電気代や食品などの値上げが相次いで、節約に対する意識がこれまで以上に高まっています。インターネットで節約術に関する情報を探し回っている人も少なくないのではないでしょうか?
そんな中で注目を集めているのは、節約のプロとも言える「節約アドバイザー」のお仕事です。名称だけを見ると資格を必要とする仕事のように思いがちですが、節約アドバイザーという名の資格が存在するわけではありません。誰でもその気になれば、節約アドバイザーを名乗って相談や執筆などの仕事をすることは可能です。
節約に関連した何らかの資格を持っていれば、仕事の獲得や集客に役立つ場面も出てきます。資格なしの状態から無料で節約術を学び、アドバイザーになる方法もないことはありません。
そこで今回は有料でも安い費用で学べる手段を含め、節約アドバイザーになる方法について基本情報をまとめてみました。節約アドバイザーを仕事にしたい人も、自分の節約生活に役立てたい人も、この記事を読めば節約の達人になる道が開けてきます。
節約アドバイザーとは?
世の中には「アドバイザー」の名がついた肩書きが数多く存在しますが、節約アドバイザーは比較的最近になって耳にするようになった仕事です。整理収納アドバイザーや婚活アドバイザー・キャリアアドバイザーなどと比べると、知名度という点ではまだ低めかもしれません。
冒頭でも触れた通り「節約アドバイザー」という名称の資格が存在するわけでもありませんが、このところ相談や執筆依頼の需要が急増している仕事です。
最近はコロナの影響や世界情勢の変化に伴って、光熱費や食品の値上げが庶民の生活を圧迫しています。家計を少しでも楽にしたいという人に向けて、有益な情報を提供してくれるのが節約アドバイザーの役割です。価格高騰の動きは今後もまだまだ続くと予想されるだけに、節約アドバイザーの果たす役目はこれまで以上に重要になってくるでしょう。
節約アドバイザーになるには資格が必要?
ハウスキーピング協会が名称を商標登録している「整理収納アドバイザー」などと違って、節約アドバイザーを名乗るのに法律上の制限はありません。名称独占や業務独占を伴う国家資格でもありませんので、誰でも自称であれば「節約アドバイザー」を名乗るのに支障はない状況です。名乗ることで仕事を獲得できれば、収入を増やしたりするようなメリットにつながります。
とは言え何の資格も持たない人が名前だけ節約アドバイザーを名乗ってみたところで、仕事を依頼しようという人はなかなか現れないのが普通です。節約に関する相談やアドバイスの仕事で対価を受け取るには、相手の信頼を得る必要があります。節約に関連した資格を持っている人の方が、仕事相手からも信頼されやすいのは当然です。
実際に節約アドバイザーとして活躍している人の例を見てみましょう。節約に関する著作で知られる丸山晴美さんは、FP技能士2級(AFP)や消費生活アドバイザー・秘書検定・調理師など複数の資格の持ち主です。メディア出演歴が豊富な和田由貴さんも、消費生活アドバイザーの他に食生活アドバイザーや家電製品アドバイザー・環境カウンセラーといった資格を保有しています。
節約アドバイザーを名乗るのにこれらの資格が必須というわけではありませんが、関連する資格の保有数が多い人ほど信頼されやすいのも事実です。節約と関連性の薄い資格よりは、お金に関わる資格の方が好相性とも言えます。
節約に関連した資格
丸山晴美さんと和田由貴さんの保有資格を見ると、「消費生活アドバイザー」が共通していることに気づきます。消費生活アドバイザーは一般財団法人の日本産業協会が試験を実施し、内閣総理大臣と経済産業省が認定する資格です。節約術というよりは、消費者トラブルに関する相談や助言などの仕事が想定されています。
消費生活アドバイザーの最終的な合格率は30%程度とされていますので、資格取得の難易度は高めです。これから節約アドバイザーを目指そうという人の場合、難易度が低めでお金に関連した資格を狙った方がいいでしょう。
資格を取得するのにそれぞれ3万円程度の費用はかかりますが、以下の資格は節約アドバイザーを名乗るのにふさわしいと言えます。
- ファイナンシャルプランナー(FP技能士)
- 家計整理アドバイザー
- 節約生活スペシャリスト
- マネーライフプランナー
無料で節約術を学ぶ3つの方法
以上のような資格を取得するには、講座の受講や検定料などで万単位の費用が必要になってきます。もっと安い費用で節約術についての知識を身につけ、アドバイザーの仕事につなげたいという人もいるはずです。
市販の書籍などを利用すれば、独学でも節約アドバイザーを目指すことは可能です。日々の生活を通じて自分なりの節約術を実践した経験も、アドバイザーの仕事をする上で役に立つ場面が出てきます。ごく普通の主婦が節約生活についてのレポートをブログやSNSで発信していて、出版などの仕事依頼につながったという例もありました。
独学で節約術を学ぶにしても、普通は書籍の購入費用がかかってきます。費用をもっと徹底的に節約したいという場合には、無料で済ませることもできなくはありません。
通信費の部分を無視すれば、実質0円で節約術を学べる方法は以下の通りです。
- ライフハック系のWebメディアで学ぶ
- 節約ブログで学ぶ
- YouTubeの動画で学ぶ
独学の手段としてどれだけ有効なのか、それぞれの検証結果を紹介します。
ライフハック系のWebメディア
最近は新聞を読まず、テレビのニュース番組も見ないという人が増えています。世の中の動きに関する最新情報は、インターネットで手軽に入手できる時代です。仕事術や生活の知恵について取り上げたライフハック系のWebメディアには、節約術に関する記事が数多く掲載されています。
提携サイトの記事を転載したYahoo!ニュースで「節約」に関連した記事を検索すると、4,000件以上の記事が検索結果に表示される状況です。それだけ節約に対する人々の意識が高まっている証拠と言えます。
ニュースサイトやWebメディアは民放のテレビ番組と同様に、主に広告による収益で運営される仕組みです。新聞社系のニュースサイトなどは有料会員だけが読める記事も少なくありませんが、ライフハック系のWebメディアに掲載されている記事の多くは無料で読めます。
いずれも資格講座などと違って体系的に学べるようには作られてはいないため、情報の取捨選択は必要です。節約術について効率的に学ぶという点では課題もありますが、費用がかからないという点では大きなメリットがあります。筆者も電気代や食費を節約する目的で、こうしたWebメディアの記事を参考にしています。
節約術に関する記事がYahoo!ニュースにも転載されている主なWebメディアは以下の通りです。
- 東洋経済オンライン
- AERA dot. (アエラドット)
- All About(オールアバウト)
- 8760 by postseven
- サンキュ!
- 週刊女性PRIME
- ESSEonline(エッセ オンライン)
- マネーポストWEB
- ハルメク365
- ファイナンシャルフィールド
- kufura(クフラ)
- マネーの達人
それぞれ節約関連以外の記事も多く掲載されていますので、「ライフ」「暮らし」といったカテゴリで一覧から記事を探してみるといいでしょう。転載元や転載先で「節約」と検索して記事を絞り込んだ方が、読みたい記事を見つけやすくなります。
節約ブログ
節約に関する情報は以上のようなニュースサイトやWebメディアだけでなく、個人が運営しているブログでも発信されています。TwitterやインスタグラムのようなSNSでも節約関連の情報は見つかりますが、文字数などの制約が少ないブログの方が詳しいです。
ニュース系のメディアと比べて、節約ブログの記事には実体験が色濃く反映されています。節約術の達人が実践している工夫の数々は、「生きた教材」とも言える貴重な情報源です。他の人が試みた節約術を自分も実践していけば、アドバイザーとしての経験値にもつながっていきます。
個人ブログも広告による収益で運営が成り立っている例が多く、掲載されている記事は誰でも無料で読めるのが普通です。独学の費用を0円に節約するには格好の教材となり得ますが、情報の質という点ではばらつきがあります。
個人ブログもニュース系のメディアと同様に、節約術に関する知識が体系的に記述されているわけではありません。ブログに書かれてある情報を鵜呑みにせず、裏を取ったり自分なりに検証したりする工夫も欠かせません。他の方法と併用しながら、無料で得られる情報源の1つとして参考程度にとどめるのが無難です。
YouTubeの動画
長い文章を読むのが苦手な人は、YouTubeに投稿された動画で節約術を学ぶという手もあります。エンタメのイメージが強いYouTubeにも、最近は節約術など実用的な知識を発信する動画が増えてきているからです。
YouTubeでも一定の条件を満たせば、動画の投稿で広告収入を稼げるようになります。動画を視聴する側は広告も閲覧することで、民放のテレビ番組のように無料で視聴できる仕組みです。
節約術についてブログよりも楽しく学べる方法ではありますが、情報の質という面では同じようなばらつきが見られます。動画で解説されている内容が本当かどうか、自分なりに検証してみるぐらいの慎重さも必要です。YouTubeの動画だけで節約術を学べば無料で済みますが、他の方法と併用することをおすすめします。
節約術を安価に学ぶ方法
以上のような手段を用いれば、節約術を実質無料で学ぶことも可能です。インターネットで仕入れた知識を日々の生活で実践してみることで、さまざまな節約術が実体験として自分のものになります。
そうやって自分なりの節約術を確立させ、ブログやSNSなどを通じて情報発信している人も少なくありません。わざわざ何万円も費用をかけて資格を取得しなくても、情報発信が仕事につながる可能性もあります。
ただしネットで得られる無料の情報は玉石混交だけに、節約術について効率的に学ぶには向いていません。その点で資格講座は高いお金がかかるだけのことはあって、限られた時間でも節約に関する知識を体系的に学べるよう工夫されています。
もっと安い費用で節約術を効率的に学べる方法も、ないことはありません。1,000円から数千円程度の安価なコストで学ぶ方法は以下の通りです。
- 書籍で学ぶ
- スキルマーケットで学ぶ
書籍で学ぶ
書店の実用書やビジネス書のコーナーには、節約術について解説された本が数多く売られています。本を読んで得られる知識にも限界があると思うかもしれませんが、ネットで入手できる無料の情報よりは信頼度が高いはずです。
大手出版社で発売する本は編集者のチェックが入るのが普通ですので、いい加減な内容では出版できません。その気になればうその情報でも発信できてしまうブログやSNSなどと比べて、正規の流通ルートで出版された本は当たり外れが比較的小さいと言えます。
その代わりに、紙の書籍は無料というわけにいきません。単行本だと1冊1,500円前後、新書でも1,000円前後の購入費用は必要です。この程度の出費なら、何万円もかかる資格講座よりは安上がりだという人も少なくないはずです。
紙の書籍と違って出版のハードルが低い電子書籍の中にも、節約術について書かれた良書は少なくありません。電子書籍は誰でも簡単にセルフ出版ができる媒体ですので、情報の質の見極めは欠かせません。情報の信頼性を重視するなら、出版元が大手出版社で紙の本と並行発売されている電子書籍を選ぶといいでしょう。
月額980円で読み放題となるKindle Unlimited対象書籍の中にも、丸山晴美さんなど節約アドバイザーの著作が数多く含まれています。こうした電子書籍の読み放題サービスを利用するのが、節約術について学ぶのに最もコスパの高い方法です。
スキルマーケットで学ぶ
節約術も家事のスキルや仕事のスキルと同じように、人から人へと教えられるスキルの一種です。書籍で学ぶ方法は節約スキルを本の形にまとめ、紙媒体なり電子媒体なりで読めるようにした伝授方法でした。本を読むのが苦手な人には不向きな方法だけに、人を選ぶ独学の手段とも言えます。
今はココナラやストアカなど、個人対個人でスキルを売り買いするネット上のフリーマーケットがあります。スキルマーケットと呼ばれるこのサービスを利用すれば、本を読むのが苦手な人でも節約術を効率的に学ぶことが可能です。
中でもストアカは講座やセミナーのスタイルに特化したスキルマーケットとして、累計で100万人以上の人に利用されてきました。以前は対面方式の講座に限定されていましたが、コロナ禍をきっかけにオンラインでの講座受講も可能になっています。
節約に関するストアカの講座は、対面・オンラインともに300件以上が登録されている状況です。1回あたりの受講料は講師によって異なりますが、1,000円程度から参加できる安価な例も少なくありません。
一方のココナラは、オンラインや電話相談など非対面方式に限定したスキルマーケットです。こちらは利用ユーザー数が桁違いに多いだけに、節約に関するサービス出品も2,000件近くに達します。ココナラでも1,000円で節約術が学べるサービスは数多く出品されていますので、節約スキルを身につける方法としてはお手軽な手段の1つです。
まとめ
節約術に関する情報はニュースサイトや個人ブログでも多く発信されているだけに、誰でも簡単に実践できるように思いがちです。そのわりには、電気代や固定費・食費の節約で失敗する例が後を絶ちません。無料で得られる情報には質の部分でばらつきがありますので、節約アドバイザーを目指す上では情報の取捨選択が重要になってきます。
民間団体が実施している有料の資格講座なら、節約術に関するスキルを効率的に学べるのも事実です。その対価として数万円の費用がかかる点を考えると、短期的な費用対効果という点では微妙かもしれません。
書籍やスキルマーケットを利用する方法なら、1,000円から数千円程度の安価な出費で節約術を学べます。電子書籍のKindle Unlimitedなら、先輩アドバイザーの書いた節約術の本が月額980円で読み放題です。学んだ知識を自分なりに実践しながら節約の経験を積み重ねていけば、アドバイザーになる道も見えてきます。