子育てしながら収入を得ようとして在宅ワークを始めたはいいけれど、なかなか両立できなくて仕事が辛い…
そんな悩みをお持ちでないでしょうか?
在宅ワークと子育てを両立させるには、仕事の選び方を含めていくつかのコツがあります。筆者も在宅ワークの仕事をしながら、子どもの面倒を見ていた時期がありました。仕事と育児の板ばさみになる辛さはよくわかります。その後いろいろな副業や在宅の仕事について研究を重ね、子育てと両立しやすい仕事の種類がわかってきました。
そこで今回は子育て中の在宅ワークが辛い理由を明らかにするとともに、両立させるためのコツも紹介します。この記事を読めば子育てしながらの在宅ワークで、辛い思いをせずに収入を増やせるようになります。
子育て中の在宅ワークが辛いのは当たり前?
世間一般で言う在宅ワークは、「子育て中の主婦でも自宅で収入が得られる仕事」というふうに紹介されています。それが本当なら夢のような仕事ですが、現実はなかなか厳しいのが実情です。
ここ10年ほどの間に、自宅で仕事をしてお金を稼げる手段が大幅に増えたのは間違いありません。企業の間でもコロナ禍をきっかけとして、在宅勤務に踏み切る例が増えてきました。インターネット回線が整備された環境でパソコンを使用すれば、出社しなくても自宅で仕事ができる時代です。
とは言え在宅ワークも会社でするのと同じように、「仕事」には変わりありません。企業に雇用される場合でも、フリーランスの立場で仕事を請け負う場合でも、自分の時間を切り売りして給料なり報酬なりを受け取ることになります。
一方の子育ても手を抜かずにきちんと取り組もうと思えば、仕事をするのと変わらないくらいの時間と労力が必要です。「在宅ワークの仕事なら子育て中の主婦でもできる!」などというのは、実際に両方を経験していない人が想像で言っていることではないでしょうか?
少なくとも人並み以上の工夫をしない限りは、どちらも片手間でこなしていくのは困難です。辛い状態から抜け出すためにも、子育てしながらの在宅ワークが大変な理由について明確にしておく必要があります。
子育てしながらの在宅ワークが辛い理由
子育てで手を抜かずにきちんと取り組もうとすれば、保育士や学校の先生と変わらないくらいの覚悟をもって我が子と向き合う必要があります。「他人の子どもを預かる仕事はわけが違う」と言われるかもしれませんが、自分の子どもであっても親には大きな責任が課せられているからです。
特に子どもがまだ小さいうちはひとりで何もできない状態ですので、小さければ小さいほど世話に追われがちになります。「育児ノイローゼ」という言葉が存在するほどに、子育ては親にとって大変な「仕事」です。自分の時間はほとんど持てない中で、在宅ワークの仕事を同時にこなすのが難しいのは当然とも言えます。
この他にも子育てをしながらの在宅ワークが辛い理由として、多くの人が挙げている要因は以下の通りです。
- 子どもに仕事の邪魔をされる
- 周囲の理解が得られず孤立しがちになる
- 納期に間に合わせようとして睡眠時間が削られる
- 労力のわりに報酬が安すぎる
子どもがある程度大きくなると、子育ての合間に仕事をする時間も取りやすくなってきます。子どもの世話に追われまくっていた状態から解放されても、子育て中には仕事の妨げになる事柄が絶えません。在宅ワークの仕事と両立させようと思えば思うほど、ストレスは溜まっていく一方です。
仕事を依頼する側は、必ずしもこうした家庭の事情を考慮してくれるとは限りません。在宅ワークと言えども仕事には違いありませんので、依頼主に合わせる必要があります。子育てと両立させようとすればするほど、辛い思いをする場面も増えてくるというわけです。
辛くならないようにするにはどちらか片方で妥協するか、両方を高いレベルで実現できる仕組みを自分で考えるしかありません。子育てを犠牲にするのはどうかと思いますので、在宅ワークの仕事でどこまで妥協できるかがポイントです。
在宅ワークと子育てを両立させるコツ
子育てをしながら在宅ワークの仕事をするのが辛い原因さえわかっていれば、対策のしようもあります。両方を完ぺきにこなそうと思えば思うほど、辛くなる一方です。辛い原因の半分は、「気の持ちよう」で変えられる部分とも言えます。
超人的な能力の持ち主でもなければ、子育てで手を抜かずに在宅で簡単に高収入を稼げるものではありません。たいていの人はそこまでの能力に恵まれていませんが、ちょっとした工夫をすることでだいぶ楽になってきます。
辛い状態から脱するために、在宅ワークと子育てを両立させるコツは以下の通りです。
- スキマ時間にできる仕事を選ぶ
- 納期がゆるい仕事を選ぶ
- 高収入を期待しない
- スキルアップにつながる仕事を選ぶ
- 他人とコミュニケーションできる仕事を選ぶ
- 得意分野で稼ぐ
- 子育てをネタにして稼ぐ
それぞれ詳しく解説していきます。
スキマ時間にできる仕事を選ぶ
子育て中の在宅ワークが辛く感じるのは、仕事をするのに十分な時間を取れないのが一因です。育児に追われている中では、まとまった作業時間が取りづらいのも当然と言えます。子どもが昼寝をしている間や、ひとりでおとなしくテレビを見たり遊んだりしている隙に、少しでも仕事を進めようとするのが普通のやり方です。
日中に時間が取れないまま夜になってしまい、子どもが寝た後で自分の睡眠時間を削って仕事をしている人も少なくありません。在宅の仕事に費やせる時間を十分に把握していなかったために、そうやって無理をしてしまうわけです。
日中にこま切れのスキマ時間しか取れないと最初から諦めていれば、無理のない範囲でできる仕事を選べるようになります。もちろん子育て中はいつ何事が起きるかわかりませんので、そうは予定通りにいきません。子どもが急に熱を出したりした場合には、スキマ時間さえ取れない事態も考えられます。そうなった場合でも「ちょっとした空き時間にできる仕事(お小遣い稼ぎの手段)」を日頃から用意しておけば、チリツモ方式で少しでも収入が増やせるようになるはずです。
ポイ活のようなお小遣い稼ぎの手段は在宅ワークのうちに入らないかもしれませんが、上手に活用すれば家計節約の足しにはなります。月間トータルで見れば、在宅ワークの仕事を1件や2件多く受注したのと同等の効果が得られるでしょう。
納期がゆるい仕事を選ぶ
子育て中の在宅ワークが辛いのは、仕事をするのに十分な時間が取れないことが1つの理由でした。時間が取れないことが辛く感じるのには、以下のような2つの理由があります。
- 仕事の時間が取れないために、収入が減ってしまうから
- 納期に間に合わせようとして、無理をしてしまうから
収入が減ってしまうという問題については後述するとして、まずは納期に対する考え方から対処していきましょう。在宅ワークの仕事にはたいてい依頼主がいて、「何日までに納品をお願いします」というように納期を指定してくるのが一般的です。
納期が存在するのは在宅の仕事に限りませんが、子育てや家事に追われがちな主婦にとっては負担が大きくなってきます。納期が迫る中で子どもの体調が悪くなったりすれば、指定の日時に納品が間に合わない事態に陥りかねません。無理に間に合わせようと徹夜したりするのは、まるで「一人ブラック企業」のような状態です。
在宅ワークの仕事をしている人の多くは、業務委託契約を結んで仕事を受注しています。雇用契約を結んで働くのと違って、法律で保護された労働者にはなりません。フリーランスの立場で在宅ワークの仕事をする場合、自分の身は自分で守る必要があります。
子育て中で十分な仕事時間が取れないと自分でわかっていれば、納期が厳しそうな仕事を避けるようにすることも可能です。少しぐらい報酬が安くても、納期がゆるい仕事を選んだ方が気持ち的にも楽になります。クラウドソーシングのサイトで在宅の仕事を探す際には、報酬の金額より納期の条件を重視してみるといいでしょう。
高収入を期待しない
子育て中でも敢えて在宅ワークで働こうとする人は、「少しでも家計の足しになれば…」という思いでいるはずです。だからと言って稼ぐことを最優先させて仕事を選んだ場合には、子育てとの両立が難しくなってくると予想されます。ある程度の高収入が期待できるような在宅の仕事は難易度が高かったり、納期が厳しかったりするからです。
そういう仕事でも育児の片手間に余裕でこなせるほど高い能力の持ち主であれば、両立を目指してみてもいいでしょう。そこまでの能力に自信がない人は、在宅ワークで高収入を期待しないのが無難な考え方です。
誰でもできるような簡単作業で納期もそれほど厳しくない在宅の仕事となれば、報酬はどうしても安くなってきます。稼ぐという観点で見れば不利な仕事ですが、子育てとの両立が可能な点では利用価値もあるはずです。
家にいてお金を稼ぐ方法は本当に安全?10種類の在宅副業を検証で紹介している在宅ワークの中にも、負担が軽い仕事が含まれます。その中から自分に合った仕事を選び、子育てとうまく両立できるかどうか試して見るといいでしょう。
スキルアップにつながる仕事を選ぶ
同じ在宅ワークでも高収入を稼げる仕事があれば、お小遣い稼ぎ程度の金額しか稼げない仕事もあります。稼ぐ金額が少ないと、割に合わないと感じてしまうかもしれません。
在宅で仕事をする目的が「お金を稼ぐため」だけであれば、子育てと両立させるのが難しいために辛い思いをしてしまうのも当然です。稼げる金額が少ない仕事でもお金を稼ぐ以外のメリットが得られれば、やるだけの価値は十分にあります。自分自身のスキルアップにつながって、将来のキャリア形成や起業にも役立つような仕事はその1つです。
語学のスキルでもプログラミングのスキルでも、はたまた文章力やタイピングのスキルでも、在宅の仕事で磨きをかけられるスキルはいろいろと挙げられます。将来の仕事で役立つスキルを在宅ワークで身につけておけば、子どもが成長して手がかからなくなったときの再就職もしやすいはずです。同じ志を持つ仲間とともに会社を立ち上げたり、個人事業主として起業したりする道も開けてきます。
各分野で活躍している主婦の多くは、子育て期間中を有効活用しながら何らかのスキルを磨いてきた人たちです。仕事の能力を身につけるのが在宅ワークの主な目的と考えれば、稼ぐ金額が少なくてもモチベーションを維持できます。
他人とコミュニケーションできる仕事を選ぶ
子育て中の在宅ワークが辛い理由の1つとして、周囲の理解が得られず孤立してしまうという点を挙げている人も少なくありません。家で子どもとばかり向き合う生活を続けていると、社会から取り残されたように感じてしまいがちです。子育てや在宅の仕事で問題が発生しても、近くに相談できる人がいなければ自分で解決していくしかありません。
これが出社してする仕事であれば、相談できる上司や同僚が職場にいます。在宅で仕事をしている子育て中の主婦は、1人1人が孤立したまま育児や仕事の悩みを抱えている状況です。
少なくとも在宅ワークに関する困り事や悩みに関しては、仕事の選び方しだいで解決できる可能性があります。相手とコミュニケーションを取りながら進める仕事であれば、在宅ワークで問題が発生した場合に解決方法を教えてもらえるからです。
さまざまな在宅ワークを集約したクラウドソーシングの各サイトにも、クライアント(仕事の依頼主)ときめ細かくコミュニケーションしながら進める案件は少なくありません。子育て中ということで理解を示してくれる依頼主であれば、納期にも柔軟に対応してくれる可能性があります。
オンライン英会話スクールの講師や在宅コールセンターのオペレーターなど、仕事自体に他人とのコミュニケーションを伴う在宅ワークも社会とのつながりを感じやすいものです。在宅ワークの範囲を電話占い師やライブ配信サイトのライバーにまで拡大すれば、自宅で他人とコミュニケーションを取りながら収入が得られる手段はどんどん増えていきます。
子育てに関する悩みを誰かに相談したい場合は、GoogleやYahoo!で「子育て(育児) 相談窓口」と検索してみるといいでしょう。SNSでも同じ悩みを持つ人同士でコミュニティが成り立っていますので、上手に活用すれば孤立感の解消につながります。
得意分野で稼ぐ
10年前や20年前と比べると、今はインターネットを使って収入を得る手段が格段に増えてきています。稼ぐのに高度なスキルや専門知識が必要な仕事も少なくありませんが、誰にでも何か1つは人より得意な事柄があるはずです。
これまでは仕事にしていなかったような特技や趣味の活動でも、今の時代なら収入に結びつけられる可能性があります。学生時代に漫画やイラストを描くのが得意だったという人は、ココナラのようなスキルマーケットを利用してサービスを出品してみてはいかがでしょうか?
やりたくもない仕事を嫌々するケースが多いというのも、子育て中の在宅ワークが辛い理由の1つです。自分の好きなことを仕事にしてしまえば、童心に返って作業に打ち込めるようになります。
少なくとも得意分野の中から仕事を探した方が、自分の持てる能力も遺憾なく発揮できるはずです。あまり得意でない分野の仕事をする場合と比べ、同じ時間働いても高収入を稼ぎやすくなります。
ココナラやSKIMA(スキマ)・ストアカ・タイムチケットといったスキルマーケットでは、意外な特技の数々がサービスとして出品されている状況です。可能性は無限大ですので、興味がある人は各サイトを一度のぞいてみるといいでしょう。
子育てをネタにして稼ぐ
子育て中に在宅ワークの仕事をしていて辛く感じるのは、仕事自体が育児と関係ないというのも理由の1つです。すぐ横で子どもが泣きぐずっているときに、顧客データを見ながらパソコンでデータ入力の仕事をするのはやはり無理があります。
在宅ワークとして募集されている仕事は、子育てと直接の関連がない案件がほとんどです。頭の回転が速くてマルチタスクが得意な人ならともかく、たいていの人は何か1つのことに集中することで能力を発揮します。子育てと仕事の両方に能力や注意が分散されてしまっては、思わぬミスにもつながりかねません。
むしろ子育てをネタにして稼げるようになれば、育児と無関係の仕事で頭を悩ませることもなくなるはずです。クラウドワークスやランサーズといったクラウドソーシングの各サイトには、子育てや教育に関連した記事作成の仕事も募集されています。前述のスキルマーケットを利用して、子育てに関する悩み相談や愚痴聞きのサービスを自分で出品してみるのも1つの手です。
月額500円から1,000円程度のサーバー代を払っても構わなければ、子育てに関する情報をブログで発信して広告収入を稼ぐという手もあります。育児や教育のジャンルは高単価の広告が多い用意されていますので、ブログやYouTubeの動画投稿でも比較的稼ぎやすいジャンルです。いずれも稼げるようになるまで時間がかかるというデメリットはありますが、子育てをネタにして稼ぐには有力な手段の1つと言えます。
子どもの写真はストックフォトと呼ばれる写真販売サイトでも需要がありますので、我が子の決定的瞬間を撮影した写真も立派な商品です。子どもをテーマにした写真撮影で、必ずしも顔出しをする必要はありません。手元だけの写真やシルエットの写真なども広告やパンフレットなどで使い道がありますので、工夫しだいではお小遣い稼ぎの手段になり得ます。
子どもの存在は在宅ワークの妨げになると思いがちですが、子どもを持たない人から見ればむしろ羨ましい立場です。子育てに関する記事でも子どもの写真でも、子どもがいない人はなかなか提供できません。企業がお金を出すだけの「価値あるコンテンツ」と見なされているために、子育て中の主婦は圧倒的に有利な立場にあるわけです。
まとめ
最後の方で紹介した稼ぎ方になると、「依頼主から仕事をもらって働く」という意味での在宅ワークから少々外れてくるかもしれません。子育て中の主婦が在宅で収入を得る手段は、それだけ多様化してきている状況です。
どこまでも「人から仕事をもらう」という形にこだわっていると、仕事が辛い状態から抜け出すのが難しくなってきます。稼げないリスクも承知の上で「自分で仕事を作る」というスタンスを確立させれば、時間にも融通がききやすくなるはずです。自分自身が仕事の依頼主になれば、納期も何もすべて自分で決められます。
最初は稼げる金額が少なくても、納期のゆるい仕事や得意分野の仕事を選ぶのがおすすめです。子育てとの両立に自信がついたところで、「自分で仕事を作る」というスタイルも試してみるといいでしょう。
子育て中の在宅ワークが辛いのは、「人からもらう仕事で自分の思い通りにならない」というのが一番の理由です。自分で仕事を100%コントロールするのが理想ですが、それでまとまった金額を稼げるようになるには時間がかかります。自分で仕事を作り出して稼ぐ能力を身につけておけば、子育てが一段落した後の人生で役に立つときが来るはずです。