作者に還元される仕組みです。

ノベルアップ+のように、読者が購入した支援ポイントをもらうことで投げ銭収入が得られる投稿サイトもあります。それらの小説投稿サイトで稼ぐ方法については、以下の記事で詳しく解説しておきました。

童話ブログ

童話を書いて収入を得る7つめの方法は、自作の童話をブログに公開して広告収入を稼ぐやり方です。童話のコンクールに応募したり作品を出版したりするのと違って、ブログを利用する場合は無料で公開することになります。

投稿サイトで公開されている作品も基本的に無料で読める点では変わりありませんが、どのサイトも収益化の目的で広告を掲載するのが普通です。投稿サイトと同じ仕組みを利用すれば、個人でも童話を無料で公開しながら収益化が可能になってきます。

ブログのイメージ

もちろん個人が運営するブログと違って、多数の投稿者に支えられた人気の投稿サイトはPV数が桁違いです。広告収入はPV数に比例して増える面があるだけに、弱小ブログに広告を掲載したところでほとんど稼げない可能性もあります。

何らかの悩み解決に役立つ情報コンテンツであれば、個人ブログでもGoogleやYahoo!の検索経由でPV数を伸ばすことは可能です。個人ブログを収益化するには検索エンジン対策が欠かせませんが、自作の童話や小説を公開したブログでは検索経由の流入もたいして期待できません。

SNSをうまく活用して童話好きのファンを増やし、フォロワーをブログに誘導するという手もあります。検索エンジン以外からの流入を促すような仕組みを作れるかどうかが、童話ブログを収益化する上で大きな分かれ目です。そうなると作品を書く以外の能力も求められてくるだけに、ある程度のネットリテラシーを持つ人に向いた稼ぎ方と言えます。

童話作家の収入はどれくらい?

原稿用紙とペンとお金

プロ・アマ問わずに童話作家と呼ばれている人たちは、作品の出版や雑誌掲載などで収入を得ています。有名になるとテレビへの出演や講演会などで副収入を稼げるようになりますが、基本はあくまでも作品を提供することによる著作権使用料の収入です。

著作権使用料の支払い方法には、印税と原稿料の2種類があります。印税は作品を本にまとめて出版した場合などに適用される方式で、著作物が複製されるたびに使用料が支払われる仕組みです。雑誌掲載などに適用される例の多い原稿料は労働の対価という意味合いもあるため、基本的に1回限りの収入となります。

印税収入

大人向けの小説を本として出版した場合は、本の価格の10%が印税率の平均的な相場です。童話の印税率は小説より低めの8%という例が多く、デビューしたばかりの新人作家はもっと低い場合もあります。絵本の印税は挿絵画家と折半されるのが一般的で、8%の場合は半分の4%が童話作家の取り分です。

大手出版社から童話作品を出版する場合、初版の発行部数は3,000部から5,000部ほどと言われています。仮に1,000円の本を5,000部出版したとすると、印税率4%なら童話作家が受け取る著作権使用料は20万円です。

著作権料のイメージ

小学校高学年向けの児童文学作品で文章の割合が多い場合は、童話作家と挿絵画家が受け取る印税の割合が6:4などに変更されることもあります。この場合は本の価格と発行部数が同じでも、童話作家が受け取る印税は24万円に増える計算です。

作品が好評で重版がかかれば、発行部数が増えるごとに印税収入も増えていきます。絵本や児童書の分野では累計で100万部を売り上げたロングセラー作品も少なくありませんが、それだけのセールスを記録しているのはほんの一部の作家に過ぎません。

本を出版しても初版止まりという童話作家は少なくないだけに、他に本業を持っている人でないと生活が成り立たなくなってしまいます。童話の仕事を主婦業や会社員などの副業と位置づければ、印税収入が入ることで生活にも余裕が出てくるというわけです。

電子書籍出版の印税

電子書籍を出版した場合は、紙の本を出版するよりも印税率が高くなります。Kindleダイレクトパブリッシングを利用してセルフ出版したとすると、Kindle独占販売に設定した場合の印税率は70%、それ以外は35%です。

99円から20,000円の範囲内であれば、販売価格は著者が自由に設定できます。作品が売れやすいように最低価格近い100円に設定したとすると、印税率70%で1部売れれば70円、35%なら35円が著者の取り分です。

紙の本と違って初版で何千部も発行して流通ルートに乗せるわけではないため、電子書籍を出版しても実数を売らなければまとまった収入になりません。無名のアマチュア作家が出した童話作品だけに、まったく売れないという事態も考えられます。売れるようにするにはSNSなどを通じて情報発信し、童話作家としての知名度を上げる工夫も必要です。

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原稿料収入

雑誌掲載などの対価として支払われる原稿料の方は、400字詰原稿用紙1枚あたりいくらという形で計算されるのが出版業界の慣例となっています。1枚あたり数千円程度が原稿料の平均的な相場ですが、童話は大人向けの小説より少ない枚数で完結するのが普通です。原稿用紙換算で5枚の作品を書いて雑誌に掲載してもらった場合、原稿料が1枚2,000円なら合計1万円の収入ということになります。

公募の賞金

賞金の入った封筒

アマチュアの童話作家にとって最も魅力的な作品執筆の目標は、高額の賞金がかかる童話コンクールの公募です。出版歴がある童話作家でなくても、応募作品が評価されれば受賞の可能性があります。プロの作家デビューにつながる出版社系の新人賞と比べ、募集の対象となっているのは短い童話が中心です。

毎年定期的に作品が募集される童話のコンクールとしては、以下のような公募が挙げられます。

  • アンデルセンのメルヘン大賞(最高賞金30万円)
  • 日本新薬 こども文学賞(最高賞金30万円)
  • 日本動物児童文学賞(最高賞金30万円)
  • ENEOS童話賞(最高賞金100万円)
  • 家の光童話賞(最高賞金30万円)
  • ミツバチの絵本コンクール ストーリー部門(最高賞金30万円)
  • 子どもたちに聞かせたい創作童話(最高賞金5万円)
  • 新美南吉童話賞(最高賞金50万円)
  • ニッサン童話と絵本のグランプリ童話部門(最高賞金50万円)
  • グリム童話賞(最高賞金10万円)

400字詰原稿用紙換算で5枚前後という例が多いせいか、高額の賞金がかかった公募は応募数も非常に多く激戦となっている状況です。アンデルセンのメルヘン大賞は応募規定が8,000文字以内で、受賞作が絵本として出版されます。それ以外は受賞作が単独で出版されるわけではありませんが、枚数が少ないわりに賞金が高額な点は魅力です。

この他にも森三郎童話賞(最高賞金50万円)や森林のまち童話大賞(最高賞金50万円)など、2~3年ごとに開催される童話コンクールがあります。小川未明文学賞(最高賞金100万円)やちゅうでん児童文学賞(最高賞金50万円)など児童文学の公募は大賞作品が出版されるだけに、童話コンクールより応募規定の枚数が多めです。最新の募集状況については、公募ガイドオンラインなどの公募情報サイトで確認してみるといいでしょう。

童話作家になる方法まとめ

不思議の国のアリス

童話を書いて収入を得る7つの方法を整理すれば、「作品の出版」と「童話コンクールへの応募」「作品投稿」の3つに大きく分けられます。作品を出版する方法は、新人賞受賞と原稿持ち込み・自費出版・電子書籍出版の4パターンです。

いずれかの形で出版社とつながりを持てば、作品の雑誌掲載などで原稿料収入が得られる可能性も出てきます。作品投稿で収入を得る方法は投稿サイトと個人ブログの2つに分けられますが、どちらもまとまった金額を稼ぐのは至難の業です。

公募されている童話コンクールへの応募であれば、アマチュアの童話作家でも万単位の金額を稼げる可能性があります。落選する確率の方がはるかに高いのも事実ですが、作品を郵送したとしても応募費用は微々たる金額です。まずはコンクールへの応募からスタートし、自信がついたところで他の方法にもチャレンジしてみるのが無難なやり方だと言えます。

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